書籍

『路上の陽光』ラシャムジャ

『路上の陽光』
ラシャムジャ
星泉訳

四六判、上製、272ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-515-1 C0097

装幀 成原亜美

 

チベット文学を牽引する作家ラシャムジャ。

代表作「路上の陽光」をふくむ日本オリジナルの短編集。

日本を舞台にした短編「遥かなるサクラジマ」も収録!

 

10歳の少年が山で父の放牧の手伝いをしながら成長していく姿を描く「西の空のひとつ星」、

センチェンジャの横暴におびえる中学校の教室を舞台に気弱な男子ラトゥクが勇気を持つにいたる「川のほとりの一本の木」、

村でたった一人の羊飼いとなった15歳の青年が生きとし生けるものの幸せについて考える「最後の羊飼い」など8作品を収める。

 

 

ラサは懐の深い町だ。見た目も言語も異なる様々な民族が、あらゆる通りを川の流れのように行き交っている。(本文より)

 

2022年3月下旬全国書店にて発売。

 

【目次】

路上の陽光

眠れる川

風に託す

西の空のひとつ星

川のほとりの一本の木

四十男の二十歳の恋

最後の羊飼い

遥かなるサクラジマ

★試し読みはこちら

 

【著者プロフィール】

ラシャムジャ(lha byams rgyal/拉先加)

1977年、チベットのアムド地方ティカ(中国青海省海南チベット族自治州貴徳県)生まれ。北京の中央民族大学にてチベット学を修め、現在は北京の中国チベット学研究センターの宗教学部門の研究員としてチベット仏教に関する研究を進めるかたわら、チベット語の小説を雑誌等に発表している。小説集としては『路上の陽光』、『ラシャムジャ中編小説集』、『眠れる川』、長編小説『雪を待つ』、エッセイ集に『私の孤独、あなたの文学』がある。チベット語文芸雑誌『ダンチャル』の主催する文学賞を歴代最多となる5回受賞(うち1回は新人賞)しており、2012年には中国の民族文学母語作家賞、2020年には全国少数民族文学創作駿馬賞(中短編小説賞)を受賞しているなど、現在30‒40代の作家の中で最も注目される作家の一人である。

 

【訳者プロフィール】

星泉(ほし・いずみ)

1967年千葉県生まれ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授。チベット語研究のかたわら、チベットの文学や映画の紹介活動を行っている。訳書にラシャムジャ『雪を待つ』、ツェワン・イシェ・ペンバ『白い鶴よ、翼を貸しておくれ』、共訳書にトンドゥプジャ『ここにも躍動する生きた心臓がある』、ペマ・ツェテン『ティメー・クンデンを探して』、タクブンジャ『ハバ犬を育てる話』、ツェラン・トンドゥプ『黒狐の谷』がある。『チベット文学と映画制作の現在 SERNYA』編集長。

国際貿易(6/5号)

《チベット人作家の著者がチベット語で発表した短編小説8編を収録。書名の小説は現在のラサが舞台で、赤い帽子がカギとなっている》

共同通信配信(信濃毎日新聞6/11ほか) 評者=江南亜美子さん

《チベット文学のきらめきを味わえる》

週刊金曜日(6/24号) 評者=長瀬海さん

《中央と地方を両眼で見つめながらチベットの“現在”を映し出す、気鋭の小説家の短編集を前にそっと耳をすませば、変わりゆく瞬間の蠢きの音がそこかしこから聞こえてくる。〔……〕チベットの“現在”を捉えるしなやかな筆力がこの小説家の魅力だ。〔……〕文句なしの大傑作だ》

クロワッサン(7/10号) 評者=瀧井朝世さん

光文社新書公式note 評者=駒井稔さん

《最後の短編の題名は「遙かなるサクラジマ」。もちろん日本を舞台に、チベット人の女性の哀しみと希望を描いた味わい深い短編です。こういう作品を読めるようになったことはとても幸福なことだと思います》

(8/6)毎日新聞 今週の本棚 評者=永江朗さん

《現代チベット文学の短篇集。収録された8篇の作品の多様性に驚く》