英語でさるく 那須省一のブログ
茫然自失(マンランズーシー)
- 2021-06-16 (Wed)
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ICレコーダーは軽くて使い勝手も悪くなく、購入して良かったと思っている。ただ一つ、どうしても解せないことがあった。録音したものを再生していて、少し巻き戻して聞きたいと思って巻き戻そうとすると、最初に戻ってしまうのだ。
取扱説明書を読んでも分からない。相談窓口のフリーダイヤルに電話をかけると、ラインメールで問い合わせできるとテープが回る。半信半疑でラインメールで問い合わせてみると、なるほど参考になりそうなサイトを伝えてくれた。そのサイトをクリックしてみて与えられた情報を吟味して分かった。「イージーサーチ」という機能をオンにすると3秒間隔で巻き戻して聞き返すことができることが。疑問点はこれで氷解した!
商品の相談窓口のフリーダイヤルは何度も同じテープを聞かされ、らちがあかずに不快感だけ募ることが多いが、今回は役に立った。さすがソニー。ご機嫌な気分!
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中国語の拼音(ピンイン)に悩まされ続けている。音声の方は何とか覚えていたりするが、上がり下がりの声調が実に厄介だ。「警告」(jǐnggào)と「敬告」(jìnggào)の声調をすっかり忘れてしまっていた。声調はとにかく理屈抜きに覚えるしかないようだ。
「山を登る」を意味する「爬山」の「爬」はpá と右上がりにパと発音するので覚えやすい。登ろうとすればやはり右上がりだろう。しかし、「跳ぶ」意の「跳」はtiàoと右下がりの発音だ。感覚的には上に跳ぶのではなく下に跳ぶのか? 「サッカーをする」は「踢足球」。ボールを蹴る意の「踢」の拼音は tī で上がり下がりのない平らな音だ。普通サッカーボールを蹴る時は上に向けて蹴るので tí だったら素直に理解できるのになあなどと私は思ってしまう。
茫然自失。過去において何度もそうなったのかもしれないが、忘れたいことはあまり記憶には残らないようだ。それはそれとしてこの4文字熟語も歯切れがよい。本家本元の中国語でも「茫然自失」(mángrán zìshī )と表現するようだ。発音はだいぶ異なる。ピンイン表記を乱暴にカタカナ書きにすると「マンランズーシー」。韓国語では「망연자실」で発音は「マンヨンチャシル」。中韓は似ているようでもあるし、似て非なるようでもある。茫然自失という語を耳にして、中韓の同義語がすっと頭に浮かぶようになればしめたものなのだろう。当分は無理な話だが・・・。
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小倉の英語教室の帰り。久しぶりにサウナに行きたい思いに駆られた。サウナ大好き人間の私は現役時代にはしょっちゅう利用していた。折尾駅に着いた時、昔近くの駅で下車してサウナ銭湯に行ったことがあるのを思い出した。陣原駅?
陣原駅まで逆戻りして探すと、あった。東京から福岡に転勤した直後の頃だから10数年ぶりだ。あの頃と同じ清潔感のある気持ちのいいサウナだった。コロナ禍もあってか客は少なかった。ゆっくり汗を流し、爽快な気分になった。今日は平日(水曜)だが、例外的に一杯やることにしよう。何だか最近は特例が増えているような気がしないでもない。よく考えるとこの金曜日がコロナの初回のワクチン接種を受ける日だ。さすがにその日は飲酒を控えるかもしれない。よし前倒しで飲むことにしよう! 嗚呼、安易な妥協だこと!
