柚のかくし味 by 柚


2004-07-16 田舎の夏が懐かしい

暑くなって、植物が弱り始めた。一日中閉め切っているので、空気が動かないせいだろうか。いえ、実は植物だけではない。自分自身も調子がよくなかったので、すぐ近くのクリニックに行って検査を受けた。結局はたいしたことはなく、ただ単に疲れがたまっているということのようだ。体が疲れていて、眠りたいのに、神経は眠ろうとしないという日が続いているので、それが精神を不安定にしているのである。今まで、こんなことはあっただろうか。ちょっとめげた。

最初はこの暑さのせいかとも思った。ねっとりとした暑さは体に悪い。ふるさとの夏が妙に懐かしく、心が落ち着かない。田舎の家は、昔でも夏は確かに暑かった。冷房などなかった時代のこと。風の通る時間と場所と、必ずしも同じではなかったが、午後の時間、一番涼しかったのは、廊下で、階段の踊り場にござを敷いて寝た。

あの頃、熱帯夜なんて言葉はあっただろうか。こんな日が続くと都会暮らしをすることに一抹の寂しさがある。どこででも暮らせると思っていながら、しかも、夏の暑さは平気だ、むしろ暑いほうがいいなどといいながら、田舎の夏を懐かしむなんて。心の弱さが出ているのかもしれない。


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