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June 2018

「茶番」を蹴飛ばせ!

20180630-1530324603.jpg サッカーのワールドカップ(W杯)で西野ジャパンは何とか決勝トーナメントに進出を決めた。対戦相手のポーランドに1対0で負けながら、フェアプレーポイントつまりイエローカード(警告)の数がより少なかったという差でセネガルを抑え、勝ち上がった。この命綱の差を活かそうと日本は最後の10分間、攻めるのをやめ、球回しで時間が過ぎるのを待つ作戦に出た。結果的にこの西野采配は功を奏したが、国内外で賛否両論となるのは不可避の事態となった。
 英BBCのネットを読むと、当然のことながら、かなり手厳しい評価の声が相次いでいた。記事の見出しに、日本の対ポーランド戦は「信じ難い茶番」(mind-boggling farce)で終了したとある。日本人としてその先の内容は読みたくないものであることは容易に推察できる。記事の最後にサッカー専門家諸氏のコメントが掲載されていた。“I developed a soft spot for Japan, but I hope they get battered in the next round.”(私は日本には好感を抱いていたが、決勝トーナメントではボコボコにされて欲しい)“This leaves a bitter taste in the mouth. It’s a disgrace.”(なんとも後味が悪く、恥ずべき試合だった)
 サムライブルーにとって「名誉挽回」の唯一のチャンスは週明け3日の決勝トーナメント1回戦。対戦する優勝候補の一角、ヨーロッパの強豪、ベルギーと互角の試合を繰り広げ、できれば勝利することが求められている。難しそうだが、そうなることを祈ろう!
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 さあ、明日から7月。去年は7月の声を聞いて、クーラーのスイッチを入れた。今年もそうしよう。ここしばらくの間、昼の熱が残る夜が辛かった。これからだいたい3か月はクーラーのお世話になるのか。電気代が跳ね上がることになるが、致し方ない。地球温暖化(global warming)に貢献したくないので、できるだけ使用は制限することを心がけたい。
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 韓国語と中国語をNHKラジオの語学講座の助けで独学するようになって2年が経過した。当時のブログ「NHKラジオという手があった」を読み返すと、次のように書いている。「韓国語と中国語の独学。ふと思い出した。NHKラジオでも初級者向けの番組を放送しているはずだと。早速金曜朝の韓国語の初級を聞いてみる。思った以上に聞き取ることができた。あ、これなら自分の勉強に必ず役立つぞと嬉しくなった。続いて聞いた中国語の初級クラスはさすがに難しかったが、歯が立たないという感じではない」
 あれから2年。残念ながら、予期したほどの伸びは見せていない。忸怩たる思いだが、のんびりとしたマイペースの独学ゆえこれも致し方ないか。これからの一年の進歩に期待しよう。「石の上にも三年」というではないか、と自らを慰めているが、中国語の勉強を始めたことで毎日、「目から鱗のひととき」を過ごすことができるのはとても有難く思っている。
 上記の「勉強」という語句。中国語の簡体字では「勉强」と書くが、意味は「無理に強いる」だとか。辞書には「不要勉强他。」(彼に無理強いしてはいけない)という例文が載っている。そうか、勉強という行為はやはり自分に「無理強い」してするもののようだと「屁理屈」をこねたくなる心境————。

老いてこその人生!