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英女王のウイット
- 2021-06-13 (Sun)
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エリザベス英女王の最新のニュースを目にした。英国にとって彼女が偉大なるソフトパワーの一つであることは万人が認めるところだろう。イングランド南西部コーンウォールで開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)。首脳の恒例の集合写真撮影の場に女王も加わり、女王が軽口を叩くシーンが動画で流されていた。女王は今年95歳。私は誰であれ、高齢で元気溌剌としたお方には心からの尊敬の念を抱いている。女王にはこれからも健やかに100歳を目指して欲しいと願う。
ところで女王が発した言葉は “Are you supposed to be looking as if you’re enjoying yourselves?” だった。読売新聞では女王が「楽しそうにすることになっているのですか」と尋ねて笑いを誘ったと紹介されていた。ネットでは「楽しそうにした方がいいのでは?」と訳した記事を見かけた。私なら「皆さん、それで楽しそうに振る舞っていると見えるかしら」(何だか仏頂面に見えますよ)と訳したことだろう。いずれにせよ、女王の皮肉を効かせたquip(機知に富んだ一言)に「座布団1枚!」と声をかけたいところだ。
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大谷翔平君が好調を持続している。金曜日(現地時間)の試合では勝ち投手になることはできなかったものの、打撃の方では2安打を放ち、チームの勝利に貢献した。土曜日の試合では対戦相手がナリーグのチームのため、DHとして出場することができず、終盤にピンチヒッターとして打席に立ち、快打を放っている。チームは逆転勝ちを収め、32勝32敗として勝率5割に復帰した。主砲トラウトをけがで欠いての5割復帰であり、投打において翔平君の貢献度はかなりのものだろう。
土曜日の試合では菊池雄星投手も見事な投球を見せ、7回を3安打6奪三振で0点に抑えた。あまり熱心に見ていたわけではないが、菊池投手が三振を切って取るたびに現地のアナウンサーだか解説者が大きな声を上げて彼の投球を激賞していた。だが、マリナーズの悲しいところはエンゼルス同様、リリーフ陣が全く情けないことだ。
8回表を終えた時点で4対0で楽勝ムードだったのが、その裏に1点を奪われ、あろうことか、最終回にあとワンストライクでゲームセットというところまで来ながら、連続四球と連打を許して同点に。私はアホらしくなってテレビを切った。後でパソコンで確認すると、延長10回にサヨナラ負けを喫している。そうだろうなあ。菊池投手がかわいそうだ。こんなチームにいては勝ち投手になるのは至難の業だろう!
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土曜朝。寝ぼけ眼でNHKラジオの英語講座を聴いていたら、Can you tread water for 5 minutes? という文章が流れていた。水をtread するとは何ぞや? これまで耳にしたことのなかった表現だった。辞書で調べて意味が分かった。「立ち泳ぎをする」という意味。tread は「踏む」「歩く」ということは承知していた。辞書には tread grapes to make wine(ワインを作るためにブドウを踏みつける)という例文が載っている。このtreadが、水の中に入ると、「立ち泳ぎ」になるとまでは知らなかった。「立ち泳ぎ」は確かに水中で足を踏みならしている感覚だ。プール通いをやめて久しい。嗚呼、どこでもいいから泳ぎたい!
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「躺平」
- 2021-06-11 (Fri)
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寝苦しい夜が続いている。テレビでは熱中症予防にはクーラーの積極的使用を呼びかけているが、いくらなんでもまだ6月の初旬(中旬)。去年はいつクーラーのスイッチを入れたのかブログにも手帳にも記していないが、一昨年は7月23日にスイッチを入れたことをブログに記している。まだ一か月以上も先だ。今夏はとてもそれまで我慢できそうにない。地球温暖化はかくほど日本列島を熱波であおっているのだろうか。あな恐ろし!
