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トランプの家

クリスティーのオカルト趣味

 『シタフォードの秘密』は降霊会で宣告された人物が死んでしまうという話。『蒼ざめた馬』は魔術によって順番に人が殺されていく話。
 アガサ・クリスティーは、ともかく怖がらせ方がうまい。ミステリーは起こった事件が奇抜なほど、真相は単純で、「幽霊の姿を知れば・・・」という印象を免れないのですが、それでも充分に楽しめます。
 名探偵が登場しないクリスティー作品の、また別の一面の魅力があるのです。
 (拙著『ポアロ 小さな灰色の脳細胞』を注文していただける方は、右の表紙写真をクリックしてください。)シタフォードの秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)蒼ざめた馬 (クリスティー文庫)

クリスティーの好きなクリスティー作品

 『無実はさいなむ』は、アガサ・クリスティー自身が自薦のベスト10に選んでいる作品です。
 死刑になったある家族の一員の無実を証明するため、記憶を失っていた主人公がやってくるのですが、
家族には歓迎されず、むしろ冷ややかな目で見られてしまうという話です。 
 自分は本当は現れなかった方がよかったのではないかと主人公が悩んだりする件、やや純文学作品に近いものを感じさせます。
 確か『ドーバー海峡殺人事件』という題で映画化されていたような・・・。今度探してみます。無実はさいなむ (クリスティー文庫)

なぜ、エヴァンズに・・・?

 アガサ・クリスティー『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』は、題名の言葉がキーワードとなる傑作冒険スリラーです。後年活躍する夫婦探偵トミー&タッペンスの原型となるようなカップルが事件の謎を解きます。
 確か昔ドラマになったものを観た記憶があるのですが、今度探してみます。
 ガーナに行ったときに頼んだ運転手の名前がエヴァンスでした。このガーナ人、自分の写真を撮れとせがむ、せがむ・・・。同行のY君と囁きあったものです。「なぜ、エヴァンスに頼んでしまったのか?」(写真はY君とエヴァンス氏)なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ・クリスティーの純文学②

 この頃、クリスティーのノン・ミステリー(メアリ・ウェストマコット名義で書いたミステリー以外の作品)ばかりを読んでいました。
 クリスティーは膨大な作品を書きのこしているのですが、その中の六作品、比較的長い大作も二編ほどあります(『愛の旋律』・『未完の肖像』)。
 こちらが意識してしまうので、そう読んでしまうのかもしれませんが、どうもミステリーを読んでいるときのような味わいをもってしまいました。『暗い抱擁』・『愛の重さ』などは、どんでん返しもありミステリーとして通用するような気もします。
 クリスティーは、いろんなところに謎を仕掛ける作者です。このノン・ミステリーの作品群は、まだまだ研究の対象になりそうです。
 (拙著『ポアロ 小さな灰色の脳細胞』を注文していただける方は、右の表紙写真をクリックしてください。)愛の旋律 (クリスティー文庫)未完の肖像 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)娘は娘 (クリスティー文庫)暗い抱擁 (ハヤカワ文庫 AC)愛の重さ (クリスティ・コレクション)

マープルの最高傑作

 アガサ・クリスティーのミス・マープルものの中では『予告殺人』が、もっとも誉れの高い作品だと評価されています。
 ある村の新聞に殺人予告の記事が載るという設定もさることながら、実はこの作品、ミス・リードを誘うダミーが、もうひとつ配置されています。その配置のさり気なさが憎いところです。
 TVドラマ版は二種類あり、一方は2時間30分、もう一方は1時間30分の長さ。同じストーリーなのに、この長さの違いは何なのか。これまた、ひとつのミステリーです。
 (新・拙著『名探偵を推理する1 ポアロ』情報は、ここをクリックしておくなはれ。
 予告殺人 (クリスティー文庫)

クリスティー最後の作品

 『スリーピング・マーダー』は、マープルもの最後の事件であるとともに、クリスティー最後の作品です。実は、この作品、ポアロ最後の事件=『カーテン』と同じく、戦時中に書かれ長らく封印されてました。最晩年の発表となったのですが、最後の作品にふさわしい風格をもっています。
 新居を買った新妻が殺人場面の幻覚に悩まされるのですが、その理由の説得力が見事です。
 ドラマの方も、最後の作品であることを意識してか、実に原作に忠実な仕上がりになっていました。スリーピング・マーダー (クリスティー文庫)

魔術の殺人

 ミス・マープルもの『魔術の殺人』を読了/観賞しました。さすがにクリスティー作品を読み慣れた者には、このトリックはバレてしまう可能性あり。それでも、この作品、その後書かれる「何が謎になっているのか」わからないミステリーの先駆けになっています。またマープルの学生時代のことが描かれていたりもしました。
 ドラマの方は、殺人が行われる時に映画が上映されています。停電が起こって上映が止まることがアリバイ作りの一要素になるのです。またマープルが銃弾で開いた穴を、じっと見つめる場面もあります。
 このドラマにもスラック警部は登場していました。マジック(魔術)に凝ったりしています。魔術の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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