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英語でさるく 那須省一のブログ

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秋本番

20201019-1603080139.jpg 段々といやあっという間に秋が深まり、朝夕は肌寒ささえ覚える。午後になると今も時々、香椎浜まで歩き、ジョギング路をゆっくり走っているが、短パンだとちょっと寒いかなと感じるようになった。少なくとも下は長いトレーニングウエアに変更すべき時が来たようだ。何となく寂しい気もするが、致し方ない。肌寒くなったのでジョギングの帰途、コンビニに寄って冷たいパフェの類を頬張ることもあまりなくなった。残念!
                 ◇
 新型コロナウイルス。東京は依然、感染数が予断を許さない状況のようだが、九州など地方では収束の方向に向かいつつあるのではと期待したくなる。先週は郷里近くに住む幼なじみのいとこから元気かと尋ねる電話があった。コロナ禍がなければ彼の家を訪ね、酒宴の後カラオケに興じることを楽しみにしていたのだ。年内、それが果たせるかどうか。向こうはそうは案じていないようだが、やはり無理しない方がいいだろうなあ。
 海外では依然、いやこれまで以上に深刻な窮状が報じられている。フランスや英国の大都市部では夜の会食が再び禁じられたとか。夜の街は灯が消えたような寂しさだろう。劇場を含む歓楽街が夜間の営業を禁じられれば、今後ますます失業にあえぐ人々は増える一途か。世の中が不景気にならないわけがない。一日も早い収束を日々、神様に祈るしかない。
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20201019-1603080179.jpg 週末にかけ大リーグのプレーオフをテレビの生中継で堪能した。普段はあまり見ないナショナルリーグのチャンピオンを決めるロサンゼルスドジャース対アトランタブレーブス戦は文字通り、手に汗握る熱戦だった。第5戦と第6戦、敗退に追い詰められたドジャースがブレーブスに競り勝ち、3勝3敗のタイに持ち込んだゲームは見応えがあった。ドジャースは去年まで前田健太投手が所属し、沖縄生まれの日系米人デーブ・ロバーツ監督が率いるチームだけにどうしてもドジャースに肩入れしてしまう。
 第5戦と第6戦で勝敗を分けたプレーはドジャースの右翼手、ムーキー・ベッツ外野手のスーパープレー。第5戦では3回裏ワンアウト2塁3塁のピンチ。前方に飛んで来た地上すれすれのフライを好捕(a shoestring catch)し、本塁に送球。3塁ランナーはタッチアップしてホームを踏んだが、ベッツ外野手の守備力を見誤ったか、彼がボールを捕る前に離塁してしまい、アウトの宣告、結局ダブルプレーとなった。チームメイトの一人は “That’s an unbelievable play by an unbelievable player in a big moment.” と称えた。
 第6戦では5回表ツーアウト1,2塁というピンチであわやホームランという大飛球をジャンプして外野フェンスにぶつかりながら好捕。どちらも “the play of the year” と称賛されるべき超ファインプレーだった。スポーツではギャンブルでもそうだが、ゲームの流れというものがあり、それが微妙に行ったり来たりするように思える。上記の二つのプレーはゲームの流れを間違いなくドジャースに引き寄せるものだったと思う。
 ドジャースは月曜日(日本時間)の第7戦でもブレーブスに逆転勝利し、ワールドシリーズ進出を果たした。この日もベッツ外野手はゲームの流れを決めたであろう追加点となる相手のホームラン飛球をジャンプ一番好捕し、その後の逆転勝ちにつなげた。太棒了!

