英語でさるく 那須省一のブログ
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大リーグ打ち止め!
- 2025-11-02 (Sun)
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 ワールドシリーズ。ドジャースが見事に逆転勝利でブルージェイズとの対戦成績を4勝3敗として優勝を飾った。昨年に続く優勝であり、ドジャースとしては初の連覇を達成した。
 圧巻だったのは九回一死から救援に立ったエースの山本由伸投手。前日のゲームでは先発し6回を投げ切り、強打のブルージェイズ打線を1点に抑え、このシリーズを3勝3敗のタイに持ち込んだ立役者。この日もマウンドに立った山本投手を大リーグのレジェンドたちは信じられない犠牲の精神の持ち主と最大限の賛辞を惜しまなかった。ある意味、大谷翔平君より高評価かもしれない。
 とにかく救援に回った山本投手は再三のピンチに立ちながらも、ブルージェイズ打線を最後には力で封じた。これでワールドシリーズ3勝目。シリーズのMVPに選出された。文句なしの受賞だろう。
 私はこの日も朝からずっとテレビ観戦。とはいえ、非常勤講師の仕事もあるので、そっちの準備もしながら、横目でテレビを見ていた。正直に書くと、先発の翔平君が三回裏に一死からスリーランホームランを浴びた時には、ああ、負けたなと思った。でも彼らはここまで頑張ってきたのだから、十分だろう、よくやったと思い、それほど悔しさは感じなかった。潔く諦めようとしたのだろう。
 だが、ドジャースはここから驚異的な粘りを発揮する。ホームランや犠牲フライなどで1点ずつ返していき、4対3でリードされた9回表には、私が「最弱打者」と蔑んでいた9番打者の二塁手が奇跡的なホームランを左翼に放ち、同点に追いついた。
 これで延長戦に突入したが、ドジャースは先攻だから、後攻のブルージェイズが依然、優位だろう、熱狂的な観客の後押しもあるしと、私は悲観的見ていた。事実、ブルージェイズの猛攻にドジャースは首の皮一枚で残すという感じだった。このまま行けば、ドジャースが結局はさよなら負けを喫するのだろう。
 とここまで書いて、また戦評を書いているではないか、こんなもの、ブログではないと反省せざるを得ないが、本日は致し方ない。NHKテレビだって先ほど夜7時のニュースのトップでこのゲームのことを報じていたではないか。これは11月2日の日本でも大ニュースなのだと自分を説得した。いや、もうやめよう。疲れた。
 本日、テレビを(英語の副音声で)聴いていて、耳に残ったのは、試合終了後つまり優勝を喜び合うお決まりのシャンパンファイトに際し、ロバーツ監督がヒーローの山本投手の名前とともに「ゴウト(GOAT)」と絶叫していたことだった。なるほど、そういう風に叫ぶのかと思った次第。”Greatest Of All Time”(史上最高の選手)と称えていたのだ。これ以上の誉め言葉はないのではないかと思えてくる。
 山本投手や翔平君らの活躍もあり、大リーグでの日本人選手の評価は高まる一途だろう。今オフにはプロ野球の数名のスター選手たちが大リーグに新天地を求めるとの報道が聞こえている。日本では望めるべくもない高年俸に名声と人気。プロ野球の「地盤沈下」は一層進むのではないかと思えてくる。私はクライマックスシリーズなど無意味としか思えないことをやっているプロ野球はとっくに見限っているから、どうでもいいのだが・・・。
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AIが破壊する地球?
- 2025-11-01 (Sat)
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 本日(土曜日朝)久しぶりにテレビを見ていて手を叩いた。ワールドシリーズ第6戦。負ければ敗退となる対ブルージェイズ戦でドジャースが3回表、相手好投手から3点をもぎ取った。貴重なタイムリーヒットを放ったのは不調にあえいでいた中心選手の一人、ムーキー・ベッツ。2人のランナーが生還する場面で思わず拍手していた。まだ3回表ながら3対0。ドジャースの先発はエースの山本由伸投手。これなら何とか勝利し、明日の第7戦にまで持ち込めるかも!
