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英語でさるく 那須省一のブログ

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チェルケシアってどこ?

 春めいた日々が続いている。帯状疱疹に苦しむ身としてはありがたい。毎朝夕、内服薬を飲んでいるが、効果があるのかどうか、自分では分からないのが悩ましい。ときが癒してくれるのなら、薬はもういいのではと思わなくもないが、そういうわけにはいかないのだろう、きっと。もうすぐ4月、多くの人にとって新たな挑戦が待つ門出のときだ。私も心機一転、中学校での教師(非常勤講師)の仕事に挑みたいのだが・・・。
 せめてもの慰めは上記の仕事に再度就くため、健康診断書の提出を求められ、先週末、医師からスムーズに「就業可」の認定を頂くことができたことだ。昨夏の健診では血糖値が高く、再検査を余儀なくされ、辛うじて就業可となった経緯がある。それ以来、断酒を(何回目?)決意し、粗食を心がけていることが功を奏したようだ。
                  ◇
 月2回のオンラインの英語教室。英語の小説を読む教室は私にとっても楽しいひとときだ。アガサ・クリスティの戯曲を読み終えた今、読み始めたのはアメリカで毎年出版されている栄えあるオー・ヘンリー賞を受賞した世界の実力派作家たちの短篇を集めた作品集。短篇だから読みやすく、英語に翻訳された非英語圏の作家の作品にも触れることができる。
 最新版の “The Best Short Stories 2022” でまず取り上げたのは Daniel Mason氏の “The Wolves of Circassia” という作品。米カリフォルニア州を舞台にコロナ禍に見舞われた住民の暮らしが描かれており、興味深かった。日本と同様、日常生活で常にマスクを強いられていたかどうか分からないが、閉塞感は社会全体を覆っていたようだ。行政が発する不要不急の外出を自粛するよう求めた要請が英語では the order to shelter in place という表現であることを知った。
 この作品には作品名のチェルケシアというロシア南部にかつて存在した国が登場する。旧ソ連軍の侵略で消滅したという。新聞社の国際部に長く在籍していたもののこうした悲しい歴史は知らず、不明を恥じるほかなかった。
 主要登場人物のセイニという南太平洋の島国であるトンガ出身の女性は痴呆症の老医師の介護の仕事に従事している。コロナ禍により、自分自身の家族とは離れ住み込みを余儀なくされている。あるとき、老人と彼の孫を連れ出した午後の散歩の途中、散策路の心地よい木陰で居眠りし、二人を見失う。慌てふためく彼女の心理が次のように描かれている。… and yet she knew that would mean admitting more than just a momentary lapse, it would mean renouncing a central premise that had sustained her, that the world was something that could be tended.
 オンライン英語教室でもこの箇所はどういう日本文に仕立て上げることができるだろうかと受講生と話し合った。なかなか難解だ。――彼女が面倒を見ることを請け合っていたお爺さんとその孫をうかつにも見失ってしまったとしたなら、それはちょっとした手落ちというより、彼女を支えてきた信念の中心にある、世の中は何とか御していけるものだという前提を否定するものだった――。コロナ禍でこれまでの人生で揺るぎないものと考えてきた生き方、考え方がぐらついた人々は少なくないのだろう。私も?

翔平君は unicorn (一角獣)

