英語でさるく 那須省一のブログ
英字新聞教室
- 2021-04-20 (Tue)
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菅首相とバイデン米大統領の初の対面での会談(a face-to-face meeting)は上々だったと報じられている。お互いを “Yoshi”、“Joe” とファーストネームで呼び合ったとか。韓国や中国の首脳とはお互いの名前を気安く呼び合うことはまず考えられない。アジアの隣国に暮らしながら何と息苦しい関係であることか。歴史的な経緯は別にしても、お互いを親しみを込めて気安く呼べる方策がないことが残念だ。いっそのこと、英語を使っているときのように各自をファーストネームで呼び合う手はあるが。
英語ではファーストネームで呼び合うことが親密度を測る物差しのようなものだ。ロンドン時代に知り合った向こうの人(仮にMaryとしよう)とはお互いにファーストネームで呼び合っていたが、たまに職場の助手(女性)を交えて会食などしている時に、助手は私のことをMr Nasu、MaryはShoと呼び、私はそのちぐはぐさが時として気になった。助手にも私のことをShoと呼んでもらっていれば済むだけの話だが、職場では「伝統的に」日本人スタッフをMrを付けて呼んできており、それが「習慣」と化していた。
私とこの助手との間に「心理的距離」があったというわけではない。ずっと仲良く働いた。あれから20年以上の歳月が流れたが、今なお私は彼女の実際には会ったこともない子どもたちに毎冬、クリスマスプレゼントを贈るのを「喜び」としており、彼女の子どもたちも楽しみにしているようだ。お互いの呼び名も変わらないが、親密さも変わらない。
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最近、韓国語の講座にも通い始めた。NHKラジオの初級講座はもう何年も聴取し続けているが、このままではこれ以上一向に上達しないと思ったからだ。語彙力をつけていけば話は別だが、やはり、できれば韓国語のネイティブ話者がいる場で face-to-face に近い形でやり取りし、リスニング力、会話力を身に付けたい。
幸い、とあるところで無料の韓国語講座が受講できるということを知り、週一回の教室に通うことにした。開講は平日の午後という時間帯であり、20数名の受講生はさすがに中高年が目立つ。リピーターも多いようで、私よりもずっとリスニング力がある人が少なくないように見受けられた。まだ二回ほど出席しただけだが、この教室に並行してこの講座の存在を教えてくれた人から頂いた日韓両言語の対訳が掲載されている読本を読み始めた。これが実に面白い。うろ覚えの単語、知らない単語が目白押しで勉強になる。この本を熟読して単語をしっかり記憶するだけで、韓国語の力が随分つくような気がしている。どの言語でもそうだろうが、ある程度の語彙力を身に付けないことには始まらない!
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来月から月2回、福岡市博多区の博多市民センターで開かれる自主講座で英字新聞を読み解く教室を開講することになった。英字新聞は「生きた英語」に接することのできる絶好の教材。最近ではスマホからでも英字新聞が気軽に読める時代だ。かつて英字新聞に勤務した経験から少しは参考になる話ができるのではと考えている。とはいえ、受講生が集まるかどうかは全く自信がない。集まらなければ始まらないが、ご興味のある人は以下のサイトをご覧ください。https://sasatto.jp/adv/entry-1106.html
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the forever war の行方
- 2021-04-16 (Fri)
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連日コロナ禍の憂鬱なニュースが続いている。その一方、日本列島は揺れ続けており、心の中ではいつも大地震の発生を恐れ、心構えをしているような気がする。14日には震度7の熊本地震の「前震」から5年になると新聞が報じていた。そうか、あれからもう5年か。私が住んでいる福岡市東区はそうは揺れなかった。私は洗面所で歯を磨いていた。ちょっと揺れているのかなと感じたことだけは覚えている。
私はこの熊本地震がきっかけで始めたことがある。それは断酒だ。熊本地震のような大きな地震が近くで起きたら、ゆめゆめ焼酎など飲んで酔っ払っていてはいけないのではと考えたからだ。独り者は何か自分の身に起きたら怖い。ダイエットにもなるという思いもあったかもしれない。とにかく熊本地震以来、断酒を心がけた。今は週末だけは軽く飲酒することを自分に許しているが、平日は基本的に断酒を続けている。
もう一つ、実践していることがある。実践というほど大げさなものではない。就寝する前にテレビのチャンネルをNHKに合わせてベッドに潜り込んでいることだ。寝ている時にぐらっときたら、すぐにテレビをつければNHKで地震速報が確認できるようにしておきたいからだ。災害報道はやはりNHKに頼るしかない。
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コロナ禍関連の記事で紙面が埋まる中、危うく見落とすところだった。バイデン米政権が米同時テロから20年となる今年9月11日までにアフガニスタンから駐留米軍(約2500人)を完全に撤収させると正式に表明したというニュースだ。
