英語でさるく 那須省一のブログ
再び台北に
- 2018-09-20 (Thu)
- 総合
水曜日も花蓮は気持ちのいい好天。ホテルの窓を開けると青い空が見え、心も晴れやかになる。嗚呼、残念ながら、本日の午後には台北に戻らなくてはならない。台北に特段、大事な用事があるわけではない。明日木曜午後に一人の男性と再会する約束はしているが、花蓮滞在を1日引き延ばすことぐらいわけなくできる。ホテル代も段違いにこちらの方が安いし、そうしようかとも何度も思ったが、また来春訪ねることとして重い腰を上げた。
今回の花蓮ではいい喫茶店を見つけた。そこの店主と英語を中心に色々話をさせてもらった。もちろん、旅の目的は中国語の学習だから、できるだけ中国語を交えながら話をしたが。こちらの方はあまりはかばかしくなかった。花蓮では前回の旅でも馴染みになった喫茶店があるから、これで2軒目。またの再会が楽しみだ。
さて、花蓮を発って台北に。花蓮発午後3時27分。台北着5時38分。切符代440元。車窓の風景を楽しむつもりだったが、毎日歩き疲れていたのか、アメリカ人の友人に頼まれていた歌詞の和訳を済ませた後はうつらうつらに。台湾で過ごす時間はわずかあと2日間。土曜日には帰国だ。次回はさらに時間をかけてゆっくり旅をしたい。私はお金の余裕はないが、時間だけはたっぷりある。
そういうことを考えていると、宮崎の山の中で一緒に育った幼馴染の一人からラインのメッセージが届いた。同級生に胃がんが見つかり、来月手術することになった、それで近く激励の飲み会を開くという連絡だった。私たちはそういう年頃なのだと改めて思い知らされた。会社をやめかつての同僚たちと疎遠になると、友人と呼べる者は限られてくる。明日は我が身とはまだ思えないが、気持ちが少しふさいだ。
◇
花蓮でテレビを見ていてもニュースが分からない。NHKが見れるチャンネルもあるが、そうそう付き合ってもいられない。それでいつも英字新聞をコンビニで買い求めている。台北では割と簡単に入手できるが、花蓮ではそうもいかなかった。それで店内をうろうろしていて、ある雑誌が目に入った。英語関連の雑誌だ。退屈しのぎには丁度良い。
「用英語翻身 懂1500字就夠了!」という活字が表紙に踊っていた。正確に理解しているか自信はないが、「英語を用いてキャリアアップを図ろう 1500ワードが分かればそれで十分だ!」というような意味合いらしい。冒頭に簡単なテスト問題が10問あった。英語表現自体はそれほど難解ではないので簡単だったが、嬉しかったのは中国語、この場合は台湾の中国語でも私には正解が答えられたことだ。
例えば、次の問題。「請問 a pain in the neck 是什麼意思?」(a pain in the neck とはどんな意味ですか?)。問いには絵が添えられていて、ドラキュラのような男が女性を抱きかかえ、“How do you feel about me?” と尋ね、女性が “A pain in the neck.” と答えている。答えの項には三つの選択肢が書かれていて、私でもすぐに3つ目の「討厭的人」が正解だと分かった。中国のドラマを見ていて覚えた表現だ。「うざい人」「嫌いな人」という意味かと思う。
中国語(台湾語)が分からないと、フラストレーションがたまるので、こんな些細なことでも気分は少し晴れてくる。
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花蓮はいい!
