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英語でさるく 那須省一のブログ

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“スワッテクダサイ!”

 四月末のブログで大谷翔平君の活躍について次のように記していた。大リーグ関係者が口をそろえて称賛し、監督をして、「彼の今日のプレーを見て楽しいと思わなければ、果たしてあれ以上の何を見て野球を楽しむのだろうか」と言わしめることも凄い。現地のアナウンサーが翔平君のプレーに感動し、日本語で何か絶叫していたが、発音が怪しくとっさには理解できなかった。アメリカの野球に日本語の語彙がますます浸透していくのだろう。
 昨日彼が出場しているテレビを見ていて、上記の絶叫が理解できた。思わず、笑ってしまった。それは「サンシン。スワッテクダサイ」という言葉だった。咄嗟には??だったが、意味合いは類推できた。場面は大谷翔平君が苦労の末に相手打者を三振に切って取ったところ。野球に詳しいアメリカの友人によると、大リーグのゲームでは観客席のファンから敵チームの打者に対し、“Sit down” というヤジがよく飛ぶらしい。
 明らかに翔平君贔屓の米国人アナはこの “Sit down” を「翻訳」して使っていたようだ。乱暴に訳すと「お前になど打てやしない。早くベンチに戻りやがれ」。「スワッテクダサイ」とは何と丁寧な物言いか!日本人野手がホームランを放つと、「サヨナラ」と叫ぶ米国人アナがいる。「サンシン」も耳にしたことがあるような気はする。さすがに「スワッテクダサイ」はない。これから大谷投手が奪三振の山を築いていったら「スワッテクダサイ」がやがて大リーグで普通に聞かれる日本語由来の外来語となるのだろうか。まさか?!
 スカイプを利用した英語教室で現在読んでいる短編小説に野球に関係した表現が幾つか出てくる。タイトルからして “The Catbird Seat” という作品で、今もこうした表現がよく使われるのかどうか知らないが、辞書には「優位な立場」と載っており、“You are (sitting) in the catbird seat.”(君は優位な立場にいる)という例文が紹介されている。“The Catbird Seat” の中では次のような記述があった。–“sitting in the catbird seat” meant sitting pretty, like a batter with three balls and no strikes on him –。スリーボール、ノーストライク(昔風に言うなら、ノースリー)で打席に立つバッターが凄く優位な立場にあることは理解できる。
 今、この項をアップしようとしていて、目の前で翔平君が目の覚めるような大ホームランをかっ飛ばした。今シーズン10号。いやはや、どこかの国でホームランテラス席にやっとこさ飛び込むような情けないホームランとはラベルがいやレベルが違う!
                  ◇
 韓国語の語彙をチェックしていて「顔が広い」という表現に遭遇した。もちろん、これは日本語独特の表現でこれをそっくり韓国語に「移す」ことはできない。韓国語では「顔」ではなく「足(발)が広い」と言えば、「顔が広い」(발이 넓다)という意味になるらしい。なるほど。中国語ではいかなる表現かと調べてみると、こちらは日本語の感覚でいいようだ。「脸大」あるいは「面子大」という表現が「顔が広い」という意味らしい。「脸」も「面子」も「顔」という意味だ。
 英語では日中韓のようなユニークな表現はないようだ。私には単に “He knows a lot of people.” とかあるいは “He is well-connected to some influential people.” などといった何の変哲もない表現しか思い浮かばない。

I've had it.

