英語でさるく 那須省一のブログ
「適度の理解」
- 2016-06-10 (Fri)
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暑くなってきた。去年の手帳にはうかつにもいつクーラーのスイッチを入れたのか記していない。ブログを読み返すと、7月9日の項で、マンションのエレベーターを降りた途端に、ムッとする外気に触れ、「おや、これはもう夏の空気だ。これから本格的夏の到来だな」と感じ、「まだ扇風機で何とか済ませているが、いよいよ冷房の出番か」と書いている。とすると、まだあと1か月程度は我慢することになるのか。できるかな?
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『英語で話すヒント——通訳者が教える上達法』(小松達也著・岩波新書 2012年)という本を読んだ。著者の小松氏は日本初の会議通訳エージェントであるサイマル・インターナショナル創設に参加した同時通訳者として名高い人だ。
拙著『英語でさるく』でも書いたが、私は学生時代、小松氏に面談し、同時通訳の仕事をしたい希望を伝えたことがある。この時、小松氏に同時通訳者の世界がいかに厳しいものであるかと諭され、新聞記者の仕事を選択した。当時のことを思い出しながら、著作を読んだ。
「はじめに」に次のようにある。英語の話を聞く場合も、100%分かる必要はありません。「完全な理解」というのはそもそも無理なのです。外国語話者が目標にすべきは、適度の理解(reasonable understanding)だと言われます。「適度の理解」とは、細かい点は落しても大意をつかむこと、話し手が何を言いたいかを捉えるということです。
さらに「聞き取り」に関して次のように書いておられる。事実、「全ての単語を聞き取ろうとする」というのが第2言語での聞き取りにおける最大の問題なのです。流れてくる音声の中から2つでも3つでも単語が聞き取れれば、話し手が発した音声以外のいろんな情報を活用してかなりのことを類推できるからです。聞き取れない単語があったからといってがっかりすることなく、聞き取れた単語を中心に前後関係から何を言わんとしているのかを類推する、という態度が大切です。
全く同感だ。同時通訳の世界でさえすべての単語を聞き取ることが必須でないのであれば、私たちが目指すゴールラインは下げてしかるべきと言うつもりはない。小松氏の言う類推とはイマジネーションでもあるだろう。イマジネーションを働かせることで英語力はぐっと身に付く。私はそう思う。だから、私はこのくだりを読んで嬉しく思った。
ただし、私には同意できない指摘もあった。発音に関する項で、小松氏は英語が中国語やフランス語などと比べ比較的平易であることから、次のように述べている。英語の発音は日本語話者にとって大きな問題ではない、と私は思っています。英語の母音の数は日本語より多いのですが、母音も子音もだいたいローマ字と同じように発音されますから、英語の綴りの通りに発音すれば、ほぼ通用します。中には、laugh(笑う)[ラフ]、やwomen(女性の複数形)[ウイミン]のように綴りとは違う発音をする単語もありますが、数は非常に限られており、たいていは綴り通りで大丈夫です。
私は英語は綴りの通りに発音していれば、それで事足りるとは思わない。むしろ、英語の音素と日本語の音素は根本的に異なるという認識から学習を始めることが大事ではないかと思っている。もちろん、似ている音素はあるだろうが。
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"a historic mistake"
- 2016-06-05 (Sun)
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熊本地震は相変わらず、余震が続いている。私が住む福岡では体で感じることはなくなったが、ネットの気象情報欄で確認すると、今もずっと続いているのが分かる。NHKテレビではあの不気味な警告が繰り返されることはなくなった。しかし、今後もまだしばらくは「最大震度6弱程度の激しい揺れに警戒を」という警告は生きているのだろう。激震の後、忘れた頃にまた激しい揺れが襲来する話をどこかで聞いたような。
気象庁の地震情報にアクセスすると、毎日、日本のどこかが揺れているのが分かる。テレビの旅番組でヨークだったか、イングランドの古い町並みが紹介されていた。レンガ造り、石造りの住家は日本にはない味わいだが、熊本地震のような揺れに見舞われたら、とてももたないだろうと思えた。同じ島国ながら、大地の戒めを憂える必要のない地に住む人々が羨ましい。うだるような夏の暑さからも無縁の地だ。