                 ◇
 新聞を読んでいてAI(人工知能)という表現に出合わない日はない。日常生活にすっかり溶け込んでしまった。AIなかりせば生活が成り立たないような感じだ。AIがやがて人間に取って代わる時代がやって来るのだろうかと思ってしまう。そんな折、ネット購読している米誌ニューヨーカーのニュースレターに興味深い記事があった。
 “Are we helping to destroy the planet every time we ask ChatGPT a question?” という見出しが付いていた。私もChatGPTはよく利用している。ひょっとしたら毎日使っているかもしれない。学校で英語の講師をしているので生徒に正確な英語表現を教えたい。迷った時はChatGPTに尋ねている。ChatGPTに出合うまでは関西に住む英語ネイティブ話者の友人(大学講師)にメールで尋ねていた。このところ、彼に問い合わせることは皆無に近くなっている。
 この記事で知ったこと。多くの人には既知情報なのだろう、きっと。AIは凄く電気、というか電力を食うものらしい。一つのデータセンターだけでフィラデルフィア(米ペンシルベニア州の大都市)が使用している電力が必要だとか。これからさらにデータセンターが増えていけば、電力事情がますます逼迫していくのは素人にも分かる。データセンターは言わばAIの工場であり、データ(data)が搬入されてintelligence(知能、情報)が生産されていく。そのためには膨大な電力が必要なのだという。
 記事の中で記者がAIに精通している専門家に尋ねる。”Are we going to completely destroy the planet with A.I.?(人類はAIで地球を完全に破壊することになるのですか)。これに対する返答は “Yes.” だった。
 記事は末尾でAIが人間に取って代わる世界についても触れている。最終的には人間がこれまで手がけてきている仕事の大半は廃れてしまうとか。次のような文章がある。“I think that in the future, all forms of labor will at least conceptually done by a computer. “ ロボットの進化やAIのさらなる発展が加われば、人間の仕事(labor)はすべてAIが主導することになるとか。重労働がなくなるのはいいことだろうが、うーん、私の頭脳ではよく分からない・・。
                 ◇
 さて冒頭の文章の続き。この項をパソコンで打ち(書き)ながら、NHKテレビの大リーグ生中継を見ていた。山本由伸投手が期待通りの力投を見せてくれた。6回投げて1失点。7回まで投げて欲しかったが、1失点だから十分だろう。8回9回(途中)を任されたのは佐々木朗希投手。リードはわずか2点。大変なプレッシャーだったろう。危なかったが、とにもかくにもドジャースが勝った。嬉しい! 明日の最終戦につないだ!
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少しく虚脱状態
- 2025-10-30 (Thu)
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 何だか急に肌寒くなったようだ。秋があっという間に終わり、初冬を迎えたような。思わず、次のような落語風のやり取りが頭に浮かぶ。――貧乏長屋に暮らす八五郎と大家さんの会話だ。
 八五郎「大家さん、最近の気候はおもしれーもんですな」 
 大家「なんだい、藪から棒に。最近の気候がおもしれーなんて。ちっともおもしろくねぇだろ。猛暑が過ぎたと一息ついていたら、急に寒くなっちまったじゃないか。俺はもっと秋を楽しみたかったよ!」
 八五郎「俺も同じ思いですよ。長屋のみんなもそう思ってますよ。最近の気候は秋(飽き)ない。だからおもしれーと」
 大家「なんだ、それ、駄洒落かい。おもしろくもなんともねぇぜ!」
                  ◇
 ズームで毎月2回行っている英語短編小説を読む教室。来月からまた米作家、オー・ヘンリーにちなんだ賞を受賞した作品を読む。2025年のヘンリー賞を受けたのは20作品。ネットで注文した本を手に少しずつ読み進めているが、正直に書くと、今のところ、今年の作品は今ひとつぴんとこない印象だ。これから出合うのかもしれないが、果たして・・。
                  ◇
 こりもせず、大リーグのことをまた一つ。ワールドシリーズたけなわで肝心の熱戦を生で見ることができない、私にとって悲痛な日々が続いている。さすがに仕事(授業)中に経過をスマホでフォローすることなどできっこない。実際、仕事中にはドジャースや大谷翔平君のことなどすっかり忘れている。仕事が終わって職員室に戻り、いつも職場に持参しているパソコンを立ち上げて初めて途中経過を知る。日本時間火曜日のゲームは凄まじいものだったようだ。延長18回。延々6時間を越す長丁場の展開。幸い応援しているドジャースがブルージェイズに6対5で劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
 私は帰宅後、パソコン画面のYouTubeで試合の主なプレーを追った。印象的だったのは翔平君の信じ難い活躍。4打数2ホームラン、2長打。4敬遠を含む5四球。出塁率10割。9回打席に立ち、9回とも1塁を踏んでいる。ワールドシリーズでのこれまでの記録は6回が最高で7回以上、出塁したことはないのだとか。翔平君は9回も出塁しているのだ!
