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落語と浄瑠璃、夢の競演

 久しぶりの寄席でした。しかも今日は「落語」と「浄瑠璃」の競演という贅沢な内容。
大阪は御堂筋近くにある御霊神社という、明治期から大正年間まで文楽座があった由緒正しき場所で、30日の午後2時から開かれました。
 落語の方は桂雀松さんの「寝床」。浄瑠璃好きの主人が無理やり店子や店員達に、自分のド下手な「語り」を聞かせるという話で、このネタは特に主人の人間性をいかに演じるかにかかっているのですが、雀松さんはオリジナリティーのある巧みな演出を施されていました。
 素浄瑠璃は豊竹英大夫さん。菅原伝授手習鑑の「寺子屋の段」でした。自分の息子を犠牲にする松王丸。息子が首を差し出す時にニコリとしていたと聞いて、何とも知れぬ笑い声を発するのですが、この時の鬼気迫る熱演には狂気に近い悲しみを感じました。
 実は私と妻が出会ったのも、三年前の英大夫さんと雀松さんのコラボにおいて。今回、再びこの素晴らしい企画を実現してくださった方々に感謝の拍手を送りたいと思います。
 写真は、大阪の御霊神社。

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