何度も書いているが、私の部屋は西日が凄く、夕方からソフトサウナ状態となる。サウナは嫌いではないが、普段の生活の場がサウナ状態と化すのは御免こうむりたい。
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パソコンでふとした弾みに中国語の「躺平」という語に行き当たった。「躺」は日本語では見かけない漢字だが、中国語(簡体字)では以前に出合った語であることを覚えていた。「砂浜に横たわりギターを弾いている」とかいうような表現だったような。「躺」という見慣れない漢字が「横たわる」という意味だった。「躺平」なら「平らに横たわる」「寝そべる」ぐらいの意味かと類推できる。この「躺平」という語が今の中国ではやり言葉だという。参考までにこの語のピンイン表記はtǎngpíngであり、乱暴にカタカナ表記するとタンピン。
ネットの情報だとこの「横になる」という意味合いの「躺平」が今中国の若者に蔓延している現象で、具体的には結婚しない、子どもを産まない、家や車を購入しない、生活を維持する最低限の仕事しかしないという生き方を意味するとか。親や世間が求める型どおりの人生を歩むことを拒絶。先行きに希望が持てない現在の状況への失望感を表現しているのであろうか。共産党政権への無言の抵抗と受け止める向きもあり、事態を重視した共産党機関紙で非難されたとか。
中国のことは知らないし、分からないが、私は自分の青春時代、学生時代を思い出した。学生時代を過ごした1970年代は高度成長末期で経済もまだ右肩上がりだったのだろう。就職難という言葉はあまり耳にしなかったような。当時はやっていた言葉に「モラトリアム人間」というのがあった。今ネットで調べると「年齢では大人の仲間入りをするべき時に達していながら、精神的に大人社会に加われないでいる人」を意味すると説明している。私の学生時代は学生運動の火が消え、誰もが企業戦士になることを厭わず、モーレツ社員という言葉も生まれていた。
私は同期の圧倒的大多数の者が卒業して就職する中、なぜだか留年を繰り返し、同期の連中に比べ3年も道草を食って25歳で卒業、社会人となった。新聞社の支局に入ると、1年先輩、3年先輩の記者は同じ年齢であり、少々複雑な心境となったことを覚えている。当時結果的に「モラトリアム人間」のような日々を過ごしていることに特段の恥ずかしさはなかった。そういうことが可能だったのも、部屋代月2000円の格安下宿に住み、たまのバイトで仕送りゼロの学生生活ができたからだが、そういう愚かな私を黙って見守っていた亡きお袋や長兄に済まなく思う。遅かりし由良之助だが。
話が横道に逸れたが、中国の若者の間で流行の兆しがささやかれている「躺平」が一過性の現象で終わるのか、その先に何か新しいものが芽生えるのか。
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ビール腹(beer belly)
- 2021-06-09 (Wed)
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暑くなった。普段着も下はズボンから短パンに替えた。短パンが癖になると、ズボンを履く気がしなくなる。とある学校へ英語を教えに行く際にも短パン姿だ。涼しくていい。
それはいいのだが、最近ふと気づいた。香椎浜でのジョギングや散歩の頻度がめっきり減った。腹筋運動もさぼっている。情けない。お腹周りもだらしない。これではいけない。水曜日、久しぶりに香椎浜に足を運び、ゆっくり走ったが、暑いこともあり、一周だけ走り、残り一周は歩くに留めた。この日朝、NHKラジオの中国語講座を聴いていたら、「最近太った」という文章が出てきていた。脳内機能まで鈍っているので、「太っている」の「胖」(pàng)の拼音(発音)の上がり下がりがどっちだったかすっかり忘れていた。
これまでは週末だけの飲酒にしていたが、学校で英語を教えた日には特別、焼酎を少しやるようになった。郷里の言葉では「だりやめ」と呼ぶ。せめてもの「禁」はビールにだけは絶対に手をださないこと。ビールを最後に飲んだのは昨年の正月に関西で旧知の人たちと再会した折りの歓談の場。以来、ビールで喉を潤したことはない。本当は大好きなのだが。何か一つぐらいは「禁」を課し続けたい。それでなくとも先述の通りのお腹周りだ。「ビール腹」(beer belly)をますます顕著にしたくはない。「ビール腹」は中国語でも文字通り「啤酒肚」(píjiǔdù)ということは承知している。