 トランプ氏が米政治の表舞台から去って以来、CNNでニュースを読むことが少なくなったが、連休期間中に何気なくCNNの記事を眺めていて、気になるニュースに遭遇した。共和党の指導者の一人で反トランプ派のリズ・チェイニー下院議員が窮地にあるらしい。
 彼女は下院共和党のナンバー3の座にある。その座を共和党の右派層の連中が追い立てようとしているとか。その中心にいるのがトランプ氏に今も忠誠を誓っている下院共和党の指導者、ケビン・マッカーシー下院議員(院内総務)。1月6日に暴徒が米議会を襲撃した事件では暴徒を非難し、トランプ氏と距離を置く発言をしたものの、党の岩盤支持層が前大統領から離反していないことを知ると、すぐに発言を「撤回」し、トランプ氏と仲良く写真に収まるなど信念も節度も持ち合わせていない政治家であることを露呈した。そのマッカーシー議員の標的になっているのがチェイニー議員。
 CNNは彼がトランプ氏支持で知られる右派のフォックステレビに出演した際、マイクがオンになっている状況でのうっかり発言を次のように報じている。Speaking to a Fox host off air, McCarthy was caught on a hot mic giving a more blunt assessment of Cheney's future. "I think she's got real problems. ... I've had it with her. ... I've lost confidence." Asked if there'd be a vote, he said, "Well, someone just has to bring a motion, but I assume that," before he was interrupted by cross talk.
 私が注目したのは “I've had it with her.” という言葉。久しぶりに目にした気がする。「彼女にはもううんざりだ」(我慢の限界に来た)という感じだろうか。私に言わせてもらえれば、票が欲しさにトランプ氏にべったりを続けている彼の方にふさわしい表現だと思う。共和党の体たらくを嘆き、党を立て直すにはトランプ政治から決別するしかないとの信念から行動しているチェイニー議員に敬意を表したい。
 チェイニー議員のような良識の人が冷遇される共和党などどうなっても構わないが、米政治、ひいては米社会そのものが今後ますます「劣化」していくのではないかと危ぶまれてならない。まあ、私が心配などしてもどうにもならないことだが・・。
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 大谷翔平君。評価が高まるばかりだ。敵チームからも称賛の声が聞こえる。3日のゲームでエンゼルスを破り、4勝目をあげたタイラー・グラスノー投手は大谷選手を次のように評していた。“He's very impressive. Carries himself well. Ginormous human being,” Rays ace Tyler Glasnow said. “He's a good player, for sure." 
 ginormous とはあまり目にしない語彙だ。かつて辞書を引いたことがあるだろうか。覚えていない。ないのではないかと思うが、記憶に残っていないだけのことかもしれない。辞書を引くと「途方もなく巨大な」という意味が載っている。enormous と似た意味か。体格の立派さだけをほめた表現ではないだろう。パワーやスピードさらにはたたずまいをも含めて並外れたプレーヤーであることに敬意を表した言葉だろう。
 この項をアップしている木曜日の今、テレビでは大谷翔平君がマウンドに立ち、コントロールに苦しみながらも好投を続けている。このゲームはピッチングに専念するようだ。

「圧迫感」に「压力」と「プレッシャー」

 動くに動けない Not so Golden Week! 早朝・午前の大リーグ生中継がそうした憂き身を癒やしてくれている。日本人離れしたスーパースター、大谷翔平君の活躍が楽しみだ。
 好事魔多しという故事成語を思い出した。翔平君が前日の試合で右肘に投球を受け、絶叫した。4日(現地3日)の試合でマウンドに立つ予定だったが、痛みが消えず、登板を回避することになった。幸いDHとしての出場は大丈夫なようだ。打棒に期待しよう!
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 韓国語を学習していて助かると思うのは日本語のように主として英語由来の外来語を比較的多く取り入れていることだ。ショッピング、チェックアウト、インターネット・・・。話す場合にも楽だし、聞いていてもだいたい理解できる。日本語の発音とは微妙な差異があるものの、似てはいる。外来語の音に頼らず自国の語彙で「翻訳」して外来語を取り入れようとする中国語との違いは際だっているように見える。
 韓国語の読本を読んでいて、「~してさしあげます」という意味合いの表現について一つ二つ学んだことがある。例えば目下の者が目上の者に「飲み物を買ってきてさしあげましょう」というケース。韓国語では何の違和感もなく、むしろ推奨される物言いだが、これをそっくり日本語に置き換えて連発して表現すると、日本人には「圧力」に感じられるという指摘が載っていた。読本では「圧力」と表現されていたが、要するに「プレッシャー」だ。「プレッシャー」は日本語の日常会話で十分に市民権を得た表現になっているかと思う。
 ネットで調べてみると、「プレッシャー」に対する表現は韓国語では「圧迫感」に当たる「압박감」という言い回しが使われていた。日本語のように何から何まで外来語を易々と受容しているわけではないということか。中国語では「压力」(yālì)という表現が「プレッシャー」の訳語として辞書に出ていた。日本人には簡体字に違和感はあっても理解はできる。
 上記の文章。「飲み物を買ってきてさしあげましょう」は韓国語では「음료수를 사다 드리겠습니다」となると載っていた。韓国語を話す場合にはこの「~してあげます」の形式が推奨されるが、こうした「~してさしあげる」という物言いを連発すると日本人にはプレッシャーとなるので、日本語では「飲み物を買ってきましょうか」といった普通の疑問文の形式で尋ねた方がベターとの指摘はその通りだろう。この辺りは机上の学習だけではなかなか分かりづらい。間違いながら学んでいくしかないが、独学の身では間違いを指摘してくれる第三者がおらず、これは頭の痛いところだ。
 NHKラジオの中国語講座を聴いていたら、アシスタント(中国語ネイティブ話者)の一人が番組の終わりに日本語で次のような趣旨のことを尋ねていた。もし次の二つの魔法の内、一つができるとしたなら、どちらを選びますか?一つは飛べること、もう一つは人の心が読めること。日本語が堪能なアシスタントは「(皆さん)飛べたいですか?」と尋ねていた。これはもちろん正確には「飛びたいですか?」だ。だが、流れから聴取者は問題なく理解できたことだろう。
 願わくは自分が口にする中国語、あるいは韓国語がせめて「飛べたいです」程度には高く飛び上がって欲しいものだ!