 彼がこの試合で7回だかに2本目のホームランを放ち、5対5の同点に追いついた場面のビデオを何度も見た。翔平君がかっ飛ばしたボールがスタンドインした直後、現地の中継アナが絶叫していた。我々が目撃しているオータニの打棒は皆さん “Once in forever” のものですよと。“Once in a lifetime” という表現は知っていたが、“Once in forever” は耳にしたことがなかった。forever は「永久に」「いつまでも」という副詞だから意味合いは容易に想像はつく。「こういう事例(経験)は未来永劫、もう二度とありませんよ、皆さん」と実況アナは訴えたかったのだろう。無論異論はない。ワールドシリーズがどういう結末に至るか分からないが、この日のゲームは長く語り継がれる歴史的なものになるだろう。
 残念ながら、ドジャースは水曜木曜のゲームを落とし、瀬戸際に追い込まれた。私は少しく虚脱状態。ドジャースは移動日をはさみ再びトロントへ。エース山本由伸投手のうなるような力投に期待しよう!土曜日だから自宅で心置きなく応援できるのが嬉しい!
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Not enough adjectives, superlatives!
- 2025-10-26 (Sun)
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 前回に続いて米大リーグの話題。平日(特に午前中)仕事を抱えていると大リーグの生中継に付き合うことはできない。週末は別。それで今週末は心置きなくテレビの生中継、それも最高峰の戦い、ワールドシリーズを楽しむことができた。もっとも土曜は応援していたドジャースが対戦相手のブルージェイズに大敗したため、途中から観戦するのを放棄した。そのため、大谷翔平君のワールドシリーズ初ホームランを見逃してしまった。
 明けて日曜。この日は今やドジャースのエースと言える山本由伸投手が投げる日。仮に山本投手でブルージェイズに連敗すると、ワールドシリーズ連覇に暗雲が漂うことになるのは不可避。何が何でも勝たねばならない。期待半分、不安半分で午前9時のプレーボールを待った。ドジャースはビジターだから先攻。大谷翔平君が初打席から重苦しい空気を振り払う快打を披露してくれることを願った。だが、印象にも残らないような平凡なレフトフライ。それでも二死から中軸が連打して先取点を奪取。
 これは何とかいけるかと思ったのもつかの間、その裏、頼りの山本投手が初戦を猛打で圧勝した勢いに乗るブルージェイズ打線にいきなり連打を浴び、無死1,3塁の大ピンチ。同点、場合によっては逆転を覚悟したが、並みの投手でないのが山本投手。中軸をしっかり抑えて無失点で切り抜けた。3回には犠牲フライで同点に追いつかれたものの、その後は圧巻の投球を見せ、味方打線の追加点を呼び、何と9回を完投して勝利投手となった。大リーグのレジェンドの解説陣からは今の時代にワールドシリーズで完投するのは希有なこと、山本投手の非凡さを見せつける好投だったと称賛の声が相次いでいた。
 とここまで書いてきて、なんだか、野球の観戦評を書いているような気分に・・。ふと新聞記者になった駆け出しの頃を思い出した。八王子支局に配属されて二年目か三年目の頃で、甲子園の地区予選が始まると若手の記者は各球場に張り付いて取材、県版に短い選評を書くのが仕事だった。私はこの選評を書くのが好きだった。試合の流れを要領よくまとめ、できうる限り、勝ち負けの決め手となったプレーを活写したいと願い、バックネット裏から観戦していた。試合の写真も撮った。私は写真撮影の腕が劣ったのか、自分の撮った写真が翌日の県版の紙面を飾った記憶は皆無に近い。しかし、選評はデスクの手が入ることもあまりなく、日々、県版の片隅に掲載されていた。