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大リーグ。大谷翔平君が水曜朝(現地火曜夜)のホーム球場でのゲームで、目の覚めるような第17号の大ホームランを放った。テレビで見ていたが、プロ野球ではあまりお目にかかれないような一撃だった。向こうのアナウンサー、解説者も興奮気味に「サヨナラ!」とか何とか口にしていた。福岡ではソフトバンクホークスの選手がホームランテラスと呼ばれる外野席に辛うじて届くような打球でホームランを打ったと大喜びしているが、翔平君の一撃とは比べようもない。
大リーグのホームページでもトップニュースで翔平君のホームランを紹介していた。Absolutely Crushed(完璧に粉砕)という見出しで、次のような文章が続いていた。
Shohei Ohtani demolished a baseball for a career-long, 470-foot home run. That's not a typo. 大谷が彼自身最長距離の470フィート(約143㍍)のホームランを放ったことを説明しているのだが、数字があまりにでかいので、typo(タイプミス、誤植)ではありませんよと断っている!のがご愛敬だ。
もう一言。「古巣」の紙面だからとやかく言いたくはないのだが、読売新聞の運動面に火曜日の巨人対オリックス戦を振り返った記事が載っていた。2対0でリードしていた巨人が終盤に逆転され、最終回に何とか追いつき引き分けに終わったゲーム。普通に考えれば、巨人が勝たねばならない試合だろう。しかも9人の投手をつぎ込んでいた。コロナ禍で9回終了と決まっているとはいえ、何とも凄まじい投手リレーだ。
上記の記事では原監督の談話が載っていた。「いい引き分けが多いよね。悔しいのはあまりない」と。私は椅子から転げ落ちそうになった。優勝を何度も手にしている彼を優れた監督と形容することに異論はないが、果たして「名将」とまで呼べるかどうか。
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106歳のダンサー!
- 2021-06-05 (Sat)
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高齢の人が頑張っているニュースを目にすると、じっくり読み込むことが多くなった。これは私の世代の人は大概そうだろうと思う。このブログでもそういう話題をしばしば扱っているような気もする。
最近の例ではオーストラリアで100歳を超えても現役のダンサーとして活躍し続けている女性のニュースを興味深く読んだ。小倉駅前の文化センターで教え始めた「普段着の英語」教室でも紹介させてもらったが、印象に残ったことをここに記しておきたい。
英BBCの配信記事。The dancer aged 106 who bans the word ‘old’ という見出しにひかれた。私の亡きお袋は今年生きていれば103歳。お袋よりも年長でまだ存命、しかもダンサー及び振付師として活躍しているとは!記事を読むと、文章を書き、絵も描くが、最も情熱を抱いているのが生涯をかけて取り組んでいるダンスだとか。見出しにある通り、old だとか age という語が嫌いで、「私の前では口にしないで」ということらしい。
アイリーン・クレイマーさん。シドニーに生まれ、多くの国々でダンサーとして活動し、99歳の時に故郷に戻り、今は高齢者の介護施設のようなところで暮らしているようだ。長寿で健康の秘訣を問われると、彼女は「私は年取ってなんかいないわ。長い間生きているだけで、道すがら幾つかのことを学んできただけよ」と答えているとか。「子どもの頃からずっと同じ。何も変わっていないわ」とも語っている。好きなことをずっと普通にやってきて、ふと気がついたら、世の人々がびっくりする齢になっていたのだろう。ダンス関係者を中心に今も多くの人々に慕われ続けているという。世界には凄いお方がいらっしゃるものだ!