 サッカーのワールドカップ(W杯)が大盛り上がりだ。まずはめでたしめでたしか。次のセネガル戦でも勝利を上げるようだったら、ファンのボルテージは一気に上がるだろう。私はJリーグの試合はまともに見たことがないが、ワールドカップとなればさすがに応援せざるを得ない。老若男女、多くの国民がここまで盛り上がるスポーツは他にないのではないか。それはサッカーが世界の至る所で貧富の差なく、熱くプレーされているスポーツであることと無縁ではないだろう。そして四年に一度、厳しい地区予選を勝ち抜いた勇者たちだけが、正真正銘の最高峰の王座を目指し、世界中のファンの見つめる中でしのぎを削るのだから、比類なきその価値は理屈抜きで理解できる。
 途上国ではサッカーの世界は恵まれない若者が豊かな生活を手にする手段でもある。西アフリカのセネガルでもそうだ。2010年のアフリカをさるく旅でセネガルを歩いた。あの国ではベレと呼ばれるセネガル相撲が盛んだが、サッカーで一流選手となることを多くの若者が夢見ていた。ハングリー精神にあふれ身体運動能力に長けた彼らのプレーをサムライブルーが超越できるのか。けだし見ものだ。この項を書いていて、首都ダカールで泊まった海辺のホテルで毎朝食したフルーツがこれまで味わった中で最高に美味だったことを懐かしく思い出した。
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 ジャパン・ニュース紙に目を通していて思わず、じっくり読んでしまった記事がある。見出しは Biotech mogul takes over at L.A. Times となっており、伝統ある米ロサンゼルス・タイムズ紙がバイオテクノロジー(生物工学)の大富豪(mogul)、パトリック・スン・シオン氏に買収されたという記事。買収額は5億ドル(約550億円)で、9千万ドル(約99億円)の年金債務も引き受けることで合意したとか。スン・シオン氏は南アフリカ出身の中国系の人物で、ネットで検索すると「世界一富裕な外科医」と紹介している記事があった。まあ、私ら庶民には想像できない大金持ちのようだ。
 私の印象に残ったのはこの買収ではなく、スン・シオン氏がロサンゼルス・タイムズ紙の新編集長に75歳のベテランジャーナリストであるノーマン・パールスティーン氏を任命したこと。定年制度がなく、本人が希望すれば何歳になっても働けるアメリカならではの展開だ。アメリカでは健康であれば高齢であることは人生のハンデとはならない、いやむしろその経験や知恵が高く評価される。
 パールスティーン氏は大手有力紙や出版大手のタイムなどで勤務した実績のある記者。スン・シオン氏は彼に白羽の矢を立てた理由について次のように語っている。 “Not only does he have amazing experience with the full knowledge of how a newsroom runs ― but he’s amazingly modern and forward-looking.”(彼は新聞の編集現場がいかにあるべきか熟知し、その経験は驚くべきであり、また同時に目を見張るような現代的な先見を有し、積極的に物事をとらえることができる人物だ)
 日本の新聞社では50歳代半ばになると、大半の記者は報道の第一線から身を退かされる。蓄積された経験・知恵を活かせないのは甚だ「もったいない!」(What a waste!)と私は思う。

胸が痛む事件

 米朝首脳会談の実現など歴史が動くような出来事が起きている。北朝鮮が報道のように核兵器を放棄する事態になればそれは日本にとって朗報だが、どうもにわかには信じ難い。やがてトランプ米大統領にノーベル平和賞をという動きが出始めることになるのかもしれないが、彼の大統領就任時にそういうことを予言した人はおつむの程度を疑われたことだろう。果たして「瓢箪から駒」が出るのか。過度の期待はしない方がいいような気がする。
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 NHKテレビが連日、東京で起きた5歳女児の虐待死事件の悲惨さを報じている。両親が逮捕されてから一週間以上経過するが、女児が住んでいたアパートの前で花を捧げる人々が絶えないとか。見ず知らずの女児の死を痛哭する。小生もその一人だ。識者が児童虐待事件を防ぐ方策を色々論じているが、根本的には5歳女児をあのように無慈悲に扱い、衰弱死に至らしめるような大人を生じさせないことが肝要だろう。となると、家庭のしつけである。そのような人間を育ててしまった責任は誰にあるのか。今さら言う必要はないだろう。幼児の仕事は遊ぶことだ。遊ぶことも許されず、ろくな食事も与えられず、朝4時に起床することや風呂の掃除を命じられる・・・。覚えたての平仮名で「おなじことはしません。ゆるしてください」とノートに綴っていた女児の心の中を想像するだけで落涙を禁じ得ない。
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 中国語を学習していて、時々、中国語はがっちりした文法のことはあまり気にせず、頭に浮かんだ語をそのまま口にしても案外通じるのではないかと思うことがある。もちろん、実際には通じないことの方が多いだろうけれども。例えば、「外国語の勉強はたくさん聞いたり話したりしなければなりません」という文章。中国語では「学外语得多听多说」と表現されている。私の拙い力で乱暴に直訳すれば、「学ぶ 外国語 せねばならぬ 多く聞き 多く話し」。英語だと、おおよそ、次のような文章にする必要があるだろう。If you learn a foreign language, you have to listen a lot and speak a lot. 中国語では人称代名詞、接続詞、冠詞一切が不要だ。日本人には学びやすい言語と思えてならない。
 それで思い出したのは独学を始めた頃、図書館で読んだ中国語のQ&A本。おぼろげな記憶ながら、「中国語には文法がないという指摘がありますが・・・」という学習者の素朴な疑問が載っていた。もう一度その本を読みたくなり、再び図書館で借り受けた。『中国語学習Q&A200』(中国語ジャーナル編集部)。その部分を引用してみると————。
 Q147 中国語には文法がないと聞いたことがあります。本当でしょうか。 A 世界中のあらゆる言語で文法がないものは存在しません。(中略)近代文明が西欧中心に発展してきたので、言語学の文法論の分野でも西欧の言語の観点から他の言語を分析しようとする傾向があり、「中国語には文法はない」などと言う人もいます。しかし、中国語には西欧の言語と同類の文法がないだけであって、中国語には中国語独自の文法があるのです。中国語は古い文明を背景に持つ言語ですが、科学的な文法研究の対象となってからの歴史はそれほど長くなく、未知の分野がたくさんあり、これからの研究が待たれているのです。
 なるほど、そういうことらしい。しかし、上記のような疑問がわくのも中国語ならではか。