 ワールドシリーズの舞台はトロントからロサンゼルスに移る。ドジャースは地元ファンの熱狂的声援を受けるだろう。大谷翔平君も第4戦での先発が予想される。平日の午前中の試合だから私はしばし生観戦はできない。第6、7戦にまでもつれてくれれば週末、また自宅でテレビ生観戦が可能となる。そうなって欲しいと思う反面、ロスで一気に3連勝すれば、再びワールドチャンピオンとなる。そうなれば山本投手が再びマウンドに上がることはなくなるが、その分ハラハラドキドキからは解放されるだろう。
 大リーグのホームページには山本投手の力投を称える自軍の主力選手、フレディ・フリーマン内野手の次の談話がアップされていた。"It’s amazing. There’s not enough adjectives, superlatives, anything you wanna say." (驚嘆すべき。もはや彼を形容したくなるような形容詞や最上級の類はない)。ドジャースいや大リーグのスーパースターは翔平君だけではないようだ。
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書いておかないわけには・・
- 2025-10-19 (Sun)
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 大リーグ、ナショナルリーグのチャンピオンを決める優勝決定シリーズ7連戦はドジャースが一気に4連勝して連覇を果たした。最優秀選手(MVP)には4戦目に先発し、7回途中まで無失点10奪三振を奪う好投、打っては先頭打者本塁打を含め3本のホームランを放つ離れ業を見せつけた大谷翔平君が選ばれた。規格外の翔平君の活躍を言葉で形容することは段々難しくなっている。最大の魅力はあの快音とともに外野スタンドの奥深く飛び込む「胸の空くようなホームラン」であることに変わりはないが。
 試合後にパソコンで YouTubeをのぞくと、大リーグ関係者の大谷称賛の声が目白押しだ。これまでは投げる方でも活躍した伝説的大打者のベーブ・ルースの再来かといった声が多かったが、もはや、過去の偉人と比較することすらあまり意味のない次元で前人未踏の偉業を我々に見せつつある印象だ。こちらまで誇らしい気持ちになる。ナリーグ優勝を決めた7戦目は長く語り継がれる伝説の一戦となるのかもしれない。ワールドシリーズで「上書き」されない限り。「上書き」して欲しいが・・・。
 大谷選手がプロ野球で活躍していた頃はパリーグの球団に属していたこともあって声援を送っていた記憶はない。むしろ無関心に近かったかもしれない。だが、大リーグに移ってからは熱烈なファンになった。ここ何年かはパソコンやスマホを使い、彼のプレー、一挙手一投足を熱心にフォローしている。時差の関係で大半の試合を生中継で追うことはできないが、仕事の合間にチェックしている。
 アメリカンリーグの覇者と「世界一」を争うワールドシリーズは日本時間では今週の土曜日朝に開幕する。幸い、土日の二日間は心置きなくテレビで観戦することができる。ワールドシリーズが7戦目までもつれると最終7戦目は日本時間11月2日(日)。いやはや大リーグはいつまでプレーオフの戦いを続けるのか! アメリカ国内だけの野球チームの争いをワールドシリーズと呼ぶことの「尊大さ」はここでは言うまい!