パスポート更新手続き

 大リーグ。大谷翔平君の活躍にばかり目がいっていたが、日本人大リーガーはむろん彼だけではない。翔平君と同郷の菊池雄星投手。木曜(金曜)のゲームで強力打線を誇るヒューストンアストロズを相手に7回を1安打7奪三振の快投で零封した。今季初勝利。日本時間では就寝中の時間帯だったため、朝ベッドの上でスマホを見て彼の快投を知った。
 起床してからNHKのBS録画放送で菊池投手の力投を見たが、自信に満ちたピッチングだった。これかもあのような投球を続ければ、好調マリナーズを支える大黒柱となるだろう。サービス監督は次のように語り、菊池投手を称賛した。“I can’t say enough about his competitiveness today. That’s what really stood out to me.” この場合、competitiveness は日本語では「ガッツ」と訳すのがぴったりだろう。
 マリナーズは翔平君のいるエンゼルスとは同じアリーグ西地区だから、ライバル関係にあるが、大リーグは地区2位であってもプレーオフ進出の道が残されている。10月にはぜひ二人ともプレーオフに進み、最終的にはワールドシリーズを目指して欲しい。いや、随分気の早い話ではあるが・・・。
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 相も変わらぬコロナ禍。去年の今頃は何を思って過ごしていたのか。ブログをのぞいてみる。5月4日の項で以下のように記している。緊急事態宣言下のゴールデンウィーク。今年は光り輝くゴールデンではなく、色あせて見える。思えば、例年、この時期には旅にでることがあり、私でさえそれなりに出費を余儀なくされていたが、今年は人生で初めてと思えるローコストの連休を過ごしている。楽しみは晩酌。平日は禁酒が是だが、連休期間中は神様に許してもらおう。たかだか一合か二合程度の焼酎で満足するのだから、私は安上がりにできている。小市民の楽しみぞ、ここに極まれりか。
 そうか、2年連続のローコストの連休となるのか。何の予定もないから、韓国語の読本でも読んで韓国語の力をつけるべく努力をしよう。それはさておき、前回の項で書いたパスポート失効の件。コロナ禍では当面使う予定はないが、更新手続きだけは済ませておきたい。ネットで調べると、戸籍抄本が必要なことが分かった。私の本籍は宮崎県西都市にある。それで妹に送ってもらうべくラインメールを送ったが、ファクス(コピー)機のあるコンビニから役所に電話すれば直接ファクスしてくれるとの由。便利な世の中だ。役所の担当者とスマホでやり取りしている内に、亡き親父の名前を機械に打ち込むことを求められる場面があった。親父の名前を打ち込み、変換して漢字を選んだ。お袋のことは今もよく思い出しているが、親父のことを思い浮かべるのはまれ。心境少々複雑になった。
 写真は履歴書用に撮影したものがあったが、これから10年使うパスポートにはしょぼいかなと思い、改めて取り直した。4月最終日に天神の県パスポートセンターに出向き、手続きをした。10年前にも同じことをしていたのだろうが、記憶にない。申請書に必要事項を書き込み、申請した。受け取りは12日以降とのことだった。ちょっと驚いたのは窓口で手数料が16000円と告げられたこと。思わず「え、それってぼったくりやな!」とつぶやいてしまい、窓口の係の方に笑われたような・・・。

He keeps getting better.

