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英語でさるく 那須省一のブログ

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美味・盛岡冷麺

20220415-1649995385.jpg 英字新聞「ジャパン・ニュース」を購読している「功徳」を前回の項で紹介した。もう一つ付け加えるならば、最新の英語表現、傾向を知ることができることだろうか。木曜日の紙面では若者が好んで使っているらしい表現が出ていた。これは私には「初耳」でおそらく初めて耳にしたら??となっていたことは間違いないだろう。それは ghost someoneという表現であり、「友達が突然連絡や関係を絶つ」類のことを意味するのだという。紙面では次のようなやり取りが例示されていた。
 A: He hasn’t texted me in a week ….
         (彼から1週間もメッセージが来てないの・・)
 B: Oh, no, did he ghost you?  
         (噓でしょ。彼、説明なくいきなり連絡を絶ったの?)
 なるほど、ghost(幽霊)を動詞にして「幽霊のように視界から消えていく」行為を表現している。日本語的発想では ghost from you の方が分かりやすそうな気がしないでもないが、直接目的語を取る形で ghost you とするのか。これはなかなか思いつかない。私の世代なら Did he disappear without a word? ぐらいの表現しか頭に浮かばないが・・・。
                  ◇
 私がよくアクセスしているブログが一つだけある。迷惑をかけたくないので名前を出すことは控えたい。最近そのブログで盛岡名物の冷麺のことが紹介されていた。その人がこさえた冷麺の写真を見て、猛烈に冷麺が食べたくなった。このブログでも書いたことがあるかもしれないが、私は新聞記者時代に盛岡支局に勤務していたことがあり、その時に初めて食したのが当地名物の冷麺だった。最初に食べた時はパンツのゴム紐でも食わされているのかと思うほど違和感を覚えたが、やがて病みつきになった。独特の辛さも癖になった。
 そうしたことを上のブログで思い出し、無性に食べたくなった。ネットで注文しようかと思い、さっと検索もしてみたが、よく考えると、天神まででかければ、確か東北3県だかのアンテナショップがあったような記憶が。書店に用があった昨日、そのショップを訪ね2袋(4食分)買い求め、早速作ってみた。トマトに焼いた肉切れ、レタスなどを添えてみた。本当は盛岡冷麺のようにスイカを二三切れ浮かべたかったのだが。
 結果は? 申し分のない味だった。いや、もっと早くアンテナショップに足繁く通い、東北の珍味を買い求めるべきだった。今日(金曜)もお昼にはウィンナーを焼き、冷麺に添えて食べてみよう。トマトはなくなったが、まあいいか。レタスはある。私のような料理音痴でもただ麺をゆでるだけでいいのは有り難い。
                  ◇
 大リーグ。大谷翔平君が金曜朝、二回目のマウンドに立った。今回こそはと期待したが、どうも調子がよくないようだ。打撃も不調のようで一打席目は三振。微妙な判定もあったようだが、主審を敵にすると投球にも悪い影響が出る。何だかテレビを見るのも億劫になり、テレビを消して見るのをやめた。先ほどネットで確認するとその後、相手チームに満塁ホームランを打たれたようでマウンドを降りている。やっぱり!
 まあ、こういう日もあるだろう。ちょっと心を落ち着けて、次回の巻き返しを願おう。湿っている打棒もそのうち本来の快打が復活するだろう。翔平、加油!