                  ◇
 先にAbemaTVで中国語のドラマを見たことを書いた。麻雀番組を探していてまた、同じドラマに遭遇した。私が見た初回らしき回の一つか二つ先のお話のようで何とか筋立てについていけた。ヒロインが凄い美人というわけではないが、個性的な顔立ちに惹かれる。目的は中国語の学習だから、耳をそばだてて登場人物の会話を聴いていた。
 ヒロインがアルバイト先かどこかの会社に雇われ、出勤初日に先輩社員たちに挨拶する場面。日本のドラマだったら彼女は「皆さん、○○と申します。宜しくお願いします」と頭を下げるシーンが頭に浮かぶ。彼女の口をついて出たのは確か「请多关照」(Qǐng duō guānzhào)というものだった。まさしく日本語にそっくり意味合いの挨拶だ。以前に聴いた中国語講座で中国語では「宜しくお願いします」という類の挨拶はしません。ニーハオで十分ですと教わった。もっとも近年では日本語の挨拶を翻訳したような「请多关照」という表現をする人も増えているというような説明を受けていた。私は「Qǐng duō guānzhào」(正確にカタカナ表記はできないが、敢えて表記すると、「チンドゥオグアンジャオ」)を聴き取ることができただけで嬉しかった。この程度のことで喜んでいても始まらないのだが・・・。
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ピーター島田先生のこと
- 2025-10-15 (Wed)
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 先の関西への旅は実に有意義なものとなった。明石でのU先生の庭園そばのマンション内に設けられた書斎での語らいのことは少し書いた。その後、皆と別れて宿探しに四苦八苦したことも書いた。最終的にはカプセルホテルに泊まることができたのだが、実はそこでもここに書きたくないような恥ずかしいことがあった。恥じることはないのだが、やはり恥ずかしい。
 それはまあ、他愛もないことなのだ。カプセルホテルの中はMRIのような狭い個室が縦横に並んでおり、上下2つの小部屋に分かれている。私は上の小部屋を割り当てられた。サウナを堪能した後、自分の部屋に潜り込み、横になろうとした。上の部屋には小さい階段状のものがついており、それを伝って上がり込むようになっていた。簡単に上がれると思っていたら、不摂生で贅肉がつき過ぎた身体を持ち上げることができない。フロントに戻り、下段の部屋に変更してくれと頼んだが、既に満室とか。
 すったもんだの末に、最後は渾身の力を込め、何とか上段の部屋に我が身を持ち上げることができた。足を踏み外しでもしたら、床に転落し、それなりの負傷を負っていたことだろう。紅顔の美少年だった高校生時代には器械体操部に属していた我が身なのに・・・。
                  ◇
 とても嬉しいこともあった。いや、私の2025年はこれが実現しただけでも実りある一年だったと回想できる出来事だった。芦屋市にある「子羊の群れキリスト教会」。私が長年親しんでいるこの教会の牧師さんはピーター島田先生。ピーター先生と久しぶりに面会でき、短い時間だったが、歓談することができたのは、私にとって望外の幸せだった。
 ピーター先生と初めて会ったのは半世紀前、私が20歳の大学生の頃。米ジョージア州に留学し、小さな大学で学んでいた。ピーター先生は当時、フィラデルフィアで在留邦人に布教活動を展開されており、私は先生の自宅に転がり込んで居候させてもらった。先生からしたらいい迷惑だっただろう。幼子二人を抱えた奥様が親切に迎え入れてくださり、二週間ほどお世話になった。ジョージア州からフィラデルフィアはそう近くでない。どうやってたどり着けたのか記憶にない。ディープサウスと呼ばれる南部の州から北部の大都市を訪ねることができる喜びに浸っていたのだろう。
 私はその後、ジョージア州の大学に戻り、ほぼ一年の留学期間を「満了」し、宮崎の母校に戻った。この時の体験が今の自分につながっているのは間違いない。それが良かったのかどうかは自信がない。留学などせずに母校の大学を普通に卒業して教師の道を選択していれば、今とは大きく異なる人生を歩んでいたことだろう。だが、誰しもそうであるように、人生はゲームのようにリセットできない。
 ピーター先生との出会いは私がアメリカに行かなければなかったこと。ピーター先生との出会いがなければ、まがりなりにも毎朝、聖書関連の書を読み、神様に安寧と癒やしを祈る日々を送ってはいないだろう。ピーター先生は私との再会をいたく喜び、私のこれからの人生を祝して頂いた。教会の働き人の方が私たち二人の写真を撮ってくれたが、残念だったのは私のスマホで撮ってもらうことを失念したこと。家宝を逸した心境だ。
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明石での再会!
