英語でさるく 那須省一のブログ
また悲惨なテロが
- 2019-04-23 (Tue)
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スリランカで悲惨な大規模テロ事件が同時多発的に発生した。死者数はすでに300人近い。負傷者数も大勢いて、死者数は今後さらに増えていく可能性大だ。このようなテロをどのように糾弾すればいいのか、胸がふさがる。民族・宗教的な対立、確執が背景にあるのだろうが、テロが生むのは犠牲者・遺族の筆舌に尽くし難い悲しみと憎しみだけ。もし、宇宙のかなたから異星人が訪れ、今の地球を見たら、人類は何と愚かな生命体であると蔑むことであろうか。それに対し、我々は異を唱えることができるのだろうか。
もし、異星人が人類よりもずっと優れた先進文明の生命体だったとしたら、(何万光年も離れたところから地球にやって来るのだから、人類より進んだ文明圏であることはほぼ間違いないだろうが)地球文明に厳しい「評定」を下し、人類を破滅させる挙に出たとしても何ら不思議ではないのではないか。そういう事態が起きて欲しくはないし、あり得ないことかもしれないが、ただ夢想するだけでぞっとするようなシナリオではある。
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私が今ここで手にしているのは中国語の初歩の教科書。NHKラジオの講座に比べればずっと易しい内容だ。文法的な事柄は学習済みのことばかりでいい復習になっている。
私がここにいる間は老師(先生)の教えを受けることはない先の課を読んでいて、「蛋糕 ﹅我喜歡」(私はケーキが好きだ:I like cakes.)という文章が出てきた。これはSVOではなくOSVという形で目的語が文頭に出ている。教科書の説明によると、蛋糕(ケーキ:cakes) という目的語を強調するための文章だという。文章では読点(﹅)を入れたところを話し言葉では少し間を置くということだろうか。日本語ならば「私はケーキが好きです」と言うところを「ケーキ、私は好きです」という強調表現ということか。この点では日本語も中国語もほぼ同じ語順でOKと映る。
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台北での滞在も残り少なくなった。平日の朝飯はすでにこのブログで何回か写真をアップした食堂を必ずのぞいている。お昼に通るとお店は閉まっており、どうも朝飯専門店らしい。台湾ではこういったお店が珍しくないのだろう。
最近は咸豆漿に卵焼きの「定番」に肉野菜が入った包子も追加注文している。それでも日本円の勘定だとわずか285円。私はいつも7時過ぎには利用しているが、少し遅く行くと店の外にまで行列ができている。厨房では5,6人の人が忙しく立ち働いているが、お店のお兄ちゃんは私がいつも食べるものを覚えてくれ、最近は私の顔を見ると上記の品を出してくれるようになった。
授業が終わった後のランチと夕食はできるだけ新しいお店をのぞくように心がけている。街の「何の変哲もない」店をのぞき、そこで美味いものに出会えることが楽しみだ。たまに「失敗」することもある。「何の変哲もない」を英語で表現すれば nondescript という形容詞が頭に浮かぶ。先日はそうした食堂で美味い水餃子に出合った。総菜を含めお腹一杯に食べて日本円で400円程度。お店のおばちゃんも私の顔を覚えたみたいで、今では「おや、今日も来たのかい?」といった笑みを浮かべてくれる。
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「麵包超人」
- 2019-04-20 (Sat)