- 2018-09-18 (Tue)
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花蓮は昨日今日と快晴に恵まれた。今回の台湾の旅で初めての好天と言えるかもしれない。それだけ太陽が嬉しかった。もちろん、太陽が出ると暑い、暑いだけでなく、湿度があるから蒸す。しかし、なぜか分からないが、昨年の9月と比べ、到底我慢ができない、というものではない。不思議だ。花蓮だからだろうかとも思うが、経験自体が少ないから分からない。去年と異なり、今回は短パンでさるき(歩き)回っていることも一因していることは間違いないだろう。還暦の身、本当に小学生に戻ったような旅だ。
花蓮に来て楽しみにしていたのは、行きつけの朝の食堂。二回目の花蓮で行きつけと書くのは大げさ過ぎるが、気分としてはそういう感じだ。地元の人たちに人気があるみたいで、いつ行っても混んでいる。私は混んでいれば引き返す。再度行って座れるイスがあれば、そこに座って注文した品を待つ。到着した翌朝は「味噌汁」「餃子」「卵焼き」の三品を注文した。締めて92元(約345円)。私は毎朝ここの朝食でも一向に構わないと思う。「味噌汁」ではなくとも、ちょっと塩味の「豆漿」(ドウジャン)でもOK。何度も書いたかと思うが、台湾では一人で食事していても周囲の「人の目」が全然気にならないのがいい。機嫌よくパクついていると、お皿の上はすぐに片付いてしまう。
街中を散策していて、メガネのフレームの片方が壊れた。ねじが緩んだようだ。小さいねじなので、素人が直すのは一苦労だ。しかし、放っておくとレンズが外れそう。メガネがないと遠くが見えない。困ったと思って目を上げると、通りの向う側にメガネ店の看板が見えた。すぐに駆け込んだ。中年の店主が奥から出て来て、メガネをじっと凝視。これはレンズとフレームが合致していないですな、みたいなことを言いながら、すばやくフレームを直してくれた。有難い。お礼を言いながら、謝礼を口にすると、何のことはないから、気にしないでください、みたいな感じ。感謝の言葉を繰り返してお店を後にした。
昨夜は例の東大門国際観光夜市に足を運んだ。ほぼ一日中、花蓮市内をさるき回っていたので、夜市が本格化する前にすっかり疲れ切っていた。お腹も空いていた。それで屋台の前を何度も行ったり来たりしているうちに、とある一軒のお店に吸い込まれてしまった。「花蓮肉牛」と銘打っていたからだ。お店の前の写真に凄く食欲をそそられた。220元のステーキがじゅうじゅうと湯気を上げながら運ばれてきた。ナイフとフォークで切り、一切れ口に運んだ途端に悟った。「失敗!」。美味いからは程遠い味。それでも大半を胃袋にしまい込んで席を立った。夜市の雰囲気だけは楽しんだからいいか。
翌日のお昼過ぎ。今度は若いお客であふれていたレストランに吸い込まれ、メニューのカバーに載っていた人気商品と思わしきランチを指差した。スープを添えて218元。こちらは正真正銘美味かった。スープも美味だった。パンが二切れ、カレーがかかったご飯のお椀のそばにポテトチップスもあって、人によっては「節度がない」と思うかもしれないが、「全天候型」の胃袋を備えている身には何の不満もない。昨夜とほぼ同じ値段でもこの差!
短パンで比較的快適な旅となっているが、限られた数の衣服・下着で過ごしている身には3日に1回の洗濯は欠かせない。明日は再び台北に戻る日だが、ホテルをチェックインする前にコインランドリーに行かなくては。意味合いは異なるが、立つ鳥跡を濁さずか。
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花蓮着
- 2018-09-17 (Mon)
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花蓮駅に予定より40分近く遅れて到着。台湾の鉄道でこれほどの遅れは経験したことがない。大きな台風が通過したばかりなのでそれが一因しているのかもしれない。車窓からは濁流の河川を幾つも見たので、東海岸では豪雨に見舞われたのだろう。
花蓮駅で公衆電話を見つけ、3月に投宿したホテルに電話を入れた。スマホはルーターでラインとネットは格安で利用できるが、電話は日本経由となるので格安とはならない。必然的に台湾内での電話は公衆電話を探すことになる。10元の硬貨を入れてダイヤル。すぐに通じたが、駅構内の喧騒もあり会話に四苦八苦。どうやら1泊500元(約1,860円)でOKとの由。信じ難い安さだ。半信半疑でホテルに向かった。