 NHKラジオの中国語講座。最近印象に残った文章は次の一文。我不太认识他。意味は「私は彼のことをあまりよく知らない」。英語だと I don’t know much about him. か。韓国語だと저는그를잘몰라요.だと思う。英語と中国語はSVOの言語だから「him」と「他」が文末に出てくる。日本語、韓国語では「彼」も「그」も文中となる。とここまでは私のような初級レベルの中韓学習者でも理解できる。外国語学習では語順を常に意識している私は上記の中国語の文章を初めて耳にした時に嬉しく思った。嗚呼、そうか「认识」という動詞はこのように使うのかとよく分かったからである。日本語では「認識」という漢字の語だ。
 「知っている」という中国語は「知道」だということは、中国語を学習し始めてすぐに覚えたような記憶がある。簡体字でも意味合いは楽に類推できた。「认识」はそうではない。これが「認識」の簡体字だとそれこそ認識するには時間がかかった。まして上記のように使えることが理解できるまではだいぶ時間を費やした。まして発音もピンイン表記だとrènshi と我々日本人には厄介な「そり舌音」を二つも含んでいる。私は自分が声に出している「我不太认识他」が本当に相手(中国人)に正しく伝わっているか自信がない。
                  ◇
 引き出しから何気なくパスポートを取り出して見た。驚いた。今年2月の誕生日で期限切れとなっているではないか。昨年春から使用する機会がないから気づかなかった。空港で海外の旅に発つ出発直前に気づいたのであれば悲劇だった。
 まあ、まだしばらくはパスポートを使うことはなさそうだから、ゆっくり更新手続きをしよう。運転免許証の更新と異なり、慌てて手続きをする必要などないだろう(と思う)。
                  ◇
20210427-1619519404.jpg 大谷翔平君が火曜朝(現地は月曜夜)先発のマウンドに上り、テキサスレンジャーズ相手に投げた。1点を先制して迎えた1回裏、アンラッキーな内野安打に続いて制球を乱し、スリーランホームランを浴び、その後も踏ん張れず、4点を奪われて逆転を許す。嗚呼、本日は惨敗の日かなとがっかりして見守っていると、その直後に回ってきたチャンスに2塁打を放ち、2点を返し、頼りになるトラウト選手の安打でたちまち同点。その後は見違えるように立ち直り、味方の反撃もあり、5回を投げて9奪三振の力投、勝利投手となった。
 マドン監督の試合後の談話が翔平君の非凡さを表している。“That was a pretty complete game of baseball. The first inning was a bit rugged, finding his command … Otherwise, he would’ve given up zero or one at the most. He kept getting better, that’s what he does. If you weren’t entertained watching him tonight, you can’t be entertained by the game of baseball.”
 ホームラン(7本)でトップタイの選手が投手として先発するのはあの伝説的なベーブ・ルース以来、100年ぶりのこととか。そのこと自体も素晴らしいが、大リーグ関係者が口をそろえて称賛し、監督をして、「彼の今日のプレーを見て楽しいと思わなければ、果たしてあれ以上の何を見て野球を楽しむのだろうか」と言わしめることも凄い。現地のアナウンサーが翔平君のプレーに感動し、日本語で何か絶叫していたが、発音が怪しくとっさには理解できなかった。アメリカの野球に日本語の語彙がますます浸透していくのだろう。

「王八蛋」に注意せよ!

20210422-1619057533.jpg 久しぶりに小倉まで出かけた。来月から小倉駅前のセントシティというビルの11階にあるカルチャーセンターで英語教室を開講する。「普段着の英語」と題して、平易な英語で深い表現ができることを教えたい。毎月第1、3水曜日の午前10時半から正午の時間帯で、初回は5月19日。詳しくは次のサイト(https://kokura.mcv.jp/fudangi_eigo/)で。
 小倉まで来たので帰りに折尾駅で途中下車して、近くにある旨い餃子店でお昼を食べて帰ろうかと考えていた。用事を済ませた後、そのお店に電話を入れると、お昼は今はやっていないとの由。詳しい事情は分からないが、持ち帰りはできるとのことで、コロナ禍のためかもしれない。仕方ないので小倉で時々のぞいていた有名なうどんのチェーン店に足を運んだ。ここで食べるのはゴボテンうどん(430円)。これにとろろ昆布をたっぷりかけて食べるのが好きだ。山菜ジャンボ稲荷(130円)を付けて締めて560円。美味!個人的には古里の宮崎・西都市のお店のゴボテンうどんに軍配を上げたいが、それはそれ。
20210422-1619057559.jpg 小倉駅構内に設けられた露店のコーナーで北海道産の「ザンギ」と呼ばれる鶏の唐揚げを売っていた。旨そうに見えたので晩ご飯のおかずに買い求めた。これも悪くなかった。
                  ◇
 先にちょっと書いた日韓の語学読本を読んでいたら、「文化パターン」という語句が出てきた。「パターン」は韓国語では「패턴」。日本語だと「パタン」というよりも「ペトン」に近い聞こえ方かと思う。しかしながら、私はpatternという語を「ペトン」と発音する大胆さが面白いと感じる。英語のネイティブ話者には「ペトン」の方が原音に近いと考える人もいるのではと思ったりする。
 それはともかく、私たちはよく「ワンパターン」という語を口にする。韓国ドラマは赤子の取り違えとか殺人事件の冤罪、交通事故による記憶喪失などといったワンパターンの展開のものが多いから、途中で見るのが嫌になるんだよなと言ったりする。といっても英語で one pattern という表現があるわけではない。典型的な和製英語(Japanese English)だ。広辞苑には「言動などが常に一つの型にはまっていて変化がないこと」と説明されている。
 興味深いのは中国語では似たような言い方、つまり中国製英語とでも呼ぶべきような表現が見当たらないことだが、韓国語ではまさにそっくりの表現があることだ。「ワン」という意味の「원」を「패턴」の前におけば「ワンパターン」という表現となる。外来語(?)に由来する表現でもこれだけ酷似している言葉をお互いの母語に持つ日韓両国民が仲良くなれないはずはないと私は思う。
 中国語ではワンパターンはどう言うのだろうかとネットでチェックしていて、面白い表現に行き当たった。ネットの情報を信用すると、中国人に対し、ワンパターンという和製英語をやたら口にしてはいけないとか。中国人にはワンパターンが「王八蛋」(wángbādàn)と聞こえるのだとか。日本語だと「馬鹿野郎」という意味らしい。私の辞書には「男に対する最大の罵倒語」と載っている。「王八」はもともと「忘八」であり、「忠・孝・礼」などの八つの得を忘れた愚か者を指すらしい。そうか、やがて再び中国や台湾に旅した際には「ワンパターン」にはくれぐれも要注意ということか!