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ネットで読んだワシントン発の新聞記事で、米大統領選で民主党指名をほぼ手中にしているヒラリー・クリントン氏が共和党の候補となるであろうドナルド・トランプ氏を痛烈に批判したとあった。トランプ氏を大統領に選ぶ、すなわち「米軍最高司令官にするのは歴史的な間違いだ」と。「歴史的な間違い」という表現が気になった。彼女が口にした言葉は “a historic mistake”。英語の試験の解答ならこれで「正答」だが、私にはどうも “a historical mistake” の訳のように聞こえてしまう。「間違い」との表現が平板で物足りなく感じる。私がこれを試験問題として出題して、「重大な禍根(を残す)」とか「あってはならないこと」と意訳した学生がいたら、「秀逸な訳」とほめるだろう。
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『英語とはどのような言語か』(長谷川恵洋著・文理閣 2014年)を読んだ。参考になったことは多々あるが、一点だけ紹介すると。
「英会話は人称代名詞のキャッチボールである」との項で、著者は「日本語に在るのは『人称詞』であって『人称代名詞』ではない」と述べている————。日本語には英語の人称代名詞に相当するものが存在しないのである。そう考えるのが妥当であろう。そもそも「私」「あなた」「彼」などの言葉は、西洋語の人称代名詞を日本語に置き換えるために、明治期に便宜的に作り出されたものであり、それ以前の日本語は主語を明示しないのが普通であった。(中略)先生に「あなた」と言ってはまずいことについて先に述べたが、そもそも目上の人や知らない人に対して無難に使える2人称の言葉が日本語にはない。だから主語を言わないことが多い。そのほうが無難だから
どの人称代名詞を選んで使うか考えるたびに、自分と話し相手との関係について考えなければならない。いちいち相手との関係を気遣うのも面倒だから、多少あいまいになっても人称詞なしで会話を進行させるということがよく行われる。
そう親しくない目上の人をどう呼ぶか、困った体験が数限りなくあるのは私だけではないだろう。「~さん」との呼びかけは残念ながら万能では決してない。「先生」や「部長」・・・。肩書きが幅を利かすことになる。二人称がyouで万事が済む英語は、なかなか使い勝手のよい言語だ。国際共通語(lingua franca)の位置を占めているのはむべなるかなだ。
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物は言いよう!?
- 2016-05-27 (Fri)
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蒸し暑くなってきて生ビールが恋しい季節となった。と書いても、実際に飲みたいと思っているわけではない。この欄で何回か書いている通り、去年の正月明け以来の断酒は依然続けている。別に無理しているわけではない。はるか昔に禁煙に成功した時もそうだったが、飲酒や焼酎のことが頭の中から消える、思い浮かばないようになれば、何のことはない。後はごく自然に時が流れていくだけのことだ。失恋の痛手から立ち直るときと似てなくもないか。その人の存在が消える、頭に浮かばなくなれば、思い煩うこともなくなる。
ただ、残念に思うこともある。自宅近くを散策していて、雰囲気の良さそうなお店に出くわした時などがそうだ。嗚呼、こういった店で一人静かに焼酎のオンザロックを二三杯もやれば、心地好い酔いに浸れるに違いないなどと思う。まあ、そのうちにたまにはいいかと思ってはいるが、まだ当分は慎もう。
時々脳裏をかすめる表現がある。フランク・シナトラが言ったと伝えられる言葉だ。正確に覚えているわけではないので、ネットで調べてみると、次のような文章が出てきた。
“I feel sorry for people who don’t drink. When they wake up in the morning, that’s as good as they’re going to feel all day.” (酒を飲まない人たちを可愛そうに思うんだ、私は。だってそういう人たちは朝起きた時が既にベストの状態であり、それ以降良くなるなんてことはないんだろうから)。二日酔いの気分は最悪だが、段々と回復に向かい、やがて朝のむかつく気分が嘘のよう、なんてのは、確かに酒飲みの「専売特許」みたいなものだろう。
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週末にテレビで楽しみに見ているのがある。韓国語ドラマではない。これは語学の勉強のためにしょっちゅう見ている。競馬放送だ。競馬ギャンブル自体は昨年4月以来、すっかり足を洗ったことは既に書いた。賭け事とは縁のない生活を続けている次第だが、これも決して無理をしているわけではなく、やりたいとは思わないのだ。
