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英語でさるく 那須省一のブログ
朝三暮四
- 2022-03-11 (Fri)
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近くの公民館で受講している中国語教室で最近、面白いと感じたことを一つ。テキストに二つの数字を使った中国語の四字成語を紹介している欄があった。「朝三暮四」も含まれていた。字面では日本語と全く同じ「朝三暮四」だ。発音は当然、異なる。声調なしで簡略にローマ字表記すると「zhao-san mu-si」とでもなるのか。siの音はカタカナ表記は無理。
問題はこの成語の意味が日本語のそれとは異なることだ。中日辞書には「変転きわまりない、ころころ変わる」と載っている。「もとは詐術を用いて他人をだますことをいった」という添え書きもある。広辞苑には①目前の違いにばかりこだわって、同じ結果となるのに気がつかないこと②口先でうまく人をだますこと--と記してある。おそらく高校の国語(?)の授業で、飼われているお猿さんが餌を減らされることになり、朝に3つ、夕に4つ上げると言われ激高したが、朝に4つ、夕に3つと数字を逆にしたら、喜んで同意したという故事に由来する諺だと教わったような・・。
私たちは今この「朝三暮四」を口にすることは滅多にないだろう。もしあるとすれば、①か②の意で使うかと思う。ところが「本家」の中国では今は「(言動が)ころころ変わる」という意味でだけ使われているらしい。「目先の利益に振り回される愚かさ」を皮肉った意はないようだ。「朝令暮改」も「ころころ変わる」意味合いだが、これは中国語では「朝令夕改」と漢字が少し変化する。こちらの方は日中の意味合いは同じとか。
◇
本を読む、小説を読む目的は何だろう。人それぞれだろうが、根底には共通する何かがあるような気がする。もちろん、退屈さを紛らわす、時間を潰すために読書する人もいるかもしれない。コロナ禍で外出もままならない昨今では自らが体験できない旅をそうした類の本に求める人がいても不思議ではない。
オンライン(スカイプ)で実施中の短編小説を読む英語教室。明後日の教室では短編集の編者を務めたナイジェリア出身の作家、Chimamanda Ngozi Adichie の Introduction を読む。私は彼女の書いた “Half of a Yellow Sun”(2007年)を読んだ時に作家として大成するだろうと思った。アフリカ有数の大国ナイジェリアで1960年代末に起きたビアフラ戦争を背景にした感動作。ビアフラ共和国を一方的に樹立し、政府軍との戦いに敗れ、多くの犠牲者を出しイボ族出身の彼女は77年の生まれであり、悲惨な戦争の歴史を両親から聞いて育ったのだろう。
彼女は Introductionで次のように書いている。“I read for many reasons, one of which is to be consoled. Consolation is useful, consolation is necessary. I’d very much like to learn concretely useful things – my knowledge of them, alas, is limited – but I would not want to live if I were not able to have the consolation that stories give me.”
そうか。癒やし(consolation)か。確かに小説や物語を読むのは癒やしを求めているのかもしれない。ロシア軍の砲撃にさらされているウクライナ国民には停戦が実現し、現実的な癒やしが一日も早くもたらされることを切に願い、祈る。こうしたことを遠く離れた地で安穏と書いている身が恥ずかしくもある。
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「裸の王様」?
- 2022-03-08 (Tue)
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ウクライナ情勢。ロシア軍の無慈悲、無意味な攻撃は続き、民間人に多数の死傷者が出ている模様だ。公式な発表よりも実際にはもっと沢山の人々が犠牲になっているのだろう。地下室や防空壕などに身を潜めている人々の苦しみは想像しても余りある。一日も早く事態が改善されることを神様に心から祈る。
第三次大戦の勃発はもちろん心配だが、その回避のためにウクライナの人々が「生け贄」となることがあってはならない。プーチン露大統領は狂人と化しているのではないか。クレムリンの権力中枢には「王様、裸ですよ」と告げることのできる勇気ある人はいないのか。
ロシアは新聞記者時代、ロンドン支局から一度だけ足を運んだことがある。冷戦終結ほどない「のどかな時代」だった。上司のKロンドン支局長はモスクワ勤務の長いロシア問題専門家だった。Kさんが存命だったら、ロシア、どうなっているんですかね?プーチンは何を考えているんでしょうか?などと尋ねたい。Kさんはおそらく「なすちゃん、何を言っているんだい?アメリカだってトランプみたいな大統領がいたじゃないか。似たようなものだよ」と軽く一蹴されるのだろうか。いや、それより「僕もここまで酷いとは思わなかったよ。世も末だな」と慰められるかもしれない。
黄泉の国に旅立たれて久しいKさんに尋ねることはもはや不可能。ついこの間まで、いや今でもなぜか、Kさんは私の夢によく出て来られ、一緒にゴルフをしている。今度、夢に出て来られたなら、ぜひ、尋ねてみたい。いや、夢の中のことだから、そういう質問をすること自体、忘れてしまっていることだろう!
