書籍

『七年の夜』 チョン・ユジョン

Woman's Best 6 韓国女性文学シリーズ3
『七年の夜』 7 년의밤
チョン・ユジョン 著
カン・バンファ 訳

四六、並製、560ページ
定価:本体2,200円+税
ISBN978-4-86385-283-9 C0097

装幀・装画 宮島亜紀

ぼくは自分の父親の死刑執行人である。
いま韓国でもっとも新作が待たれる作家チョン・ユジョン待望の長編ミステリー

死刑囚の息子として社会から疎外されるソウォン。
その息子を救うために父は自分の命をかける
――人間の本質は「悪」なのか?

2年間を費やして執筆され、韓国では50万部を超える傑作ミステリー、ついに日本上陸。
「王になった男」のチュ・チャンミン監督に、リュ・スンリョンとチャン・ドンゴンのダブル主演で映画化され、日本でも公開が待たれる。

2017年11月上旬全国書店にて発売。

あらすじ

一瞬の誤った選択によってずるずると破滅へと進む男ヒョンスに死刑が言い渡される。娘を死に追いやった男ヒョンスへの復讐に燃える冷徹な男ヨンジェは、七年の後、死刑が執行されたその日から、ヒョンスの息子ソウォンへ魔の手を伸ばす。セリョン湖と灯台村の美しい風景を背景に息もつかせぬ執拗な心理劇と容赦ない暴力の応酬。読者の不安が頂点に達したとき、物語は衝撃のクライマックスへ。

著者プロフィール

チョン・ユジョン(丁柚井)
韓国全羅南道咸平生まれ。2007年、『私の人生のスプリングキャンプ』で第1回世界青少年文学賞。2009年に『私の心臓を撃て』で第5回世界文学賞を受賞。本書『七年の夜』は、主要メディアと書店から“今年の本”に選ばれ、フランス、ドイツ、中国などへも翻訳され、多くの読者に愛されている。

訳者プロフィール

カン・バンファ(姜芳華)
岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法経学部法律学科、韓国梨華女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨華女子大学通訳翻訳大学院、漢陽女子大学日本語通翻訳科、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー日本語科講師。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。著書に『日本語翻訳スキル』(共著)

【掲載情報】

西日本新聞(2019年3月7日) 著者インタビュー

《取材すると、子供をひいた男は酒好きだが障害のある妻や息子の世話に一生懸命ないい人だという評判だった。事実の裏にある意味や物語を描きたいと思ったんです。〔……〕ジャンルにこだわらず、書きたいスタイルを選んでいきたい》