英語でさるく 那須省一のブログ
我喜欢独处
- 2020-07-13 (Mon)
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天気予報を見ると、これからの一週間も晴れマークは見えない。曇り空に雨マークが混じっている。7月らしい快晴はしばらくは望めそうにないようだ。閑中閑あり、曇中隙ありで曇天の隙をついてジョギングするしか手はないようだ。
快晴はなくとも、香椎浜の散策路を走っていると、近くの木々からセミの声が聞こえるようになった。蝉しぐれと呼ぶには程遠いレベルだが、季節の移ろいを感じさせる変化ではある。地上に出てきた、限りある命のセミ君たちにもこの曇天は面白くなかろう。嗚呼、早く滴り落ちる汗を拭いながら走りたいものだ。そうでないと一向に痩せもしない。
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英中日の語学読本を読んでいたら、「他喜欢独处」という文章が出てきた。「彼は一人でいるのが好きだ」。「独」という語を中日辞典で引くと、一番目に形容詞として次のような説明がある。「(子供が)みんなと仲よくしない、一人遊びが好きな」。「这个孩子很独」(この子は一人遊びが好きだ)という例文が載っていた。
「独处」は動詞で「一人暮らしをする」という意味だとか。「处」は「処」だ。「他喜欢独处」の「他」を「我」にすれば、私の生き方に思えなくもない。友人や同僚たちと交わるのも嫌いではないが、いつも群れていないと寂しいということは全然ない。以前にこのブログで次のように書いている。——それで思い出したのは先日、アメリカ人女性の友人と交わした会話。私より年長の彼女とは私が福岡に転勤した直後に知り合い、私のことをよく激励してくれるありがたいお人だ。私が独り身の人生を生きていることを彼女は私の記憶間違いでなければ、“Shoichi, you are a solitary person, but not a lonely person.” と表現した。日本語にするなら、「あなたは一人でいることを厭わない性格なのよ。孤独な人ではないわ」。私は彼女の表現がすっと腑に落ちた。そうだ、私は子供の頃からなぜかそうだったのだ。——
「我喜欢独处」という文章がすっかり気に入った。中国語で自己紹介する場面に出くわしたなら、使ってみたいと思うが、下手すると孤独癖のある厄介なやつと思われるかも。この文章の後にどういう文言を続けるか考えよう。
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トランプ米大統領。今度は姪っ子が大統領の暴露本を出すとか。メアリー・トランプさん(55)。大統領の今は亡き長兄の娘でトランプ氏のことを内輪で見てきただけに、かなりの内容が盛り込まれているのだろう。著者の職業は臨床心理士。父親は祖父やトランプ氏に疎まれ、失意の晩年を過ごし、飲酒がたたり42歳で他界。その辺りから一家に亀裂が生じたようだ。本のタイトルが凄まじい。“Too Much and Never Enough: How My Family Created the World’s Most Dangerous Man”
ニューヨークタイムズ紙がそのさわりを報じていたが、大統領が高校卒業時に大学受験のための試験で替え玉受験を工作し、替え玉に多額の報酬を払って高得点を得た話など、トランプ氏が “cheating as a way of life”(インチキが茶飯事の人生)を生きてきたことを告発している。彼女はトランプ氏が紛うことなきナルシストであり、通常の心理学では推し量れないレベルの精神病理を抱えていると切り捨てている。さもありなん!
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アフリカ再訪の旅からもう10年!