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大リーグのロサンゼルスエンジェルス。大谷翔平君が土曜(現地金曜)シアトルマリナーズとのホームゲームに先発ピッチャーとしてマウンドに立った。打者としても2番に入っていたので文字通り、二刀流の仕事を託されたことになる。投手としてはこのところ好投するも、勝ち星に恵まれていない。お相撲さんに勝ち星が栄養源となるように、先発ピッチャーにも勝ち星が糧となるのだろう。いや、翔平君はそういう次元の選手ではないかも。
さあ、本日はどういう結果とあいなるのか。大きな期待を抱いて見守った。初回表、翔平君は先頭打者に早々とホームランを浴びて先取点を献上。アチャ!暗雲が立ちこめる。三振も奪うが、何だかピリッとしないような気も。序盤で2対0と苦しいゲーム展開。エンジェルスはなにしろ打てない、守れないのお寒い状況が続いているので、出るのはため息ばかり。翔平君は打つ方でも空振りが目立ち、どうもぱっとしない。
この日はしかし、打撃陣が奮起し、何とか逆転、3対2で終盤へ。翔平君は6回を投げ切り、4安打、10奪三振、2失点のまずまずの力投。だが、8回表には無死満塁の大ピンチが訪れた。ここでエースクローザーのイグレシアス投手が大車輪の活躍。8回は三者三振に切って取り、回またぎの最終回も力で押さえ込んだ。翔平君はようやく2勝目を上げた。
試合終了後、マッドン監督は満面の笑みでイグレシアス投手を迎え、ハグしていた。よほど嬉しかったのだろう。更に印象的だったのは、翔平君のパートナーでもあるカート・スズキ捕手の好リードをたたえ、監督が胸をドンと付き合わせて迎えていた光景だ。
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懐かしき「ひょうたん島」!
- 2021-06-03 (Thu)
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声優の若山弦蔵氏が逝去したというニュース。享年88歳の彼のファンだったわけではないが、彼の逝去を知って思うことはあった。新聞紙上では「渋い低音の声の持ち主で『007』シリーズでショーン・コネリーさんが演じたジェームズ・ボンド役や、『スパイ大作戦』の特務機関のリーダー、フェルプス役」など洋画や海外のテレビドラマの日本語吹き替えで活躍したと報じられていた。
私には若山氏の声を耳にすると、子どもの頃に大好きだった「ひょっこりひょうたん島」が思い起こされ、懐かしく感じる。英語で表現すれば、His voice brings back memories. だろうか。彼が声をつけたのは、ニヒルでかっこ良かったマシンガン・ダンディだったかな。訃報を知り、ネットで調べてみて、私の勘違いだったことに気づいた。ダンディではなく、山賊のガラクータだった。面白い名前が出てくる山賊グループの頭領だった。
YouTubeで「ひょっこりひょうたん島」の幾つかのシーンを見ることができた。ガラクータやドタバータたちが財宝を探して「バビロンまでは何センチ?」と歌いながら島の土地を掘り返すシーンは不気味に記憶に残っている。
私は「ひょっこりひょうたん島」は一部しか見ていない。いつか、初めから最終回まで見てみたいものだと思わないでもないが、かなりの長尺物だろうし、まあ、叶わぬ夢だろう。第一、そういうことが可能かどうかも分からない。
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中国語講座の受講生仲間から中国語の短篇(物語)の小冊子を頂いた。以前ならとても読めませんと遠慮していただろう。小倉への仕事で乗った電車の車中でゆっくり読もうと思い、バッグに辞書をしのばせた。読み始めて意味を確認しようと辞書を取り出すと、これが何と韓国語の辞書だった。私の中国語と韓国語の辞書は全く同じ大きさゆえに、韓国語辞書を中国語辞書の箱に入れていた。なんてこった、テラコッタ!
