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January 2026
「ドンロー主義」
- 2026-01-12 (Mon)
- 総合
昨年からずっと悩まされていたことがあった。パソコンのことだ。私はネットで二つの海外メディアと契約し、オンラインでニュースや論評をフォローしてきていた。ところが、昨年のいつ頃だったか、はっきりとは記憶にないが、そのホームページにアクセスして興味を覚えた記事を読もうとすると、途中から読めなくなっていた。メンバーとなると読めますよというお知らせが出て拒絶されるのだ。
これには参ってしまった。いや、すでにメンバーになっているよ、もう何年もメンバーシップの契約を結んでいるよと愚痴りながら、いろいろトライしてみるのだが、らちがあかない。パスワードを求められ、思いつく限りのパスワードを打ち込んでみるものの、すべて拒絶されてしまう。各種パスワードをメモしている手帳とにらめっこしながら、幾度、パソコンと悪銭苦闘したことだろうか。最後には疲れて投げ出してしまった。
私がオンラインで購読しているのは米ニューヨーカー誌と東アフリカにあるケニアのネーション紙。ニューヨーカー誌はさすがに米国を代表する高級誌だけあって読み応え十分。特にベテラン政治記者のスーザン・グラッサー氏のコラムをずっと愛読してきた。ネーション紙はケニア及びアフリカの最新の出来事を知る上で重宝してきていた。だが、昨年来、上記の二誌紙がじっくり読めなくなったのだ。再び新しい契約を結べばいいのだろうが、それでは古い契約と合わせ、二重取りされてしまうのではないか。阿呆らしい。読みたい記事が読めずに悶々としながら、新しい年を迎えてしまった。
ニューヨーカー誌の担当者とメールでのやり取りを繰り返しているうちにふと思った。私はネットへのアクセスに2通りの方法を利用している。グーグルクロムとマイクロソフトエッジ。アナログ人間の私にはなぜそうなったのか、そしてまた両者の違いなどは皆目分からないのだが、昔から利用していたのはグーグルクロム。海外メディアへのアクセスももっぱらクロムを利用していた。それで不慣れなエッジをクリックしてニューヨーカーにアクセスしてみると、これまではねつけられていたグラッサー氏のコラムやその他の記事も自由に読むことができるようになった。不思議だが、とりあえずの問題は解決した(ようだ)。
再び読めるようになったスーザン・グラッサー氏のコラムを早速読んだ。1月8日付けのコラムで、その見出しと袖見出しを読めば、内容もおおよそ類推はできるかと思う。”Why Donald Trump wants Greenland (and everything else)” There’s no Trump Doctrine, just a map of the world that the President wants to write his name on it in big gold letters. (「ドナルド・トランプはなぜグリーンランド(そして他のすべて)を欲しているのか」 トランプ主義なんてものはなく、彼の頭にあるのは世界地図であり、その上に自分の名前を大きな金文字で書き込みたいだけなのだ)
米国が位置する西半球を力(軍事力)で支配し、域外の国々の干渉を許さず、さらには影響力を地の果てまで広げようとするトランプ氏の姿勢は、トランプ流モンロー主義を意味する「ドンロー主義」として呼ばれ始めているが、グラサー氏はトランプ大統領はただ単に世界最強の軍事力を持つ国の為政者として世界に崇められたいだけなのだと看破している。裸の王様に羞恥心を芽生えさせられる者はいないのか?
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憂鬱・・
- 2026-01-06 (Tue)
- 総合
トランプ米大統領による信じ難いベネズエラ介入以来、落ち着かない日々を過ごしている。いかに腐敗した独裁国家であっても、一国の為政者である大統領がテロ行為と大差ない軍事力によって拉致され、連行される事態に至るとは。連日、米メディアの報道を漁りながら、何が起きているのか知ろうとしているが、憂鬱になるばかりだ。
トランプ大統領が愚弄だと蔑んできたが、彼は間違いなく世界最高の軍事力を手にしている。しかも、その軍事力を米議会のチェックなしに自由自在に操っている。危険極まりない。ベネズエラに留まることなく、トランプ氏は彼の意に沿わない中南米の他の国々にも手を伸ばそうとしているとも言われる。一つ間違えば、世界は第三次世界大戦のような大惨事に見舞われる可能性さえありうるのではないか。
トランプ大統領のこの暴挙をロシアのプーチン大統領がどう見ているかも気になるところだ。ウクライナ情勢には否定的な影響しかないだろう。プーチン大統領がかつてソ連下での領土だったバルト三国に牙をむいたとしても、その非を責める国際世論は勢いをそがれるかもしれない。日本にとって関係が深い台湾も心配。中国がかねて主張している通り、やがて台湾を武力による併合に踏み切った場合、中国の正当化の論理はトランプ氏のベネズエラ介入より「説得力」を持つだろう。