英字新聞教室

 菅首相とバイデン米大統領の初の対面での会談(a face-to-face meeting)は上々だったと報じられている。お互いを “Yoshi”、“Joe” とファーストネームで呼び合ったとか。韓国や中国の首脳とはお互いの名前を気安く呼び合うことはまず考えられない。アジアの隣国に暮らしながら何と息苦しい関係であることか。歴史的な経緯は別にしても、お互いを親しみを込めて気安く呼べる方策がないことが残念だ。いっそのこと、英語を使っているときのように各自をファーストネームで呼び合う手はあるが。
 英語ではファーストネームで呼び合うことが親密度を測る物差しのようなものだ。ロンドン時代に知り合った向こうの人(仮にMaryとしよう)とはお互いにファーストネームで呼び合っていたが、たまに職場の助手(女性)を交えて会食などしている時に、助手は私のことをMr Nasu、MaryはShoと呼び、私はそのちぐはぐさが時として気になった。助手にも私のことをShoと呼んでもらっていれば済むだけの話だが、職場では「伝統的に」日本人スタッフをMrを付けて呼んできており、それが「習慣」と化していた。
 私とこの助手との間に「心理的距離」があったというわけではない。ずっと仲良く働いた。あれから20年以上の歳月が流れたが、今なお私は彼女の実際には会ったこともない子どもたちに毎冬、クリスマスプレゼントを贈るのを「喜び」としており、彼女の子どもたちも楽しみにしているようだ。お互いの呼び名も変わらないが、親密さも変わらない。
                  ◇
 最近、韓国語の講座にも通い始めた。NHKラジオの初級講座はもう何年も聴取し続けているが、このままではこれ以上一向に上達しないと思ったからだ。語彙力をつけていけば話は別だが、やはり、できれば韓国語のネイティブ話者がいる場で face-to-face に近い形でやり取りし、リスニング力、会話力を身に付けたい。
 幸い、とあるところで無料の韓国語講座が受講できるということを知り、週一回の教室に通うことにした。開講は平日の午後という時間帯であり、20数名の受講生はさすがに中高年が目立つ。リピーターも多いようで、私よりもずっとリスニング力がある人が少なくないように見受けられた。まだ二回ほど出席しただけだが、この教室に並行してこの講座の存在を教えてくれた人から頂いた日韓両言語の対訳が掲載されている読本を読み始めた。これが実に面白い。うろ覚えの単語、知らない単語が目白押しで勉強になる。この本を熟読して単語をしっかり記憶するだけで、韓国語の力が随分つくような気がしている。どの言語でもそうだろうが、ある程度の語彙力を身に付けないことには始まらない!
                  ◇
20210420-1618878628.jpg 来月から月2回、福岡市博多区の博多市民センターで開かれる自主講座で英字新聞を読み解く教室を開講することになった。英字新聞は「生きた英語」に接することのできる絶好の教材。最近ではスマホからでも英字新聞が気軽に読める時代だ。かつて英字新聞に勤務した経験から少しは参考になる話ができるのではと考えている。とはいえ、受講生が集まるかどうかは全く自信がない。集まらなければ始まらないが、ご興味のある人は以下のサイトをご覧ください。https://sasatto.jp/adv/entry-1106.html

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