Home > 総合 > 「一石二鳥」に「四面楚歌」

「一石二鳥」に「四面楚歌」

  • 2021-02-01 (Mon) 20:55
  • 総合

 一頃、マイナポイントがよく話題になっていた。そのためにはマイナンバーカードが必要なことも。私はこういうことにはとかく疎いのであまり関心はなかったが、中国では電子決済がごく普通でタクシーに乗車した時とか、露店でちょっと買い物をした時などにも、電子決済ができないと払えなくて往生すると聞いていたので、こういうことにも明るくならないと思い、昨年秋に何とかマイナンバーカードを手に入れた。
 だが、悲しいかな、それからどうするか次の行動に移れなかった。私が欲しているのは現金を使わないで買い物ができるようになること。電子決済つまり電子マネーを自由に使えるようになることだ。それで先日、財布の中に埋もれていたマイナンバーカードを取り出し、契約している携帯電話(au)のショップに足を運び、電子マネーについて教えを請い、スマホの画面で支払いができるようになった。電子マネーは英語ではdigital cash と呼ぶようだが、中国語では电子货币(diànzǐ huòbì)。我々の漢字では電子貨幣か。
 まだしばらくは中国や台湾に旅することは不可能だが、再開される日を待って準備だけはしておきたい。台湾では日本のラインペイが通用すると聞き、この際だとスマホにラインペイも入れた。私はこれまでの台湾旅行では電子マネーは一度も使ったことがない。海外旅行が再開されたら、次の台湾への旅ではラインペイを使った支払いが私でもできるようになっているかもしれない。そうなっていれば嬉しいのだが・・・。
 電子マネーを入手することで上限5000円のマイナポイントもゲットした。早速最近時々利用するようになったイタリアンレストランで使おうと思って足を運んだが、私の電子マネー(aupay)は使えないことが判明。コンビニでは使えた。そのうちもっと広範に使えるようになることを願おう。
                  ◇
 中国語を学んでいる身として、昔、中学校や高校の教室で教わった故事成語のことをよく思い出すことがある。不思議に思うことは、本家本元の中国語ではどのような音で発声していたのだろうか、今も日本語と全く同じ表現をしているのだろうかといったことなどを当時、全然想像もしていなかったということだ。
 あの頃は例えば、「一石二鳥」という諺を学んだら、中国語ではどう読む(発音する)のだろうか、はたまた同じ表現をするのだろうかなどとは考えもせず、英語では “killing two birds with one stone” と言うのだと知ればそれで満足だった。同級生も皆そうだったと思う。そういう時代だった。参考までに書くと、中国語では「一石二鳥」はどうやら「一箭双雕」(yī jiàn shuāng diāo) と言うようだ。「一本の矢で二羽の鷲を射る」意か。音の方は敢えてカタカナ表記すると、「イージエンシュアンディアオ」。
 孤立無援の苦境にあることをうたった「四面楚歌」(sìmiànchǔgē)。我々が今もよく使う中国伝来の故事成語の一つだろう。私も楚の項羽が漢の劉邦の軍に包囲され、孤立無援に陥った時に嘆いたと言われるこの句が好きだが、この成語にしても最近まで本家の中国ではどういう音で読んでいるのだろうなどとは思いもしなかった。何ともったいないことをしていたものか。いや、していなかったものか。

Home > 総合 > 「一石二鳥」に「四面楚歌」

Search
Feeds

Page Top