英語でさるく 那須省一のブログ
I study Chinese every day.
- 2020-02-20 (Thu)
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月曜日夕刻。ソファーに横になって本を読んでいたら、窓を通して、西空が妙に明るく輝き始めたことに気づいた。白く光っている。いよいよこの世の終わりかなと思い、窓に走り、窓を開けて空を見やると、白い光がまぶしい。夕日というか太陽が沈む直前なのだが、これまで私の部屋からは見たこともないほど、白く輝いている。雲を通しているためか、舞台の光線のように瞬きながら光を放っている。デジカメで何枚か撮影したが、肉眼で目撃したものとは全然趣きが異なる。太陽が雲に隠れ、光が消えた後もしばらくは私の肉眼には黄色い「後光」が残っていた。空や雲の状況によってはよくあることなのかもしれないが、ちょっと不思議なひと時だった。
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大リーグのホームページは連日、ヒューストンアストロズによるサイン盗み行為の続報を報じている。英字紙ジャパン・ニュースでもスポーツ欄で関連の記事を見ない日はない。
ロサンゼルスエンジェルスのスター選手で大谷翔平君の同僚、マイク・トラウト選手もアストロズに対する怒り、不信感を語っていた。彼の発言を抜粋して紹介すると “It’s sad for baseball. They cheated. I don’t agree with the punishments, the players not getting anything. It sucks, too. Me going up to the plate knowing what was coming? It would be fun up there. It seems like every day something new is coming out.”(野球にとって悲しいことだ。彼らはインチキをしたのだ。罰則には同意できない。加担した選手たちは何のお咎めも受けていないのだから。最低だ。私だって打席に立つ時、どういう球種の球が来るか分かっていれば、それは嬉しいに決まっている。[この問題では]毎日、何かしら新しい話が浮上している)
私の目にとまったのは、every day という語句だ。小倉の英語教室でこの語句について最近語ったばかりだったからだ。正直に書くと、英語を教えるようになるまで、私はeveryday と every day の差異を意識することがなかった。だから平気で I take a walk almost everyday. と書き、口にしていた。every day と分かち書きにするべきだったのだ。everyday を使えるのは、例えば This is my everyday clothes.(これは私の普段着です)というような場合に限られる。まだまだ勘違いしていることが多いのかもしれない。
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中国語に関しては文字通りの初心者であるから、日々是、初めて学ぶことばかり。ところで「初心者」って中国語で何と言うのだろうと中日辞典をひいてみた。「初学者」(chūxuézhě)と書くようだ。
「我最讨厌乌鸦了!」という文章が出てきた。「わたし、カラスが大嫌いです」。主語を省略すると、「カラスが大嫌いです」となる。中国語の文章ではそのカラスがほぼ一番最後に出てくる。SVOとSOVの言語の大きな違いか。「讨厌」(嫌う)は中国語のドラマで女性の登場人物がよく口にするセリフで、恋人や旦那を軽く罵る時に使っていた。「あなたって人はもう嫌!」という駄目だしだったような印象が残っている。しかし、上記の文章を目にするとやはり面と向かって言われたくはない表現のようだ。
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「水際対策」は「口岸防控」?
- 2020-02-17 (Mon)
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本日の読売新聞朝刊の社会面トップの記事を読んでちょっと驚いた。新型肺炎の予防策などをPRした厚生労働省の特設ウェブサイトの外国語版に誤訳が相次ぎ、訪日外国人が困惑していると報じていた。信じ難いが、例えば「手洗いなどの実施がとても重要です」は英語で “implementation in the restroom” と意味不明の語句となっているとか。厚労省の職員の翻訳だけでは追いつかない場合に2018年7月以来、自動翻訳を導入して対処しているのだが、この自動翻訳システムに原因があるらしい。
自動翻訳の不思議な訳文は誰もが経験しているかと思う。私も最近、ホテルで見かけた案内文の怪しい英訳について書いたばかり。まだまだ人様のチェックが必要なようだ。ただ私が上記の記事でおやっと思ったのは英文翻訳だけでなく、中国語の翻訳に関する以下の記述だ。<水際対策が>が中国語版では<水辺対策>と訳されたり・・・。これだけでは分かりにくい。読者に不親切ではないか。
「水際」は私の中日辞書では「水边」と載っている。「水際対策」の漢字をそのまま繁体字の該当字を使って「水边(水辺)対策」としても中国人には理解できないのかと推察はできる。それでネットで「水際対策」に該当する中国語を検索してみた。どうもぴたっと当てはまるのが見つからなかったが、なんとか、「口岸防控」という語句を見つけた。元々の意味は「港で予防・制御する」という意味合いらしい。