トランプ前政権時代にアフガンの旧支配勢力タリバンとの間で今年4月末までに撤収する和平合意が結ばれており、バイデン大統領はその完了時期を遅らせるものの、9月11日までに完全撤収すると明確に表明した。バイデン大統領の言葉を引用する。“It was never meant to be a multi-generational undertaking. We were attacked. We went to war with clear goals. We achieved those objectives. And it’s time to end the forever war.”(アフガニスタンでの戦闘は何世代にもわたる企てとの意図はなかった。我々は攻撃されたので、明確な目標を抱いて戦争に入ったのだ。我々はそうした目標を達成した。止むことのない戦争を終わらせるときがきたのだ)
バイデン大統領が語った「目標の達成」とは2011年に同時テロの首謀者で国際テロ組織のアル・カーイダの指導者、ウサマ・ビンラーディンを殺害したこと、アル・カーイダを弱体化させ、アメリカに対するテロの直接的脅威が少なくなったことを意味する。タリバンは米軍の撤退を自分たちの勝利と見なしている。英BBCのネットではタリバン関係者が “We have won the war, America has lost.” と豪語している記事が大きく掲載されていた。
米軍のアフガン撤退がアフガニスタンに恒久的平和をもたらすなら、アフガニスタンの人々にとって朗報だろう。しかし、タリバンが米軍撤収で勢いづき攻勢を強め、アフガニスタン政府がさらに弱体化する恐れがある。タリバンは依然、過激なイスラム信仰に基づく統治を目指しているようだ。他者の信仰をとやかく言うことははばかられるが、婦女子の教育を拒絶する社会体制が21世紀に君臨し続けるとは信じ難いことだ。
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あっぱれ、松山選手!
- 2021-04-12 (Mon)
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久しぶりにゴルフの話題。松山英樹選手が米ジョージア州オーガスタで開催された栄えあるマスターズ・トーナメントで見事に優勝を遂げた。私は3日目が終わった土曜日の時点で2位に4打差をつけたのを見て、これはひょっとしたらと期待していた。スコアアップがそうは見込めない難関コースのマスターズで4打差は大きいのではと。
優勝すれば日本の男子プロにとって初の歴史的な快挙。それを見過ごすわけにはいかないと月曜の未明、午前3時過ぎにはベッドから這い出した。地上波の民放で生中継していた。松山選手は最終日も好調でハーフをターンした頃には後続に6打差をつける場面も。す、凄い!普通の大会なら楽勝の展開だっただろう。ただ、これはメジャーと呼ばれる米英の歴史ある四つの大会の中でもゴルフの祭典とも称される、参加できるだけで光栄な最高の舞台。思わぬ落とし穴が待ち受けているかもしれない。
果たせるかな、15番で彼の放った2打目の打球はグリーンを飛び越え、池の中にポチャン。そこからボギーが連続し、最終18番ホールでもボギーとなり、終わって見ればわずか1打差で首の皮一枚の勝利だった。最終盤で崩れたとはいえ、それでも優勝したのだから、立派と言えば立派。日本のトッププロが幾度も挑みながら厚い壁に阻まれたゴルフ界の最高峰の大会での優勝だ。まだ29歳の若さ。40代でも第一線で活躍するプロが少なくないゴルフは息の長いスポーツ。体格的にも飛距離の点でも欧米のプロに見劣りすることのない彼は今後もさらなる活躍が期待できる。
それはそれとして、優勝セレモニーでの会見は私にはちょっと頂けなかった。松山選手の喜びの声があまりにも「簡略」過ぎて、物足りなく感じたのだ。アメリカはやはり「雄弁は金」のお国柄。マスターズ初挑戦からの苦節10年の思い出や大学時代を過ごした東北を襲った大地震のことなど色々語ることができると容易に推察された。専属の通訳も同席していた。
オーガスタで取材した米記者はそれでも極めて好意的に彼の勝利を報じていた。次の一節。Matsuyama prefers to let his clubs do the talking. They spoke loudly Sunday, when he became the first man from his country to win a major championship. なるほど、松山選手は口ではなく、クラブに語らせる性分というわけか。次の一節には苦笑した。In America, Matsuyama remains a mystery to many, though. When it was revealed that he had a wife and daughter back in Japan, he said that he hadn’t shared that information because, “No one really asked me.” His single-mindedness is immediately apparent, though.