mansplain

 NHKラジオの英語講座では「遠山顕の英会話楽習」という講座が聴いていて楽しく、役に立つ語彙や表現も学べるので、なるべく付き合うようにしている。先日も初めて耳にする語に出合い、え、そういう表現があるのかと勉強になった。
 mansplain という語。英語で「かばん語」(portmanteau word)と呼ばれる混成語で、「男性」のmanと「説明する」のexplainを合体させた新語だ。講座では「男説明する」という訳語だったような記憶がある。相手を見下して高飛車な態度で話すことを意味している。“You mansplain too much.” と言えば、「あなた、さっきから偉そうに何を言っているのよ」といった感じの抗議の物言いとなるのだろう。発音はexplain を念頭に、マンスプレインと発声するようだ。
 大学で非常勤講師の仕事をしていた時に、manspread という新語に出合い、学生に説明したことがある。これはman と spreadのかばん語で、バスや電車などの公共の乗り物などで股を広げて座るマナー違反の座り方を指す言葉。普通に座ればもう一人のスペースができるのにそれを不可能にする座り方だ。“I do hope the practice of manspreading on public transportation won’t be rampant in Japan.”(日本では公共交通機関で大股座りがはびこることがないように願いたい)といった使い方をするのだろう。
 manspread という語が市民権を得るような事態、つまりあちらこちらでマナー違反の座り方が目立ち、一般市民が閉口するような事態にはなって欲しくない。mansplain はどうだろう。女性からそう思われることのないように振る舞う必要はあるようだが、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」ともなりたくない。「さじ加減」が難しいところか。
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 大リーグはプロ野球より一足も二足も速くプレーオフに突入している。例年なら162試合が今シーズンはコロナ禍でわずか60試合に激減したこともあり、何だか慌ただしいプレーオフになっている感は否めない。すでに敗れたとはいえ、少なくともプレーオフに進出したダルビッシュ投手(シカゴカブス)や前田健太投手(ミネソタツインズ)は前評判にたがわぬ活躍を見せた。来シーズンこそ球場で地元ファンの拍手喝采が期待されるが、ロサンゼルスエンゼルスの大谷翔平君を始め、多くのプレーヤーにとって今シーズンは「失われた一年」と映っているのではないか。
 現在進行中のプレーオフでただ一人、属するチームが勝ち残っているのはタンパベイレイズの筒香嘉智選手。しかし、チームは絶好調だが、彼自身はプレーオフの試合に先発起用されていない。代打での出場機会もあまりないようだ。日本では横浜ベイスターズのスター選手として活躍していた彼にはきわめて不本意と推察される。たとえ、チームがこのまま勝ち続け、最終的にワールドシリーズで優勝し、チャンピオンリングを手にする栄誉に浴したとしても、心中は忸怩たる思いだろう。
 プロ野球出身のポジションプレーヤーと呼ばれる野手は総じて大リーグでは「冷遇」されている印象がある。かつてのイチロー選手や松井秀喜選手は例外的存在。大リーグとプロ野球。プレーのレベルにどれほどの差があるのかないのか?

福岡では「好いとっと!」

20201013-1602552387.jpg “People stared like I was Godzilla” という見出しに引きつけられた。Godzilla とは凄い表現だ。日常生活でゴジラのような人にお目にかかるのはまずないだろう。周囲の人々が自分をまるでゴジラを見たかのように凝視したとはいかなるものだろうか。見出しに添えられている写真の女性はゴジラからはほど遠いすっきりした美人。ヌヌ!? 訳が分からないではないか。それなら、記事を読み進めるしかない。
 記事の執筆者はBBCの女性記者でBritish-born Chineseと紹介されているが、本文を読むと、家族や親類は今は台湾に住んでいるような印象を受けた。彼女は自らの経験を振り返りながら、アジア(中国・台湾)の女性に求められている体型の理想像がともすれば女性に過酷な節食を強いていることを述べていた。見出しの文言は当時肥満の体型をしていた記者が台湾の夜市を歩いていた時に地元の人々から向けられた視線を表現している。屋台の食物を貪っていると母親もさすがに耐えかねたのか、「あなたそんなに食べるんじゃないわよ。みんな、見てるわよ」と耳元でささやいたという。
 私がこの記事で印象に残っているのは彼女のその後のジムでのワークアウトといった努力ではなく、次のくだり。There’s not really a lot of demonstrative affection in east Asian culture. What I mean is that there aren’t really hugs, or “I love yous” between parents and their children, especially once the kids grow up. Love is simply expressed in other ways.(東アジアの文化では愛情を具体的に行動で示すことはあまりない。お互いにハグすることもなく、また両親と子供たちの間で「愛している」という言葉のやり取りもない。子供たちが成長すると特にそうだ。愛情は他のやり方で表現されることになる)
 日本もまさにその通りだろう。私は亡き母親とハグしたことはただの一度もない。お互いに薄情だったわけではない。そういう習慣がなかったのだから致し方ない。欧米で親子がハグする光景を見ると、羨ましく思う。いいなあと思う。また、普段の生活でことあるごとに “I love you.” と口にするのも羨ましい。私はお袋にそうした愛情表現をしたことは悲しいかなない。第一、love という語をどう日本語に訳すことができるか分からない。「愛している」というのは外来語ではないか。「大好きだ」という方がまだしっくりくるような気がするが、これだって私が当時口にすればきっと病院かどこかに連れていかれたことだろう。
 私はこうした愛情表現に関しては欧米の方に軍配を上げたい。「以心伝心」の国とはいえ、やはり言葉のぬくもり、さらには体温のぬくもりに勝るものはないと思う。同じアジアでも韓国のテレビドラマを見ていると、彼らは日本人よりは普段からハグしているような感じだ。お互いの身体にもよく触れているような印象がある。
 NHKテレビ。夜7時の全国のニュースを前にローカル番組の軽快なエンディングのテーマソングが流れる。なんかいいなあと思ってずっと耳を傾けていた。この歌を歌っているのは福岡で育った歌手のMISIAだとしばらくして気づいた。歌声が好きだ。彼女は博多の方言を駆使して歌い、最後に「好いとっと」という熱い言葉で締めている。宮崎弁なら「好いちょっちゃが」「好きじゃっちゃが」かな。こうした方言なら多少、恥ずかしさが薄まるかもしれない。ハグの方は時間がかかるかもしれないが。

