英語でさるく 那須省一のブログ
Who's won after all? その3
- 2020-11-09 (Mon)
- 総合
新しい週が明けた。昨日は米CNNテレビでバイデン氏が大統領選で遂に勝利が確定し、来年一月に新大統領に就任することが決まったことを歓喜する米国民の姿を見た。バイデン氏が副大統領となるハリス氏とともに地元のデラウェア州で勝利を宣言するスピーチを聞いた。トランプ大統領との選挙戦で国民の間に激しい亀裂が深まったことを念頭に国民融和を訴えていた。御年77歳のバイデン氏はすがすがしい表情をしていた。米国を再び世界から尊敬される国にするというスピーチの内容も良かった。私でさえいいと思ったのだから、嬉しく思った米国民はさぞ多かったことだろう。
トランプ氏の敗北が事実上決定したことでCNNの各キャスターの表情もやや緩んでいるように見えた。もっともバイデン氏は大統領選史上最大の7400万人の票を獲得し、選挙人の数でもトランプ氏を圧倒しているとはいえ、トランプ氏も実に7000万人もの票を得ている。トランプ氏のような人物が今なお、7000万人もの国民の支持を得ている現実を考えると心中複雑になる。トランプ氏のどこが彼らにアピールしたのか。
共和党の重鎮、ブッシュ元大統領はバイデン氏に祝福のメッセージを表明したが、肝心のトランプ氏は一向に敗北を認めようとせず、バイデン氏への祝福の電話もかけていないとの由。予想されたこととはいえ、あまりの潔さのなさ、歴史に名を残す後味の悪い大統領選となることは必至の情勢だ。さらに失望の念を深くするのは共和党内の指導層、幹部から大統領を諫める発言が皆無なことだ。
昨日就寝する直前にCNNテレビをつけると、かつては共和党の大統領候補だったミット・ロムニー上院議員が出ていた。彼はトランプ氏とは距離のあることで知られる穏健派。何を言うのだろうと見ていると、彼が口にした次の言葉が興味深かった。“You’re not going to change the nature of President Trump in these last days apparently of his presidency. He is who he is. He has a relatively relaxed relationship with the truth. He’s going to keep on fighting until the very end.”
トランプ氏は最後まで自身の勝利の幻想を捨てきれず、法廷闘争などありとあらゆる手を打ってくるということか。“He has a relatively relaxed relationship with the truth.” なるほど言い得て妙な表現だ。真実(truth)に対して厳粛ではなく relaxed(くつろいだ)とらえ方をする。つまり真実は真実として、ちょっとした嘘は許されるのではと考えている。そう思わざるを得ないトランプ氏の言動を揶揄しているのだ。新聞社のロンドン支局に勤務していた昔、英国のとある議員が虚偽の発言をしたのではという疑惑をかけられた際、いや嘘を言ったのではない、自分はただ “being economical with truth” だったのだと詭弁を弄したことを思い出した。この種のrelaxや economical は決して許されないだろう。
さあ、今後、トランプ氏はどのような手に出るのだろう。必死こいて激戦区で選挙不正があったとしてバイデン氏の勝利を無効にする挙に出るのだろうか。納得のいく証拠が提示できなければ一蹴されることは必定。以前にも書いたが、彼の脳内には a good loser という概念は微塵もないようだ。多くの人々がアメリカ人に対して抱いているフェアプレー尊重のイメージからは宇宙の彼方ほど乖離した人物であるらしい。
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Who's won after all? その2