ホットク」(호떡)食べたい

20220413-1649831981.jpg 英字新聞「ジャパン・ニュース」を購読している「功徳」の一つ。他の媒体では見かけない風変わりな記事に遭遇することがある。日曜日の紙面。Double take: This is not a story about Bruce Willis という見出しの長文の記事だった。ワシントンポスト紙からの転載。
 スキンヘッドで知られる米俳優、ブルース・ウィリス氏にそっくりの男性のことを紹介している。見出しにある double とは「二倍の」の意ではなく、ここでは「生き写し」「代役」という意味。ウィリス氏はつい最近、失語症(language disorder aphasia)と診断され、俳優業から引退する意向であることが報じられたばかり。まだ67歳。彼が主人公のジョン・マクレーン役を演じた代表作「ダイ・ハード」はよく覚えている。
 記事はこの俳優に実によく似た14歳年下の男性がこれまでにウィリス氏の代役として13の作品、20のCMに出ていることを紹介している。男性の名前は Eric Buarque といい、私は何と発音するのか分からない。おそらく現実の発音は違うだろうが、仮にエリック・ブアキュー氏と呼んでおこう。ブアキュー氏は米東部メリーランド州に住む庭師・造園家。以前からことあるごとに通りがかりの人たちから「あなたはブルース・ウィリスにそっくりだ」と声をかけられ、記念撮影を求められたりしてきた。
 本人も悪い気はしなかったようだが、かといって映画の世界に引かれたわけでもなかったようだ。それでも映画プロダクション会社などに自身のプロフィールを送ることは続けた。こうした努力が実り、2006年に「ダイ・ハード」でウィリス氏の代役を務めることになり、一躍脚光を浴びることになった。残念ながら、肝心のウィリス氏は病にかかり引退を余儀なくされた。ブアキュー氏の代役人生もこれで終止符を打つのか。記事はまだ他の可能性があるのではないかというタッチで終わっている。
 英語表現としてのdie hardは例えば Old habits die hard. (昔の習慣はなかなかとれない)といった文章や、名詞としては「変化に頑強に抵抗する人」などとあまり好ましい使われ方はしないようだ。
                  ◇
 NHKラジオの今月からの韓国語、中国語の初級講座は基礎の基礎からの再スタートとなっており、私は耳から聞き流しいている。聞き流すだけだが、それでも時々戸惑うこともある。数日前の韓国語講座。イチゴパフェという語が出てきていた。日本人女性がソウルに初めて旅してカフェでイチゴパフェを注文する設定で、韓国人のウエイターがよく聞き取れなかった。イチゴは韓国語ではタルギ(딸기)。「タ」の音は日本語では意識しない濃音と呼ばれる特殊な音。女性はこの音をこれも韓国語独特の激音の「タ」で発声したため、通じなかったようだ。カタカナで韓国語のこうした音の違いを表記することは悩ましい。
 その次のシーンでは日本人女性はコーヒーを注文しようとしてホット(hot)でお願いしますと頼むのだが、韓国人にはこれはハットと言わないと通じないようで、「ホットク」(호떡:韓国ではお馴染みのパンケーキに似たおやつ)と誤解される。日韓両語が似て非なる言語であることがよく分かる。ところでホットクは韓国では屋台で売られている人気の定番商品だが、私はなぜか食べた記憶がない。今度再訪したら絶対食べよう!

スター誕生!

 台湾・台北にある淡江大学に3年前に1か月だけ中国語を学ぶために留学したことを前回の項で書いた。そのことを思い出しながら、香椎浜のジョギング路を歩いていてふと思った。そういえば、高校を卒業してどれぐらいになるのか。18歳。桜が散っている今の時期に大学に入学した。まさに半世紀前、50年の歳月が流れている。信じ難いがそういうことになる。半世紀の後、今ここでこうして暮らしているとは思いもしなかった。いや、半世紀の後にどこで何をしているのか、などと考えもしなかったのではないか。
 そう思えば、もう十分生きたことになる。もうこれ以上、あれこれ思い悩むことなどないのではないか。私はこの歳になると亡き父親のことを考えることがある。語感的には父親ではなく親父だが、その親父は郵便局に勤め、退職後は山や田畑で働くのが日課だった。山仕事には時々付き合わされたことがある。そう嫌ではなかったが、楽しみにしていたわけではなかったような。今となってはもっと喜んで手伝っていれば良かったと反省する。親父にとっては山仕事の後に一人焼酎をあおるのが楽しみだった。
 今にして思う。親父のような生き方も悪くなかったと。故郷は山また山で、人家は少なく、谷川は透き通った水が流れる。小鳥の鳴き声だけを耳にしながら山の仕事に精を出す。考えようによっては至福の生き方ではなかったかと。私には山仕事は望むべくもない。私の「山」は言わば「書籍」「語学」か。ならば、日々それに向かい、研鑽を積むしかない。親父との比較で一つだけ共通しているのは、一日の終わりに楽しむことができる焼酎だ。末永く楽しめるように節度ある飲酒を心がけよう。
                  ◇
 とこんなことを書きながら、日曜日、テレビで大リーグの生中継、それにプロ野球のゲームもちらっと見て、競馬の桜花賞のレースも楽しんでいたら、どこかでロッテの若きエース、佐々木朗希君が脱三振ショーを繰り広げているという速報を目にした。え、それは見なくてはと思い、慌ててケーブルテレビのチャンネルをロッテ対オリックス戦に合わせると、佐々木君の奪三振ショーの真っ最中だった。連続奪三振は13で終わったが、完全試合は続いている。いや、これは記録的なゲームになるぞ。最後までこの試合を見るしかないではないか!
 そして佐々木君は完全試合を達成した。奪った三振は19。与えた四死球は0。奪三振数はプロ野球タイ記録。連続三振は従来の記録9を大幅に上回る新記録。ほぼ完璧と形容できる完全試合だろう。163㌔や164㌔といった快速球を次から次へ投げ込んでいた。あっぱれと言うほかない! 彼が高校3年の夏に岩手県予選の決勝戦だかで登板を回避して物議を醸したことがあった。監督は彼の将来を考えて無理をさせなかったと報じられたような記憶が残っている。当時、佐々木君に対し、何となく「ひ弱」な印象を抱いたことを覚えているが、いやはや恐れ入りました。
 私のこのパソコンで「ささきろうき」と打つと、「佐々木労基」と印字される。その内にきちんと「佐々木朗希」という文字が出てくるようになるのだろう。大谷翔平君も凄いと思うが、佐々木君も凄い。二人ともに岩手県の出身だ。私は新聞社の盛岡支局で2年間勤務した経験があるが、岩手にこのような傑物が出る素地があるのかどうかは分からない。願わくは佐々木君に早く大リーグに行ってもらい、大リーグファンの度肝を抜いてもらいたい!