とその前に現地通貨が心細くなったので両替をしなくては。本日は日曜日。銀行は休みだ。駅構内の観光案内所で尋ねると、デパートに行けばいいと言う。どこにある?遠東百貨店が近くにあるとか。歩いて行こうと思ったが、生憎の雨天もあり、案内所の女性陣がタクシーを薦めるので、今回の旅で初めてタクシーを拾った。運転手さんとのやり取りが面白かった。「分かりました」は中国語では「知到了」。敢えてカタカナ表記すると、「ジィダォラ」みたいな音か。最初の「ジィ」が日本人には難しい。私も当然そうだ。運転手さんは何度も私の「ジーダォ」という発音を矯正してくれた。私はお手上げ状態。
そのうちに英語でのやり取りとなり、彼が何度も “Oh, I see.” と言うのだが、“see” の発音が日本人の多くが口にする「シー」だった。私は「あなたの発音では日本人の英語と同じで、英語のネイティブスピーカーは奇異に感じるだろう」と指摘した。彼は私の指摘の意味するところを理解したが、何度指摘しても最後まで「オゥ、アイシー」だった。タクシー料金でたかだか130元(約485円)の距離だったが、私たち二人は日中英の言語の発音の微妙な差異の話で大いに盛り上がった。
さて、くだんのホテル。民宿のような小さなホテルだが、チェックインして3泊の予定だから1,500元を一括で支払った。私のような節約の旅の身にある者には実に有難い。建物は比較的新しく、設備的には部屋の明かりが少ないということ以外には何の不満もない。
順序が逆になるが、高雄―花蓮の車中は閑散としていて快適だった。駅弁も値段が安いだけでなく、味も良かった。特に付け合わせの筍が。多少贔屓目があるかもしれないが、日本の新幹線でよく食べる駅弁よりも確実に美味いと思った。ほぼ5時間の乗車中、私が乗った車内には乗客がほとんどいず、私の右隣と通路をはさんだ左側に2人。この4人が花蓮まで他はほぼ空席だらけの車中でずっと並んで座らされていたのには少し笑った。私はもちろん、途中から空いた窓際の席に移動し、車窓の光景を堪能させてもらった。
車中で読んだ地元の英字紙に台湾の人々の自律性ある暮らしぶり、働き方を称賛する中国系アメリカ人の寄稿が載っていた。“A shining example for the world”(世界に対する輝けるお手本)という見出しが躍っていた。その中に次の記述があった。It reminds me of the uniqueness of Japanese society, where bicycles are routinely left unlocked at rail stations.(私は鉄道の各駅で自転車が施錠されることなく日常的に駐輪されている日本社会のユニークさが頭に浮かぶ)。いや、今は施錠が常識でしょ。これはほめ過ぎですよ!
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高雄から花蓮へ
- 2018-09-16 (Sun)
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スマホが機能しなくなったので、ルーターを持ち込める事務所を探したが、勝手がよく分からない。台北の空港まで戻ればいいのだが、まさか、旅の途中でそんなことはできない。困ったなあと思いながら、高雄には国際線の空港があることを思い出した。高雄空港に行けば、同じ系列の事務所があって、不良品のルーターを取り換えてくれるだろう。
と考えて、土曜朝に空港への地下鉄に乗るべく高雄駅に歩いた。駅前まで来てふと思った。今のホテルにチェックインを済ませた後に散策していて、高雄駅前のとあるしゃれた感じのホテルで、念のため、値段を確認した。きっと凄い値に違いない。ところがフロントの女性スタッフは1泊1,600元でOKですよと言った。利発そうな彼女の英語はとても聞き取りやすく、私は心中、しまった、ここにすれば良かった、と少し後悔した。
彼女がこの日もフロントにいれば、きっと相談に乗ってくれるはずだ。ひょっとしたら、空港にまで行かなくても名案を思いついてくれるかもしれない・・・。虫のいい考えだ。
その彼女はフロントに立っていた。私の顔を見て不思議そうな顔をしたが、事情を説明すると笑顔でそれは困りましたねと応じてくれた。私はとりあえず、これから高雄空港に地下鉄で行くつもりだと言った。彼女はルーターを手にして触っていた。私が何気なくルーターをのぞくと、まさか! 元通りに作動しているではないか。充電も十分な状態だ。
私は狐につままれたみたいな心持ちになった。ルーターのボタンは色々と押しもした。ショックを与えればいいかもと机の上に壊れない程度に落としたりもした。それでも全然効果がなかったのだ。なぜ回復したのか分からない。大事なことは再び機能をし始めたことだ。スマホも使えるようになった。彼女の手触りが良かったのだろうか。とにかく問題が解決した。この後、彼女は私が中国語と韓国語を独学していると知り、自分も少しだけ韓国語をやったことがあると韓国語の話で盛り上がった。泊り客でもない私にこのように接してくれ、実に有難かった。私は彼女に丁重にお礼を言って、表に出た。