かつてはパットに失敗した後、不用意にパターでグリーン面を傷つけ、他のプロから手厳しく批判されたこともある松山選手だが、ゴルフ一筋に真摯に向き合う姿勢が今では海外の一流プロの間でも高く評価されるまでになっている。松山選手の大活躍で国内でもゴルフ熱が過熱することが予想される。かく言う私は去年は一度もクラブを握らなかった。時々思い出しては打ちっ放しの練習場に出かけていたが、その練習場がいつしか閉業してしまい、近くに行ける練習場がなくなったのだ。ゴルフ場で最後にプレーしたのはいつだったかも思い出せないほどだ。今年も思いっきりドライバーを振ることはないのだろうか。クラブを数本担いで歩いて行ける距離にどこか練習場があればいいのだが・・・。
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冯提莫(Féng Tímò)
- 2021-04-10 (Sat)
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このところ、好天が続いている。風はまだ冷たいが、日差しは暑くさえ感じる。押し入れの布団や毛布を引き出してベランダで干したりしている。香椎浜のジョギング路を最近は走るよりも歩くことの方が多い。一日に1万歩を目標にしているが、挫折することはしばしば。情けない。まあ、朝夜の腹筋は続けているからいいかと安易に自分を慰めている。少し前に書いたかと思うが、現役の頃に毎日はいていたズボンが苦しい。少なくとも一頃台湾を旅していた時に愛用していたズボンが楽にはけるようなるまでは腰回りの贅肉を落とさないと!
ジョギングや散歩に、というか常時はいてきたジョギングシューズがだいぶ疲れた印象だ。手に取って裏を見ると、かかとの部位はほとんど山がすり切れている。滑りやすい道路だと転んでしまうかもしれない。いつ頃購入した靴だっけ? 台湾に夏に旅する直前に大手のチェーン店で購入した記憶がある。当時の手帳を取り出して調べてみる。すぐに分かった。2019年7月に購入している。1年10か月履き古したことになる。もう十分だろう。前回も利用したお店に行き、新しいシューズを買い求めた。これまで付き合ってくれたシューズに手を置き、心の中で感謝の念を捧げ、手放した。
さあ、今年はこの新しいジョギングシューズで台湾や中国、韓国を闊歩することはできるだろうか。まだ難しいかな?
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少し前に次のように記している。――最近はパソコンでYouTubeをよく見るようになっている。今はまっているのは中国人の若い女性歌手の歌声。名前も知らない。繁体字が見えるから香港の人かもしれない。自宅のような場所で歌っている。中国語が実に綺麗だ。あのように中国語を話せれば、聴く人を魅了するだろうなあと思う。歌を聴いてその意味をぼんやりと想像しているが、視聴しているだけで心地よい。いつか歌えるようになりたいと思わないでもないが、その日がやってくることは先の先だろう。――
パソコンを開き、お気に入りのリストからYouTubeを選択すると、上記の通り、彼女のビデオの小窓が幾つもスクリーンに現れる。名前も覚えてしまった。冯提莫。ピンイン表記だとFéng Tímò になるから、フォン・ティーモーというような発音になるのだろう。ネットで検索すると中国内陸部の重慶市の出身と紹介されている。香港の人かもしれないと書いていたが、全然違っていた。すっぴんではないかと思われる姿で歌っているものもあったが、すっぴんの方がその美貌が際立っているように感じた。彼女の歌う中国語の美しさにしばらくの間は魅了され続けよう!
おっと、思い出した。先に池江璃花子選手の奇跡的な復活劇に触れた際に、彼女が闘病の支えとしてきた言葉「出口のないトンネルはない」の中国語訳として、ネットで調べると、「没有出口就没有隧道」という文章が載っていたことを紹介していたが、中国語に精通している元同僚に尋ねたところ、違う表現を薦められた。公民館講座の老师(老師)に確認すると、元同僚の表現が正しいと御墨付きを得た。「没有没出口的隧道」。こういう表現がすっと口をついて出るようになりたいものだ。
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2人のスーパースター
- 2021-04-05 (Mon)
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この週末は色々なことがあった。悲しく思ったのは台湾・花蓮県で発生した特急列車脱線事故。乗客50人が死亡し、200人以上が負傷したと報じられている。私もこの特急列車には何度か乗車したことがある。快適な思い出しかない。トンネル近くで作業車が坂から転げ落ちてきた人為的なミスが事故の原因のようだ。コロナ禍で日本からの観光客が事実上、閉め出されており、そうでなければ、邦人の死傷者が多数いた可能性もある。観光が再び解禁されても、台北から遠出の意欲がそがれることがなければいいのだが。
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普段は水泳の大会をテレビでみることはあまりないが、週末は水泳の大会中継に引きつけられた。お目当ては白血病から奇跡的な復活を見せている池江璃花子選手だ。100㍍バタフライで優勝を果たした。メドレーリレーのオリンピック派遣標準記録を上回り、代表に内定を果たした模様だ。素晴らしい!