大リーグ開幕!

 大リーグが開幕した。NHKでは平日にもかかわらず、地上波放送でロサンゼルスエンゼルス対ヒューストンアストロズ戦を生中継していた。私は無論、何の異論もない。エンゼルスの大谷翔平君が早速マウンドに上り、先発投手として力投した。打者としても1番を打った。残念ながら、味方打線が対戦相手の好投手の前に沈黙し、敗戦投手となったが、まずまずのスタートとなったようだ。今シーズンの活躍が期待される。投手としては15勝、打者としては50本のホームランをかっ飛ばして欲しいと願う。
 翔平君の存在は大リーグの規則をも動かしたようだ。これまでは投手はマウンドを降りると、自動的に打者として打席に立つことはできなかったが、今シーズンからDHであればそのまま引き続きゲームに残り打席に立つことができるようになった。二刀流の翔平君にとってはそれだけ打席数が増えることになる。
 翔平君のことだけを気にしていたら、ダルビッシュ投手もこの日、好投していたようだ。大リーグのホームページを見て、サンディエゴパドレスのエースの彼が対戦相手のアリゾナダイアモンドバックスを6回無安打に抑え、勝利投手の権利を手に降板したことを知った。おっと思ったが、最終的に抑えが打たれて、4対2で悔しい逆転負けを喫し、勝ちが消えた。ダルビッシュはなんだかずっと不運に見舞われているような気がしてならない。力投して勝ち投手の権利を手に降板して幾度となくゲームをひっくり返されているような・・。
                  ◇
 公民館の韓国語教室で신상을털다 という表現を教わった。忠実に直訳すると「身の上をはたく」という意らしい。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やネットで話題の人物の個人情報を暴く行為を意味するとか。「はたく」という動作から私は日本語の慣用表現を思い出した。「叩けばほこりが出る」。広辞苑には「どんな人でも深く細かくさぐれば、何か欠点・弱点が見つかる」と載っている。
 韓国語を学んでいると日本語と酷似した発想の表現に出くわし、驚くことがあるが、上記の表現もそうしたものの一つとして指摘できるだろう。「공부가 되었어요」(勉強になりました)。中国語では類似の表現を見つけることはできなかった。あるのかどうか私には分からない。きっとないのだろう。 
                  ◇
 台湾・台北にある淡江大学から今も時々ラインメールが届く。入学や講座の告知などだ。今日も届いた。4月8日という日付けを見て突然思い出した。そうだ心を浮き立たせて淡江大学の春季講座に1か月だけ留学して中国語を学んだのもこの時期だった。あれはもう3年前のことか。コロナ禍など思いもしない頃だった。
 少しでも滞在費を浮かせるため、大学の近くにあるビルの最上階にある連れ込み宿みたいなホテルに投宿し、毎朝、大学に歩き初歩の中国語をインドネシアやベトナム、韓国の若者と一緒に学んだ。あの頃に比べれば自分の中国語の力はついているのだろうか? 甚だ心許ない。コロナ禍が完璧に収束すれば再び淡江大学で学んでみたい意欲はある。ただ、台湾は手強い繁体字の国。簡体字に慣れ親しんだ身にはおいそれと舞い戻る気にはなれない・・・。

Madmanは誰だ?