- 2020-11-07 (Sat)
- 総合
世界の多くの耳目を集めているであろう米大統領選の結末。私も今週はCNNテレビの中継に釘付けの日々が続いた。民主党候補のバイデン氏の勝利、すなわちトランプ大統領の落選が決定的となったのは土曜日深夜(日本時間)だったかと思う。その時点で当選に必要な選挙人270人に対し、バイデン氏は253人、トランプ氏は213。バイデン氏はアリゾナ州やネバダ州でリードを維持し、ジョージア州でトランプ氏を逆転し、選挙人20人のペンシルベニア州でも遂にトランプ氏に追いつき、追い越した。ペンシルベニア州で勝てば、それだけで273人の選挙人を獲得し、新大統領誕生が確定する。
「嗚呼、ついに終わったな。ジョージアやアリゾナなどが確定すれば、CNNテレビはバイデン氏が最終的には306人の選挙人を獲得すると予測している。これではさすがにトランプ氏が不正があったと法廷闘争に出ても無理だろう」と思い、ベッドに潜り込んだ。土曜日朝目覚めてCNNテレビを見ると、依然として大統領選の開票は決着していない。トランプ氏は負けを認めるつもりは毛頭ないようだ。確か、就寝する前にCNNでは「共和党内には大統領の首に鈴を付けにいく側近や指導者はいないのか」というようなことを各コメンテーターが話し合っていた。
「裸の王様」の童話を思い出す。「王様は裸だ!」と叫んだのは子供だったような。「大統領、負けましたよ。いくら粘っても無駄ですよ。全世界の人々の嘲笑を買うだけですよ」と諫める共和党の重鎮はいないのだろうか。アフリカにはかつて(今も?)唯我独尊的な独裁者が君臨した国が少なからずあったが、共和党内でのトランプ氏の位置は実質的にはそうした独裁者と大差ないようだ。彼の逆鱗に触れるのがそれほど恐ろしいのだろうか。
日本の同盟国であり国際社会が一定の敬意を抱いている(と私は思う)民主国家のアメリカの今のていたらくが世界に好ましからぬ影響を及ぼすのは避けられない。アフリカの例を出してアフリカの人々には恐縮だが、権力の座にしがみつき、庶民の暮らしが一向に良くならない指導者を抱く国々には悪夢のようなお手本となるだろう。
◇
米大統領選に関してもう一言。私が読んでいる読売新聞でもそうなのだが、NHKテレビの大統領選報道を見ていて奇異に感じたことがある。バイデン、トランプ両氏の獲得選挙人数の争いを伝える際に、例えばアリゾナ州では開票率90%でバイデン氏が50.1%、トランプ氏が48.5%、ペンシルベニア州では開票率90%、バイデン氏が49.1%、トランプ氏が49.7% などの接戦と報じていた。これだけでは接戦の実態がよく分からないかと思う。具体的な票差がいくらあり、未開票の票がどれだけ残っており、開票の流れがどちらの候補に傾いているかをきちんと説明しないと、パーセンテージを語るだけでは視聴者には不親切ではないか。私はCNNでつぶさにフォローしていたので不満感は募らなかったが。
ジョージア州では開票率99%、バイデン氏49.4%、トランプ氏49.4%と並んでいたため、NHKのアナウンサーは「バイデン氏が2,000票差に詰めています。まだ50.000票の開票が残っています」と補足説明していた。これならよく分かる。テレビでは細々とした説明が難解なことは分かるが、やはり創意工夫して欲しいと願う。
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Who's won after all?
- 2020-11-04 (Wed)
- 総合
米大統領選。水曜日は朝からCNNのテレビに釘付け状態が続いた。当初は挑戦者のバイデン民主党候補が順調に票を伸ばしているように思えたが、段々と現職のトランプ大統領が巻き返してきた。これはまずいぞ! まさか、米国民は過去4年間近く大統領の言動を目の当たりにしてきてなお、トランプ氏に更に向こう4年間の舵取りを託すというのだろうか。まさか?!