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先月のブログで大リーグのサイン盗み疑惑(sign-stealing scandal)について記した。ヒューストンアストロズに関しては当事者がこの不正行為を認めており、疑惑の2文字はもはや必要ないようだ。もう一つの残るボストンレッドソックスはこれから大リーグ機構の調査結果が出る運び。
英字新聞ジャパン・ニュースを読んでいたら、名のある投手がアストロズのサイン盗みに絡み、アストロズ戦で相手投手がビーンボール(beanball)の類の危険な球をアストロズの打者に投げたとしても、その気持ちはよく理解できると発言していた。2017年のシーズンではアストロズのスタープレーヤー、ホセ・アルトゥーベ選手がMVPを獲得したが、これを疑問視する声も聞こえている。彼がホームランを放つなど華々しい打棒を振るったのはこのサイン盗みのおかげではないか、従ってMVPも本来ならば他の選手が獲得すべきだったという批判の声も他球団の中心選手の間から起きている。アストロズは今シーズン、ロードのゲームでは敵地のファンから凄まじい罵声を浴びる、いばらのロードが待ち構えているかに見える。
その大リーグも間もなくオープン戦(preseason exhibition games)に入る。一ファンとして楽しみは、やはり、ロサンゼルスエンジェルスの大谷選手の活躍だ。今年こそ二刀流のスタープレーヤーとして真価を発揮するのを見たい。今年は日本から新たに山口投手の他、筒香、秋山両選手も大リーグに挑戦する。プロ野球から大リーグに移籍したposition playerと呼ばれる野手(打者)の中で大活躍したのはイチロー選手と松井秀喜選手ぐらいだろう。国内でプレーしていればもっと名を馳せたのではと思う打者は少なくないのだが・・・。
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femicide
- 2020-02-14 (Fri)
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NHKテレビをつけると連日、新型コロナウイルスのニュースが流れている。辛いニュースだ。天気も最近は良くないが、心の中まで陰鬱になる。BBCやCNNでも大きく報じている。「震源地」に近いこちらはあまり読む気にもなれない。
それで素早くCNNをスクロールしていたら、A 25-year-old woman was brutally murdered and skinned in Mexico. Then newspapers published photos of the body というショッキングな見出しの記事が目に入った。中ほどに次の文章があった。“Femicide is an absolutely condemnable crime.” この femicide という語彙は初めて見た。homicide なら「殺人」だがと読み進めていくと、すぐに次の一文があって疑問が氷解した。Femicide… the killing of women on account of their gender… have risen in Mexico in recent years. なるほど。homicide と feminine という語のハイブリッドのようだ。「(主に男による)女性殺人」とでも訳すのだろうか。こうした混成語は英語では portmanteau word (かばん語)と呼ばれているものだ。
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中国語を学ぶようになって漢字の筆順を意識するようになった。日本語で筆順を意識したことは皆無に近い。自分でも漢字の筆順、というか書き順が変だということはずっと以前から自覚していたが、小学生の頃を含めて先生から注意されたことは一度もなかったので、筆順に留意したことはまずない。
しかし、中国語を学ぶようになって、これが変わった。第一に中国語の漢字(中国では簡体字、台湾では繁体字)は日本語の漢字と若干異なるケースが多く、ネットのサイトで確認する機会が増え、その延長線上で筆順を意識するようになった。漢字を構成する小さい点(、)などはどこに「接触」しているかが分かりにくく、視力の衰えた我が身は拡大鏡で確認するのも一苦労。ネットでそうしたことが素早く分かるのは実に有難く感謝している。
最近の例では「到底」という副詞<「dàodǐ」(疑問文で「一体」「結局」という意味>。この「底」の下部の小さい点(、)をどうやって付けるのかが悩ましかった。ネットの筆順を調べるサイトで調べると、すぐに合点がいった。かくいう次第で筆順に気を配るようにはなり、これまでいかに自分が我流の書き順で漢字を書きなぐっていたかを知った。ただし、それはそれ、これはこれで、以前にこのブログで紹介した漢字学の大家の卓見が私の「指標」であることに変わりはない。ここでそれを再掲載しておきたい。
『漢字再入門』(阿辻哲次著・中公新書)という本を読んでいる。幾つかの疑問点が氷解した。著者の阿辻氏は漢字学の第一人者だとか。嬉しかったのはその著者が漢字の「はねる・はねない」といったことや一般的に正しいとされている筆順にあまり拘泥する必要はないと説いていることだ。例えば筆順に関しては次の記述がある。「筆順とはその漢字を書くときにもっとも書きやすく、また見栄えよく書けるようにおのずから決まる順序にすぎないということです。大多数の人は右利きだから、世間で認定される筆順は右利きの者に書きやすいようになっていますが、左利きの人には当然それとことなった筆順があってしかるべきでしょう」。御意、御意。筆順コンプレックスが癒される思いだ。
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“Good riddance.”