- 2020-07-08 (Wed)
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このブログは備忘録のようなもの。忘れっぽい私にとって去年の今頃ははて何をしていたのか、何を考えていたのか、と思案する時に、一年前にスクロールしていけば、そうしたことがすぐに分かる、有難い存在だ。
去年の今頃は台北を再訪する準備に取りかかっていた。短期間籍を置いた大学の語学講座の発表会に合わせ、老師や受講生仲間と旧交を温める再訪だった。以来、台湾の地を踏んでいない。今年も一度ぐらいは足を運ぼうと思っていたが、このコロナ禍だ。
長年勤めた新聞社を早期退社して、念願のアフリカ再訪の旅に出かけて10年になる。2010年に半年の旅を終えた時には10年後にまたアフリカを旅して新たな紀行本を書こうと考えていた。その年がやって来たのだが、どうもこれは実現しそうにはない。アフリカの取材の旅はそれなりの覚悟が必要。体力・気力・財力が先決。体力・気力に不安はないが、財力は心もとない。アメリカや英国で実践したような気ままに歩き回る「貧乏旅行」が必ずしも「安全」を保証はしてくれない。
最後にそしてこれが最も大切なことなのだが、英語ではこういう時、よく次のような言い方をする———— And last but not least, ———— アフリカの現状は10年前と比べたいして好転しているようには思えない。私が『ブラックアフリカをさるく 声をあげ始めた人々』を書いた当時と大差ないのではと思える。危険を承知で金のかかる取材の旅に出かける意欲はわかない。第一、当面続くと見られるコロナ禍の現状ではアフリカに向けて飛び立つこと自体が甚だ困難だろうと思われる。すべては神様の思し召しか。
今秋は韓国から友人のJさん夫妻が来福する段取り。二人を楽しい九州の旅に誘いたいのだが、こちらもコロナ禍で果たして実現するのか。甚だ気がかりになりつつある。
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今月1日からコンビニやスーパーでレジ袋が有料になった。一つ3円。10回買い物に出かけ、その都度袋をもらえば30円。100回で300円。大した金額ではないが、気分の問題でもある。よって、大きい買い物になると分かっている時に携帯していた買い物用のバッグを常時使うようになった。
このレジ袋有料化のニュースを最近新聞でよく見かけるようになって思ったことを一つ記しておきたい。レジ袋は英語では plastic bag と言う。私は昔から語感的にプラスチックは何かもう少し固いものという印象があり、ビニール製のレジ袋をそう呼ぶことに違和感を抱いていた。英語では当然そういう表現をするとして、日本語では「プラスチックの袋」ではなく「レジ袋」か「ビニール袋」の方がしっくりくる。新聞ではレジ袋などの「末路」を「プラスチックごみ」と呼んでいる。こうした表記に慣れ親しんでいれば、これからの若者はレジ袋を英語で plastic bag と呼ぶのに何の抵抗もなくなるだろうし、やがて日本語でも「プラスチック袋」「プラ袋」などと呼び始めるかも・・。
買い物に使う袋やバッグは「マイバッグ」「エコバッグ」と呼ぶそうだ。地球温暖化対策が喫緊の課題となる現代は「エコ」がキーワード。何事も「エコ」だったら、皆に持てはやされる時代だ。昔の人はそうした行為を「えこひいき」と呼んだと記憶している。
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Stunning ignorance of facts
- 2020-07-06 (Mon)
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また新しい一週間が始まった。福岡は悪天候が続いており、気分も滅入る。曇天の隙間をついてスロージョギングを続けているが、何だかなあという感じだ。
熊本の豪雨被害は胸が痛む。人吉は福岡から新幹線を利用して帰郷すると、八代で高速バスに乗り換え、途中で立ち寄る停留所の一つ。私は人吉周辺をドライブ・散策した経験はないので土地勘は全くないが、郷里の宮崎・西都からそう離れた地ではない。山間部では川幅の狭い地区が多く、そういうところで豪雨が集中的に降れば鉄砲水となりやすい。
ネットのメディアで「50年に一度の豪雨」という表現を目にしたが、本当にそうだろうか。これからはこうした豪雨が日常茶飯事になるのではないかと私は危惧する。以前に書いたことがあるが、帰郷して、長姉の家に泊まっていた際、急に降り出した雨に驚いたことがある。それまで経験したことのないような激しい雨だったからだ。「これって南太平洋の亜熱帯地方で降るスコールのような雨では」と思った。地球温暖化で亜熱帯が上昇し、日本も亜熱帯でしか見られないような豪雨が当たり前の時代に入っているのではないか。
南の海でしか獲れなかった魚が今日本の近海で獲れる話はよく聞く。農産物もそうではないのか。地球温暖化の有難くない余波は身近に迫っているのではないか。杞憂であることを心から願うが。
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トランプ氏のことはもうあまり書きたくないのだが、毎朝、米CNNテレビを見ていると、致し方ない。書かずにはおれないような言動を大統領が日々仕出かしてくれている。
月曜朝はトランプ大統領が新型コロナウイルスは恐れるに足りぬと次のように語ったと報じていた。週末の独立記念日のスピーチの一節だ。“Now we have tested almost 40 million people. By so doing, we show cases – 99% of which are totally harmless – results that no other country can show because no other country has testing that we have. Not in terms of the numbers, or in terms of the quality.”