20230323-1679575921.jpg このブログは備忘録ゆえ、きちんと記しておきたい。私は依然、帯状疱疹に苦しんでいる。まだ右胸辺りの痛みは消えず、日中もずっと残っている。日常生活に支障はないが、やはり気が滅入る。唯一の朗報は未明の時間帯に目覚めることがほぼなくなったこと。最悪の頃は午前2時前後だかに目覚めることがあり、もうろうとした状態で朝を迎えていたが、そういうことはなくなった。今も胸の痛み、違和感で目覚めているが、だいたい午前5時過ぎ、午前6時を過ぎていたりして、これなら早起きになるから、そう不満はない。ただ、痛みと違和感だけは早く雲散霧消してもらいたいと心から願う。
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 備忘録ゆえ、WBCのこともちゃんと記す。当初はあまり「期待」などしていなかったが、東京ラウンドが終わる頃にはどっぷり浸かってしまった。何と言っても大谷翔平選手のプレーには魅せられてしまう。彼が東京ドームのイタリア戦だかオーストラリア戦で放った中堅スタンドへの大飛球は凄いの一言。ああいうホームランを見せられると、感嘆するしかない。もっとも私は大リーグでの彼の活躍にずっと魅了され続けており、昨日今日の翔平ファンではない。
 米本土での決勝戦で二連覇を狙ったアメリカチームを3対2で破り、2009年大会以来3度目の優勝を遂げた水曜日(22日)の試合は実に印象に残るゲームだった。テレビニュースで興奮した日本人ファンが「まるで漫画を見ているよう」という感想を述べているシーンが流れていたが、漫画でもああは描けないのではないかというような「絶妙」な試合展開だった。何と言っても最後を締め括ったのが、アメリカチームをキャプテンとして率いる大スターで翔平君の仲の良いチームメイトのトラウト選手とのクローザーとしての勝負。翔平君はフルカウントから見事空振り三振に仕留め、日本チームを優勝に導いた。
 私は民放のテレビをつけ、音声はパソコンで大リーグのホームページから向こうの実況を聴いていた。若干のタイムラグはあったものの、向こうの「公平」な実況に耳を傾けていると、大リーグ関係者が日本野球、特に今回の侍ジャパンの面々をいかに高く評価しているかということがよく分かった。試合後の会見で翔平君を称賛したアメリカチームのデローサ監督の次の言葉が印象に残る。“Shohei Ohtani is a unicorn to the sport. I think other guys would try it but I don’t think they’re going to do it to his level.” 
 大リーグ開幕は来週末。さあ、また翔平君の一挙手一投足に刮目するときがやってきた。本当はもっと生産的なことに精神を集中させたいのだが・・・。
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 英字新聞を読んでいたら、英語学習者のためのコラム欄で日本語では手も足も指と呼ぶが、英語では手の指は finger であり、足の指は toe と呼ぶと説明していた。手の親指は finger ではなく thumb という別の呼称があることも。手の人差し指は普通 index finger と呼ばれるが、足の場合は親指は first toe であり、順に second toe, third toe などと続く。手の人差し指のように index toe などという呼称はないとか。確かに人を指す(非礼になるから要注意)場合に、足の指を使う人(ケース)はまずいない(ない)だろう。

ChatGPT

 私は依然、帯状疱疹に苦しんでいる。友人へのラインメールなどではゾンビ状態とも形容している。本来なら熟睡しているはずの未明の時間帯に右胸辺りを襲う帯状疱疹の痛みで目覚める。かてて加えて持病のじんましんがこのところ悪化の一途。じんましんの痒みで目覚めているのではと思うこともあるが、意識がもうろうとしているのでよく分からない。いずれにせよ、正常な睡眠ではないことは明白。これで日中よく持っているものだとも思う。
 皮膚科の先生のお話やネット情報などを総合すると、私は帯状疱疹に関しては後神経痛と呼ばれるゆゆしき状態にあるのではないかと危惧している。完治するのか疑わしいが、辛抱強く付き合っていかねばならないようだ。うーん、気が滅入るばかり・・・。
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 通勤中の電車内でNHKラジオの英会話講座を聴いていたら、「これは初恋についての歌です」というような英語の文章が流れていた。英語ネイティブの講師は「初恋」を “first love”と表現してはいけませんよ。この文章は “This is a song about falling in love for the first time.” と言うんですよ、と説明していた。
 「初めて異性を好きになる」という行為・状態を「初恋」という端的な表現にできるのは日本、中国、韓国などの漢字文化圏の国々の特徴だろうか。中国語でも「初恋」と書くし、韓国語でも「첫사랑」(初愛の意)と書く。
 ところで若干違和感を抱いたのは、英語でも“first love”と表現してもいいのではと思ったからだ。実際、私の辞書には “He was her first love.”(彼は彼女の初恋の人だった)という例文が掲載されている。“first love”という表現もありではなかろうか?
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 最近、ChatGPTというものを知った。パソコンでこの語を打つと、AIを駆使したこの検索サイトが出てくる。私が昨日ChatGPTと交わしたQ&Aを以下に紹介する。生身の人間と会話しているようなやり取りではないか。これを利用しない手はない。しかも無料だ。
 私: Give me a very funny joke within 100 words or so.
 ChatGPT: Sure, here's a joke for you: Why don't scientists trust atoms? Because they make up everything! I hope that made you laugh!
 私: Not so funny, I find. Give me another one.
 ChatGPT: I apologize that the previous joke didn't meet your expectations. Here's another one for you: Why did the tomato turn red? Because it saw the salad dressing! I hope you find that one a bit more amusing!
 私: Yeah, this one is not so bad, actually very good. OK, give me another one, one last time.
 ChatGPT: Sure, I'll give you one more: Why don't oysters give to charity? Because they're shellfish! I hope you enjoyed that one!
 私: Very good. Thanks. Bye for now.
 ChatGPT: You're welcome! If you have any more questions or would like to chat again, feel free to come back anytime. Goodbye for now!