CNNのお馴染みのベテランキャスターたちは「まだ開票は終わっていません。郵便投票や期日前投票などの大半はまだ開いていません。どちらの候補者が勝利するかまだまだ分かりません」と語っている。かくしてアメリカという国に長年抱いてきた好意的なイメージが瓦解することのないことを願いながら、終日を過ごす羽目に陥った。窓の外を見やれば、青空が見える好天。香椎浜をジョギングしたいと思ったが、外出する気にはなれなかった。
トランプ大統領に関してこの数か月の米メディアの報道に接していて、一番記憶に残っているエピソードは、CNNが先月報じた、トランプ政権を昨年1月に去った主要人物の一人、ジョン・ケリー元首席補佐官の言葉だ。彼は友人たちに次のように大統領の人物評を吐露していたという。“The depths of his dishonesty is just astounding to me. The dishonesty, the transactional nature of every relationship, though it’s more pathetic than anything else. He is the most flawed person I have ever met in my life.”
私が興味深く思ったのは “He is the most flawed person I have ever met in my life.” という表現だ。flawは辞書を引くと「(宝石、陶器などの)傷、ひび」「(性格などの)欠点」であり、flawedは「欠点のある、欠陥のある」という意味だ。この世界の最高権力者の地位に上り詰めてもなお、the most flawed person I’ve ever met と蔑まされるとは。意味合いは異なるが、flawedは大統領がよく口にするfakeという語とそう乖離してはいないかと思う。
というわけでテレビを見続けるのに疲れを感じていた夕刻少し前、ホワイトハウスで開票を見守っていたトランプ大統領が突然テレビカメラの前に現れ、大統領選に関するスピーチを始めた。フライングの勝利宣言でもするのかと思って見ていると、勝利宣言というより、開票作業がまだ終了していないミシガン州やジョージア州などの開票を停止して、その州の勝者を決定しろというようなことを宣っている。にわかには信じがたい発言だ。CNNの各コメンテーターも口々に憤っていたが、残る未開票の票を無視しろというのは民主主義の否定・放棄に他ならない。
この項を書いている水曜日夜の時点で、両者の選挙人の獲得票はバイデン氏220票対トランプ氏213票でバイデン氏がわずかにリードしている。当選に必要なのは270票。開票が終了していないミシガン州やジョージア州などでは確かにトランプ氏がリードしているが、その差は縮まりつつある。未開票の郵便投票や期日前投票などの票はバイデン氏が圧倒的に有利と見られ、開票が進めばバイデン氏が最終的に逆転勝利する可能性が高いとか。必然的にトランプ氏が焦りまくり、上記の常軌を逸した発言となったと見られている。
嗚呼、見え透いた手、子供だましの手であることか。何てこった、肩凝った、正義はありや、何をか言わんやである!
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郷里の夜神楽をYouTubeで観れる時代!
- 2020-11-02 (Mon)
- 総合
いよいよ11月に突入した。今年も残りわずか2か月とは! 結局今年は中国・台湾や韓国に一度も旅することもなく終わりそうだ。当初の計画ではこの秋にソウルに住む韓国人の友人Jさん夫妻を福岡に迎え、三人で九州の秋を楽しむことにしていたが、さすがに延期せざるを得なかった。コロナ禍で雲行きが怪しくなった夏過ぎにJさんに今年の再会は見送り、来秋、ぜひ実現させようというメールを送ったところ、「是非、是非」との温かい返信が届いた。来秋までには私のまだ拙い韓国語に磨きをかけ、初対面となるJ夫人とは韓国語で基本的なおしゃべりぐらいはこなせるようになりたいと願う。加油、いやパイティン!