Showy Shock!

 衝撃的ニュースに落胆を禁じ得なかった。興味のない人にはどうってことのないニュースであろうが、私は大いにがっかりした。大リーグで活躍中の大谷翔平選手が右腕肘の張りで故障者リスト(DL)に入ってしまったのだ。最後の登板となった6日の試合後に肘の張りを訴え、診断の結果、3段階の中程度に当たるグレード2の症状にあることが判明。今後3週間経過を観察し、再検査をしてその後の対応を決めるという。
 再検査後の最悪のシナリオは「トミー・ジョン手術」と呼ばれる靭帯の手術のケースだが、そうなった場合は年内の出場はもちろん絶望となり、来年のプレーにも影響は必至だろう。願わくは最悪の事態を回避し、7月以降、少なくとも指名打者(DH)として復帰する道が開けて欲しい。順調に回復さえすれば、再びマウンドに上がる可能性もなくはないだろう。とまあこれは所詮、野球の素人の一ファンとしての見立て。事態を静観するしかない。
 大谷選手の離脱はチームにとっても大きな痛手であることは間違いない。所属するロサンゼルスエンジェルスは現在、アメリカンリーグ西地区の3位。上位2チームは好調を持続しており、エンジェルスにとってはプレーオフに進めるワイルドカードを奪取するのも前途多難な情勢。大谷選手の投打にわたる活躍がこれからますます期待されていただけに、チームメートの落胆も理解できる。同僚の一人は次のように語っている。“He helps us win, and it’s tough losing somebody who helps you win. We just gotta keep playing. Hopefully, Showy comes back later in the year healthy and ready to help us.”
 野球の神様がShowy(翔平)に奇跡的に微笑むのを待とう。それにしても、彼が日本でプレーしている時、私は彼に声援を送ったことは皆無。大リーグに移っただけで、彼の一挙手一投足に一喜一憂することになろうとは思わなかった。
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 去年のブログを見ると、7月1日の頃でクーラーをそろそろつけようかなと思うと書いている。去年の例にならえば、あと3週間の我慢。果たして扇風機だけでしのげるかしら。
 夏バテ対策には自信がある。らっきょう酢という強い味方があるからだ。これにダイコンやニンジン、タマネギ、ゴボウ、水菜それと最近再び八百屋さんの売り場に姿を見せるようになったゴーヤなどを幾つかのタッパーに分けて漬け、冷蔵庫で一晩も寝かせれば、美味くて滋養たっぷりのピクルスに化けてくれる。
 ゴーヤはらっきょう酢に出合うまで敬遠していた。子供の頃、母親が作ってくれるカレーを喜々として食っていた時、母は親父にはいつもゴーヤを炒めていた。親父はカレーが好きではなかったのだろう。この記憶とゴーヤが苦手なことは関係ないとは思うが、ずっとゴーヤは遠ざけてきていた。沖縄の人に長寿者が多いのはゴーヤと何らかの因果関係があるのだろうかとずっと考えていたこともあり、いつかは食したいと願ってはいたものの。
 それがらっきょう酢を知り、ゴーヤもそのまま漬けるだけで美味しく頂けると知り、実際その通り、好物になった。あの独特の苦さがいい。油で炒めれば酒(焼酎)の肴としてもいけるのではないかと思うが、断酒中の身ゆえ、まだ試していない。今から思えば、あの頃、怖かった亡き親父もゴーヤを晩酌の焼酎の肴にしていたのかも知れない。