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木曜日の昼飯時、初めて入った食堂で美味い水餃子と麺を味わっていたら、ぐらっときた。最初は何が起きているのか分からなかったが、あ、これは地震だと気がついた。結構揺れた感じがした。数日前にもホテルの部屋でパソコンに向かっていた時に軽く揺れたことがあったが、台湾は日本と同様の地震多発国であるようだ。同情を禁じ得ない。
中国語の講座のクラスメートの中には地震がない国から来ている若者もいて、老師(先生)を中心としたラインに「怖いよー」といった感じの感想が書きこまれていた。今回の地震も去年大きな地震に見舞われた東部の花蓮近くが震源地のようだ。
実は当初の予定では今週末、つまり金曜午後からその花蓮に足を運ぶつもりだった。過去の旅で何人か親しくなった人がいるからだ。だが、懐具合が少し心配になってきたことと、台湾の残りわずかな日々を中国語の学習に励みたいという思いがあって、今回は花蓮訪問を断念したところだった。神様が今回は行くなと告げているのだと「解釈」した。
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投宿しているのは格安ホテルだが、既述の通りケーブルテレビが充実しているのがありがたい。運が良いと、夕刻からは巨人のゲームの生中継が楽しめる。早朝には大リーグ。へたすると中国語の勉強に来ている意味がなくなってしまう。上記のゲームは中国語らしき言語で放送されているのだが、耳を傾けても理解できる語は皆無に近いからだ。
中国語の勉強になる番組もある。アニメだ。アニメ専門の局もあるようで、日本のアニメがしょっちゅう流れている。「ちびまる子ちゃん」(櫻桃小丸子)や「クレヨンしんちゃん」(蠟筆小新)などといった番組は人気があるようだ。昔はともかく、今はこうしたアニメ番組はまず見ない。それでこちらに来てからも「素通り」していたのだが、あるとき、中国語の学習に役立つことに気がついて、ありがたく視聴するようになった。
私が一番気に入っているのは「それいけ!アンパンマン」(麵包超人)。日本にいる時は漫画でもアニメでも全く見たことがなかった。物語の筋も登場人物のこともよく知らない。新聞社勤務時代にアフリカから帰国して東京本社で働いていた頃、年下の同僚から、「那須さん、何だかアンパンマンに似てますね。うちの娘がアニメのファンなんですよ」と言われ、キン肉マンの類の漫画があるのだろうかと思ったぐらいだ。その後にアンパンマンのイラストを見て、特段嬉しくも悲しくも感じなかった。
ホテルの自室。チャンネルをかちゃかちゃやっていて、「麵包超人」というタイトルを目にした。すぐに「アンパンマン」のことではと察しがついた。「麵包」は「パン」の意だと知っていたし、「超人」は「スーパーマン」のことだと想像がつく。そうか「アンパンマン」はこう表現するのか。パンの世界だけに美味い、いや上手い訳だなと思った。バイキンマンは「細菌人」という訳が当てられていたが、これも理にかなった訳語か。
なぜ「それいけ!アンパンマン」が気に入ったのか? それは登場人物が口にする語彙が比較的容易なものばかりだからだ。それも割とゆっくり目のセリフだから大いに助かる。字幕(繁体字)で語彙をしっかり確認もできる。台北の人たちが普段から「アンパンマン」に出てくるような言葉をゆっくりとしゃべってくれないものかなと思ってしまう。
(注:麵包超人の包の字は繁体字では若干異なるが、私のパソコンではこうなってしまう)
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初めて字が上手いとほめられた!
