『霧に貌』
田村穂隆
四六判、上製、144ページ
予価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-723-0 C0092
装丁 佐野裕哉
装画 吉田紳平
蜘蛛のようにあなたを好きで眼球にあぶら波打つ日の暮れだった
第一歌集『湖とファルセット』で現代歌人協会賞&現代歌人集会賞をW受賞した著者、待望の第二歌集。
2026年4月発売です。
【収録歌より】
鐘みたいにからだぜんぶを震わせてみたい おおきな前歯を見せて
鈴の音の絶えてしずかな冬の田に白磁が産んだ白磁のこども
鳥の胃に溶かされてゆく青虫の暗いあおぞらいちどっきりの
ながく待つことの寒さの対岸に石の扇をふる手がみえる
小神殿(エディキュール) ねむるあなたの口腔に永久歯あり書物のごとく
【目次】
Ⅰ
ぬるい水
輪唱
結露
一輪車
襖
解析
氷河
雪は裸
夏の昼と夜と朝
仏間
虫みたいに胸を
長者ヶ森
夏の離島
二重跳び
塩壺
Ⅱ
公民館
構想
誤飲の秋
牛と鏡
兄の名前
Ⅲ
その沼へ
ひかる首輪
砂と箱
砂を吐く
わらいはじめる
口蓋垂
歯を見せて
霧に貌
黒い鳥居
海の無言、空の無言
綺麗な縄
改札
あとがき
【著者プロフィール】
田村穂隆(たむら・ほだか)
1996年生まれ、島根県出身。「塔」所属。第一歌集『湖とファルセット』(現代短歌社)で第48回現代歌人集会賞、第67回現代歌人協会賞を受賞。