- 2025-10-12 (Sun)
 - 総合
 
 いやはや参ってしまった。明石で旧交を温める細やかな祝宴の後、夜露を過ごすべくホテルを探した。国内の旅では予約の類はあまりしたことがない。どこかで適当な宿はすぐに見つかるだろうと思っていた。翌日曜日は芦屋市内にある教会に足を運びたいと考えていたため、とりあえずは芦屋駅まで行き、そこでホテルを探そうかと思っていた。
 さて、その芦屋駅。もともと土地勘がないから、行き当たりばったりで探したが、ホテルそのものが見当たらない。何とか行き着いたホテルで空室があるか尋ねたが、ない。そうか、もっと観光客が行き交う駅周辺を探すべきかと思い、再びJRで賑やかな三宮駅まで行く。目に入ったホテルを手当たり次第に尋ねた。5軒ほどあたっただろうか。どこも満室で取り付く島もない。すでに1時間以上は歩き回っている。汗をかき、疲れも感じ始めていた。
 これはホテルは見つからないかもしれない。日曜夕刻に行くことにしていた京都・亀岡の実兄の家に行き、お世話になろうか。いや、もうこれなら、新幹線で急遽福岡に戻ってしまおうか。教会も会うことを約束している人はいないし、兄も分かってくれるだろう。そんなことも考えていた。
 最後に足を運んだホテル。フロントの人に一部屋空いてませんかねと尋ねた。彼はそばの上司らしき女性スタッフと顔を見合わせ、手元のパソコンのキーを打ち始めた。お、「脈ありかな?」と期待が膨らむ。待つことしばし。女性スタッフが数字を書き込んだ紙を見せながら、「あいにく本日は土曜日ですし、今はこの価格でしか、お部屋は提供できません」というようなことを宣った。手元の紙を見やると、オマガ! 50,000とあるではないかいな。とてもじゃないが、ノー産休、いや “No, thank you.”だ。どうも週末、しかも三連休の初日、しかも大阪万博の閉幕が迫っていることもあり、かてて加えて中国の大型連休も重なり、周辺のホテルは軒並み満室状態らしい。分かった、もう諦めた。福岡に戻ろう!
 それで改めて周囲を見回すと、すぐ近くにサウナ・カプセルというネオンサインが目に入った。おお、カプセルホテルという手があったか。まだ若さに満ちあふれていた頃はカプセルホテルは何度か利用した。しかし、閉所恐怖症気味の私はカプセルはどうも苦手で、もう何十年も足が遠のいている。しかし、もうそんなことは言っておられない。フロントを尋ねた。まだ空きがあるという。値段は? カプセルで6,000円! 普段だったら高っ!と思ったことだろうが、頭の中では先ほどの50,000という数字が舞っており、飛びついた。
 サウナですっきりして、二段ベッドの上の個室に何とか身を滑り込ませ、気がついたら寝込んでいた。そして今、ホテルの上階にある食堂で朝食を済ませ、休憩室で無料のコーヒーを頂きながら、この項を打っている。まだ早朝、芦屋の教会に行っても中には入れないだろう。それにしても、神様はちゃんと見守ってくださっておられる、と改めて実感した。
 段取りの悪い私。本来なら、昨日の再会のことを書くべきだったのだろうが、何だかずっと昔のような気がしてきた。食事したのは明石市の魚住地区にある和食店。新鮮な魚が美味かった。食事後には地元のU先生の畑を訪れ、事務所でお茶を頂き、楽しく歓談した。当初の予定では満開のコスモスの美しさを堪能するのが集まりの主目的だったが、猛暑のせいか、そうはならなかった。私たちのお話は満開の「花」が咲いていたが・・・。
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