- 2019-04-17 (Wed)
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先に書いたように、中国語の講座の老師(先生)は学習の一環として漢字の筆順も習得するように求めている。それでテキストの一つには筆記帳が含まれ、私たちはレッスンごとの漢字を正しい筆順で書き写すようになっている。
ところで、台湾の漢字は繁体字と呼ばれる由緒正しい難解な字。最初これを目にした時はいやあ参ったなあという感じ(漢字)だった。NHKの中国語講座で学んできたのは中国で使われている簡体字と呼ばれる簡略化された字。例えば、学校は簡体字だと日本語とほぼ同様の学校だが、台湾では學校。書くのが実に面倒くさいと思った。ところがだ。何度も書いているうちに慣れてきた。飛行機は簡体字では飞机で書くのは比較的簡単だが、繁体字ではほぼ日本語のように飛機。視覚的にはより明確にその意味をアピールしてくる。
先日の授業では受講生各自が黒板に板書させられたが、私が疑問文の文末に登場する字の嗎という字を書くと、老師に「字が上手だ」とほめられた。私はこれまで字が上手だとほめられた記憶はない。まさかこの歳になって、しかも漢字の本家の台湾でほめられるとは夢想だにしなかった。それで授業の後にカフェの一角に座して、小学生にでも戻った気分で筆記帳に向かっていると、自分の書く漢字がまんざらでもなく見えてくるから不思議だ。
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月曜日の深夜の時間帯。米ゴルフの最高峰、マスターズをホテルのテレビで見た。時差が日本と同様、厳しいため、途中で切り上げて寝るつもりだったが、何だかタイガー・ウッズが優勝するのではないかと思え、未明まで付き合ってしまった。最終ホールでボギーをたたいても優勝というのはタイガーらしくないと思ったが、プロ中のプロが競うマスターズで通算5度目、メジャーだけでも15勝目という素晴らしい復活劇を成しとげたタイガーに注文を付けられる人などいないのでは。
BBCやCNNでは世界中の著名人の祝福の言葉を報じていた。面白いと思ったのはオバマ氏とトランプ氏の新旧両大統領が祝福の言葉を送っていたこと。水と油のような関係のこの二人が意見の一致をみる話題はそう多くないだろう。
BBCから両者の言葉を紹介すると。<Former US President Barack Obama, who played a round of golf with Woods during his time in office, paid tribute to Woods' determination after a difficult few years. "To come back and win the Masters after all the highs and lows is a testament to excellence, grit and determination," he wrote. US President Donald Trump said he loved "people who are great under pressure. What a fantastic life comeback for a really great guy!">
オバマ前大統領の祝辞はよく理解できる。確かに精神的・肉体的な試練を乗り越えて復活を果たしたタイガーの優勝は「優秀さ、根性、決意」を物語っている。grit という語は昔はあまり目にしなかったような気がするが、最近ではちょくちょく目にする。私は「根性」と訳したい。トランプ大統領の祝辞はどうということもないが、彼はよくよく great という語彙が好きなようだ。自分自身もgreat under pressure(プレッシャーに強い)と考えているのだろう、きっと。
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テレサ・テン墓所
- 2019-04-15 (Mon)
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中国語の授業は教科書の末尾に印刷してあるバーコードを活用すれば、いつでも音声が聞けるようになっており、アナログ人間の私にはこうしたことを学んだだけでも台北に来た甲斐があったと感謝していることは先に書いた。老師(先生)は週末のホームワークとしてスマホから自己紹介の文言を録音して送るように指示した。ボイスレコーダーの機能を活用する。私にはこれも難儀だったが、文章を練り上げ、何とかラインで送った。スマホを使いこなせないと昨今の大学の授業にはついていけないということか。
日曜日。この日足を運びたいと考えていた場所があった。台湾が生んだ世界の歌姫、テレサ・テンの墓所だ。いつぞやテレビで彼女のお墓には世界中からファンが訪れているという番組を見た。私は彼女の生前はファンとは決して言えなかったが、中国語に興味を覚え、台湾を旅するようになってから彼女のファンになっていた。そうなって改めて気づけば、1953年の生まれの彼女は私と同世代だ。1995年に42歳の若さで没している。
ネットで調べると、MRTと呼ばれる電車で淡水駅まで行けば、そこから路線バスで行けるとある。淡水駅は多くの観光客らしき人々でごった返している。観光案内所でテレサ・テンの墓所行きのバスを英語で尋ねる。誰の墓所?しまった。私は彼女の中国語名を調べていない。台湾が世界に誇る女性の歌手だ、あなたたちも知らないわけないでしょと説明するが、若い男女二人の職員は首をかしげるばかり。