コロナウイルスの死者が13万人を超えたアメリカでさすがに「感染者の99%は無害」と主張するのには言葉を失う。しかも発言者は大統領だ。CNNテレビではコメンテーターから一蹴されていたが、さらに驚いたのはコロナ対策を担当している政権幹部がコメントを求められ、大統領の発言を否定・批判することを拒んだことだ。CNNのホームページの見出しは A stunning breakdown of the government’s duty to keep Americans safe というものだった。この日のCNNテレビでは、トランプ氏に仕えた側近の一人がトランプ氏がアメリカの歴史に関する本を一冊も読んだことがないと語ったのを聞いたことがあるとも証言していた。
トランプ氏の一挙手一投足が米主要メディアにより詳しく報じられるようになってから、stunning という語を幾度となく目にするようになった。本来は「美しい」とか「とても魅力的な」といったポジティブが語彙なのだろうが、ことトランプ氏に関しては his stunning ignorance of history とか his stunning lack of knowledge about the world などと形容されるのに使われている。嗚呼、何をか言わんやである。
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Interdependence Day
- 2020-07-03 (Fri)
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中国語と韓国語の独学。頼みの綱のNHKラジオの語学講座がコロナ禍の余波で今月から4月時の再放送に戻った。初級講座は半ばを超え、これから本格的な会話のやり取りを学ぶはずだったのに残念ということは既に書いた。それで復習の意味も込め、再放送を聞いている。一週間が過ぎた。情けないことに大いに参考になっている。中国語に関しては基本的な語彙もすでに忘れているものがある。また、知っていると思っていた語彙も改めて耳から聴き、漢字を書こうとすると、書けないものが少なくない。だいたいの感じは分かるのだが、日中の漢字は異なるケースが多いので、ペンを持つ手が動かない。
ともあれ、基礎力をまた一から叩き直す意味では再放送はかなり役立ちそう。これも運命と悟り、また謙虚にラジオから流れてくる講師陣の音声に耳を傾けている。日暮れて途遠しとの思いも深いが、語学の学習は普段の習得の蓄積だから致し方ない。
中国語に関して一つ。友人の家などを訪問し、帰り際に「お邪魔しました」というのは何と表現するかという問いかけがあった。え、4月の段階でこんな表現を習っていたのか? 私はすっかり失念していた。答えは「打搅了。」だった。「打搅」は「邪魔をする」という意味。日本語と全く同じ意味合いの表現だ。嬉しく思ったのは耳から聴いた時、「搅」の音がjiao であり、zhao ではないと認識できたこと。jと zh の音は日本人には区別が難しい。少なくとも私はこれに随分手こずった。今でも手こずっている。舌の位置が異なるのだが、日本語ではこうした舌の位置の違いを意識することはない。だから、音を聴いた時に、あ、これは zh ではなく、jの音だと即座に分かったのが嬉しかった。些細なことだが、こうした喜びを少しずつ重ねていくしかない。
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トランプ米大統領が新型コロナウイルス対策として、マスク着用を「全面的に支持する」(I’m all for masks.)と表明したとか。“Better late than never.”(遅れても何もしないよりはまし)ではあるが、今頃になってやっとかい!と突っ込みを入れたくなるのは私だけではないだろう。
と思いながら、CNNテレビを見ていたら、どうも心からの推奨ではないようだ。彼はこの週末にサウスダコタ州にあるラシュモア山(国立記念公園)で独立記念日を祝う集会を行う予定だが、この集会では参加者のマスク着用は義務づけられていないと報じられている。social distancing と呼ばれる社会的距離の確保もおざなりで、大統領がコロナ対策に躍起になっているとは到底思えない。
米疾病対策センター(CDC)によると今後も米国内の感染者は増加の一途の見込みだが、トランプ大統領にはどこ吹く風のようだ。CNNテレビに出ていた医療専門の大学教授が事態を憂慮し、「今年に限っては米国の独立記念日はIndependence Dayではなく Interdependence Day と呼ぶべき」と語っていた。米国民がマスクを着用し、social distancing を守り、自分たちが相互依存の存在であることを確認しようという訴えだ。
Interdependence Day(相互依存の日)。なるほど。今の時代は毎日がそういう日なのだろう。アメリカだけではなく日本もその他の国々も・・・。
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Nature calls me.