優勝後にプールサイドで顔を覆って泣く彼女を見てもらい泣きしてしまった。本人も優勝までは予想していなかったようだ。大会の場、決勝の場にいること自体に幸せを感じたという言葉に嘘偽りがないことは誰が見ても分かる。去年、NHKテレビで快復途上の池江選手が地道に復帰の努力をするドキュメント番組を見たが、あの番組からは今回の100バタ優勝の復活劇は到底予期できなかった。新聞を読むと彼女が闘病の支えにした言葉は「出口のないトンネルはない」というものだとか。(無事開催にこぎ着けたとしたなら)東京オリンピックで池江選手が満開の笑みで表彰台のどこかに立つのを見てみたいものだ。
とここまで書いて、上記の言葉は英語ではおそらく “There’s no tunnel that has no exit.” とか “Every night comes to an end.” といった文章が頭に浮かぶが、中国語では何と表現するのだろうとネットで調べると、「没有出口就没有隧道。」という文章が載っていた。「出口なければトンネルなし」という印象だ。果たしてこれが正しい中国語の文章なのか、残念ながら今の私には分からない。
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大谷翔平君が初めて大リーグの公式試合で投打の同時二刀流を披露した。打っては3打数1安打。その1安打は初回に2番打者として右中間に痛烈な先制のソロホームラン。これは見事というしかない。ただし、投げては5回を投げきることができず、3対3の同点のままでマウンドを去った。残念なのは最後の打者を三振に仕留めながら、捕手が後逸し、2点目を献上、さらに一塁手に悪送球し、一塁手はホームにこれまた悪送球、3点目を許した上に、ホームベースをカバーした翔平君が走者ともつれ倒される羽目にまで陥った。
幸い、現時点では負傷とかいった最悪の事態にはなっていないようだが、160㌔を超える快速球を投げながら、5四球を連発し、自責点1とはいえ、自滅した印象も拭えない。とはいえ、普通のキャッチャーなら捕逸もせず、また一塁に悪送球もしていなかったのではないか、少なくとも翔平君に勝ち投手の権利を与えたまま、五回を終えられたのではないかとも思える。守乱のチームは最終回、スリーランホームランが飛び出し、サヨナラ勝ちを収めたものの、何とも後味の悪い試合展開だった。
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今頃になって「억양:オギャン」とは!
- 2021-04-01 (Thu)
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今日から4月。コロナ禍の中、2回目の4月を迎えた。昨年のこの時期にどのようなことをブログに書いているのだろうと画面をスクロールして見る。「再び “social distancing”」と題して、小池都知事が都民に求めた「ノー3密」について書いている。あれから一年。アメリカではトランプ大統領(当時)がコロナウイルスをようやっと深刻に語るようになったことにも言及している。
そして今、日本では関西地区を中心に感染者が再び急増している。私には第4波とか言われてもピントこない。変異株とか言われても・・・。欧米でも深刻な状況は全然変わっていないようだ。アメリカの当局者は “impending doom” という表現を口にしている。「破滅のときが迫っている・・」。暗澹たる思いに駆られる。来年の今頃はどのようなことを書いているのだろうと想像する余裕などなさそうだ。
◇
4月に入り、NHKラジオの中国語・韓国語講座もまた新しいクールに衣替えした。復習の意味で初級講座を継続して聴いているが、悲しいかな、復習どころか新しい知識を学ぶ場ともなっている。韓国語講座では「オギャン」という語が出てきた。これは(おそらく)初耳だった。今頃そんなこと言って「どぎゃんすっとか?」というお袋の言葉が聞こえそうだ。もっとも、私の田舎では「どぎゃん」とは言わない。「どげすっとか?」だろう。
冗談はともかく、「억양:オギャン」が「抑揚・イントネーション」を意味する韓国語だと初めて知った。講師の先生は概ね次のように語っていた。韓国語の語は日本語の「雨」と「飴」のようにアクセントで区別することはない。しかし、単語の最初の文字をどの高さで発するかということは重要で、最初の2文字を「低く」「中ぐらい」「高く」発するという差異があるのだとか。私は何となく韓国語は最初の音を低く発するのが良いと感じていたが、「高高」で発音する語もあるのだとか。この「オギャン」のことは全く知らなんだ!