二人はその歌手はどんな歌を歌っていたのですか?と尋ねる。仕方なく、日本語で彼女の代表作の一つ、「時の流れに身をまかせ」を口ずさむはめになった。ところどころ音程を外しながら歌うと、二人はなぜか笑いながら、知っているような知らないような反応。それでも何とか分かってもらえ、彼女の墓所がある金宝山霊園に向かう路線バスが判明する。彼女の中国名表記は鄧麗筠(デン・リージュン?)だった。
そのバスはテレサ・テンの墓所詣での人々で混みあうのかと思っていたが、墓所があるバス停で下車したのは私の他にはカナダから来たという中国系の中年の女性一人だけだった。命日とかの特別の日には賑わうのだろうが、この日はテレビで見た光景とは大違いで何とも寂しかった。この広々とした霊園は富裕層だけが眠れる高級霊園であることが分かる。
彼女のお墓に手を合わせ、しばらく路線バスを待った後、再び淡水駅に戻る。駅の近くの商店街は凄い賑わい。テレサ・テンの墓所で知り合った先ほどのおばちゃんとお昼を食べることにする。彼女は中国系とあって言葉ができるから、食堂のおばちゃんたちと丁々発止、食べたい料理にあれこれ「注文」を付ける。その土地の言葉ができるというのは羨ましい。もっとも彼女は中国大陸の生まれだから台湾の人々が語る中国語とはいささか異なるようだが。白米を含め青野菜や炒め物などが出て来て、締めて210元。折半して105元。きわめてリーズナブルなランチだ。しかも美味かった!
ランチを食べた後、彼女と別れて駅に戻る。駅裏の広場も行楽客でにぎわっている。歌声も聞こえる。日本の演歌だ。ただし、言葉は台湾語。そのうち、テレサ・テンの歌が歌われ始めた。こちらはどうも中国語のようだ。しばし足が止まる。そのうちに私も彼女の歌の一つや二つはカラオケで歌えるようになりたい。カラオケ自体、久しく行っていないが。
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『漢字と日本人』
- 2019-04-12 (Fri)
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今回の台北の旅に『漢字と日本人』(高島俊男著・文春新書)という日中両言語の関係を考察した本を持参した。著者の高島氏の名前は週刊誌のコラムなどで知ってはいた。
読み終えた今、刺激に満ちた好著だと思う。日本人が中国の先進文明から漢字を取り入れた経緯を次のように記している。<かつて日本に文字はなかった。千数百年前に中国から漢字がはいってきた。日本人は漢字をもちいはじめた。(中略)日本語はあった。いやもちろん「日本語」という名称はありませんよ。名称の問題じゃない。漢字がはいってくるよりもずっと前からこの日本列島に人は住んでいて、その人々の話していることば、それはすなわちわれわれがいましゃべっていることばの先祖にあたるわけだが、それはあった。あたりまえです。しかし、それを表記する文字はなかった、ということです。>
私などは日本が中国から漢字を採用したことを幸運に感じているが、高島氏は次のように喝破している。<つぎに、日本が中国から漢字をもらったことをもって、恩恵をうけた、すなわち日本語にとって幸運なことであったと考える人があるが、それもまちがいである。それは、日本語にとって不幸なことであった。なぜ不幸であったか。第一に、日本語の発達がとまってしまった。(中略)日本語は、みずからのなかにまだ概括的な語や抽象的なものをさす語を持つにいたっていない段階にあった。日本語が自然に育ったならば、そうしたことばもおいおいにできてきたであろう。しかし、漢字がはいってきたーーそれはとりもなおさず日本語よりもはるかに高い発達段階にある漢語がはいってきたということだーーために、それらについては、直接漢語をもちいるようになった。日本語は、みずからのなかにあたらしいことばを生み出してゆく能力をうしなった。>
高島氏はさらに次のように説いてもいる。<漢語と日本語とがあまりにもかけへだっていたために、日本語を漢字で書く、ということには、非常な困難と混乱とがともなった。その困難と混乱とは、千数百年後のこんにちもまだつづいている。そんな不便な文字を、なぜ日本人は採用したのか。もし、漢字と同時にアルファベット文字が日本にはいってきていたら、日本人は、考慮の余地なくアルファベットを採用していただろう。>
台北の大学の中国語センターで中国語を学び始めて数日が過ぎた。老師(先生)に相変わらず、単語の発音の不備を指摘されている。『漢字と日本人』には次のような記述もある。<さあさっきからしきりに日本人の口は不器用だと言っている。これを説明しておかねばならん。日本語は開音節構造である。すべての音節が母音でおわる。しかもその母音の前につく子音は一つだけである。要するに日本人が口から出せるのはごくかんたんな音だけである。またその音の種類がいたってすくない。これはもう大昔からそうである。>
私が中国語の発音に難儀しているのは私が生まれ育った日本語のゆえであるらしい。とはいえ、クラスメートの若いベトナムやインドネシア、韓国の若者も zhi- や shi-、ri- などの巻き舌音や四つある声調に苦労している。
さあ、今夜は何を食べようか。福岡に戻れば自分で料理する質素な生活が待っているが、ここ台北での食事代は外食とはいえ、福岡での食費を上回っていないような気もする。それで美味いのだから有難い。日本人の口は不器用でも舌は不器用ではないということか!