早く脱却したいゾンビ状態!

20230301-1677630214.jpg 今日から3月とか。私にとって「失われた2023年の最初の二か月」があっという間に過ぎ去ってしまった。諸悪の根元、帯状疱疹のせいだ。今もまだ右胸の辺りがチクチクと痛い。背中も(帯状疱疹との因果関係は分からないが)肌着がこするからか痛い。それでも日中は何とか帯状疱疹をそう意識することなく過ごせるようになった(気がする)。
 しかし、就寝時、まだ未明の時間帯に痛みで目覚めてしまう。うつらうつらしながら朝を迎える。眠りが浅いから疲れが取れない。致し方なく、土曜日曜の昼間にソファーに寝そべって惰眠を貪り、平日の睡眠不足を補っているような感じだ。私はこんなにだらしない人間ではなかったのに・・・。
 香椎浜のジョギング路をゆっくり走って心地よい汗を流していた日々が懐かしい。嗚呼、あの頃のように気持ちよく香椎浜に向かうことがまた巡りめぐって来るのだろうか。などと書けば、絶望にあえいでいる初老(もう初老の域はとっくに突き抜けている!)の男の嘆きのように聞こえる。それほど嘆いているわけではないが、気ままに散歩でもするかという気にさえならないのだから、ついぼやきたくはなる。
                  ◇
 右胸の痛みにもめげずに続けてきた専門学校での週1の英語の非常勤講師の仕事が2月末で無事終了した。2年間の講師職だった。学生たちに満足のいく授業ができたのか自信はないが、精一杯の努力はしたつもりだ。これで区切りをつけたい。残るは昨秋から始めた公立中学校の非常勤講師の仕事。こちらも3月中旬で契約満了となる。それ以降はどうなるのか分からない。
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 毎朝、キリスト教のdevotional と呼ばれる祈りの書を読んで一日をスタートさせるのを日課としてきて久しかったが、2023年に入ってそれもできなくなっていた。2023年の新版を入手できなかったからだ。昨年までは親しい人からプレゼントされてきていた。今年は自分でネット購入しようとアマゾンにアクセスして試みたが、どうも上手くいかない。出版元(米国)にメールを送り事態を打開しようと試みたが、これもだめだった。出版元からはしょっちゅう新刊書の類のお知らせメールが届くのに、肝心のネット購入ができないからいかんとも手が出せない。不思議でならない。
 それで窮余の一策。こうしたことに明るい親しい先輩に助けを請うた。彼の娘さんが米国に住んでいるので、娘さんに米国内で購入してもらい、それを私に送ってもらうことで話がまとまった。先日、その書 “Walking in Grace 2023” が私の元に届いた。嬉しい。二か月近く中断していた毎朝の日課を再開した。敬虔なキリスト教徒の方々が交代で日々綴っている主への感謝、安寧を願う祈りは、愚禿凡夫である私にも有り難い戒めの言葉となっている。英語で書かれている書物ゆえ、英語の勉強にも役立っている。
 数日前の項では “I dropped the ball.” という文章が目にとまった。何か失敗した時などに使われる慣用句らしい。「へまをした」と。初めて知る表現だった。野球を思い浮かべると理解しやすい。私はこれまで幾多のボールをつかみ損ねたことか!

私も欲しい“luck out”