オクトーバーサプライズ

20201009-1602221217.jpg アメリカの大統領選では October surprise という語があるそうだ。11月3日の投票を直前にして起きる、選挙戦の帰趨を左右する予期せぬ出来事を「オクトーバーサプライズ」と呼んでいるとか。トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染したことがそうなるのだろうかと思っていたら、どうやらそれだけでドラマは終わりそうにない。
 金曜日のCNNのネットの記事ではトランプ大統領はもう明日(土曜日)には公務に復帰できるとホワイトハウスの主治医が語っている。いくら何でも早過ぎないか。素人の素朴な疑問はともかく、これからどんなオクトーバーサプライズが飛び出すことやら。有権者ではないが、日本や世界の命運を左右する大国の指導者だけに気にはなる。
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 その大統領選にも影響を与える副大統領候補のテレビ討論会。さすがに全部付き合う暇はなかったが、こちらでもカマラ・ハリス民主党候補の方が共和党候補のマイク・ペンス副大統領よりも優勢のように思えた。討論後にCNNのコメンテーターの一人がハリス氏はトランプ氏のことに言及した時に一度もプレジデントとは言わず、Mr Trumpと呼び続けたことを指摘していた。なるほどなあ・・・
 CNNの記事でまた一つ勉強になったのは見出しとなっていた次の表現。—Harris didn’t let Pence explain away Trump’s failures— 私はこのexplain away という表現を即座には理解できなかった。おそらくハリス氏がトランプ政権の失政を責め、ペンス氏が言い逃れをするのを許さなかったぐらいのことではないかと推察はできたものの。explain away を辞書で調べると、「(誤りなどを)弁明する、言い逃れる」と載っていた。例文として She explained away her rude behavior as a joke.(彼女は無礼な振る舞いをおどけてやっただけだと言い逃れた)という文章が載っていた。前置詞のaway の「~から離れて」「向こうへ」という原意が何となく分かる表現だと思う。
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 毎月二回の日曜日の英語教室はコロナ禍のため、このところずっとオンライン(スカイプ)の開講となっている。慣れてしまえば、わざわざ出かける必要もなく、洗面、歯を磨き、ひげをそるだけで準備完了だから楽だ。
 今読んでいるアリスの物語も大詰めに近づいている。これを読み終えたら、次に何を読もうかなと考えていたら、断捨離の最中に段ボールから “50 Great Short Stories” という英書が出てきた。ヘンリー・ジェイムズ、ジェイムズ・ジョイス、ホーソーン、モーパッサン、モーム、ポーなど世界に名だたる作家の短篇を集めた書だ。幾つかは読んだことを覚えているが、粗筋はすっかり忘れてしまっている。
 それでFlannery O’connor (1925-64) という米作家の A Good Man Is Hard to Find を読み始めた。米南部の一家の姿が描かれている。次のような言葉が出てきた。車窓から黒人の子供がズボンをはいていなかったのを見て、白人の祖母が孫たちに語りかける。“Little niggers in the country don’t have things like we do.” 当時の話し言葉は今さらカモフラージュできないものの、さすがに今読むとドキッとさせられる。

