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March 2023

チェルケシアってどこ?

 春めいた日々が続いている。帯状疱疹に苦しむ身としてはありがたい。毎朝夕、内服薬を飲んでいるが、効果があるのかどうか、自分では分からないのが悩ましい。ときが癒してくれるのなら、薬はもういいのではと思わなくもないが、そういうわけにはいかないのだろう、きっと。もうすぐ4月、多くの人にとって新たな挑戦が待つ門出のときだ。私も心機一転、中学校での教師(非常勤講師)の仕事に挑みたいのだが・・・。
 せめてもの慰めは上記の仕事に再度就くため、健康診断書の提出を求められ、先週末、医師からスムーズに「就業可」の認定を頂くことができたことだ。昨夏の健診では血糖値が高く、再検査を余儀なくされ、辛うじて就業可となった経緯がある。それ以来、断酒を(何回目?)決意し、粗食を心がけていることが功を奏したようだ。
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 月2回のオンラインの英語教室。英語の小説を読む教室は私にとっても楽しいひとときだ。アガサ・クリスティの戯曲を読み終えた今、読み始めたのはアメリカで毎年出版されている栄えあるオー・ヘンリー賞を受賞した世界の実力派作家たちの短篇を集めた作品集。短篇だから読みやすく、英語に翻訳された非英語圏の作家の作品にも触れることができる。
 最新版の “The Best Short Stories 2022” でまず取り上げたのは Daniel Mason氏の “The Wolves of Circassia” という作品。米カリフォルニア州を舞台にコロナ禍に見舞われた住民の暮らしが描かれており、興味深かった。日本と同様、日常生活で常にマスクを強いられていたかどうか分からないが、閉塞感は社会全体を覆っていたようだ。行政が発する不要不急の外出を自粛するよう求めた要請が英語では the order to shelter in place という表現であることを知った。
 この作品には作品名のチェルケシアというロシア南部にかつて存在した国が登場する。旧ソ連軍の侵略で消滅したという。新聞社の国際部に長く在籍していたもののこうした悲しい歴史は知らず、不明を恥じるほかなかった。
 主要登場人物のセイニという南太平洋の島国であるトンガ出身の女性は痴呆症の老医師の介護の仕事に従事している。コロナ禍により、自分自身の家族とは離れ住み込みを余儀なくされている。あるとき、老人と彼の孫を連れ出した午後の散歩の途中、散策路の心地よい木陰で居眠りし、二人を見失う。慌てふためく彼女の心理が次のように描かれている。… and yet she knew that would mean admitting more than just a momentary lapse, it would mean renouncing a central premise that had sustained her, that the world was something that could be tended.
 オンライン英語教室でもこの箇所はどういう日本文に仕立て上げることができるだろうかと受講生と話し合った。なかなか難解だ。――彼女が面倒を見ることを請け合っていたお爺さんとその孫をうかつにも見失ってしまったとしたなら、それはちょっとした手落ちというより、彼女を支えてきた信念の中心にある、世の中は何とか御していけるものだという前提を否定するものだった――。コロナ禍でこれまでの人生で揺るぎないものと考えてきた生き方、考え方がぐらついた人々は少なくないのだろう。私も?

翔平君は unicorn (一角獣)