 帯状疱疹が今も私を苦しめている。日中の仕事は何とかこなしているが、このところの慢性的な睡眠不足からかあるいは単に右上半身の痛みからか、身体が重い。気分も物憂い。とても溌剌とした気分とは言えない日々が続いている。
 救いは就寝時に小説を持って横たわり、少しずつでも読書をする気力が出てきていることだ。それで今読んでいるのは週末のオンライン英語教室で次に読むことを考えている作品。過去に読んだことのあるオーヘンリー賞受賞の短篇集の最新版"The Best Short Stories 2022"。昨年末にネットで注文したら、即座に手元に届き、ネットショッピングに疎い私は感激した。今年はロシア語で書かれた作品の英訳も幾つかあるようだ。今読み始めた短篇はその一つで風変わりな出だしで、クリミア半島の記述も見える。まさかロシア軍のウクライナ侵攻を予知したものではないだろうが、時節柄気にはなる作品だ。展開が楽しみ。
 昨秋から読み進めてきたアガサ・クリスティの戯曲 “The Mousetrap” はいよいよクライマックスに近づいた。今月2回の教室で読破できそうだ。受講生の英語表現の学習に役立つと思って選んだ作品だったが、実に面白かった。いや、まだ読破していないので、「面白い」と現在形で書くべきだろう。私はこの戯曲はロンドンに勤務していた頃から何度も観ているが、活字で読んだのは初めて。殺人事件の犯人捜しのスリラーだが、犯人は登場人物の誰?ということさえ忘れていた。
 初演は71年前という世界で最も長い連続上演劇として知られている “The Mousetrap” 。次にロンドンに飛べるのはいつになるのか分からないが、再訪できたら、きっとまた新たな気持ちで劇場に足を向けるだろう。
                 ◇
 米高級誌「ニューヨーカー」からネット定期便で送られてくるニュースレターに次の見出しの記事の告知があった。私が時々拝読しているベテラン記者、スーザン・グラッサー氏のコラム記事のお知らせで、私は見出しの文言にひかれた。“Joe Biden, Once Again, Lucks Out With His Enemies” とあった。一般教書演説を終えたバイデン米大統領にまつわる記事だが、“luck out” とは初めて見る表現。下院の多数派を敵対する共和党に奪われ、四面楚歌とは言わないまでもこれまでの一般教書とは異なる厳しい状況下での演説を強いられたバイデン大統領にとって結果はそう悪くなかったようだ。
 “luck out” を辞書でひくと、「運が向いてくる」とある。辞書には例文として次の文章が載っていた。He lucked out with the divorce.(彼は離婚を機に運が向いてきた)。記事の見出しの乱暴な意訳を許してもらえれば「バイデン大統領、またもや共和党の敵失で幸運を引き寄せる」といった文言が頭に浮かぶ。
 In his State of the Union address, the President offered a strong performance – with an assist from House Republicans. 共和党議員の敵対的発言(やじ)が大統領にとっては「追い風」となった。バイデン大統領は次期24年の大統領選で民主党候補として再選を目指すのは必至とか。注目はトランプ前大統領に今なお引っかき回され続けている共和党の動向だが、党内ではトランプ氏を見限る動きが活発化し始めているとも報じられている。本当?

愚痴りたくないが

 帯状疱疹に苦しめられていることは書いた。今も辛い状態が続いている。日中は仕事をしていれば、右胸の辺りと背中の痛みはそれほど気にならない。いや気にしないように努めているのかもしれない。問題は夜中。今はなるべく早めに就寝しようと夜の9時過ぎにはベッドに入ることが多いが、なかなか寝付けない。運良く眠りに落ちたとしても、途中で胸の痛みで目が覚める。スマホの時計を見やると午前1時40分とか。まだ夜中だ。いかん、眠ろう。それからの記憶があやふや。熟睡からはほど遠い。もうろうとしたまま朝を迎える。
 上記のような夜をもう何度経験しているだろう。皮膚科医院で服用薬をもらってきちんと飲んでいるが、効果があるのかないのか、よく分からない。そうした悶々とした状況下、今度は腰痛が襲いかかってきた。私は腰痛だけは経験したことがない。だからショックだった。どうも世に言うぎっくり腰の症状のようだ。ベッドに寝転ぶのも一苦労。これでは教壇に立てないのではと危惧した。内科医院を訪ね診てもらう。帯状疱疹とは無関係のようだ。痛みが続けば整形外科医院できちんと診てもらうことを薦められた。
 それで窮余の一策と痛み止めを処方してもらった。これで痛みが解消しなければ、整形外科医院に足を運ぼう。幸いこの痛み止めは効いたようだ。一晩経過したら、腰痛は消えていた(ように感じている)。問題は依然、帯状疱疹。痛い。眠れない・・・。
                  ◇
 体調的には最悪の状況がずっと続いているので、あまり世の中の事柄に真剣に向き合う余裕がない。余裕がないが、案じてはいる。その筆頭はやはりウクライナ情勢。ロシア軍が一方的にウクライナを侵攻して以来、まもなく1年が経過しようとしている。あの大国がウクライナを攻略するのにこれだけ長期にわたって苦戦しているのは、それだけ抵抗するウクライナの人々に理と義があるからだろう。
 プーチン露大統領の政権基盤は残念ながら依然盤石のようだ。CNNもBBCも最近はあまり目にしていないので読売新聞から引用するとーー。プーチン大統領は2日、第2次大戦の激戦地だった露南部のボルゴグラード(旧スターリングラード)で催された旧ソ連軍の旧独軍勝利記念式典で演説したが、ウクライナ侵攻をかつての対ナチスとの戦いであるかのように形容したとか。何をか言わんやである。ドイツがウクライナの求めに応じ、戦車を供与しようとしていることに反発しての発言であることは明らか。侵攻がこのまま泥沼化していけばやがてロシアが核兵器使用に踏み切り、欧米諸国が相応の報復措置に出て、事実上第3次大戦の勃発という悪夢も頭に浮かぶ。何とも恐ろしい時代だ。
                  ◇
 もうろうとした頭でも毎朝のNHKラジオの英韓中の外国語講座は聞き続けている。睡眠不足から寝落ちしていることがしょっちゅうだが。先日の英会話講座では次のような一文が流れていた。Direct translations are hard to understand. 「直訳は理解するのが難しい」と訳されていたような。ふと思った。「直訳」は literal translation ではないかいな。そう教えてきていた。改めて辞書をひくと、literal translation, word for word translation と出ている。今はdirect translation でもOKとされているのだろう。