以前にも書いたことがあるが、私はアクセントが苦手であまり関心もない。日本語の無アクセント地区の宮崎出身だからだろう。福岡で民放ラジオを聴いていると、局アナやタレントがアクセントがおかしい、それは間違ったアクセントだとはやし立てていることがよくある。私はこれについていけない。「文脈で分かるだろ、そんなもん!」と思ってしまうのだ。日本語にはもっと大切な事柄があるだろうとも思う。
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最近はパソコンでYouTubeをよく見るようになっている。今はまっているのは中国人の若い女性歌手の歌声。名前も知らない。繁体字が見えるから香港の人かもしれない。自宅のような場所で歌っている。中国語が実に綺麗だ。あのように中国語を話せれば、聴く人を魅了するだろうなあと思う。よく聴くのは「百年孤寂」という歌。「百年の孤独」という意味だろうか。私は「百年の孤独」という宮崎の高級焼酎を一本持っているが(妹が送ってくれた)、もったいなくて手を付けていない。
歌を聴いてその意味をぼんやりと想像しているが、視聴しているだけで心地よい。いつか歌えるようになりたいと思わないでもないが、その日がやってくることは先の先だろう。
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いずれにせよ、反正、anyway
- 2021-03-29 (Mon)
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プロ野球が開幕した。昨年に続き、コロナ禍の中での開幕だ。観客数を制限しての対戦となる。パリーグは日本シリーズ4連覇中のソフトバンクホークスが3連勝と絶好のスタートを切った。セリーグは昨年の覇者ジャイアンツが2勝1分けとこれも上々の滑り出し。今週末には大リーグも開幕する。大谷翔平君がどのような活躍を見せてくれることか。とはいえ、日米の野球にまともに付き合っていたなら、時間がいくらあってもたりゃしない。
テレビを見なければいいだけの話だが、ケーブルテレビで好きなだけ日米の野球が楽しめる昨今、自制するのはなかなか難しい。大リーグは生きた英語(米語)表現の参考にもなるので言い訳は立つが、プロ野球の方は何だかなあ・・。中国語・韓国語の学習に妨げになっていることは間違いないだろう。ほどほどに付き合うことにしよう。
この項を書きながら、大相撲の春場所千秋楽の土俵を見ている。今場所は元大関の平幕力士、高安を応援していたのだが、終盤に情けない連敗を喫し、優勝争いから脱落。秘めたる力を改めて示したのは同じ元大関の照ノ富士。私は以前はファンではなかったが、モンゴル出身の彼は体調を壊し、序二段まで陥落し、そこから這い上がってきた苦労人。応援せざるを得ない。照ノ富士はこの日も大関を破り、12勝3敗で3度目の優勝を飾り、大関復帰を手中にした。負傷さえしなければ、これからは照ノ富士時代の幕開けかもしれない。彼に対抗できる日本人力士の台頭が待たれる。朝乃山がその筆頭か。
◇
国会中継を見ていて、菅首相の答弁に気になることがある。それは「いずれにしましても」という常套句だ。安倍首相もよくこの言葉を口にしていたような気がするが、私は政治家の発言でこのような表現を耳にすると、若干の落胆を禁じ得ない。議論(思考)がそこで一方的にストップしてしまうのではと感じる。
中国語で「いずれにしても」はどう言うのだろうと思っていたら、NHKラジオの中国語講座でまさにこの表現が出て来た。「反正」(fǎnzhèng)。敢えてカタカナ表記すると「ファンジョン」。簡体字を眺めていると、何となく意味合いが伝わってくるようだ。「反」で一旦背いておいて、「正」で元に戻す。英語ではどう表現するか考えてみたが、anyway ぐらいしか思い浮かばない。辞書をひくと、やはりこの語が最初にでてくる。そのほか、これはという語はないようだった。
教えている英語教室で読んでいる短篇小説で、お偉方の人物がホテルのレストランに運転手付きの車でやって来て、守衛(doorman)との間で車をどこに停めるかでやり取りする場面があった。その男は守衛に “Leave it there anyway.” と言い放っていた。「いずれにせよ(場所があれば)そこにでも」と意に介さない上から目線がうかがえた。
余談だが、新聞社勤務時代、英語を話す時になぜかanyway が口癖の上司がいた。ある時、海外の賓客を迎えて会談した際、その上司が握手を交わした直後に “Anyway, …” と語りかけ、筆記役で同席していた私は心の中でずっこけたことを覚えている。まだ何のやり取りもなされていないのに、いきなり「いずれにしても」と切り出された賓客はさぞかし面食らったことだろう。
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