20220405-1649144319.jpg ウクライナから恐れていたニュースが流れてきている。ロシア軍が占拠を解いた首都キーウ(キエフ)近郊の住宅地から住民の虐殺遺体が相次いで見つかっているという。読売新聞によると、ウクライナの検事総長はフェイスブックに「これは地獄。人でなしを罰するために記録する必要がある」と書き込み、徹底捜査する方針を表明したとか。むごたらしい「戦争犯罪」が行われたことは明らかだろう。
 予測できたこととはいえ、何とも形容しがたい世紀末的な現実が迫る。技術革新が進んだ21世紀の今日、さらに信じ難いことはそうした事実が肝心のロシア国民にはほとんど知らされていないということだ。プーチン政権の厳しい報道管制で政権側に都合のいいニュースしか見聞できないようだ。これではロシア国内で反戦機運が起きるのは到底期待できない。近未来の全体主義体制の恐怖を名作「1984年」で描いた英作家ジョージ・オーウェルもここまでは想像できなかったのではないかと思ってしまう。
 5日付けの英字紙ジャパン・ニュースに米ワシントンポスト紙のコラムが転載されていた。Madman threatens nuke use; not who we expectedという見出し。誰が madman であるかは改めて言及する必要はないだろう。ベテランジャーナリストの手になるこのコラムで印象に残った記述は次の一文。原文に若干手を入れて紹介する。It’s Russia’s Putin who is now playing the role of nuclear madman – erratic, delusional, bent on recapturing a bygone empire.(今や核兵器の狂人の役割を演じているのはロシアのプーチンであり、何をするか分からない、かつての帝国を再び蘇らせるという妄想に取り付かれた人物である)
                  ◇
 さて、4月となり、新年度が本格的にスタートした。私の生活には何ら変化はない。専門学校で週1英語を教え、小倉方面で月2回の英語教室で主婦の方々にも指導する。同じく月2回のペースで英語の小説を読む講座を開講し続ける(今はオンライン)。時間的余裕はたっぷりあるので精々、中国語と韓国語の独学に励もうと思っている。
 その中韓両語の支えとなっているのがNHKラジオの語学講座。ただ残念なのは4月から新しいクールとなり、初級講座は基礎の基礎から再スタート。これまでは復習になっていい側面もあったのだが、もうそろそろそう安んじてもいられない。公民館の講座とも合わせ、語彙力を着実に増やしていこうと念じている。
 初回の中国語講座でMCの劉セイラさんが語っていた。彼女は中国出身の声優で漫画家。中国語講座ではお馴染みの人物で、私はその気さくな人柄に今ではすっかりファンになってしまった。セイラさんは自分が何をやってもすぐに熱意が下がる、日本語でいうと「三日坊主」的な面もあると卑下していた。「三日坊主」は中国語では「三分钟热度」となると語っていた。三日どころか「3分程度しか熱意を保てない」ということらしい。
 辞書をひいて更に面白い表現を見つけた。「三天打鱼,两天晒网」。「三日漁をして二日網を干す」意から「三日坊主」を意味することになるらしい。3日間海に出て働いて2日間網を干して次の漁に備えるのであれば、「三日坊主」とは呼べないような気もする。3勤2休なら誰もが飛びつきたくなる理想的な仕事ではないか・・・。

「熟能生巧」

20220331-1648691611.jpg 3月も今日で終わり。明日から4月。昨年も瞬く間に過ぎ去ったような気がするが、今年もそれに輪をかけて早いよう(な気がする)。春休みに加え、公民館の中国語、韓国語講座ともに最終週は休講となるため、凄くのんびりとした一週間を過ごしている。私の年齢、いや私より年長者でも「現役」の人はいるはずで、そのような方々には申し訳ないが、やはりしばしのんびりと過ごせるのは有り難い。
 専門学校の年度最後の授業では私の好きな英語表現を語った。“Practice makes perfect.”(習うより慣れろ)と辞書に載っている。この表現を口にする時よく思い出すのは遙か昔の高校時代。器械体操部に入部し、先輩たちに鍛えられた床運動。運動神経の良くない私はマットの上で演じるバク転が怖くてできなかった。側転から両足を蹴ると、なぜ体が反転してバク転となるのか、どうしても納得できなかった。頭から落下するのではないか。
 2人の先輩が臆病な私の腰にロープを巻きつけ、私が側転からマットを蹴ると、左右から同時にロープで私の体を浮かせた。これなら私でもバク転ができた。数回のトライで自力でできるようになった。まさに “Practice makes perfect.” だ。
 ふと思った。中国語ではなんと表現するのだろうか。調べてみると、次の表現が出てきた。「熟能生巧」。辞書には「慣れてくれば上達する」と記載されている。「巧」は「巧妙な、器用な」という意味で、私には「技巧」という熟語が連想される。
 韓国語では何というのだろうとネットで調べると、次の文章が出てきた。배우기보다 스스로 익혀라. 直訳すると「習うより自らなじむこと」とでもなるのだろうか。要するに理屈ではなく、身体で、感覚で身に付けよということだろう。外国語学習では座右の銘にしたい言葉だ。
                  ◇
 クリスチャンの端くれとして毎朝、ウクライナに平和と安寧が一刻も早く戻ることを祈っている。ロシアとの和平交渉で進展があったような報道もあったが、どうも額面通りに受け取ることは時期尚早のようだ。少なくともロシア軍がウクライナから全面撤退することはなさそうでウクライナを東西に分断して東半分を支配下に置きたいように見える。それが恒久的な和平につながるとは到底思えないし、ウクライナはもちろん国際社会も容認はできないだろう。
 ロシア政府からはキエフなどへの攻撃を縮小する意向など和平ムードを作り出すかのような姿勢が見られ始めているが、外電をさぐるとどうやら現実からは乖離している。都市部への攻撃はさらに激化しているかのようにさえ見える。戦火が開かれて一か月が過ぎた。ウクライナの人々は疲弊の極にあるのではないか。プーチン政権にウクライナ侵攻を続ければ続けるほど泥沼にはまり、それは結局自らの政権の首を絞めることになることを分からせるしか手はないのだろうか。
 明日からは新年度が始まる。プーチン政権が停戦に合意し、侵攻停止を表明というニュースが米CNNや英BBCなどで流れることを願うが、ロシアから日々伝えられるのは毎日がエイプリルフール? いやフェイクニュースの最たるものばかりだ。