そして日曜の朝、あまり快適とは言えなかったホテルを後にして再び高雄駅に。フロントでカギを返すと、初めて見る女性スタッフが「またのお越しを!」みたいなことを笑顔で言う。この人がいつもフロントにいたなら印象も異なっていたころだろう。
高雄から花蓮への切符を購入。高雄発8時58分、花蓮着13時54分の予定で705元(約 2,620円)。ホテルのテレビでは花蓮には大雨警報が出ていたような感じだったが、果たしてどうだろう。今朝の高雄は雨模様だった。花蓮は今年3月に訪れており、二度目の訪問。東大門国際観光夜市が強く印象に残っており、ぜひもう一度足を運びたいと思っている。その時に泊まったホテルもユニークで良かったが、高雄でネット検索してみたら、日本円で1泊1万円を超える額の設定となっており、私にはとても泊まれない。現地に着いて、電話でも入れて交渉してみよう。交渉の余地がなければ仕方ない。もっと安価な宿を探すことにしようと思いながら、この項を花蓮に向かう電車の中で書いている。
お昼をはさんでまた駅弁を買って食べた。今日は付け合わせの筍が美味かった。これで値段は僅か80元(約300円)。日本の駅弁より確実に美味い。今日は日曜日だし昔だったら、車内で缶ビールに乾き物といったところだろうが、今はそうしたことは思いつきもしない。
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高雄へ
- 2018-09-15 (Sat)
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金曜朝に台南を離れ、高雄に来た。電車(特急)でわずか39分。料金も106元(約395円)という安さだ。台風が心配だが、どうやらフィリピンに向かっているようだ。フィリピンの人々には済まなく思うが、台風シーズンにはいつも感じる「後ろめたさ」。祈るのは、台風が九州(日本)には来ず、他に行きますように! NHKも日本を逸れることが明確になると、その時点でほぼ確実に台風報道は終わる。
それはさておき、金曜朝、高雄駅で下車すると、嬉しいことに日が差していた。少し蒸すようだが、この程度なら雨よりははるかにましだ。高雄は地下鉄も走っており、台北に次ぐ台湾第二の都市と聞いていた。もっとも電車で隣に座った地元の青年は今は台中に抜かれて三番目でしょうみたいなことを言っていた。
今回の旅ではうっかり、台湾のガイドブックの類の本は一冊も持参してこなかった。台北はともかく、高雄には何の土地勘もない。よって高雄駅内の観光案内所に足を運んだ。初々しい男女の若者二人がスタッフとして勤務していた。1,500元ぐらいの安いホテルを紹介してください。2泊するつもりです」と伝えた。二人がパソコンで探してくれたホテルに歩いた。駅のすぐ近くにあった。フロントで宿代を確認すると、本日は1,500元でOKだが、明日は土曜の週末だから2,100元に上がるとか。日本でもよくあることだが、到着したばかりで時間はたっぷりある。市内を見物がてら他のホテルを当たってみることにした。
少し裏通りに入ると、ホテルがそこかしこに見える。一軒に入ってみた。恰幅のいい中年女性がフロントに座っている。部屋があるかと聞くと、男の同僚らしき人を呼んだ。この男性は「部屋はある。800元だ」と言う。え、安い!でも、どんな部屋だろう。実際に見てみないと即断できない。それで決める前に部屋を見せて欲しいと言うと、二人はやかましく議論を始めた。私はもちろん、内容は全然分からない。議論が終結すると、男性は週末をはさむから1泊1,000元にしたいと宣う。え、さっきの値段はどこ行ったの? それでも十分安いので、とりあえず部屋を見せて欲しいと、エレベーターで7階に。清潔という感じではなかったが、2泊には十分。それで手を打った。男性は別れ際に「あなたは英語が上手だ。先週来た日本人の英語はひどくて理解するのに苦労した」みたいなことを言う。
荷物を整理して、さあ、高雄市内の散策に出かけようと部屋を出た。部屋の前の廊下、それとエレベーターの前に何やら小さい自動販売機があるのに目がとまった。何だろうとのぞき込むと、何と大人のおもちゃだ。女性が使う、いや正確には女性に使うあれだ。後で気がついたが、部屋の机の上にはコンドームも一個置かれていた。
どうやら、このホテルはそういうホテルらしい。まあ、夜露がしのげればいいだけのことだから全然構わない。散策後に夕食を食べ、夜市を見物して、ホテルに戻り、部屋のかぎを開けようとしていると、早くも例の艶めかしいあえぎ声が聞こえてきた。残念ながら、部屋に入ると、その声は聞こえなくなった。
とまあ、そんなことはどうでもよくて、こちとらには問題が発生。スマホが使えなくなった。スマホ用に借りていたルーターがダウンしたのだ。ルーターの中の充電器に不備があるようだ。困った。今回の旅はまだあと1週間は残っている。どうしたものか?