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やっと咸豆漿に!
- 2019-04-10 (Wed)
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朝目覚めて下界の様子が全く分からないのにも少し慣れた。慣れたが、やはりどうも勝手が悪い。カーテンをさっと引っ張れば明るい日差しが差し込んでくる、そんな気分に浸りたい。今の部屋代に380円上乗せすれば窓のある部屋に移れるのだが、いったん腰を落ち着けるとなかなか動けない性分の私は決めかねている。こういうのを愚か者というのだろう。
火曜日の朝。壁にかかっているテレビをつける。NHKで天変地異が起きていないことをまず確認。CNNでトランプ氏の愚かさを再確認。そして地元のテレビ局にチャンネルを切り替える。流れてくるのは台湾語だと思うが、私には意味不明。片隅の天気予報を見る。台北は曇り空に晴れマークが少しのぞいている。気温は27―32度らしい。前日も日中は暑かった。日本ならもう真夏と呼べる気候だと感じた次第だ。
さて張り切ってホテルを後にしようとしていたら、地元のテレビ局が、突然、大リーグの生中継を放送しだした。台湾の人々も大の野球好きらしい。この日のゲームはニューヨークヤンキース対ヒューストンアストロズの好試合。ヤンキースの先発投手は今シーズン好調の滑り出しをしている田中マー君だ。少しだけならテレビで見て行くことができる。台北に勉強に来ていて大リーグのゲームに引きずられるなんて! こういう往生際の悪いのも愚か者と言うのだろう。
中国語を学んでいる大学までホテルから歩いて10分程度。途中で朝飯を食べる食堂に立ち寄る。この食堂には塩っぱい咸(シエン)豆漿(豆乳)がある。卵焼きと一緒に注文して60元(約230円)。地元の人たちの食べ方を見てみるとこの他にも一つ二つ追加している人が多いようだ。私も追加であれこれ注文したいのだが、どうも勝手が分からず、つい尻込みしてしまう。
二日目の授業では引き続き発音練習と筆順の確認。発音はやはり巻き舌音がやっかいだ。声調(tone)も油断をするとついおざなりになってしまう。ある程度の緊張感をもって発声しないと老師(先生)から必ず駄目だしを食らうことになる。老师は筆順の大切さも力説した。ただし私は筆順は適当でいいのではないかと思っている。それはこのブログでも最近アップしたが、『漢字再入門』(阿辻哲次著・中公新書)という好著を読んだことに感化されたからでもある。著者の阿辻氏は一般的に正しいとされている筆順にあまり拘泥する必要はないと説いていた。しかし、私たちのクラスの老師は漢字を常に正しい筆順に従って書くように訴えた。彼女の説明を聞いていて、私が普段書きとばしている漢字の筆順がいかに間違っているかを再認識させられた。これはこれで勉強になった。
授業を終えて学内に残っていたら、前日に立ち話をした別の老師を見つけたので挨拶した。彼女は日本語ができるので心強い。名刺を渡しておいたら、私のブログを早速のぞいてくれたみたいだった。とてもありがたく感じた。私の中国語に関する記述でヘンテコなところがあれば遠慮なく指摘してくださいとお願いした。
授業の休み時間にスマホでヤンキースの試合をチェック。マー君が6回を投げ終えた時点でヤンキースが3対1で勝っていたため、マー君の2勝目を期待していたら、最後にはまたしても逆転負けを喫していた。ヤンキースにも愚か者がいるようだ。