- 2020-07-01 (Wed)
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久しぶりに天神に足を運んだ。コロナ禍の昨今では天神に足を向ける気もなかなか起きなかった。日曜は英語教室。スカイプではなく対面で受講生と向かい合った。月曜は4か月ごとに通院している歯科医院。歯石除去はさすがにリモートというわけにはいかない。
歯科医院の前に天神のジュンク堂書店に行った。ここで購入したボールペンの替え芯が欲しかったからだ。ジュンク堂書店は移転のために文具コーナーが閉店セールの真っ最中だった。ブックカバーの棚を見ていたら、今毎日読んでいる日英中の学習読本にぴったりのブックカバーがあった。普段ならちょっと思案する額だったが、7割引き。有難く購入した。上記の学習読本に掲載されている語彙数は2893語。これまでに学んだのは約240語。まだまだ先は長い。読破する頃には本の表紙はボロボロになっているのではないかと危ぶんでいた。ブックカバーがあれば心強い。
ジュンク堂書店はよく利用していたのでせっかくだから閉店に際し、何か文庫本ぐらい一冊買って帰ろうと考えた。文庫本のコーナーに立ってすぐに目に入ったのが夏目漱石著の「坑夫」。私は漱石は大好きな作家だが、この作品は読んだことはない。これも何かの縁だろうと購入した。ジュンク堂書店は8月に少し離れたビルに移転開店することになっているようだ。レジで店員さんに新しいお店は売り場面積が小さくなるんでしょ?」と尋ねると、「はい、三分の一程度になります」と答えた。
私はジュンク堂書店には恩義を感じている。拙著を幾つか棚に置いてくれているからだ。しかし売り場面積が激減すると、私の本など消えてしまうだろう。
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外電も相変わらず、コロナ禍にまつわるニュースが多い。CNNのホームページを眺めていて、英王室に関する次のニュースを思わずクリックしてしまった。People are defecating outside the Queen’s vacation home という見出しだったからだ。
エリザベス英女王の休暇先として話題に上ることの多いスコットランドのバルモラル城。城外を散策する行楽客がところ構わず排泄しており、その際に使用するウエットティッシュなどがその場に捨てられているのだという。英国ではほとんどの公的な施設がコロナ禍で閉鎖されているが、野外での散策活動などは制限されておらず、そうした人々が自然の生理現象(the call of nature)ゆえにやむを得ない行為に出ている。文中では “… leading many to seek quiet public places if nature calls during a day out” と書かれていた。
不可解だったのは排泄行為に使われるティッシュペーパーの類が “non biodegradable wipes” と表現されていたこと。普通のティッシュなら「非生物分解性」ではなく、その場に放置されたとしてもやがて土に帰るはずで、レジ袋のようないわゆるプラスチックごみとは異なるのではないかと思った。環境汚染にはならないのではないか。王室の関係者は次のように指摘もしていた。“If you need to defecate, do so as far away as possible from public buildings, paths, water courses and farm animals. Bury faeces in a shallow hole and replace the turf.” まあ、確かに誰もいない山中などでも急に便意を催したとしたなら、排泄した大便を穴に埋め、土を被せて立ち去るのは最低限のマナーだろう。
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word salad
- 2020-06-29 (Mon)
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断捨離。遅遅として進まないが、細々と続けている。いつかまた引っ越すこともあるかもしれない。その時に無用な物を引きずって苦労したくはない。私が手元に残しておきたいのは最低限の衣服と書籍。書籍だけは当面読み返す予定がなくとも捨てがたいのが多い。それでもこれから先おそらく一生頁を繰ることがないことが予想されるものは思い切って捨てることにした。押し入れの段ボール箱を開けてみると、続々と出て来る。
小箱が目に入った。磁器の酒器だった。「14代今泉今右衛門」作の徳利に猪口が二つ。重要無形文化財・宮内庁御用達と記されている。はて、こんなものを購入した覚えはない。何かの折にどなたからか貰ったものと推察される。全く記憶がない。徳利は一合ちょっと入りそうだ。徳利と猪口に合うのは普段飲んでいる焼酎ではなく、やはり日本酒だろう。それでコンビニから日本酒を買い求め、冷酒を楽しむことにした。宮内庁御用達ならさぞかし風流だろう。小人であればこんな細やかなことにも喜びを見いだすというものだ
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トランプ大統領がお気に入りのテレビ局(Fox News)のスタジオで支持者との討論会らしき番組に出ているのを見つけた。司会者は間違いなくトランプ氏が大好きに相違ない白人男性のキャスター。このキャスター氏は大統領に都合のいい質問を投げかけ、大統領も終始、上機嫌に答えていた。私の頭には「出来レース」という言葉が浮かんだ。
30分ほどの録画を見た後、本文を読んでいたら、これは word salad であると解説されていた。初めて目にした表現だ。ネットで調べると、「言葉のサラダ」とあり、「文法としては正しいが意味が破綻している文章のこと」と説明されていた。なるほどあまり意味のない言葉が長々と語られていることを揶揄した表現のようだ。確かにトランプ氏は流暢にしゃべってはいたが、ほとんど内容はないように思えた。
次のくだり。司会者が “What are your top priority items for a second term?” と尋ねた。トランプ氏は自分はこれまで才能(talent)の方が経験(experience)よりも重要と考えてきたが、経験も非常に大切な語だと思う。私は大統領に就任するまではワシントンで就寝したことなど一度もなかったと語った後、次のように続けている。“But I didn’t know very many people in Washington, it wasn’t my thing. I was form Manhattan, from New York. Now I know everybody. And I have great people in the administration. You make some mistakes, like you know an idiot like Bolton, all he wanted to do is drop bombs on everybody. You don’t have to drop bombs on everybody. You don’t have to kill people.”