ただ、馬が走るのを見るのは好きだ。私が契約しているケーブルテレビでは午後から中央競馬会(JRA)のレースを見ることができるため、読書の傍ら、レースを観戦している。テレビでは競馬専門紙の記者たちが予想を語っているが、あまり当たらないようだ。勝ち馬を当てるのを仕事としている人が予想しても外す。さらに、競馬には馬主に厩舎関係者や騎手、多くの人の思惑が交錯する。こちらが手にするのはごくわずかな情報。所詮素人が当てるのは至難の業だ。私が競馬から足を洗った一因でもある。
それでも、これまで長い間競馬を楽しんできたので、馬券は買わないで予想だけはする。スポーツ新聞や競馬新聞を買うこともない。JRAのホームページで出馬表は読める。これで十分だ。自分なりの予想をした上でレースを楽しむ。自分の推理力を楽しみ、元手はゼロ。儲けにはもちろんならないが、損をすることも絶対にない。お膳立てはJRAがすべてやってくれる。これほど贅沢な遊びはないだろう。JRAは国民に馬券を買わせようとあの手この手のコマーシャルをテレビで流しているが、その手に乗ってはいけない。
さて、競馬の祭典とも言える、日本ダービーが今年もやってきた。日曜日。18頭の3歳駿馬が一生一度の栄冠を目指して駆ける。予想するだけで十分楽しいから不思議である。
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the lesser evil
- 2016-05-25 (Wed)
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このところの蒸し暑さで寝苦しい夜が続いていたこともあり、少し体調を崩してしまった。クーラーをつけるには早過ぎると思い、扇風機のお世話になっているが、どうも風邪のような症状で、咳が出て、微熱がある。食欲もあまりない感じだ。人間とは現金なものだ。余震が続いている時は早く終息して欲しいと願い、蒸し暑くなってくると、もう少し涼しい初夏が続いて欲しいと願う。
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海の向こうの米大統領選。米東海岸に住む恩師からは毎日、関連のニュースがメールで送られてきている。購読している英字紙、ジャパンニュースも連日報道しているが、いささか食傷気味だ。最近の記事で印象に残ったのは、民主党指名候補争いで本命のヒラリー・クリントン氏を激しく追い上げているバーニー・サンダース上院議員がクリントン氏を痛烈に批判した記事だろうか。Sanders told ABC’s “This Week” program that Americans should not have to choose between “the lesser of two evils” in the Nov. 8 election. サンダース氏は11月8日の米大統領選で有権者がどちらの候補がより少しはましかという悲しい選択を迫られることのないようにもっていく必要があると訴えている。
共和党の候補指名を手中にしたトランプ氏にはともかく、クリントン氏にとっては屈辱的な一言だろう。自分が evil であると酷評されたわけだから。”Choose the lesser of two evils.”(同じ悪でもましな方を選べ)とは時に目にする風刺の効いた表現ではあるが、嗚呼、遂にここまできたかと思った。まあ、十二分に予想された展開だが。米CNNテレビに出演したサンダース氏はさすがにこの点を突かれると「私がそう言っているのではない。米国民がそう考えているということだ」と弁解していたが、クリントン氏は傲岸不遜のトランプ氏と同じ世界に生きている富裕者というのは彼の本音だろう。
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八百屋さんの壁のビラで知った私立高校提供の中国語初級講座が開講した。上記の通り、微熱があり、少し辛かったが、大切な初回の講座なので出かけた。先生は中国人の男性で流暢な日本語を話す人だった。初回は中国語の単母音と声調の説明。すでに初級の入門書で知っていたことだったが、ネイティブスピーカーの人から説明を受けて、よく理解できた。この日の受講者はわずか7人。高校生も3人いた。次の講座は再来週で、来年2月まで飛び飛びに全16回の予定。地道に学習を続ければ、講座が終了する頃には基礎の基礎を身に付けているかと思う。いや、そう期待している。
参考までに日本語の母音はご承知のように「あいうえお」の5つ。韓国語の単母音は7つ。中国語の単母音は6つ。大きな違いはないように見えるが、これが大きな違いを生む。これまで何となく感じてきた疑問。なぜ、中国人はあのようにきれいな英語、時としてネイティブのような英語をしゃべれるのか。韓国人もまた日本人と比較すればずっと上手に英語をしゃべれるのか。この疑問が日本語、中国語、韓国語の音韻の上からも説明ができるような気がしている。その辺りはおいおいこのブログでも書いていきたいと願っている。
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escape に注意は猛獣だけではない!