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時代華語
- 2019-04-09 (Tue)
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台北の大学で私が受講する外国人向けの中国語講座が始まった。初日に買い求めた大学指定の教科書は「時代華語」というタイトル。華語というのは分かるが、時代は分からない。時代華語の真下に Modern Chinese という英語表記がある。なぜ「現代華語」ではないのだろうか。そのうちに担当の老師(先生)に尋ねたいと考えている。
初日ゆえに最初の授業を前に簡単な筆記テストを受けさせられた。簡単な拼音(ピンイン)表記や質疑応答の文章を答える問題で比較的すらすらと解答することができた。私の答案をチェックした職員は中級の講座に参加する手もありますよと説明してくれたが、やはり不安もあるので初級の講座を選択した。
初級の教室は初日とあって時間とともに受講生が増えていき、最終的には25人かそこらになったようだ。老師は明日からはクラスを2つに分割すると告げた。ベトナム、インドネシア、韓国の学生が多かった。日本人は私の他には1人だけいたような。圧倒的大多数は20代の若者たち。他のクラスを含めても私が群を抜いて最年長かもしれない。
簡単な自己紹介を各自が済ませた後、老師は早速、中国語の発音の規則をさっとおさらいした。それから基本的な発音の練習。私は曲がりなりにもNHKのラジオ講座で3年近く独学してきていたからついていくことができたが、何の予備知識がなくてこの講座に飛び込んだら、とてもついていくことはできないだろうと感じた。ベトナムやインドネシアの若者たちは中国と近隣にあるからかかなりの予備知識があるように感じた。
老師が教科書の末尾にあるバーコードのことを何度も口にした。バーコードを活用すれば教科書の語彙や文章が自由に聴取できると言っているようだ。アナログ人間の私は恥ずかしながら、これまでバーコードを一度も触ったことがない。バーコードと言われると、自分の頭髪のことを言われているようで切なくなってくる・・・。
とまあ、そんなことはどうでもいいのだが、ホテルに戻って、フロントの女性にバーコードの利用の仕方を尋ねた。彼女はスマホのラインでできると言って、てきぱきと教えてくれた。あら、不思議。たちどころに教科書の音声がスマホで即座に聴けるようになった。知らなんだ、こんな便利なものがあるとは! こうしたことを知っただけでも、台北に来た甲斐があったというものだ。
さて、中国語の講座は始まったばかり。大多数の学生は3か月の正規コースに登録して、腰を落ち着けて学ぶようだが、私は最短の3週間しか受講しない。私も本来なら正規コースに参加できたのだが、5月から英語教室を開講することになったため、もはやそれは不可能。3週間で精一杯、中国語の世界に浸り、力を少しでもつけるつもりだ。
授業は午前中の3限。一応、スロージョギングができる準備はしてきているが、まだ走ってはいない。その代わり、公園や街中をできるだけ歩くようにしている。万歩計を信用するなら、こちらに来て以来、だいたい日々16,000歩以上は歩いている。夕刻お腹を空かせてこのところ夕食に食べているのは排骨酥と呼ばれている麺類と小籠包。排骨酥は青野菜にダイコンが入っており、健康にも良さそうだ。その店に何度も行くからか、スタッフの愛想も「非常好」(大変良い)。
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