◇
中国語を学んでいて本当に悩まされるのは声調。音自体は時に日本語の漢字の音を手引きにしながら、大体覚えていても、声調だけはさすがにそういうわけにはいかない。例えば、環境保護という語。中国語の簡体字表記だと「环境保护」。この漢字を正確に覚えるのも難儀だが、音はさらに厄介。カタカナ書きを許してもらえば、「ファンジンバオフー」となるだろう。問題は上げ下げの声調だ。私はなぜか声調は覚えるそばからすぐに忘れてしまう。ピンイン表記だとhuánjìng bǎohù。声調はおおよそ ↗↘⤴↘ という感じ。(この上がり下がりの矢印はもっといい表記があるのだろうが、私のパソコンではこれが精一杯)。この語は短く「环保」とも表現することが可能で、その場合のピンインはhuánbǎoとなる。
繰り返しになるが、声調を含めたピンインを正確に記憶するのは今の私には至難の業。年のせいにしたくはないが、やはり、加齢とともに記憶力は衰えているのだろうか。十代、二十代だったら、どうだっただろうと思わないでもないが、いまさらそんなことを考えても詮無きこと。60代には60代の覚え方があるのだろう。そう思いたい!
この悩ましき声調がただ一つだけの語であれば、ほぼ確実に、いや確実にと言うのは言い過ぎかもしれないが、比較的覚えやすい。例えば「第二次世界大戦」という語。簡体字表記では「第二次世界大战」。ピンイン表記だとDì'èrcì Shìjiè Dàzhànであり、すべての声調が下がり調子の第四声であり、これなら私のような者にも大変記憶しやすい。中国語がこういう声調が同じ語ばかりならいいのにと思う!
◇
この項を打っている日曜日の午後、首都圏に住む郷里の幼馴染みの先輩からラインメールが届いた。郷里の最新の「銀鏡神楽」がYouTubeで見れますよと。「神楽フェスティバル2020」というイベントが宮崎県内で開催され、銀鏡神楽もその一つとして舞われたようだ。
スマホは自宅のWi-Fiで好きなだけ見ることができるようになったばかり。この項を打ちながら、懐かしい神楽を楽しんだ。独特の笛太古のお囃子に乗って古式床しく舞う神楽。古里では毎年12月14日の夜から朝にかけ徹夜で舞われる。この時期の山里の夜は冷え込む。ドラム缶で燃える薪で暖を取りながら、神楽を観たことが何度もあるが、年を重ねるごとにその良さが身体に染み入るような感覚に陥る。今年はコロナ禍で無観客での奉納となるが、YouTubeで生中継されるとか。ご興味のあるお方は「神楽フェスティバル2020」のサイトにとんで銀鏡神楽の一端をお楽しみください。
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自宅のWi-Fiでスマホ!
- 2020-10-28 (Wed)
- 総合
プロ野球のパリーグでは福岡ソフトバンクホークスがいち早く3年ぶりの優勝を決めた。セリーグは首位を走り続けている巨人が足踏み状態となっている。打線も湿りがちで投手陣もひところの勢いがないように見える。このまま行くと、日本シリーズではホークスが巨人を圧倒するのではと危惧せざるを得ない。まあ、そうなっても一向に構わないが。
プロ野球では日本シリーズはまだ先の話だが、大リーグでは一足も二足も早く、ワールドシリーズが終了した。ロサンゼルスドジャースがタンパベイレイズを4勝2敗で振り切り1988年以来の優勝を飾っている。大舞台での指揮に時に批判を浴びることもあった日系のデーブ・ロバーツ監督の嬉しさはひとしおだろう。対するタンパベイレイズの筒香選手は優勝を逸した第6戦でも最後まで出番がなく、何のために大リーグに移籍したのか、不本意極まるシーズンだったことだろう。
◇
スマホのギガが月半ばには残り少なくなる状態がもう何年も続いていた。携帯会社からは「残データ容量が少なくなり、通信速度が制限されます」という警告が何度も届く。そうなると段々とネットのアクセスに時間がかかるようになり、スクリーン上で丸い円のような矢印が回転し、いつまでたっても肝心の画面が開いてくれないので、途中で諦める。ギガをアップすればいいのだが、それは料金のアップも意味するので、早く新しい月になってくれることを願う。そういうことの繰り返しだった。
昨夜のこと。私よりスマホのことに詳しい姪っ子とラインでやり取りしていて、「スマホのWi-Fiにパスワードを入れれば解決するのでは」とメールがあった。ふと考えた。私のマンションにはランが走っていて、パソコンはランを使っている。どの部屋にいてもパソコンでネットにアクセスができるし、印刷も即座に可能。とても便利だ。スマホにこのランを活用することなど考えたこともなかった。第一、スマホはスマホでネットに自由にアクセスできている。
スマホのスクリーン上にある「設定」を開け、「接続」の項をチェックしてみると、パソコンで何度か目にしたことのあるネットワーク名が見えた。それをクリックすると、パスワードを求めてきた。確かテレビの背後にあるルーターのような機器にパスワードのようなものが記載されていることを思い出した。物は試しとそれを打ち込んでみると、あら不思議、ネットのアクセスが即座にできるようになった。YouTubeもサクサクと見ることが可能になっている。知らなんだ。自宅のランというかWi-Fiに接続するだけでスマホの契約ギガを気にすることなくネットが自在に活用できるとは!