- 2016-05-20 (Fri)
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フィリピンでトランプ旋風のような過激発言をしていた政治家のロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が大統領選で勝利し、来月末に就任することになった。英字紙「ジャパンニュース」で面白い見出しの記事を見つけた。
President-elect Duterte swears he won’t swear again (次期大統領が就任後は悪態をつくことはしないと誓約)。swear の二通りの意味を活かした見出しだ。最初のswear は「誓う、誓約する」という前向きの意味であり、二つ目のswearは「ののしる、悪態をつく」というネガティブな意味だ。地元紙(Philippine Daily Inquirer)の転電記事で、本文はNow that he has emerged as the presumptive President-elect, Rodrigo Duterte has made a promise to the Filipino people – curses shall no longer escape his lips. “I need to control my mouth. I cannot be rude because I will be representing our country,” Duterte said. と続く。curses shall no longer escape his lips(唇からののしりの言葉が漏れることはない) という表現が印象的だ。普通に書けば、he would never utter curses という文章が頭に浮かぶ。 この辺りは過激発言の「本家」のトランプ氏とはだいぶ異なるようだ。
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今年2月頃にアップした項で「韓国語だけでなく中国語の独学にもゆっくりチャレンジ」と書いた。それから3か月ほど経過したが、思いはあっても現実は厳しい。今でもたまに、ケーブルテレビで中国の国営放送「CCTV」(中国中央電視台)の放送を見ているが、悲しいかな、チンプンカンプンの状態が続いている。
初歩の入門書も買い求めて読んではみたものの、韓国語と異なり、独学はかなり難しそうだ。第一、発音自体がどうも自信がもてない。そんなこんなの先日のこと、すっかり常連になった八百屋さんで買い物していたら、店の壁に一枚のチラシが揺らめいている。いつもはまともに読むことはないのだが、何やら語学教室開講のお知らせだ。英語、韓国語、それに中国語とある。地元にある私立大学系列の高校で、一般市民を対象に提供している無料の語学講座のようだ。
ムム、中国語も教えてくれるのか。それも初級講座と銘打ってある。まだスタートしていない。これはいい。早速、この高校に電話を入れてみる。電話を入れて分かったのだが、受講者募集の締め切りはとっくに過ぎていた。担当者が留守なこともあり、まだ受講受け入れの余裕があればぜひ加えて頂きたいとの伝言を残して電話を切った。果たせるかな、翌日、担当者から電話が入り、受講OKとの由。韓国語なら 다행이다!(良かった!)。다행は「多幸」。何となく意味が類推できる。中国語では何と言うのだろう? 中国語でもやがてはしっかり身に付けたい。いつか中国を旅することができるようになったら、何度もつぶやきた表現だ。英語だったら、“Thank goodness.” という表現が頭に浮かぶ。アフリカやアメリカの旅では何度も心の中で繰り返した安堵の表現だった。
机の片隅に追いやっていた中国語の入門書を再び取り上げ、初めから読み返すことにした。ざっとあらかた読んではいたのだが、記憶は飛んでいる。改めて読み返してみると、今度は幾分、私の大脳皮質の奥深いところに収まっていくような気がしている。
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異例ずくめの会見?
- 2016-05-18 (Wed)
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前回の項で記した朝日新聞の記事。私が読んだのはネット版の記事だった。新聞記者時代の習性で実際の紙面を手に取ってじっくり読んでみたい思いに駆られた。コンビニで朝刊を買い求めて、記事を探す。残念ながら、お目当ての記事は実際の紙面にはなかった。その代わりに「ひと」欄に関連の記事が掲載されていた。
「ひと」欄の記事も悪くないのだが、やはり、ネット版の記事とは面白さが比較にならない。最近では出色の会見記事だった。朝日の記者の筆力が素晴らしいと述べているのではない。「素材」がいいのだ。定期購読している読売新聞でも3社面にこの会見記事は出ていてそれなりに「感じ」は出ているのだが、朝日のネット記事を読んだ後では物足りない。
前置きが長くなったが、くだんの記事は文学の話題で、三島由紀夫賞に蓮實重彦氏(80)の作品「伯爵夫人」が決まったというもの。新鋭作家に贈られる三島賞を実績のある傘寿の人が受賞するという異例さ。私は蓮實氏のことは全然知らなかったが、2000年前後に東大総長を務めたことのある仏文学者で、映画や文芸の批評の第一人者とか。「伯爵夫人」は日米開戦前夜の東京を舞台に、「帝大受験を控えた青年と元高級娼婦との交流がエロチックな描写で埋め尽くされた物語」(朝日新聞)だという。