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大観音亭
- 2018-09-13 (Thu)
- 総合
腹痛と睡眠不足とはいえ、今回の旅は駆け足で台湾を一周しようと考えているので、寸時もおろそかにできない。おかゆで空腹を癒し、出掛けにフロントのスタッフに昨夜来の腹痛の件を告げると、ホテルの隣に薬局があるから胃薬を買ったらいいとの由。あまり気乗りはしなかったが、スタッフが一緒に行ってくれ、何やら「肚子疼」と店主らしき人に伝えた。あ、この表現、知っている。「お腹が痛い」という意味だ。嬉しくなった。
薦められたのは何とあの「正露丸」。小学生の頃、日曜日に小学校で兄貴と遊んでいてお腹が痛くなったことがあった。たまたま居合わせた女の先生が親切に正露丸を飲ませようとしてくれたが、正露丸の匂いが苦手の私は運動場を逃げ回った。正露丸と聞くとなぜかこのことを必ず思い出す。
今では「良薬は口に苦し」ということが分かる。店内で水をもらい、すぐに3錠服用した。何だか胃がすっきりしたような気がしてきたから不思議だ。さて観光案内所でもらった地図だとホテルの近くに立派なお寺があったはずだがと歩いていると、そのお寺があった。「大観音亭」。一応お参りして行こうと石段を上がった。こういう場所で誰かに話しかけても言葉の問題があり、空振りに終わることが多い。
駄目もとでお寺のスタッフらしき人に声をかけると、笑顔で英語なら少しできますよと応じてくれた。このおじさんの説明を聞きながら、祈っていると、若い女性がやって来た。日本語ができるスタッフの王莓娟(ワン・メイケン)さん。大学で日本語を学んだのだとか。それからは彼女の指示に従いながら、療養生活を続けている長姉夫婦の安寧をお祈りした。思わず笑ったのは堂内に縁結びの神様として知られる「月下老人」の像があり、そこで祈ると良縁が生じると説明されたこと。もう私にはそうした赤い糸の縁など無縁の世界のことであるが、彼女は「いえいえまだまだお若いですよ」と遠来の客を持ち上げてくれた。よくできたお人だ。
お祈りした後、よく分からないが、二個の木切れを渡され、地面に落とすと、裏表が分かれて出た。王さんは「あら、縁起がいいですよ」みたいなことを言った。まさかね!