このような恥ずかしいことをあえてブログにアップしているのは、上記のような愚かなことを人生で繰り返しているのではないのかという思いがあるからだ。スマホやパソコンなど現代の先進的機器に精通している人から見たら私のようなアナログ人間は稚拙に見えることだろう。そういう人であっても、「神の道」を歩んでいる人からはなんと危なっかしい人生を生きていることよと見えるかもしれない。まあ、私はいずれにしても哀れまれる部類の人間に属しているのだろう・・・。嗚呼。
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an outside chance(ごくわずかな見込み)
- 2020-10-26 (Mon)
- 総合
昨年の6月にこのブログで次のように書いている。日本人名のローマ字表記を従来の「名―姓」順ではなく、日本流の「姓―名」順にするべく、日本政府が動き始めたと報じられている。2020年に東京オリンピックがあることから、それを機に「ファミリーネーム・ファースト」を国内外で定着させたいと考えているようだ。
先週末の朝刊にその続報的なニュースが掲載されていた。来夏の東京五輪で日本人の名前のローマ字表記について、国際オリンピック委員会(IOC)が「姓―名」に統一することを決めたとか。日本政府はこれを機に「姓―名」表記を国内外に定着させることを狙っているという。日本は今後、欧米と異なる「姓―名」表記のグループに中国、台湾、香港、韓国、北朝鮮とともに加わることになる。
私を含め多くの日本人が英語をしゃべる場では “My name is Taro Suzuki.” などと語っていたかと思うが、これからは “My name is Suzuki Taro.” と口にする日本人が増えていくのは必至だろう。以前にも書いたが、“Call me Taro. That’s my first name.” などと言い添える必要が増えるかもしれない。
この変更にはまさかどこかの国から「日本は名前の表記でもナショナリズムを選択。これで右傾化に拍車か」などと批判されることはないのだろう。
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米大統領選が一週間余に迫った。コロナ禍の中での大統領選であり、予断を許さない状況だと思うが、諸般の情勢から判断するとバイデン氏がトランプ大統領に勝利するのではと期待したくなる。ニューヨークタイムズ紙からネットで送られてくる高級誌ニューヨーカーのコメンタリー(論評)の中に興味深いものを見つけた。
Joe Biden and the possibility of a remarkable presidency という見出しだった。リード(前文)は以下のよう・・。There’s really nothing in Joe Biden’s character or his record to suggest that he would be anything more than a sound, capable, regular President, which would obviously be both a great advance and a relief. If we could return to the days when we could forget that the White House even existed, for days at a time, that in itself would be worth waiting in line for hours to vote. That said, there’s at least an outside chance that the stars are aligning in a way that might let Biden make remarkable change, if that is what he wants to do.