- 2020-02-13 (Thu)
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公民館の中国語講座での一こま。受講生の一人が欧州連合(EU)から英国が離脱することが決まった先月下旬の大使級会合に際し、EUが英国に誤って「せいせいした」という決別のメッセージを伝えていたという新聞記事を紹介した。
読売新聞では見なかったが、西日本新聞がロンドン発の時事電で報じた記事だった。EU議長国クロアチアのEU大使が英国のEU大使に「グッド・ラック(成功を祈る)」という意味で、「グッド・リダンス(せいせいした)」と語った。本来ならば甚だ非礼な物言いだが、英EU大使が気分を害することはなかったとか。私は最初、受講生の説明を聞いた時にクロアチア大使の英語の訛りがきつくて、“Good luck.” が “Good riddance.” と聞き間違えられたのかと思った。
そうではなかった。クロアチア大使は “Good riddance.” という表現を相手の幸運を祈る “Good luck.” と同じ意味だと思っていた。ネットでチェックしてみたところ、クロアチア大使が口にした言葉は “Thank you, goodbye, and good riddance.” だった。私が読んだ記事では次のように書かれていた。She assumed “good riddance” was akin to “good luck”, said diplomats present in the room. (クロアチアのEU大使は “good riddance” という表現が “good luck” という意味とほぼ同じだと思っていたと、居合わせた外交官たちは語った)
英EU大使もクロアチアの大使に悪意はなかったことが分かっており、この発言が物議を醸すことはなかったという次第。まあ、思わぬ勘違いは珍しくなく、まして「相手」が外国語とあれば、誰でも一つや二つは失敗はあるだろう。尾籠な話で恐縮だが、私はずいぶん長い間、誰もが持っているあの下腹部の毛を public hair だと思っていた。芸能人が写真集などで「公開」すればpublic となるからだと。やがてそれはとんでもない勘違いで、正しい語彙は pubic hair であることを知った。
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先日、タレントが「おらが県」の自慢を競う民放テレビの番組で北九州のうどん屋さんが紹介されていた。福岡出身のタレントがこのうどん屋さんの味の素晴らしさを激賞していた。私も以前に一度足を運んだことがあるが、そんなに美味いという印象は残っていない。
このうどん屋さんは北九州を中心に福岡県ではよくその名を知られた人気店だ。小倉の英語教室に足を運んだ際に小倉駅近くのお店をのぞいた。ランチの時間は過ぎていたが、広い店内はお客で賑わっていた。番組で推奨されていた「肉&ゴボ天うどん」(700円)を注文した。ごぼてんは衣がすぐに剥がれるような気がした。スープはまずまず。残らず食べたが、正直、また絶対行きたいという気にはならなかった。
郷里の宮崎・西都市に戻ると、よくのぞくうどん屋さんがある。ここのごぼ天うどんは秀逸。おそらく上記のうどん店よりも美味いのではないかと個人的には考えている。郷里に対するえこひいきと思われるかもしれないが、あのうどん屋さんが福岡や小倉で開業していたら、押すな押すなの大盛況となるのではないかと思う。我が西都はそのような活気がないのが残念だが、地元の人々は至福の美味を味わえる幸運には恵まれている。
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「节奏」と「リズム」
- 2020-02-10 (Mon)
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新型コロナウイルスが猛威を振るっている。医療関係者が防護服を着て、多数の患者に対応している中国・湖南省のニュース映像などを見ていると、人類社会の世紀末の近未来を目にしているよう。しかし、このウイルスの致死率が意外に低く、死者は何らかの持病を抱えた患者だと聞くと、「本当にそんなに恐ろしい病原体なの?」という素朴な疑問を禁じ得ない。今朝の読売新聞には専門家の次のような報告例が載っていた。「軽い風邪のような症状が1週間程度続いた後によくなるか、肺炎になっても回復するケースが目立つ」と。あまり過剰な反応はしない方が賢明と思えるが、これは楽観的過ぎる見立て?
