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長寿(longevity)

  • 2018-10-10 (Wed) 09:08
  • 総合

 NHKラジオ第二放送の語学講座が新しいクールに入ったことを前項で書いた。講座によっては5年前に初めて放送された講座もある。5年前というとだいぶ昔の気がするが、語学講座では古く感じることは全然ないようだ。そうした再放送であっても、初めて受講する講座であれば改めて気づかされることも多々あるから嬉しい。
 例えば、韓国語の「レベルアップ ハングル講座」。初放送は2013年10月で、今月から3か月放送される講座だ。これは上級者を念頭に置いた講座で、初受講の私にはついていけないところが多いが、「発音のコツ」を紹介するコーナーは大いに参考になっている。昨日の講座ではテキストに次のようなことが書かれていた。韓国語に特有の平音、激音、濃音の違いを説明したくだり。「日本人が初声として『ㄱ』を発音すると、だいたい『ㅋ』に聞こえます。理由として考えられるのは、息が強いということです。『ㅋ』にならないよう、息をおさえてゆっくり発音しながら、『ㄱ』の音に慣れましょう」。
 私はこれまで激音の名に恥じないよう、『ㅋ』を息を強く吐きながら発音していた。留意すべきは激音ではなく、むしろ息を出さないように発音する平音の『ㄱ』だったということに初めて気づかされた次第だ。
                  ◇
20181010-1539130090.jpg 自分が年を重ねてくると、高齢者にまつわる話題は興味を覚え、以前は読まないような記事でも熱心に読むようになる。ニューヨークタイムズ紙をネットでスクロールしていて、次の見出しの記事を目にした。“The World’s Oldest Barber Is 107 and Still Cutting Hair Full Time” え、107歳でもまだ現役、それもフルタイムの床屋さんがいるのか?
 ニューヨークの外れにある理髪店に勤務するアンソニー・マンシネッリ氏。イタリアのナポリの近くで1911年に生まれ、家族とともに8歳の時にアメリカに移住。11歳の頃から床屋で働き始め、12歳でお客の髪を切るようになった。以来、ずっと理髪師として勤務し続けている。アメリカには定年がなく本人が健康で働く意欲がある限り、仕事を続けることができる社会であることは承知していたが、それにしても凄い。マンシネッリ氏を雇用している女性店主は「彼は病欠することもなく、お客のどんな要望にも応えて仕事をこなすことができる」と称賛。彼の驚異的な年齢を聞きつけて、マスコミや一般からお店へ問い合わせの電話が絶えることはなく、「私が彼のために働いているようなもの」とも。
 マンシネッリ氏は14年前に70年連れ添った奥さんを亡くして以降、一人暮らしで、買い物や料理・洗濯も自分でやっている。長寿と健康の秘訣をことあるごとに人々に聞かれるが、特段のことはなく、仕事を続けている限り、充足感を覚え、それが活力になっているのだとか。タバコはやらないし、お酒も深酒をすることはない。運動に熱心なわけでもないが、ただ好物のパスタは薄味が好きで、太らないように気をつけているらしい。
 107歳となった今も週に5日、お昼12時から午後8時までお店に立ち、お客の髪を切っており、20歳代の若者でもくたくたになる激務を淡々とこなす日々。お客の中には曽祖父まで遡り、4世代にわたる顧客もいるとか。いやはや恐るべし、マンシネッリ氏。ぜひとも、その長寿・健康にあやかりたいお人だ!

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