20230323-1679575921.jpg このブログは備忘録ゆえ、きちんと記しておきたい。私は依然、帯状疱疹に苦しんでいる。まだ右胸辺りの痛みは消えず、日中もずっと残っている。日常生活に支障はないが、やはり気が滅入る。唯一の朗報は未明の時間帯に目覚めることがほぼなくなったこと。最悪の頃は午前2時前後だかに目覚めることがあり、もうろうとした状態で朝を迎えていたが、そういうことはなくなった。今も胸の痛み、違和感で目覚めているが、だいたい午前5時過ぎ、午前6時を過ぎていたりして、これなら早起きになるから、そう不満はない。ただ、痛みと違和感だけは早く雲散霧消してもらいたいと心から願う。
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 備忘録ゆえ、WBCのこともちゃんと記す。当初はあまり「期待」などしていなかったが、東京ラウンドが終わる頃にはどっぷり浸かってしまった。何と言っても大谷翔平選手のプレーには魅せられてしまう。彼が東京ドームのイタリア戦だかオーストラリア戦で放った中堅スタンドへの大飛球は凄いの一言。ああいうホームランを見せられると、感嘆するしかない。もっとも私は大リーグでの彼の活躍にずっと魅了され続けており、昨日今日の翔平ファンではない。
 米本土での決勝戦で二連覇を狙ったアメリカチームを3対2で破り、2009年大会以来3度目の優勝を遂げた水曜日(22日)の試合は実に印象に残るゲームだった。テレビニュースで興奮した日本人ファンが「まるで漫画を見ているよう」という感想を述べているシーンが流れていたが、漫画でもああは描けないのではないかというような「絶妙」な試合展開だった。何と言っても最後を締め括ったのが、アメリカチームをキャプテンとして率いる大スターで翔平君の仲の良いチームメイトのトラウト選手とのクローザーとしての勝負。翔平君はフルカウントから見事空振り三振に仕留め、日本チームを優勝に導いた。
 私は民放のテレビをつけ、音声はパソコンで大リーグのホームページから向こうの実況を聴いていた。若干のタイムラグはあったものの、向こうの「公平」な実況に耳を傾けていると、大リーグ関係者が日本野球、特に今回の侍ジャパンの面々をいかに高く評価しているかということがよく分かった。試合後の会見で翔平君を称賛したアメリカチームのデローサ監督の次の言葉が印象に残る。“Shohei Ohtani is a unicorn to the sport. I think other guys would try it but I don’t think they’re going to do it to his level.” 
 大リーグ開幕は来週末。さあ、また翔平君の一挙手一投足に刮目するときがやってきた。本当はもっと生産的なことに精神を集中させたいのだが・・・。
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 英字新聞を読んでいたら、英語学習者のためのコラム欄で日本語では手も足も指と呼ぶが、英語では手の指は finger であり、足の指は toe と呼ぶと説明していた。手の親指は finger ではなく thumb という別の呼称があることも。手の人差し指は普通 index finger と呼ばれるが、足の場合は親指は first toe であり、順に second toe, third toe などと続く。手の人差し指のように index toe などという呼称はないとか。確かに人を指す(非礼になるから要注意)場合に、足の指を使う人(ケース)はまずいない(ない)だろう。

ChatGPT

 私は依然、帯状疱疹に苦しんでいる。友人へのラインメールなどではゾンビ状態とも形容している。本来なら熟睡しているはずの未明の時間帯に右胸辺りを襲う帯状疱疹の痛みで目覚める。かてて加えて持病のじんましんがこのところ悪化の一途。じんましんの痒みで目覚めているのではと思うこともあるが、意識がもうろうとしているのでよく分からない。いずれにせよ、正常な睡眠ではないことは明白。これで日中よく持っているものだとも思う。
 皮膚科の先生のお話やネット情報などを総合すると、私は帯状疱疹に関しては後神経痛と呼ばれるゆゆしき状態にあるのではないかと危惧している。完治するのか疑わしいが、辛抱強く付き合っていかねばならないようだ。うーん、気が滅入るばかり・・・。
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 通勤中の電車内でNHKラジオの英会話講座を聴いていたら、「これは初恋についての歌です」というような英語の文章が流れていた。英語ネイティブの講師は「初恋」を “first love”と表現してはいけませんよ。この文章は “This is a song about falling in love for the first time.” と言うんですよ、と説明していた。
 「初めて異性を好きになる」という行為・状態を「初恋」という端的な表現にできるのは日本、中国、韓国などの漢字文化圏の国々の特徴だろうか。中国語でも「初恋」と書くし、韓国語でも「첫사랑」(初愛の意)と書く。
 ところで若干違和感を抱いたのは、英語でも“first love”と表現してもいいのではと思ったからだ。実際、私の辞書には “He was her first love.”(彼は彼女の初恋の人だった)という例文が掲載されている。“first love”という表現もありではなかろうか?
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 最近、ChatGPTというものを知った。パソコンでこの語を打つと、AIを駆使したこの検索サイトが出てくる。私が昨日ChatGPTと交わしたQ&Aを以下に紹介する。生身の人間と会話しているようなやり取りではないか。これを利用しない手はない。しかも無料だ。
 私: Give me a very funny joke within 100 words or so.
 ChatGPT: Sure, here's a joke for you: Why don't scientists trust atoms? Because they make up everything! I hope that made you laugh!
 私: Not so funny, I find. Give me another one.
 ChatGPT: I apologize that the previous joke didn't meet your expectations. Here's another one for you: Why did the tomato turn red? Because it saw the salad dressing! I hope you find that one a bit more amusing!
 私: Yeah, this one is not so bad, actually very good. OK, give me another one, one last time.
 ChatGPT: Sure, I'll give you one more: Why don't oysters give to charity? Because they're shellfish! I hope you enjoyed that one!
 私: Very good. Thanks. Bye for now.
 ChatGPT: You're welcome! If you have any more questions or would like to chat again, feel free to come back anytime. Goodbye for now!