◇
毎日履いているジョギングシューズがだいぶくたびれてきた印象があった。それで昨日、近くのショッピングセンターの靴屋のチェーン店に行った。今の靴をいつ購入したのかよく覚えていない。コロナ禍の前のような気がするから、もう2年は経過しているような。拙ブログを検索してみると21年4月に購入している。あれ、まだ1年も経過していないのか!当時のブログで以下のように記している。
――このところ、好天が続いている。風はまだ冷たいが、日差しは暑くさえ感じる。押し入れの布団や毛布を引き出してベランダで干したりしている。香椎浜のジョギング路を最近は走るよりも歩くことの方が多い。(中略)ジョギングや散歩に、というか常時はいてきたジョギングシューズがだいぶ疲れた印象だ。手に取って裏を見ると、かかとの部位はほとんど山がすり切れている。前回も利用したお店に行き、新しいシューズを買い求めた。今年はこの新しいジョギングシューズで台湾や中国、韓国を闊歩することはできるだろうかーー
まだ1年も経っていなかったのか。靴の裏側を見ると、確かに大事な溝はまだほとんど擦り切れていない。当分はジョギングに何の支障もなさそうだ。それはともかく、昨年4月時点で台湾や韓国の旅の可能性に言及していることに少し驚いた。当時はやがて収束するのでないかという見立てもあったようだ。さて、22年3月。ここでまた同じ言葉を繰り返していいものかどうか。再び台湾、韓国に旅立てるのはいつの日になるのかしらん。
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ウクライナに思う
- 2022-03-05 (Sat)
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ウクライナ情勢は最悪の事態に向かいつつあるようだ。ロシア軍の愚かで無慈悲な攻撃に苦しんでいるキエフや他の都市に住む人々を思うと心が塞ぐ。今回の軍事侵攻が起きるまでウクライナという国はその位置さえ明確に認識していなかった。旧ソ連邦を構成していた国であることは承知していたが、東欧周辺の国には足を運んだこともない。
今回の侵攻でウクライナの人々がロシアと同じ民族系統に属し、言語・文化的にも兄弟のような近い関係にあることを改めて知った。ただ、ウクライナの大多数の人々は欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に加盟することを望んでおり、ロシアとは距離を置きたいと考えていることも。
プーチン露大統領の心中は知る由もないが、一連の報道から察するに、彼がウクライナの親欧米路線に憤まんを募らせていたことは間違いないだろう。このまま手をこまねいていれば、ウクライナがロシアから完全に遠ざかってしまうという危機感。ソ連邦の崩壊に伴い、独立したウクライナを再び「奪回」し、かつての「帝国」を復活させたいという野望も透けて見える。それにしても都市部の住宅地区への無差別砲撃を繰り返し、あろうことか欧州有数の原発施設にも砲火を浴びせる狂気としか思えない愚挙にまで出ている。そうは信じたくはないが、世界はそして人類はいよいよ黙示録の終末期に入りつつあるのだろうかとさえ思えてくる。
ウクライナ情勢を見ていて、オンラインの英語教室で読んだばかりのオー・ヘンリー賞受賞の短篇を思い出した。David Rabeという名の米劇作家の “Things We Worried About When I Was Ten” という作品。若手の作家だろうと思って読み進めていたら、米中西部で育った彼が子どもの頃に夢中になった野趣あふれる遊びや地域の風習、小学校の授業風景などが出てきて、あれ、これは私の少年時代と似てなくもない。それでネットで作家の名前を検索すると、1940年生まれとある。私より一世代上の世代だが、凄く「感情移入」できる作品だった。
主人公の少年Danny Matzの友人、Jackieは同級生たちの不幸を一人で背負い込んだような幸薄い少年だった。家庭環境にも恵まれず、4歳で母親を亡くし、継母が来る。父親や継母から虐げられる日々。ある日、継母が台所で肉挽き器を操作していて、誤って親指を切断してしまう。これを目撃したJackie少年は近所中を駆け回り、 “Stepmom May cut her thumb off in the meat grinder” と大声で触れ回る。
Danny少年は最初、Jackieがなぜ狂ったように継母の不運を触れ回っているのか理解できなかったが、やがて腑に落ちる。継母が自分の親指さえ切り落とすことをしでかすなら、所詮赤の他人に過ぎない僕にはどんなことをするだろうか。僕もそのうち肉挽き器に詰め込まれてしまうことになるのかと恐れおののいているのだ。それで近所の人たちに自分がどういう「危機」に直面しているかを「告知」しておきたかったのだと。
兄弟のような近しい民族のウクライナの人々をさえ情け容赦なく蹂躙するプーチン大統領。ただでさえ疎遠な関係の日本もJackieのようにロシアの蛮行を国際社会に喧伝する必要がある。もっとも、国際社会はすでにそれは十分承知しているが・・・。
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ウクライナ緊迫!