バイデン氏の政治スタイルは過去の副大統領時代を含め、堅実で実務的かつオーソドックスというイメージ以上のものは想像し難いし、そのこと自体はポストトランプ時代には朗報となる。その上でバイデン氏が新大統領に選ばれれば画期的な変革をもたらす可能性を秘めていると述べている。天空の星が奇跡を予知する配列を示す(stars are aligning)幸運に恵まれれば、彼が変革を志すごくわずかな見込み(an outside chance)があると指摘しているのだ。
そう期待したくなる背景にはバイデン氏が大統領選でトランプ氏に圧勝する可能性があること、加えて彼は大統領就任時に78歳の高齢であり、再選ははなから望んでいないことがあるとか。周囲の評価を気にすることなく、自らが信じる政策に全精力を傾注するシナリオ。なかなか説得力のあるコメンタリーだった。
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“I’m the least racist person in this room.”
- 2020-10-23 (Fri)
- 総合
本日(金曜日)は快晴。マンション5階の窓から青空が見える。香椎浜がスロージョギングに誘っているかのようだ。最近はパソコンでAbemaTVを視聴することを覚えたので韓国語のドラマや将棋、麻雀などを楽しむ時間が激増している。この項をパソコンで打って(書いて)いる今も竜王戦の第2局が行われている。豊島竜王に羽生九段が挑戦している。AIの判定だと羽生九段が53-47で優位に立っている。羽生九段が勝利してタイに持ち込めるか。心情的には羽生九段を応援したい。嗚呼、かくのごとくジョギングにいそしむ時間が減少するにつれ、腹囲が段々と・・。
◇
遅ればせながら東区役所でマイナンバーカードを手にした。長時間待たされることを覚悟していたが、たいして待つことなくカードを手にした。アナログ人間の私はこのカードをどう活用するのか分からないのが恥ずかしい。とりあえずは引き出しに大切にしまっておこう。それでは意味ないことは承知しているが。マイナンバーカードは中国語では「个人编号卡」。この語を正しく発音するのは私にはまだ結構難解だ。
◇
今この項をパソコンで打っている折り、テレビではCNNが米統領選の候補者のテレビ討論会を生中継している。テレビ討論会はこれが最後。世論調査では苦境に立っているかに見えるトランプ氏はここでなんとか挽回したいところだろう。見ないわけにはいかない。
コロナ対策。バイデン氏は当然のことながら、トランプ氏の無策無能を非難した。トランプ氏の反論は陳腐で聞き続けることが苦痛にさえ感じた。米国内では当初220万人が死亡との見方があったのに、私だからこそ死者20万余で済んでいるのだという開き直りを今もなお繰り返していた。こうした主張を受け入れる有権者がまだいるのだろうか。
人種問題のくだりでバイデン氏から批判されたトランプ氏は “I’m the least racist person in this room.” と反撃していたが、こうしたことを臆面もなく公の場で豪語できる神経がまず信じがたい。両者の主張を聞いていても、特にトランプ氏の発言を聞いていても、何の新鮮味も感じなかった。彼が再選を果たして何を目指そうとしているのかに至っては全然伝わってこなかった。ただただ再選されたいのだという欲望しか見えなかった。
討論会直後にCNNが会場そばで討論会を視聴していた10人余の有権者にどちらの候補者の発言が勝っていたかを尋ねていた。トランプ氏が優位と答えた人はゼロ、引き分けが2人、バイデン氏が優位と答えた人は9人に上った。バイデン氏の主張の方に説得力があったと考えていた人が多かったようだ。
印象に残ったことを一つ記しておきたい。バイデン氏は有権者に直接訴えたいことがある時にはテレビカメラを直視して、有権者に語りかけるかのように話していた。対してトランプ氏がテレビカメラを直視して語りかける場面はあまりなかったように思えた。司会者を見ているかバイデン氏をにらみつけるか。彼にはあまり余裕がないように感じたのは私だけだろうか。
バイデン氏が新大統領に選出されれば平和が到来する、世界経済が活性化するというものでもないだろうが、トランプ氏のあの顔だけはもう見たくないというのが正直な思いだ。
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