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胸が痛む事件

  • 2018-06-14 (Thu) 16:44
  • 総合

 米朝首脳会談の実現など歴史が動くような出来事が起きている。北朝鮮が報道のように核兵器を放棄する事態になればそれは日本にとって朗報だが、どうもにわかには信じ難い。やがてトランプ米大統領にノーベル平和賞をという動きが出始めることになるのかもしれないが、彼の大統領就任時にそういうことを予言した人はおつむの程度を疑われたことだろう。果たして「瓢箪から駒」が出るのか。過度の期待はしない方がいいような気がする。
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 NHKテレビが連日、東京で起きた5歳女児の虐待死事件の悲惨さを報じている。両親が逮捕されてから一週間以上経過するが、女児が住んでいたアパートの前で花を捧げる人々が絶えないとか。見ず知らずの女児の死を痛哭する。小生もその一人だ。識者が児童虐待事件を防ぐ方策を色々論じているが、根本的には5歳女児をあのように無慈悲に扱い、衰弱死に至らしめるような大人を生じさせないことが肝要だろう。となると、家庭のしつけである。そのような人間を育ててしまった責任は誰にあるのか。今さら言う必要はないだろう。幼児の仕事は遊ぶことだ。遊ぶことも許されず、ろくな食事も与えられず、朝4時に起床することや風呂の掃除を命じられる・・・。覚えたての平仮名で「おなじことはしません。ゆるしてください」とノートに綴っていた女児の心の中を想像するだけで落涙を禁じ得ない。
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 中国語を学習していて、時々、中国語はがっちりした文法のことはあまり気にせず、頭に浮かんだ語をそのまま口にしても案外通じるのではないかと思うことがある。もちろん、実際には通じないことの方が多いだろうけれども。例えば、「外国語の勉強はたくさん聞いたり話したりしなければなりません」という文章。中国語では「学外语得多听多说」と表現されている。私の拙い力で乱暴に直訳すれば、「学ぶ 外国語 せねばならぬ 多く聞き 多く話し」。英語だと、おおよそ、次のような文章にする必要があるだろう。If you learn a foreign language, you have to listen a lot and speak a lot. 中国語では人称代名詞、接続詞、冠詞一切が不要だ。日本人には学びやすい言語と思えてならない。
 それで思い出したのは独学を始めた頃、図書館で読んだ中国語のQ&A本。おぼろげな記憶ながら、「中国語には文法がないという指摘がありますが・・・」という学習者の素朴な疑問が載っていた。もう一度その本を読みたくなり、再び図書館で借り受けた。『中国語学習Q&A200』(中国語ジャーナル編集部)。その部分を引用してみると————。
 Q147 中国語には文法がないと聞いたことがあります。本当でしょうか。 A 世界中のあらゆる言語で文法がないものは存在しません。(中略)近代文明が西欧中心に発展してきたので、言語学の文法論の分野でも西欧の言語の観点から他の言語を分析しようとする傾向があり、「中国語には文法はない」などと言う人もいます。しかし、中国語には西欧の言語と同類の文法がないだけであって、中国語には中国語独自の文法があるのです。中国語は古い文明を背景に持つ言語ですが、科学的な文法研究の対象となってからの歴史はそれほど長くなく、未知の分野がたくさんあり、これからの研究が待たれているのです。
 なるほど、そういうことらしい。しかし、上記のような疑問がわくのも中国語ならではか。

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