懸念されるのはトランプ氏の「アメリカ第一」(America First)主義は日米関係よりも米中関係をより重視することになるのではということだ。トランプ氏にとって南北のアメリカ大陸が米国の覇権下にある限りよしとするのではないか。中国がアジアに君臨しても構わない。ロシアが覇権国家となっても、英独仏を中心とした欧州諸国が対峙する限り、アメリカの力を直接脅かすものではないと見なすのではないか。今は蜜月関係の中露にしても、いつか衝突することになると踏んでいるかもしれない。気になるところだ。
◇
このところリラックスした、いや、正確には怠惰な日々を過ごしてきている。すぐにまた非常勤講師の仕事が始まるので、今週からまた毎朝6時起床の生活を心がけている。朝が弱い私はこれが非常に辛い。泣き言なんか言っておられないのだが、でも辛い。
まあ、なんとか起床してトイレ、洗面、歯磨きのルーティンをこなして、神棚に水をあげて祈りのひととき。最近はきちんと朝食を食べることがなかなかできず、きな粉をいれた無調整豆乳を飲んで一日をスタートさせている。余裕があれば、コーヒーを淹れて楽しみたいのだが、仕事が再開すれば電車の時間が気になってできないだろう。
おっと、忘れていた。キリスト教の祈祷書(devotion)に心静かに目を通すことだけはずっと続けている。去年読んでいたものはコンタクト本だったので執筆者の顔写真は割愛されていたが、今年は単行本のような大きさの本を購入していたので、総勢52人の執筆者の顔写真が末尾に掲載されている。その日の祈祷を読んだ後に執筆者の顔写真を眺める。もう何年も眺めているのでだいたいの人は「顔なじみ」になっている。文章にも個性があり、名前を見ずとも想像がつくことがある。これからも一生会うことはない人々だろうが、これだけ身近に感じるのは何となく不思議な思いがしないでもない。
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早くも新たな「戦火」
- 2026-01-03 (Sat)
- 総合
2026年が明けた。昨年は6日付けの項で「さあ仕事モードへ」と題して、次のように記している。――社会人になって最も安上がりの年末年始となったかと思う。どこにも出かけずに外食もせず、財布の中身は全然減らなかった。現役時代からこういう暮らしをしていれば、かなりの財を蓄えていることだろう。という悔いはさておき、三が日も普段はまず手にしない小説を読み、余った時間はYouTubeで暇をつぶした。酒類もほどほどにしたから、そんなに太ったという意識はない。それでもさすがに昨日(4日)は外に出ようと思い至り、久しく歩いていない香椎浜の散策路を歩いた。寒風も吹いておらず、手袋をせずとも、気持ちよく歩くことができた。そうこうしているうちにいよいよ明日7日から三学期が始まる。再び中学校と高校の掛け持ちの非常勤講師職だ――
実はちょっと驚いた。今年の正月も全く同じように過ごしたからだ。いや、昨年以上に安上がりの年末年始となったように思える。(先月末の玉名温泉での静養は勘定に入れていない)。今年の仕事始めは昨年よりも遅い。まだ少しのんびりすることができる。いや、少しだけだ。週が明けるといろいろ、やらなければならないことがある。我が古里にも帰郷したいと考えていたが、どうもできなそうだ。亡きお袋や親父、兄姉のお墓に手をわせることもなく年をまたぐ。私は親不孝者だ。
◇
年明け早々に米東海岸に住む大学時代の恩師からニューヨークタイムズ紙の論説がメールで届いた。この論説に関する限り、無制限(無料)で読むことができた。NYT紙の論説陣による論説だった。論説を執筆する記者は opinion jounalist と呼ばれることを知った。
“Trump is the Jan. 6 President” という見出しだった。無理を承知で訳すと、「トランプ大統領の本質は2021年1月6日の暴動が象徴している)とでもなろうか。かなりの長さの論説だったが、要するに二期目のトランプ政権の本質はあの忌まわしき1月6日の米議会議事堂襲撃事件が如実に物語っていると断罪している。米憲法や法の支配を暴力で踏みにじったあの暴動は紛れもなく当時のトランプ大統領が主導したもので、米議会は速やかにトランプ氏を訴追し、その後再び大統領の座を狙ったトランプ氏の目論見を阻止すべきだったと述べている。今さら言われてもという主張だが、2026年の初頭に改めて読むとそうだよなと思わざるを得ない。記事はトランプ氏の政治姿勢には批判的だったものの、トランプ氏訴追になぜか怖じ気づき、結果的にそうした動きを頓挫させた与党共和党の重鎮、ミッチ・マコネル上院議員の「罪」を厳しく指摘してもいる。
この項を書いている折も折、米軍が南米のベネズエラの首都カラカスの大統領府を攻撃し、マドゥロ大統領を拘束し、国外へ移送したとトランプ大統領が発表と報じるニュースが飛び込んできた。南米ウォッチャーでない限り、このニュースの意味合いは即座には判断しかねるが、敵対する外国政権が腹に据えかねるとその指導者を力づくでねじ伏せる暴挙はロシアのウクライナ侵攻を責める資格を失うというものだろう。
トランプ大統領の健康不安、判断力低下さえささやかれる現在、トランプ政権の2026年に言い知れぬ危うさを感じてしまう。
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