an alternate reality

 月曜日の朝、涼しい。洗濯物を干すためにベランダに出ると、風が心地よい。台風の心配もなく、こんな天気が続くなら、日本(福岡)は本当に快適なところだと思わないわけにはいかない。東アフリカ・ケニアの首都ナイロビがほぼ毎日こんな感じだったような記憶がある。いつかまた再訪したいと思っているが、ナイロビ発の国内ニュースはぜひ再訪したくなるような楽しいニュースはあまりないのが残念だ。
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 米大リーグのプレーオフ。期待していた日本人投手陣は前評判にたがわず好投を見せたが、自チームの打棒が全然振るわず、あっけなく散ってしまった。残っているのはニューヨークヤンキースの田中マー君だけ。マー君はプレーオフの第二戦で先発したが、相手打線に無残に打ち込まれており、とても活躍したとは言えない。味方打線の爆発で第一段階のプレーオフを乗り切っただけで、興味はほぼ失せた。筒香嘉智選手が属すタンパベイ・レイズも勝ち残ってはいるが、彼はなぜかフル出場する機会を与えられていないようだ。
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 いつかこうしたニュースに接すると思っていた。多くの人がそう予期していたのではないか。英語で表現すれば、I was not the least surprised by the news. (私はそのニュースに全然驚かなかった)とでもなるのだろう。
 トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染が公表された。あれだけノーマスクで多くの人々と接していればやがてこうなるのは見えていたのではないか。不謹慎な物言いになるが、大統領に同情する気持ちはわかない。その後も大統領周辺の人々で感染が続々と発表されている。大統領選の投票日まで一か月を切っている。トランプ氏はこれから本格的に多くの聴衆を集めた選挙集会を展開してライバルのバイデン陣営非難に奔走する戦術だったと思われるが、手痛い打撃となるのは不可避だろう。
 月曜朝、ネットでCNNをチェックすると、トランプ大統領が入院しているワシントンの軍病院を日曜に車で一時的に離れ、大統領を応援するために集まった支持者らに車窓から手を振る行動に出たと報じていた。自らをそして周囲の人々を危険にさらす行為は到底理解しがたい。CNNの記事を読んでいて、次のような記述があった。For much of this year, Trump has spun an alternate reality about the dangers of coronavirus — disputing science and the efficacy of masks, downplaying the risks to the American people, and making false statements about how 99% of coronavirus cases in America are "totally harmless" or that the virus "affects virtually nobody."
 トランプ氏が過ごしているのはまさに圧倒的大多数の国民から隔絶した an alternate reality(パラレルワールド)かもしれない。だから、彼は自分の政治姿勢・言動がなぜ非難されるのか理解できないのかもしれない。まさか宇宙人?
 いずれにせよ、大統領陣営の発表によると、トランプ氏は順調に回復しているとか。ほどなく彼が再び米国民の前に姿を見せた時に、マスクを携帯しているのか、それとも依然としてマスク姿を見られることを拒絶しているのか、ということにも注目したい。

“That was a shitshow.”

20200930-1601463486.jpg 水曜日朝。いや、正確には未明か。午前3時にスマホの目覚ましを合わせ、起床した。目当てはこの日から始まった大リーグのプレーオフ。ワイルドカードと称して、アリーグ、ナリーグともにそれぞれ4試合が行われる。口火を切ったのは前田健太投手が栄えある先発を務めたアリーグのミネソタツインズ対ヒューストンアストロズ。
 健太君は制球に苦しんでいたようだが、要所は締めて、5回を零点に抑え、1対0で勝利投手の権利を手に降板した。4回には二死満塁のピンチを迎えたが、8番打者を三振に切って取り、窮地を脱した。ツインズのゲームを真剣に見たことは皆無に近いのでよく分からないが、前半に絶好のチャンスを拙攻で逃し、同点に追いつかれた後の最終回には拙守がたたり致命的な3点を献上し、敗れ去った。ワイルドカードのプレーオフはわずか3戦のみ。明日の第2戦に負ければ、万事休すだ。健太君の今シーズンは終わってしまうのか。
 次の言葉は中継ぎで同点を許した同僚の投手の言葉だ。健太君への信頼がにじみ出ている。“What a start he gave us, what an outing. It’s one of those games where we as a group really, really wish we could have just done a little bit more for him just so he could get more of a pat on the back, more of a reward for the job that he did. He’s been that way since I’ve known him. I’ve known him for a few years now, and he’s just extremely competitive and he shows up in big moments.” そう、その通り。球数が増えたため、5回で降板を余儀なくされたとはいえ、彼の力投は十分 a pat on the back(称賛)に値したと思う。
 さあ、明日はアリーグはニューヨークヤンキースの田中マー君、明後日にはナリーグのシカゴカブスのダルビッシュ有投手がマウンドに登る。二人とも頑張れ、加油!
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 トランプ大統領と民主党バイデン候補の大統領選を前にした初のテレビ討論会の模様を米CNNの生中継でちらっと見た。議論が全然かみ合っていないようだった。トランプ大統領の顔色が冴えていないように見えたのは勘ぐり過ぎだろうか。彼は各種世論調査で苦戦が伝えられており、ここに来て、ニューヨークタイムズ紙が彼の過去の納税逃れのおぞましき疑惑を報じたばかり。
 CNNは討論終了直後のネットで An absolutely awful debate という見出しを掲げていた。コメンテーターからも最低の討論だったと酷評された。矛先はもちろん、罵詈雑言を繰り返し、バイデン氏の発言を何度も遮ったトランプ大統領に向けられている。女性コメンテーターの一人は “That was a shitshow.” とまで言い切った。公共の電波でshitshow という語がしかも女性から発せられるのを初めて耳にした気がする。shitshowを日本語に訳すことさえはばかられる。
 詳しくは見ていなかったが、何となくバイデン氏の物腰というか発言に覇気が感じられないように感じたのが気になったが、敢えてそういう姿勢を取ったのかもしれない。いずれにせよ、メディアやコメンテーターからこれほど酷評されても、トランプ氏を支持する人々の大統領への支持は揺るがないのだろうか。私は最近では11月の大統領選では現職のトランプ氏はかつてない歴史的な大敗を喫するのでないかと思い始めている。