(私も)終末時計?

 2023年がとほほの幕開けとなったことは先に書いた。実は発熱の原因が風邪か何かよく分からなかったが、もう一つ、立派な病気を抱え込んでいたことが発覚した。帯状疱疹。以前から皮膚科系の弱点を抱えていることは知っていたが、まさか今回、この帯状疱疹に見舞われていることまでは分からなかった。右胸の辺りがチクチクと痛むことは気づいていた。手を入れると湿気がある。なんかおかしい。すぐに皮膚科に走れば良かったのだろうが、発熱の方に気を取られてしまった。
 そして熱が下がって足を運んだ皮膚科。胸をはだけると、医師の診断は即「帯状疱疹です」。よくほおっておかれましたな。いや、そういうつもりでは。手遅れかもしれないが、急ぎ、飲み薬と塗り薬を処方してもらった。以来、二三週間経過した。日中は何とか仕事ができる程度には回復したが、就寝時には右胸の辺りの違和感が消えない。激烈な痛みではないのだが、痛いことは痛い。それが気になってすっと眠りに落ちることができない。悶々としながら浅い眠りに落ち、すぐまた目覚める・・・。いやはや何とも辛い日々が続いている・・・。
 ブログをアップする気にもなれない。読みたい小説は目の前にあるのだが、そうした本を手にする意欲もない。私にとってこの1月は「失われた一か月だ」と嘆いているが、果して今月だけで済む話でもなさそうな雲行きだ。中学校での金曜日の授業を終え、帰宅後の今この項を打っていても、右胸の辺りに違和感があり、何もかも投げ出して寝転びたくなる。嗚呼、いつまでこの不調が続くのだろうか?
                  ◇
 20230127-1674807291.jpg個人的には絶不調だが、人類社会の危機も確実に進行しているようだ。あの「終末時計」(doomsday clock)のことだ。実はこのところ、終末時計どれぐらい進んだのだろうと思っていた。あれは年末に取り上げられる恒例のニュースだったかしら? だとしたら、去年暮れに見落としてしまったのだろうかとも思っていた。外国のメディアではいつも記事化されるが、日本ではそうでもなかったか?
 年末恒例ではなかった。今週そのニュースをアメリカのネットで目にした。ロシアのウクライナ侵攻もあり、今年は人類滅亡までの残り時間が過去最短の「90秒」となったことが明らかにされた。90秒=1分半。ため息を一つか二つつく間に人類はこの地球上から消えてしまうらしい。
 終末時計は米科学誌「原子力科学者会報」(BAS)が毎年発表しているもので、1947年に核戦争の危険性を警告する目的で米国の原爆開発に参加した科学者たちが創設したとか。時計の針が真夜中の零時を指せば、それが人類滅亡のときを示す。2018、2019年は残り時間は2分だった、2020年に100秒となり、一昨年、昨年も100秒のまま据え置かれていた。今年は10秒が削られ、90秒となったことになる。
 私がネットでみた米国の風刺番組では今年の終末時計の発表が沈痛な雰囲気の中でなされ、発表に立ち会った5人の科学者の方々が無表情でしばしたたずんでいた、その様子がなんとも形容し難く、「突っ込みどころ」満載といった感じだった。しかし、人類社会を脅かす昨今の危機的状況は決して笑い話などではないという気がしてならない。

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