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絵文字

  • 2015-11-23 (Mon) 15:23
  • 総合

 これも積読つんどくを解消するために数日前に読み始めた一冊。“English as a Second Language” 。いつどこで購入したのか記憶にない。その存在すら忘れていたが、タイトルがタイトルだけに、大学の英語の授業で役立つかもと思い、本棚から引き抜いた。表紙の推薦文に “Totally hilarious and deliciously wicked!”(抱腹絶倒、不徳美味)という活字が躍っていた。「不徳美味」は私の勝手な造語だが。人生の進路に悩んだ20代半ばのアメリカ人女性が一念発起、イングランドの大学院で文学を専攻することを決意し、縁もゆかりのない土地(マンチェスター?)で恋愛を含め悪戦苦闘するお話だった。
 米英の英語の違いでも面白おかしく書いてあるのかと期待して読み進めたが、そうしたくだりは最後まで皆無に近くがっかりした。私は読書に際しては、気に入った表現とか気になった箇所にマーカーを走らせ、後で読み返す時にすぐに目に入るようにすることを「癖」としているが、この本は一度もマーカーを手にすることはなかった。
                         ◇
 アナログ人間がパソコンで文章を綴っているので、まだるっこしく思うことがしばしばだ。そういう時には親しくさせてもらっている出版社のS君にメールで助けを請うことになる。最近それでまた一つ賢くなった。ルビの振り方を覚えたのだ。随分以前に大岡昇平のシェイクスピア劇を下敷きにした作品『ハムレット日記』のことを書いた時、英語の「王冠」(crown)と「道化」(clown)に「クラウン」という英語読みのルビを振りたかった。日本語では同じ音に聞こえる英語の語彙ごいに挑んでいる作家の工夫がうかがえたからだ。だが、下書きではルビが振れても、ブログに落とすと、ルビが外れた形でしか表れず、途中で匙をなげしまった。それが今はきちんと触れるようになった。かくして、前回の項からきちんと、積読つんどくに初めてルビを振ることができている次第だ。
 まだ分からない部分もある。以前は文学作品からの引用は私の文章と明確に区別するため、イタリック体にしていたが、最近はどうもうまく行かない。下書きでは苦も無くイタリック体にできるのだが、ブログに落とすと元に戻ってしまう。それで致し方なく、ゴチック体にしている。これも本当はスマートなイタリック体にしたいのだが・・・。
                         ◇
20151123-1448259795.jpg 英字紙「ジャパンニュース」の日曜日の紙面に収録されている英紙「ザ・タイムズ」の紙面はいつも楽しみに目を通している。タイムズ紙ならではの記事が載っているからだ。先の日曜の紙面では、オックスフォード英語辞典(OED)が2015年のワードとして、日本発祥の emoji(絵文字)を選んだという記事が載っていた。数ある絵文字の中でも2015年のワードとして選ばれたのは、「涙を流している笑顔」だ。ヒラリー・クリントン氏がこの夏にこうした絵文字を使っていたことも追い風になったようだ。(そのくだりは続で)
 私は携帯でも絵文字を使ったことがない。これからも絶対に使わないだろう。言葉という大切なものを放棄してどうするのと思ってしまう。たまに学生の答案に絵文字が書き入れてあったりすると、どうしても違和感の方が先に立ってしまう。嗚呼、「昭和」が懐かしい! お酒だよ。お酒をおくれ! いや、私はまだ断酒中の身だった。 

 タイムズ紙によると、クリントン氏は次のようにツイートしたのだとか。“How does your student loan debt make you feel? Tell us in 3 emojis or less.” 我々日本人にはemojis と複数形になっているのが何だかおかしい。ところで、アメリカでは大学生が各種奨学金を手にして学生生活を送り、そうした奨学金が卒業と同時に多額の借金(ローン)となって学生を追い詰めている。そういう背景があってのクリントン氏の質問だ。なお、「涙を流している笑顔」は上記の記事では the picture of a face crying with laughter となっている。この絵文字が2015年のワードに選出されたのは、“It captures the ethos, mood or preoccupations” of 2015. だからだとか。パリで起きたテロがヨーロッパを震撼しんかんさせている今は他の言葉を頭に思い浮かべる人も少なくないかと思う。

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