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sekoi=petty, cheap, stingy

  • 2016-06-17 (Fri) 09:34
  • 総合

 舛添東京都知事が遂に辞任に追い込まれた。家族同行の休暇先のホテルで果たして「会議」を行うものなのか。「家族会議」なら分かるが。「会議」に同席したと言われる人物を舛添氏は最後まで明らかにすることを拒絶したが、一部報道によると、出版社社長だったこの人はすでに故人となっていて、また、政治とは無縁の人で関心事は競馬だけだったとも言われる。いずれにしろ、舛添氏が苦しい言い逃れを余儀なくされていたのは見ていても明白で、最初の小さな嘘がやがて身の破滅を招いた自業自得以外の何物でもなかったのであろう。
 驚いたのは16日の読売新聞の社会面。米ニューヨークタイムズ紙がこの辞任劇を報じていて、日本人が舛添氏の行動に対して抱いた感想は「sekoi(せこい)だった。それはケチの意味」と解説と伝えていたことだ。「sekoi」という日本語表現が米紙に出たのはこれが初めてではとも思いつつ、これはしかし、まさに今回の騒動の本質をずばり言い当てた表現だと感心した。ニューヨークタイムズ紙の記事は以下の通り。
 If anything, the public’s antagonism appears to have deepened. The word that has perhaps been most frequently used to describe the episode is sekoi, meaning cheap or petty. That Mr. Masuzoe might nickel-and-dime taxpayers and contributors for spa trips seems to have struck a rawer nerve than if he had engaged in wholesale theft.このくだりを乱暴に訳すと、「舛添氏の取った一連の行動は逆に人々の反感をあおったようだ。この出来事を説明するのに恐らく最も頻繁に使われた表現はせこいという語で、みみっちいとかケチという意味だ。税金や政治資金を温泉旅行にこっそり流用したやり方があだとなった。彼が仮に大金を横領という悪行をやっていたとしても、これほどの反感を買わなかったことだろう」という感じか。
 日本語から英語に借用される語はkaraoke, kawaii, emojiなど時代を映す鏡でもある。しかしながら、この sekoi はそうなって欲しくないと思う。理由は言わずもがなだ。
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 中国語の教室も3回目の講座が終了。母音と子音、声調に続いて、1から10までの数の言い方を教わった。カタカナ表記すれば「イー、アㇽ、サン、スッ、ウゥ、リゥ、チー、パー、ジゥ、シー」となる。英語の音素をカタカナ表記で原音に忠実に表せられないように、中国語もカタカナ表記には限界がある。
 嬉しかったのは中国語の先生(中国人)が「皆さん、暇があれば、この1から10までの発声練習にできるだけ励んでください。中国語の発音の大事な要素を習得できます。これからの学習に役立ちます」と言われたことだ。実は英語の授業でも私は学生に全く同じことを説いている。1から10まで、つまり、one から ten までカウントアップし、次に逆にカウントダウンしていく発声練習だ。慣れたなら、できるだけ早く言う練習をする。そうすれば、口の構造が英語をしゃべりやすいものになる。この発声練習をやるだけで、凄く英語の会話力アップに直結すると私は学生に説明している。ほぼ同じことを中国語の先生に言われ、心強く感じた。かくして、私はこれからはしばらく、家事に勤しみながら、道を歩きながら、プールで歩きながら、「イー、アㇽ、サン・・・」と口ずさむことになる。

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