- 2022-03-01 (Tue)
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ウクライナ情勢。幼い子供がロシア軍のロケット攻撃で死亡したニュースなどを目にすると、胸が締め付けられるようで何とも陰鬱な思いに沈む。数日前かのこのブログで第二の冷戦のスタートかと書いたような気がするが、それどころか第三次大戦の勃発さえ危惧される事態だ。挙げ句の果てはロシア軍による核兵器の使用さえ懸念される。時代は21世紀。戦争の世紀は過ぎ去った20世紀のことではなかったか。
ウクライナの人々の苦難を思いやると拙ブログをアップデートする気など失せてしまう。とはいえ、このブログは私にとって備忘録でもあるのだから、きちんとその時々の思いを記しておきたい。数年後に振り返った時に、ああそんなこともあったな、懐かしいなあとほのぼのと振り返りたいが、今のウクライナ情勢はとてもそういう心境にはなれないだろう。ウクライナ、ロシアの和平交渉が奇跡的に進展することを心から願いたい。そしていつか、プーチン大統領が無垢の市民の尊厳を踏みにじった蛮行で歴史的に断罪されることを願う。
◇
オンラインで細やかに実施している毎月2回の英語教室「短篇小説を読む」で最近取り上げたのは、“Endangered Species: Case 47401”という短篇。タイトルは物々しいが、米国に暮らす黒人女性が転居した白人住民多数派のコミュニティーで感じるようになった違和感がテーマとなった作品。私はそうした違和感が理解できるとまでは言わないが、南アフリカの白人至上主義の究極的なアパルトヘイト(人種隔離政策)の終焉を現場で取材した身としては興味深く読んだ。
作品の中に Billie Holiday という人名が出てきた。ジャズに明るい人なら知っている人だろうが、私は正直、男かな?と思ったほどの門外漢。ネットで調べて、1930―50年代、アメリカを代表する女性ジャズ歌手であることが分かった。麻薬に手を染めていたこともあったらしいが、米政府を相手に人種差別の非を敢然と問うた勇気ある先駆者であることも。1959年に44歳の若さで病没している。公民権運動の嵐が吹き荒れ、キング牧師があの有名な “I have a dream.” の演説を残す4年前だ。
ネットでこの人物のことをチェックしていたら、今、福岡・天神の映画館で彼女の半生を描いた作品がかかっていることを知った。“The United States vs. Billie Holliday” というタイトルの映画。タイトルからして凄い!
先週末、映画館に足を運び、その映画を観た。セックスシーン、麻薬、暴力、リンチの凄惨なシーンも盛り込まれており、気安く推奨し難い点もあったが、あの国が抱えている人種問題が如実に描かれていた。彼女が米政府から忌み嫌われたのは “Strange Fruit” (奇妙な果実)と呼ばれる歌をステージで歌わないよう迫られても、それを拒絶したこと。南部では奇妙な果物が木からぶら下がっていると歌われた果物とは何か? 白人至上主義者グループのリンチに遭い、木から吊される黒人の亡骸のことだ。
作品の中では今では絶対タブーの黒人蔑視の表現が頻出する。黒人同士がお互いを罵る時にも口にする。このブログで紹介する分には差し支えないないだろう。 “Fuck you, nigger!” 今アメリカでこのような暴言を吐いたなら、即アウトだろう! いやどこであれ。
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寒い!