早く脱却したいゾンビ状態!

20230301-1677630214.jpg 今日から3月とか。私にとって「失われた2023年の最初の二か月」があっという間に過ぎ去ってしまった。諸悪の根元、帯状疱疹のせいだ。今もまだ右胸の辺りがチクチクと痛い。背中も(帯状疱疹との因果関係は分からないが)肌着がこするからか痛い。それでも日中は何とか帯状疱疹をそう意識することなく過ごせるようになった(気がする)。
 しかし、就寝時、まだ未明の時間帯に痛みで目覚めてしまう。うつらうつらしながら朝を迎える。眠りが浅いから疲れが取れない。致し方なく、土曜日曜の昼間にソファーに寝そべって惰眠を貪り、平日の睡眠不足を補っているような感じだ。私はこんなにだらしない人間ではなかったのに・・・。
 香椎浜のジョギング路をゆっくり走って心地よい汗を流していた日々が懐かしい。嗚呼、あの頃のように気持ちよく香椎浜に向かうことがまた巡りめぐって来るのだろうか。などと書けば、絶望にあえいでいる初老(もう初老の域はとっくに突き抜けている!)の男の嘆きのように聞こえる。それほど嘆いているわけではないが、気ままに散歩でもするかという気にさえならないのだから、ついぼやきたくはなる。
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 右胸の痛みにもめげずに続けてきた専門学校での週1の英語の非常勤講師の仕事が2月末で無事終了した。2年間の講師職だった。学生たちに満足のいく授業ができたのか自信はないが、精一杯の努力はしたつもりだ。これで区切りをつけたい。残るは昨秋から始めた公立中学校の非常勤講師の仕事。こちらも3月中旬で契約満了となる。それ以降はどうなるのか分からない。
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 毎朝、キリスト教のdevotional と呼ばれる祈りの書を読んで一日をスタートさせるのを日課としてきて久しかったが、2023年に入ってそれもできなくなっていた。2023年の新版を入手できなかったからだ。昨年までは親しい人からプレゼントされてきていた。今年は自分でネット購入しようとアマゾンにアクセスして試みたが、どうも上手くいかない。出版元(米国)にメールを送り事態を打開しようと試みたが、これもだめだった。出版元からはしょっちゅう新刊書の類のお知らせメールが届くのに、肝心のネット購入ができないからいかんとも手が出せない。不思議でならない。
 それで窮余の一策。こうしたことに明るい親しい先輩に助けを請うた。彼の娘さんが米国に住んでいるので、娘さんに米国内で購入してもらい、それを私に送ってもらうことで話がまとまった。先日、その書 “Walking in Grace 2023” が私の元に届いた。嬉しい。二か月近く中断していた毎朝の日課を再開した。敬虔なキリスト教徒の方々が交代で日々綴っている主への感謝、安寧を願う祈りは、愚禿凡夫である私にも有り難い戒めの言葉となっている。英語で書かれている書物ゆえ、英語の勉強にも役立っている。
 数日前の項では “I dropped the ball.” という文章が目にとまった。何か失敗した時などに使われる慣用句らしい。「へまをした」と。初めて知る表現だった。野球を思い浮かべると理解しやすい。私はこれまで幾多のボールをつかみ損ねたことか!

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