私は平熱が凄く低い。コンプレックスを抱くほど低い。だから、風邪をひくのが怖い。普通の人の平熱でも私には高熱となる。高熱になると、寝ていてもうなされる。幸い、この冬はまだ一度も風邪をひいていない。らっきょう酢の野菜のピクルスが役立っているのか、隔日、あるいは数日おきには続けているスロージョギングが効果を発揮しているのか。まあしかし、慢心していると、必ずしっぺ返しを受けるから、油断は禁物だ。
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日本では報道されていないようだが、東アフリカ・ケニアのダニエル・アラップ・モイ元大統領が死去した。私が新聞社のナイロビ支局で働いていた時の大統領だ。残念ながら、近くで取材したことはない。彼は外国人記者の前で共同会見を開くことは皆無だった。東西冷戦の真っ只中だったこともあり、ケニアの治安状況は比較的穏やかで、今のようなイスラム過激派のテロ活動もまだ起きていなかった。ケニア国内のどこを旅しても、「ジャンボ。ハバリガニ?」(こんにちは。ご機嫌いかが?)と人々に声をかければ、「ジャンボ。ムズリサナ」(気分はいいよ)と笑顔で応じてくれた時代だった。
だからといって、モイ政権が善政で国民の支持・人気を集めていたわけではない。実態はその反対だ。モイ政権は長く強権、独裁で知られ、政権に異を唱える政治家・活動家は容赦なく弾圧された。表沙汰になることはあまりなかったが、大統領に疎まれた人々に対しては投獄・拷問、場合によっては殺害も厭わなかったと言われる。ケニアの代表的地元紙をネットで読むと、ウフル・ケニヤッタ大統領は弔辞でモイ氏を “an iconic leader”(アフリカを代表する指導者)と称賛しているが、ケニア国民の中には違和感を抱いた人々は少なくないのではと正直思う。ネルソン・マンデラ氏とは比べるべくもない、対極にいた人物だ。
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中国語で「节奏」という語に出くわした。日本語流に書くと「節奏」だが、意味の類推は難しい。あっさり降参して、辞書を引き「リズム」という語だと知った。声調を含めた発音は「ジエ⤴ゾウ⤵」。韓国語ではリズムは何と言うのだろうと興味を抱き、辞書を引いてみる。「리들」とあった。発音は「リドゥル」。こっちは音を聞けば、何となく納得する。
英語のスペリングは rhythm だから、日本語と韓国語は間違いなく、英語を基に作った語彙であると推察できる。リズムとリドゥル。どちらが英語の音により近い音かは別にして、中国語の語彙は中国語固有の語であり、英語のrhythm の影響は受けていないことが分かる。日中韓のこうした「言語差」を知るだけでも私にはとても興味深い。
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節分、立春、生日
- 2020-02-05 (Wed)
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さあ、もう2月になった。拙文、いや節分、立春と来て、今日5日は私の誕生日。66歳になった。もう立派な老人だ。問題は本人に全然そういう自覚がないことだろうか。体力的にも精神的にも「老いた」という認識がない。私の世代の人は皆そうなのかもしれないが。
ただ、最近よく考えるのは、我と我が身を亡き父親のそれと比べて考えることが増えたことだ。私の父親は宮崎の田舎で平凡な人生を歩んだ。村の小さな郵便局に勤め、定年後は山林や田畑の仕事に勤しんでいた。毎晩の晩酌が欠かせず、酔うとお袋や子供たちにあたっていた。そういうときの親爺は嫌だったが、特段嫌いな父親ではなかった。
父親は私が大学卒業後、教師になることを望んでいたようだったが、新聞記者の道を選んだ私は不肖の息子だったのだろう。まあそんなことはどうでもいいのだが、親爺に勝てないと思うのは、4男3女の子供を育て、田舎でのどかに暮らし続けたことだ。いつぞや、イギリス文学紀行本をものにするため英国を歩き、ジョージ・フォスターゆかりの地を取材した折に、彼の代表作の中に田園地帯で農作業をする人々が最初に「日光の益」を受け、「日光とともに暮らし」ており、彼らこそが「イングランドの希望」だと称賛される一節があった。私は親父を始め、郷里の山里に住む人々を思い浮かべた。私には親父がそして村人が羨ましく思えた。私が知る村人の多くはこの世にはいないが、私は逆立ちしても彼らに勝てない!
◇
東京からかつての同僚が奥方を伴い、福岡を訪れた。福岡の元同僚と一緒に4人でランチを楽しんだ。昔話にあれこれ花を咲かせていて、昨今の暖冬に話題が及んだ。東京から来た同僚が「そういえば、ずいぶん昔、植木等が温暖化進行曲とかいう歌を歌っていましたね」と言った。知らなかった。そういう歌があるのを。しかも行進曲ではなく、進行曲とは!
