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ikigai(生きがい)

  • 2018-12-18 (Tue) 11:09
  • 総合

20181218-1545093946.jpg 米CNNをネットで読んでいて、ikigai という語が見出しに踊っているのを見つけた。記事は次の言葉で始まっている。What if you could live longer just by doing more of what you love to do most? (自分が最もやりたいことに一生懸命になるだけで寿命が延びるとしたならどう思いますか?)。
 記事は沖縄県でも「長寿の里」として知られる大宜味村(おおぎみそん)を例に挙げ、長生きの秘訣を探っている。村人たちは健康に良い野菜を食べ、笑いが絶えず、ゆったりとした暮らしを楽しんでいると。実はこれこそが、日本ではikigaiと呼ばれるもので、“the happiness derived from being busy at some activity that holds meaning and purpose for them”(あなたが意味や意図があると考える活動に専念することにより生じる幸福感)を意味し、ikigai とはそういうphilosophy(哲学、人生観)であると紹介している。
 生きがいは成長するにつれて、つまり老いていくにつれて、その意味するところが変化していくものだろう。多くの人にとって現役を退き、還暦を過ぎると、それは子供や孫のことに移っていくのかもしれない。独り身の私にはそんな贅沢は望めない。従って他に見いだすしか手はない。日々生き長らえることが「生きがい」だとしても何ら恥じることはないかとも思うが・・・。
 まあともかくもikigaiやmottainai といった語彙がやがて英米の辞書に掲載されるようになれば、それは日本のソフトパワー(soft power)ともなるのだろう。
                  ◇
 中国語は英語と同様、語順が大事だとよく言われる。それに対して我が日本語は語順に関しては割と鷹揚な印象がある。「私は彼を愛している」と言おうが、「彼を私は愛している」あるいは「私は愛している、彼を」と言おうが、意味するところは同じだ。
 その点、韓国語は日本語と語順が酷似しているようだ。最近次のような文章を考えていて、この思いを一段と強くした。「私は最近仕事が忙しくて、本を読む時間がありません」。英語だと “As I’m busy lately, I don’t have time to read.” というような文章が頭に浮かぶ。time(時間)とまず言って、to read(読むための)とそれを後ろから修飾(説明)する必要が生じる。reading time でも良いかもしれないが、後ろから修飾するのが一般的だろう。
 中国語でもこれとよく似たような表現をすることに気づいた。上記の文章は以下のようになる。我最近工作很忙,没有时间看书。英語と同様、时间(時間)を後ろから看书(本を読む)と修飾している。英語のように「to不定詞」といったややこしい手を使う必要もなく、「時間・本を読む」と続ければ事は足りる。
 韓国語ではおそらく(私の訳文なので間違いがあるやもしれないが)次のような文章となるのだろう。저는 요즘 바빠서,책을 읽는 시간이 없어요. この文章では、책을(本を) 읽는 (読む)시간(時間)と、日本語と全く同じ語順で語が続いている。日本人が韓国語を話そうとする時に、頭に浮かんだ語をそのまま落としていけば十分通じるのではないかと思えてならない。もちろん、そうではないケースも多々あるのだろうが、私にはこうしたことがとても面白く感じられてならない。

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