彼女と一緒に記念の写真を撮ってもらい、晴れやかな気分でお寺を後にした。その後に向かったのは台中で行ったらいいと薦められていたアイスクリーム店の泰成水果店。例によって道に迷い迷い、汗をかきながら、ようやくたどり着くと、シャッターが下り、「今日公休」という張り紙が。仕方なく引き返していて、伝統的なお茶のお店の前を通ったので、そこでお茶を頂いた。暑い日には熱いお茶がいいかもしれない。ましてやこちらは「病み上がり」。台中でも飲んだ「阿里山烏龍茶」と「紅玉紅茶」という銘柄を飲ませてもらったが、見た目は赤ワインのような紅玉紅茶に魅せられて一缶買い求めた。
夕食はホテル近くの食堂で済ませた。水餃子と「昔ながらの汁なし麺」とメニューに書かれたものを食べた。まあまあの味だった。食後に念のため、再度正露丸を服用した。もう腹具合は大丈夫なようだ。ありがたや、正露丸。
明日は台南から高雄に下ろうと思っている。凄い台風が襲来しているようなので、台風次第だが・・・。
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台南にて腹痛
- 2018-09-13 (Thu)
- 総合
台南に入った。つい最近、ここの慰安婦像を巡って対日批判が起きていることは承知していた。ホテルのテレビで連日、慰安婦像のビデオが流され、有識者が侃々諤々論じ合っているのを目にして、一体何を話し合っているのだろうと思っていた。私の台湾の旅の「案内人」である新聞社勤務時代の後輩君のラインで、日本人の活動家が像を足蹴にした疑惑が浮上、問題となっていることを知った。言動には気をつけなくては!
台南駅に到着して観光案内所の看板が見えたので足を運んだ。2日ほど滞在したいので、安価なホテルを紹介してもらいたいと伝えた。日本語のできる中年の男性がいて、懇切丁寧に応対してくれた。歩いて行ける距離に朝食付きで一泊1,700元(約6,300円)のホテルはどうですか? 台北の定宿より高いし、私は朝食も地元の人たちが食べている食堂で同じ物を食したいので、朝食込みでない方が嬉しいのだが、そうそうえり好みもできない。
紹介されたホテルは古い造りだが、落ち着いた雰囲気で好印象。コインランドリーも同じ7階のフロアにあったので、早速ジーンズやポロシャツなどを洗濯した。下着の類は毎夜シャワーの後に手洗いして乾かしていたが、ジーンズはコインランドリーがあれば楽だ。
フロントで夜市がどこかで開かれていないかと尋ねると、この日の夜は武聖夜市が開かれるという。毎週水曜と土曜が夜市の日だとか。タクシーを拾えと言われたが、例によって歩いた。ここでも中心部を離れるにつれ、あまり歩いている人を見かけない。圧倒的に多いのはバイクだ。老若男女、小型バイクをすっ飛ばして駆けていく。日本ではまず見かけないほど高齢と思われるお婆ちゃんが目をすぼめながらハンドルを握っている。
歩いているのはほぼ自分一人だけだったが、武聖夜市の会場に着いてみると、結構な人出のお客でごった返していた。皆車やバイクで来たのだろうか。夜の帳が落ちると、夜市の気分が盛り上がる。私は昼飯を抜いていたのでお腹は空いている。それでイカの丸焼きやジャガイモの団子、ソーセージと野菜の炒め物などをパクついた。
会場の近くではカラオケ大会も催され、大音響が響く。昔懐かしいゲームを楽しめるコーナーもあり、子供たちだけでなく若者も歓声を上げながら興じている。不思議な世界だ。十分夜市の雰囲気を満喫した後、帰路に就いた。途中で雨が降り出しタクシーを拾うことを考えたが、コンビニの入口で雨宿りしていたら雨も上がってくれた。
この辺りまでは良かった。ホテルに戻り着き、汗びっしょりのポロシャツと下着を脱ぎ、シャワーを浴び、一息ついている頃から、おかしくなり始めた。お腹が。吐き気もなく、下痢の症状もないのだが、軽い痛みがある。とりあえず横になったが、眠れない。深夜・未明になっても一向に睡魔はやってこない。以前にも台北の夜市の後に似たような症状を呈したことがある。確かあの時は冷たい物を食べたかと思っている。それに凝り、あれ以来、夜市では火を通した物だけを食するようにしていたのだが・・・。
結局、ほとんど眠れずに一夜が明けた。ほとんどと書いたのは、明け方にかけ、新聞社の地方支局勤務時代のデスクや同僚が出て来た夢を見ており、少しは眠りに落ちていたようだからだ。少しく空腹を覚え、ホテルのレストランに降り、バイキングの朝食に臨んだ。おかゆがあった。おかゆを実に有難いと思ったのは本当に久しぶりだ。
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