帰宅後、ネットで調べてみた。あった。植木等がクレージーキャッツとともに歌っていた。1990年の作。例によって「日本一の無責任男」の名にふさわしく、ハチャメチャの歌詞だが、驚いたのはこの「地球温暖化進行曲」が30年も前に作られていたことだ。
一番の歌詞は次のよう。♪♪地球が暑くなって どこわりい 暖房いらずでいいじゃないか 水道ひねれば温泉で 牛乳しぼれば粉ミルク ソレ! どんどんだんだん 温暖化 こんな地球に誰がした けっこう毛だらけ灰だらけ けっこう毛だらけ灰だらけ♪♪
世界中で猛威を振るう異常気象の元凶が地球温暖化(global warming)と言われる。国連やダボス会議の場などでこんな歌を大真面目に歌っていたら、総スカンを食らうこと間違いないだろう。
「地球温暖化進行曲」はともかく、無責任男を売りにしていた往年の植木等が活躍する映画に描かれた日本はのどかで底抜けに明るい。信じられないほど能天気な社会が垣間見える。もはや、あのような世の中はもう二度と出現しないのだろう。ちょっと寂しいような気がしないでもない。だが、少なくとも私の世代はそういう時代の「残り香」はかがせてもらった。昭和の後半、平成の世代、そして令和の世代にはそれは望んでも叶わない。可哀そうと言えば、大きなお世話かもしれない。私の世代が味わえない夢のような世界がこれから待っているのかもしれないのだから。ぜひ、そうなって欲しいと心から願うが。
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vegan(厳密な菜食主義者)
- 2020-02-03 (Mon)
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NHKラジオの中国語講座「まいにち中国語」。再放送なのでとっくに理解済みと考えていたが、やはり、改めてテキストに目を通すと、「嗚呼、そうだったのか。これは忘れていた」と思わせられることが少なくない。
最近の例は「主題文」。<中国語の動詞文の文頭に置かれるものは必ずしも動作主(動作・行為を行う側)とは限りません。「~については[主題・トピック]どうである[コメント]」というふうに、「主題+コメント」の形で述べることもよくあります。このような形の文を主題文と言います>と説明されている。
例文として、幾つかの文章が紹介されていた。その一つは・・。那件事我知道了(あの件については了解しました)。「那件事」(あの件)は目的語のようにも見えるが、最初に主題(トピック)を口にして、その後で「我知道了」(了解しました)と述べている。このブログで何回か主題文について考えているが、今再度、チェックして見ると、2017年8月に概略以下のように書いている。
——听说,茶馆能看到变脸等一些表演。——(茶館で変面などの出し物が見られるって聞いたんですけど)。日本語では中国語の逐語訳的な「聞くところによると、茶館は見ることができる、変面やその他幾つかのパフォーマンスを」と言ったとしても、ほぼその意味合いは理解できる。中国語では日本語の語順にほぼ沿った表現が可能という指摘に何回か出合っているが、これもその一つだろう。日本人にはすっと腑に落ちるのに、と私は思った。上記の文章は先に書いた、日中韓の「話題優越型言語」(topic-prominent language)の特徴である、文頭に主語ではなく、主題がくる例であろう。
日本語の発想で通用する、つまり書ける、話せる中国語の文章と言えるのでないか。
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vegan という語を初めて聞いたのはいつだったか。健康志向のvegetarian が高じると vegan となるのだという風に理解したような気がしないでもない。私の電子辞書には「極端な菜食主義者」であり、「肉や魚の他、卵・チーズ・ミルクなども摂らない」と記されている。アフリカ大陸を飛び回っていた頃に愛用していた古い辞書(1986年発行)を本棚から取り出して引くと「厳密な菜食主義者」と載っているから、昔からある語彙のようだ。
私の知人の中にもveganismを実践している人がおり、自分にはとても真似などできないと感心していたが、ネットで英BBCの記事を読んでいて、veganismに否定的な見方があることを知った。この記事はveganismはむしろ健康に良くなく、特に知性・知的活動を損なう恐れがあると警告しており、衝撃的な内容だった。
この記事ではヴィーガンの食生活を続けると、脳の成長を妨げ、神経系統に回復不能な損傷を及ぼすとして、特に子供たちや妊婦には推奨できないと警告していた。例えばビタミンB12という栄養素。これは肉や卵のような動物性食品からのみ摂取可能であり、植物性食品からは摂取できないのだとか。このB12が欠如すると、子供たちは “unable to sit or smile” となり、最悪の場合には “coma” に陥ることもあると指摘していた。おお怖! 野菜はもりもり、肉や卵も時にはということか。
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