書籍

『落ちこぼれた詩』 麻田春太

詩集『落ちこぼれた詩』
麻田春太

四六版、並製、120ページ
定価:本体1,500円+税
ISBN978-4-86385-691-2 C0092


要介護2の認定を受けて、不自由な身体になっても生きていることが何とも言いがたい歓びがあることに気づいています。そんなある日、粕屋町立図書館で金子光晴詩集を手にし、ふと「落ちこぼれていた詩」があることに気づきました。(あとがきより)


積乱雲が立ちのぼってきた
忘れた頃にやって来る
豪雨
いや、それはゲリラだ
わたしたちを破壊する
ゲリラだ
焦ってくる気持ちと
もうあきらめの気持ちと
複雑で不条理だ
だから
俺は命を預け
人生に鍵をかけた
(「落ちこぼれた詩」より)


【目次】
壁蝨(だに)の話  
静かなる男逝く  
涙涸れ砕けちる季節  
青い街  
春を待つ  
鍵をかけよ  
79年目の虹  
斑模様  
おまえには穴がある  
蜘蛛と生きる  
花は感じた  
影花  
私のオゾン  
安全網  
俺は精神分裂、それは音  
乾いた街  
花の街  
美暗の中で  
補給  
狂気の沙汰  
黒猫がやって来た  
虚構に暗む  
燻された私  
懺悔の如くDNAを切れ  
川の向こうへ  
愁思  
老花の路  
九条と歩む  
九条を死守す  
反故  
誓い  
言葉のタンゴ  
徒然  
始働  
21世紀ってなあに  
イントロ  
海は夏休み、そして海は遠くなった  
水と土と風  
地球博多仁輪加(にわか)狂言  
あとがき


【著者プロフィール】
麻田春太(あさだ・はるた)
一九四三年 福岡県福岡市博多に生まれる
一九六三年 詩誌「素寒貧」創刊
      「福岡詩人」、「異神」を経て、現在、「九州文学」同人
一九七〇年 詩集『甦る』
一九七五年 詩集『美しきものへの挑戦』
一九八二年 詩集「アポリアの歌」で第十三回(一九八二年度)福岡市文学賞(詩)受賞
一九八六年 ショートストーリー「愛ってなあに」森田昌明共著
一九九七年 詩集『白の時代』
二〇〇七年 詩集『抽斗にピストル』
二〇一三年 詩集『竈の詩』
二〇二一年 詩集『虚仮一心』

現在、福岡県詩人会会員、日本現代詩人会会員、日本詩人クラブ会員