グローバリゼーションの終焉 !?

 この一年間、NHKラジオの語学講座「まいにち中国語」を熱心に聴いてきた。実質的には6か月の講座で昨秋からの半年は前半6か月の再放送に過ぎなかったが、それでも十分聞き応えのある内容だった。(何しろ大部分は忘れてしまっているから!)それでも後半の金曜日はその週のお決まりの復習ではなく聴取者の質問に答える新しい内容が放送され、受講者に配慮した姿勢に好感を抱いた。
 先週の最後の講座ではいくつか知らない文章・語句が出てきた。先述の通り、一度は耳にしていたのだろうが、全然記憶に残っていなかった。その一つは以下の文章。「並ばなくてもいいようにあらかじめネットでチケットを買っておきなさいよ」。「~しなくてもいいように」という慣用句ははてさて?スマホのラジオから流れてきた文章は「你提前在网上买好票吧,省得排队」。「省得」という語句が皆目見当がつかず往生した。
 「省得」は敢えてカタカナ書きすると「ションダ」というような音。「生的」とか「生得」という語句は頭に浮かんだが、意味をなさない。匙を投げる直前に自分の名前にある「省」が中国語でも「節約する」「省略する」「減らす」という意味があり、そのことと関係しているのかと思い、辞書を眺めると果たせるかな、「省得」という語句が紹介してあり、「~しないで済む」と記してあるではないか。「省得排队」で「並ばなくてもいいように」との意とか。ようやくすっきりした。
 「まいにち中国語」の講座は4月からはまた新しいクールとなり、初めて学ぶ人たちのために発音の基礎から教える内容となるのだろう。さすがに私といえども、物足りない講座となることは必至。かといってその上の講座は難解すぎてなかなか楽しめない。はてどうしたものか。まあ、できることから地道に学んでいくしかないのだが・・・。
                  ◇                  
 英会話番組で「過去にタイムスリップできればどの時代にタイムスリップしたいですか?」という問いの英訳が紹介されていた。過去に大学で教えていた頃、「タイムスリップは和製英語だよ」と何度か説明したような記憶がある。time slipと記せば立派な英語のような気がするものの、正しい英語表現は time travel。番組では過去に戻るなら、go back in time であり、未来に行くなら go forward in time と表現できると説いていた。
 私のこの歳になるともはや過去に戻りたいという気持ちはさらさらない。と言えば嘘になるか。時々そういうことを考えもする。人生のリセットができないことは承知していても。今のウクライナ情勢がやがてどういうことになるのか未来に行ければ見てみたい。いや、行くべき未来があればいいが、ひょっとして今の我々があると信じている未来など「消滅」しているのかもしれない。
 CNNの記事をネットで読んでいたら、アメリカの世界最大の資産運用会社の代表が今回のウクライナ危機でいわゆる世界の「グローバリゼーション」(globalization)の時代は終焉したと論じていた。その先にどういう時代が到来するのだろう。中露対欧米日の激しい対立の時代となるのか。アジアの国々、特にインドはどう出るのか。中南米は、中東、アフリカの国々はどちらにつくのか。まあ、夢のない息のつまるような時代に思える。

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