それで仕方なく、辞書なしに読み始めた。だが、意味が全く分からない語はほとんどなく、漢字から意味合いを推察できることもあり、あまり苦悶することなく最後まで読み終えることができた。正確な意味を理解していない文章ももちろんあるだろうが、最後まで読み終え、私なりの感想を抱くことができたことに軽い感動を覚えた。もし、これが韓国語だったらどうだろうか。辞書なくしては最後まで読み終え、だいたいの意味合いをつかみ取ることはできなかったのではないかと思った。
私はかつて、日本人には韓国語の方が中国語より学びやすいと考え、人にもそう話してきていた。だが今は逆だ。中国語の方が学びやすい、いや、韓国語と同様、学びやすいと言うべきか。やはり、漢字を「共有」していることは大きい。
さらに付言すれば、私の中国語の力はまだ初級者レベルに過ぎないが、この数年間の中国語の学習がなかったならば、車中で辞書もなくこの小冊子を最後まで読み終えることはできなかったに違いないとも思う。そう願っている。「我恨爱面子」という一文を見て、辞書でチェックしなくても「私はメンツをとても重んじる人間なんだ」という意味ではないかと推量することができたのはやはり積み重ねた学習の成果だろう。
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「緊張していこう」?
- 2021-05-31 (Mon)
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週末、緊急事態宣言の延長で公民館講座の休講措置も延長されるという連絡が受講生仲間より届いた。正直に白状すると、冒頭に各自が行うショートスピーチの準備をしなくていいということでほっとした。とはいえ、生きた中国語に触れる機会としばらくご無沙汰になる。それはそれで残念。いや、どっちじゃい?と自分で自分に突っ込みたくもなる。
NHKラジオの中国語講座。初級講座でも毎日新しい単語に遭遇し、凄く勉強になっている。それは韓国語も同様。韓国語は中級講座も聴いているが、こちらはさすがに私には難解。そのため、テキストを毎月購入して聴いているが、悲しいかなあまり記憶には残らない。6月号のテキストを先読みしていて、次の表現が出てきた。「あっという間に大学入試だぞ。みんな緊張していこうな」。気になったのは「緊張していこうな」(긴장하자)という表現。「緊張」すると思わぬミスをするのではないかいな。日本語でこう言っても理解してもらえるかとは思うが、妥当なのは「緊張感を持っていこうな」という言い方だろう。
東京の新聞社の国際部に勤務していた頃、「みんな、緊張感を持ってやろう」と口癖のように言うデスクがいた。大阪で勤務していた頃もよく「緊張感を持って」と宣う編集局のお偉いさんがいた。「緊張」は韓国語では「긴장」。敢えてカタカナ表記すると「キンジャン」。中国語では「紧张」。ピンインでは「 jǐnzhāng」。乱暴にカタカナ表記すると「ジンジャン」。中国語では「紧张」は「気楽にいけよ」(不要紧张)などといった用法が普通のようだ。日本語や韓国語のような「緊張感」ではあまり使われないのではないかと私には思える。
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カズオ・イシグロの近作 “Klara and the Sun” を読んだことは先に書いた。読後感をブログですぐにはアップできないことも。それで思った。後日改めてブログに書こうとする時にはおそらく大半の記憶(印象)は失われてしまっているのではと。
それで日曜日。テレビで野球を見ながら、徒然なるままに、“Klara and the Sun” を再び手にして、マーカーを走らせたところを確認しながら、頭に浮かんだ思いをパソコンのワードに書き込んでいった。最終的にはA4で2枚ちょっとの分量になった。このブログは原則、A4で1枚程度の分量の文章をアップしているので、実際にアップするとなると、半分以上は削除する必要に迫られる。それは忍びないかも。もっと書き込みたいこともあるというのに。うーん、どうしよう?
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大リーグ。大谷翔平君は活躍してもしなくても米メディアの注目を浴び続けている。もうすでにしてスーパースターの扱いだ。それはそれでいいのだが、やはり、投打、特に打者としての活躍を見たい。次の言葉は彼が投手として投げた翌日に指名打者として活躍したゲームの後でのマッドン監督の談話。a different animal とは凄い形容だ!
“That always amazes me,” Maddon said. “I mean, to pitch whatever he did … and with the velocity that he has -- to say that he felt really good today is kind of phenomenal. And then you see the way he swung the bat, the stolen base. Just a different animal, man. It’s fun to work with.”
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