一日三秋

 秋本番。もう何度かこのブログで書いたような気がするが、一年の内で秋が一番好きだ。郷里の宮崎で何の憂いもなく気楽に過ごした学生時代を思い出す。神社の結婚式場でアルバイトに精を出していた。披露宴のテーブルに料理を置き、片付ける仕事で、休憩時に控え室で仲居のおばちゃんたちと雑談しながら賄い飯をご馳走になり、仕事が終わると披露宴で残ったタイやエビなどを詰めた折箱を下宿に持ち帰り、腹を空かせた友人たちとぱくついていた。季節は秋が多かったような記憶がある。
 その秋が近年、段々と短くなっているような気がしてならない。残暑が長いからなのか、台風の来襲で気分がそがれ、ふと気がついたら、すぐそこに冬の足音が聞こえるからなのか。今年こそゆっくりと読書の秋、スポーツ(観戦)の秋、食欲の秋を楽しみたいものだと思う。そのためにもコロナ禍が一日も早く過ぎ去ってくれることを願う。
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 秋は中国語でも秋。実際には秋天(qiūtiān)や秋季(qiūjì)と表現するようだ。声調を無視して発音を敢えてカタカナ表記するとチォウティエン、チォウジィ。韓国語では가을と表現し、発音は同様にカウル。日本語の秋により近いのは中国語の方だと思える。
 「一日千秋の思い」は中国語では「一日三秋」と表現すると辞書に載っている。この場合の「秋」はこれだけで「一年」を表すとか。ただし「三秋」とは「三年」ではなく「とてつもなく長い年月」を表現していて、日本語の「千秋」が「千年、転じて非常に長い年月」を意味しているのと同じらしい。中国語を学ぶのは日本語を学び直す作業のようでもある。
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 英字紙ジャパン・ニュースを開いてショッキングなニュースを目にした。南部アフリカはモザンビーク発で英紙ザ・タイムズの記事が転載されていた。見出しは Paradise isle favoured by the stars is taken over by insurgents linked to Isis となっていた。かつてヨーロッパのセレブのバカンス先として名を馳せていたモザンビーク北端の島々が今やイスラム過激派の巣窟となり、独自の支配地と化していると伝えていた。
 背景にあるのはモザンビーク政府の体たらくだが、私が驚きを禁じ得なかったのはモザンビークの最北部のカーボ・デルガード州と呼ばれる州にイスラム教徒が数多く居住していることを知らなかったこと。北隣のタンザニアにはイスラム教徒が居住することは承知していたが、モザンビークもそうだったとは知らなかった。ナイロビ(ケニア)特派員だった頃、モザンビークには取材で足を運んだこともある。首都マプトの優美なホテルに泊まり、広いプールで泳ぎを楽しんだことをよく覚えている。
 当時は独立以来の激しい内戦状態が続いていたが、私がアフリカを離れた後、反政府ゲリラ勢力との和平交渉が実り、内戦は1992年に終結した。しかし、ここ数年、最北部の州でイスラム過激派が跋扈するようになり、地元住民には悪夢の日々となっているようだ。イスラム過激派は中東で脅威になっているIsis(イラク・シリア・イスラム国)の指導下にあり、ここを拠点にアフリカ諸国を威嚇、影響を広げる狙いがあるのか。アフリカ諸国の政治腐敗と失政に付け入り、Isisが猛威を振るうようになれば最悪のシナリオだ。

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