- 2022-02-23 (Wed)
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中国語を学ぶ喜び、楽しみは多々あるが、我々が小さい頃から親しんできた諺や成句を改めて知ることもその一つだろうか。我々が日常的に使っているそうした表現が中国語では若干異なることを知った時には興味は倍加する。
最近の例を一つ。朝三暮四。中学か高校の国語(?)の授業で出てきたかと思う。広辞苑には①「目前の違いにばかりこだわって、同じ結果となるのに気がつかないこと②口先でうまく人をだますことと載っている。私は①の意味で記憶している。中国語の辞書を引くと若干異なるようだ。「貶(けな)す語」として紹介されており「変転きわまりない、ころころ変わる」という意味が記してある。ネットで調べると「移り気である、考えや方針が定まらず、当てにならない」というのも出てきた。「信用に値しない」ということか。
五十歩百歩。たいして違いがないことを言う時に使うが、これは日中で意味合いに差異はないようだ。本家の中国では「五十歩笑百歩」と「笑う」という字が間に入る。「笑」が入って意味がより明確になるような気もする。戦で50歩逃げた兵が100歩逃げた兵を臆病だと笑う資格がないことはもっともなことだ。
◇
ウクライナ情勢が緊迫の一途にあるようだ。民族的には親戚のような東スラブ民族同士のいがみ合い。ロシアとの関係より欧米との関係緊密化を選択したウクライナに非はないように思えるが、ウクライナは本来、ロシアゆかりの地と見なすプーチン大統領にとっては座視できないことなのだろう。
ネットで購読している米高級誌ニューヨーカーのウクライナ関連の記事を読んでいて、興味深いものがあった。見出しにひかれた。”Inside the high-stakes fight to control the narrative on Ukraine” バイデン米大統領はこのところ再三、プーチン露大統領がウクライナ侵攻を既に決定と非難しており、ロシアに対する厳しい経済制裁の発動も表明している。プーチン大統領はウクライナ東部に兵を進めるのはウクライナの親露派勢力に対する攻撃への自衛措置であり、侵攻ではなく平和維持が目的と主張している。どちらの物語(narrative)すなわち言い分が正しいのか。国際社会には自明の理のように思えるが、現実に戦争状態となり、ウクライナの無垢の市民が殺傷され、いわんや、第三次大戦を招来することにならないよう祈りたい。
◇
このところ寒い日が続いている。火曜日、仕事で小倉に向かったが、かじかむような冷たい風に見舞われた。地球温暖化とは相容れない厳寒のようにも思えたが、北日本各地が見舞われている豪雪もこの寒さも温暖化に起因している気象の一つでないことを祈りたい。
早く春の到来が待たれるが、春が来れば、日米でまた球春開幕となる。テレビやパソコン、スマホの画面に向き合う時間がいよいよ増える。中国語、韓国語の学習に割く時間は激減する定めだ。今は午前中だけは机に向かうようにしているが、大リーグのオープン戦が始まればそれも危うい。何かいい手を思いつかなくては。テレビだけでも廃棄処分にすればほぼ問題は解決するのだが・・・。
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温故知新
- 2022-02-17 (Thu)
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冬季五輪。日本の金メダルは2個。これも金メダルは確実なんだろうなあと思いながら、仕事帰りの電車の中でスマホのNHKラジオの生中継に耳を傾けていた。団体追い抜きと呼ばれる女子パシュートだ。テレビで見ていると、しのぎを削る2つのチームの速い、遅いが画面から手にとるように分かる面白い競技だ。決勝の相手はカナダチーム。日本チームは連覇がかかっている優勝候補だから、安心して聴いていた。
期待通り終始カナダを抑え、リードを奪っていた。3個目の金メダルだなと思っていたら、最後のコーナーであろうことか、最後尾を滑っていた選手が転倒した(ようだ)。解説の女性が何か叫んでいるが、いずれにしろ、転倒してしまっては逆転負けだ。ラジオ放送だけに詳しい事情は分からない。解説者は遅れていたカナダチームが迫ってきてはいるが、最後尾の選手はフォームが乱れ始めているようなことを言っており、まあ、大丈夫だろうと思っていた矢先の転倒!