なるほど、確かにword salad だ。最近、大統領にまつわる痛烈な暴露本を刊行したジョン・ボルトン氏の名前が突如として出てきている。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いのか。この番組ではボルトン氏のことを “stupid” とこき下ろし、交渉の場でボルトン氏が役立った唯一のことは、誰もがボルトン氏が maniac (狂人)だと分かっており、相手をびびらせるのに役立ったことだけだと語っていた。トランプ氏の饒舌さは a stream of consciousness narrative (意識の流れ的な語り)と形容されていた。小説の技法ならほめられもしようが、政治家が人々に語りかけるメッセージとしては愚の骨頂だろう。
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富岳一景
- 2020-06-25 (Thu)
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中国語と韓国語の学習はNHKラジオの講座に大変お世話になっている。時にはテレビの講座も見ている。ただ、テレビは毎週火水の午後11時半からの放送でさすがにくたびれて寝てしまうこともある。そのテレビの講座が今月は4月の再放送が続いている。コロナ禍でロケや収録ができずに苦肉の策なんだろうなあと推測していた。
書店でNHKのラジオ講座のテキストを目にした。手に取って見ると、7月は中韓ともに4月の再放送のようだ。だから7月の講座は4月のテキストをそのまま使えますよと表紙に注意書きが載っていた。私ははなからテキストを買わずに耳から理解しようと悪戦苦闘している。ネットで検索をかけ確認してみると、ラジオでも中韓の講座は来月から再放送モードに入り、9月末まで過去3か月分が流されることを知った。
正直、がっかりした。実は中韓とも今、毎朝の講座がとても楽しいのだ。テキストなしで聴いているからそれぞれ15分間の講座で流れてくる会話や文章を必死になって書き取っている。時間内に書き取れないと、講座が終わった後に辞書やネットで語彙を確認して何とかしのいでいる。辞書を引くことなく、流れる文章をすっと書けるときは気分も上々。
この調子で残りの三か月をやり終えることを願っていた。中韓ともに今の講座は4月にスタートして9月に終わる半年のシリーズ。それが何と、9月末まで新しい内容は流れないのだ!ひょっとしたら、10月から改めて残りの講座を放送するのだろうか。こうなったら、その時までにこちらの力をつけて、再開された講座を左団扇で聞き流せるようになっていたいものだ。まさか、ここでもコロナ禍に煩わせられるとは思いもしなかった。
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コロナ禍を始め鬱陶しいニュースばかりの最近では珍しくちょっと晴れやかになる話題だった。スーパーコンピューター(スパコン)の計算速度を競う最新の世界ランキングで日本の「富岳」が一位の座を奪取したというのだ。「富岳」は理化学研究所と富士通が手がけたもので、日本のスパコンが世界一となるのは2011年の「京」以来とか。「富岳」は新型コロナウイルス治療の新薬開発の分野でも活躍が期待されている。
コンピューターの世界のことは当方には文字通りチンプンカンプンだ。今こうやって手元のパソコンのキーボードを打っていて、よくまあこう理路整然と文字が打てるものだと思う。しかも合間にはネットで調べものをして、即座に新しい知識をゲットできる。子供の頃はもちろん、社会人になった頃でも想像もできなかった世界だ。退職して久しい今、一昔前なら「小人閑居して不善を」なしていたかもしれないが、パソコンのおかげで辛うじて「不善をなさず」正気を保ってもおられる。
「富岳」は神戸市の理化学研究所計算科学研究センターにある。英BBCは以下のように記していた。The room-sized machine lives in the city of Kobe. なるほど研究センターの一室を占める「富岳」は live と表現できるのか。人工知能(AI)の最たるもののように思える「富岳」が将来、大地震の発生や宇宙の神秘、異星人の存在の可能性、死後の世界のことなど、我々が知りたいと願っているさまざまなことに手がかりを与えてくれるような日が来るのだろうか。それは神様の領域に限りなく近づくことのようにも思えるが。
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