朝日のネット版では受賞会見での記者団とのやり取りが詳しく報じられていた。ネット版ならではの扱いだろう。これを読む限り、凄まじい会見だったようだ。受賞の会見とは到底思えない、殺伐とした雰囲気さえ伝わってくる。本人も望んでいなかった受賞への戸惑い、怒りが行間から、いや、蓮實氏が放つ生の言葉からにじみ出ていた。このようなやり取りが交わされる会見は滅多にお目にかかれるものではないかと思う。
朝日のネット版から少しその発言を拾わさせて頂くと・・・。受賞の喜びを問われて————「まったく喜んではおりません。はた迷惑なことだと思っています。80歳の人間にこのような賞を与えるという事態が起こってしまったことは、日本の文化にとって非常に嘆かわしいことだと思っております」。受賞作品と自身の青春時代の関連を問われて————「それは全くありません。馬鹿な質問はやめていただけますか」。受賞作を執筆することになったきっかけを問われて————「全くありません。(作品が)向こうからやってきたということです」。今の時代が秘めている危うさとか隠された意図とかがあるのかと問われて————「申し訳ありません。おっしゃることの意図がわかりません」。作品を書いた理由を問われて————「全くありません。向こうからやってきたものを受け止めて、好きな風に好きなことを書いたというだけなんです。それでいけませんか。何をお聞きになりたかったんでしょうか」
ひょっとしたら、民放のワイドショーのような番組ではこの会見が報じられたのかもしれない。民放テレビにとっては格好のネタになったことだろう。民放テレビは野球やサッカーなどのスポーツ中継以外は見ることは皆無に近い。大リーグ中継や韓国語ドラマに付き合っている身にはこれ以上、テレビに向き合う時間はない。このところの地震頻発でただでさえNHKを見る時間が増え、最近では朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」まで何となく見させられている。ヒロインの高畑充希が個性的でいい味を出している。韓国の女優さんとは趣がだいぶ異なるが・・・。
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人様のことは言えないものの
- 2016-05-17 (Tue)
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今日は晴。気持ちの良さそうな天気だ。ジム(プール)が休みの日だから、後で散歩に出て、たまに行く喫茶店でものぞこう。そこでは朝日新聞が読める。ネットで気になるインタビュー記事を見かけた。紙面を読んでみたい。実際に面白ければ、コンビニで新聞を買おう。
昨夜は午後9時過ぎ、関東でも大きな地震があった。NHKテレビを見ていて、緊急地震速報に緊張した。また熊本地震の余震かと身構えたが、茨城県内を震源地とする最大震度5弱の地震だった。幸い、大きな被害は出なかったようだ。
午後11時過ぎ、NHKテレビでは気象庁の担当官の記者会見が流れていた。よく出る課長さんで今では顔と名前を覚えてしまった。地震津波を担当している方らしい。「元」という下の名前が当初気になった。「はじめ」?「もと」?。前職の元課長が出ていると勘違いした人もいたのでは。「げん」と読むことを今では知っている。画面下に視聴者のツイッターが流れる。私はこのツイッターなるものをどうやって操るのか全然分からないが、見ているとなかなか面白いものもある。昨夜思わず笑ったのは「課長さんのお顔はもういいから、(視聴者にも会見の)資料が見れるようにして欲しい」というツイッターが流れたこと。このような「愛」のある「突っ込み」には癒される。
◇
図書館から借りてきた本を今読んでいる。「通訳・翻訳」に関する本で、パラパラめくっていたら、次のような指摘があったので、じっくり読みたいと思ったのだ。
その言語の話される環境の中にドボンと落とせばその言語を母語としてマスターする——これができるのは、幼児のころ、6歳までのことだとされます。その頃まで日本にいれば、いわば日本語の脳ができてしまっているのです。これ以降になったら、ただただ英語を聴かせるだけではそれをきちっと理解し、話せるようにはならない————と考えるべきではないでしょうか。
これは外国語学習における「臨界期」(critical period)と呼ばれる考え方で、私が以前に読んだ本では「言語習得における臨界期は、思春期の始まる頃、つまり12歳前後だろうと言われている。この時期を過ぎると、母語話者のレベルにまで言語能力を到達させるのはかなり難しくなる」という趣旨のことが説かれていた。今読んでいる本によると、英語に特有の「l」と「r」とか「s」と「th」の区別などは小学校に入る頃までに体得しないと無理だということになる。
それはそれとして、この本は誤字・誤植が多いので少し驚いている。私自身も「物書き」の端くれで、これまで何冊かの本を書いており、目を皿のようにしてゲラを読んでも、出版後に読者から初歩的な間違いを指摘され、愕然とすることが多い。最近では、「すっくと立つ」という表現が「すくっと立つ」となっているという指摘を受けた。正直、私はこれまでずっと「すくっと立つ」でいいと思っていた。不明を恥じるばかり。
今読んでいる本の誤字・誤植をざっと付記すると————。「喪心からお礼を申し上げます」「習金平」「Hilary Clinton」「もつとも美しかったのは」・・・。この本は昨夏に出たばかりの近著なので、版を重ねることになれば、きっと校正されていることだろう。
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