解説者も男性アナも連覇がならず、銀メダルに終わったとはいえ素晴らしい成績であり、祝福したいとかなんとかしゃべっている。その通りではあろうが、何とも後味が悪い。敗色濃厚の中での転倒だったら、諦めもつくだろうが・・・。
◇
毎月第1,3水曜日の午後、小倉駅前のビルで行っている英語教室。受講生は一人だが、英会話の基礎から文法まで楽しく教えながら学んでもいる。昨日の教室が終わった後、受講生が古びた中国の新聞をくれた。以前に中国を旅行した時に持ち帰ったとか。私が中国語を学んでいるので、役に立つかと思い、持って来て頂いたようだ。
現地発行の英字新聞も含まれていた。「CHINA DAILY 中国日報」。日付を見ると2009年12月19日。13年前の新聞だ。ネットで検索すると、この新聞は中国共産党中央宣伝部が保有する英字日刊紙と紹介されている。パラパラと紙面をめくってみた。一面はオバマ米大統領(当時)と中国の温家宝首相(同)がコペンハーゲンでの地球温暖化問題を討議する国連の会議に出席した際に二人だけで会談している写真が掲載されている。
興味深く読んだのは社説と思われる欄で、上海の大学院で学ぶ女性の院生が自死したことを憂える記事だった。詳しい事情はこの記事だけではうかがい知ることはできないが、貧しい母子家庭で育った彼女は大学卒業後も希望する仕事に就くことができず、7年経過して大学院で更に学ぶことを決意。退職した母親はどうやら娘がただ一人の頼りだったようで、彼女は大学の寮に母親も呼んで一緒に暮らすことを望んだ。しかし、大学側にこれを拒絶され、絶望の果てに自死を選択したようだ。次の一節、何度も読み返した。
Had the university showed enough concern for the difficulties this student faced, she would not have chosen to end her life. Now, universities and other sectors should try to do something to help those on the verge of being reduced to sheer despair before it is too late.(大学がこの学生が直面していた困難に十分配慮していたなら、彼女は自死を選択していなかっただろう。諸大学や関係する当局は事態が収拾不可能になる前に絶望の極に瀕しつつある若者に助けの手を差し伸べるべきだ)。この訴えが今も息づいていることを祈りたい。
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第二の冷戦の始まり?
- 2022-02-12 (Sat)
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依然、勢いの衰えないコロナウイルス。3回目の接種を受けた。前2回とは異なるワクチンゆえ、ちょっと不安は感じたが、待ち時間もあまりなく、スムーズに接種は終わった。これが最後になればいいのだが、また今年後半に4回目の接種を受けていたりして・・。まあ、そんな事態には至らず、今のコロナ禍もほどなく終焉することを祈ろう。
それはそれとして、接種翌日に微熱が出た。体温を測ると36.5度。多くの人には平熱だろうが、私は平熱が35.7度の冷血種族。少し気になった。だが食欲はあるし、身体に違和感もない。ワクチン接種に起因しているとは思えない。私は寝相が悪く、いつもベッドの毛布、布団を蹴散らして寝入っている。それで明け方に寒さで目覚めることがある。睡眠不足がたたり、風邪の症状を呈したのだろうと思った。それでもさすがに気になるので、薬局で葛根湯を買い求め、体調回復を祈った。
今、こうしてラップトップに向かっていて、体温も体調もほぼ平常に戻ったように感じている。健康のありがたみを改めて感じた次第。
◇
北京冬季五輪。九州に住んでいると、ウインタースポーツには縁遠くなる。新聞社の盛岡支局に勤務していた頃は同僚と一緒に、時には一人でスキー場に行き、初めてのスキーを楽しんだ。最後までボーゲンで滑るのが精一杯だったものの。スキーの後は帰途に温泉に寄るのが定番だったが、それも遠い過去の話。思い出すこともあまりない。
冬季五輪にはそうは興味はないが、見始めるとやはり熱くならざるを得ない。女子カーリングにしてもそうだ。序盤の戦術的なことは正直よく分からないが、ストーンと呼ばれるものを繊細なタッチで氷上の目指した地点にきちんと置くのが至難の業であることは容易に分かる。土曜日のデンマーク戦の土壇場での逆転勝利は実に見応えのある一戦だった。ひょっとして全国でカーリングをプレーする人口が増えたりして・・。
◇
日本から遠く離れているが、ウクライナ情勢が緊迫の一途にあるようだ。私はウクライナでは取材経験はないのでよく分からないが、冷戦時代にはソ連の統治下にあった国でロシアに対する親近感を抱く人々も少なくないのだろう。そうした無垢の人々にロシア軍が銃火を向ける最悪の事態になることのないよう祈りたいが、彼らの命運がプーチン・ロシア大統領の胸三寸にあるとしたなら、あまり期待しない方がいいように思える。
ネットで定期購読している米高級誌ニューヨーカーでは、このウクライナ情勢に関して「ロシアと中国が米国その他の国々に対して事実上の同盟関係を構築している」と題したコラム記事を掲載していた。その中で執筆者はロシアはウクライナ、中国は台湾へのそれぞれ侵攻が懸念される中で、プーチン大統領が冬季五輪の開会式に合わせて訪中し、習近平国家主席と首脳会談を行い、共同声明を発表したのは象徴的な出来事であり、将来、我々はこの会談を「第二の冷戦の始まり」(the beginning of the Cold War Two)と振り返ることになるのかもしれないと解説している。第一の冷戦が終結したのはベルリンの壁崩壊直後の1989年12月。それから30余年経過してまた新しい冷戦がスタートするのだろうか。
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