去参加(行参加)

 中国語の独学を粛々と続けている。疲れはするが、飽きはこない。韓国語の学習も面白いが、文字のハングルはやはり異文化の世界。それに比べれば、漢字の世界の中国語は興味が尽きない。
 中国語を学びながら、常に頭にあるのは、日本語ではそして英語ではどう表現するだろうかという疑問だ。そういう時、日本語と中国語の「近さ」をよく感じる。語順的には中国語は日本語より、おなじSVOの英語により近いと言われているが、最近は日本語の方がずっと中国語に似ていると思うことがしばしば。
 最近思わずメモした文章。近天的晚会咱们也去参加。これは「今日のパーティーには我々も参加しましょう」という意味と紹介されている。直訳だと「今日の夜会、我々も行き参加しましょう」。要するに、頭に浮かぶままの語句をそのまま中国語の単語(表現)に落としていけばだいたい大丈夫な感じだ。
 英語だとこうはいかない。乱暴に直訳すると、“Tonight’s party, we too go, participate.” となるが、いかにもたどたどしい。原文の語順をなるべく生かそうとすれば、 “As for tonight’s party, let’s go and join together.” みたいな文章になるか。文章の潤滑油的な「機能語」と呼ばれる前置詞や接続詞の類の語を付加するのが不可欠だ。これに対し、日本語で頭に浮かんだ語(表現)を思いつくままに口にしてみると、中国語らしい文章になるような気がしてならない。
 もう一例。这是去您的家时照的相片。「これはあなたの家に行った時に撮った写真です」。直訳では「これは(私が)行く、あなたの家に、その時に撮影の写真です」。これも頭に浮かぶ中国語の語を思いつくままに口にすれば、何とか中国語らしい文章にまとめることが可能かと思う。英語ではこうはいかない。乱暴に直訳すれば、“This is, go to your house, at the time take a photo.” のような文章になる。こなれた英文にすれば、“This is a photo I took when I visited your house.” のような文章だろうか。要するに、構文そのものに手を入れる必要がある。日本語と大きな差があるように思えてならない。
                  ◇
 海の向こうの大リーグ。同じアメリカンリーグに属している大谷翔平投手と田中将大投手の投げ合いは大谷選手の先発登板が見送られたため実現しなかった。
大谷選手はこのところ、数字上の成績からはかつての勢いは失せつつあるが、素人目にはあまり心配する必要はないように見える。すぐにまた爆発するだろう。ぜひかつて存在したことのないスーパースターへの階段を着実に歩んで欲しい。
 彼がアメリカでも人気を博しているのは彼の外見とも無縁ではないだろう。23歳のハンサムな青年だが、どちらかと言うと童顔に近い。そして礼儀正しいことはテレビ画面からも十分伝わってくる。対戦したデトロイトタイガーズの監督は大谷投手の前評判を裏切らない実力を高く評価したうえで、次のように大谷投手のことを評していた。“That’s a pretty nice-looking pitcher, a nice-looking young man who did really well.”
 大谷選手が今夏のオールスターゲームに選出されるのはほぼ間違いないように思える。

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