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『幸せの残像』

  • 2013-09-21 (Sat) 10:20
  • 総合

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 昨年末以来、翻訳に取り組んでいたイランの小説がようやく福岡市の出版社・書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)から刊行されました。邦訳のタイトルは『幸せの残像』です。著者はイラン人のパリヌッシュ・サニイ女史。イランを舞台にした悲しくも切ない恋愛小説ですが、著者自身の言葉によると、過去半世紀、イランの多くの女性がかいくぐってきた苦難の体験が凝縮されているとのことです。
 書肆侃侃房は “Woman’s Best” と称し、フィクション・ノンフィクションを問わず、世界中の女性の生きかたについて書かれた書籍を翻訳出版していくプロジェクトを展開しています。私はこれまで拙著をここから刊行していただいた関係で、今回、この小説の翻訳を依頼された次第です。原著のペルシア語から翻訳された英語版が非常に平易な英文となっていたため、そう苦労することなく訳することができました。とは言え、邦訳本は650頁を超える大作です。今はこの翻訳本が日の目を見て、翻訳者として静かな喜びに浸っています。我々日本人にはとかく靄がかかったように理解しづらい中東イスラムの世界、かつてはペルシアとして知られたイランの社会が垣間見える作品です。訳者解説でも触れましたが、翻訳作業に当たりながら、幾度となく、涙が湧いてくるのを抑えきれませんでした。手にしていただければ、幸甚に思います。定価2,625円。
 なお、書肆侃侃房のホームページ(http://www.kankanbou.com/kankan/)上で案内が出ています。

Comments:6

Tajima 2013-09-21 (Sat) 21:38

那須さん、ほんとうにお疲れさま、そして、ありがとうございました。
この本の出版にこぎつけたのは、ひとえに那須さんのおかげです。
毎週送られてくる翻訳原稿を読むのはとてもたのしく、わくわくしました。
こんな面白い小説、ぜひ、多くの人に読んでもらいたいです。
たしかに長いけど、読みやすいし、つぎにどうなるのか、気になってやめられなくなるはずです。

那須 2013-09-23 (Mon) 08:31

田島さん いえ、お礼を言うのはこちらです。素晴らしい作品と出会え、かつ、それを日本語に訳する機会を与えられたのですから。ありがとうございました。

板東美貴子 2013-09-25 (Wed) 10:05

徳島TMCの板東です。
那須さん、ご本の出版おめでとうございます。
タイトルは”幸せの残像”に決まったのですね。
My fateの話をいろいろ伺わせていただいたので、読むのを楽しみにしていました。
ところで、私のメールはつきましたでしょうか?
ついに、私も新しいPCを購入しました。

nasu 2013-09-25 (Wed) 11:21

板東さん ありがとうございます。あれ、メールいただいたので、すぐに返信しましたよ。福岡でトーストマスターズの大会があるというお知らせのメールでしたよね。届いてないのかな。チェックして、念のため
再送しておきます。

やすよ 2013-09-26 (Thu) 22:06

省一さん
 『幸せの残像』、表紙の著者の”目力”に圧倒されて、本を開くのに時間がかかりました。パリヌッシュ・サニイさんの目が語るものはなにか。省一さんが翻訳されたんだなあと、”目”から伝わってくる印象に驚いています。
分厚いご本を食べる覚悟ができました。ワクワクしています。

本当に本当におめでとうございます!

 先週の米良の山仕事は満足と疲れのバランスが絶妙に起きたことだろうなあと楽しく読みました。ますますお元気で!

省一 2013-09-27 (Fri) 08:28

やすよさん ありがとうございます。 

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