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好事魔多し

  • 2017-03-12 (Sun) 11:09
  • 総合

20170312-1489284585.jpg 宮崎から鹿児島を経由して帰福した。鹿児島・南大隅町ではほぼ2年ぶりに再会した地元の人たちと歓談した。普段控えている酒(焼酎)を2夜にわたってたっぷり頂いた。
 当初の目的は辺塚という地区にある稲尾岳神社に恒例の参拝の山登りをすることだった。新聞社勤務時代の取材が縁となり、毎年のように参拝していたが、ここ数年遠ざかっていた。それで今年こそはと満を持して足を運んだのだが、残念ながら、肝心の参拝は連絡の不手際で前週に終わっていた。残念! また来年再挑戦しよう。
 辺塚地区を旧知のTさんの車で走っていて驚いたことが一つ。猿の群れが住宅地のそばにある田畑を我が物顔で駆け回っていたことだ。佐多岬の周辺で見かけたことはあるが、辺塚周辺では初めて。過疎の集落を見極めたかのように振る舞っていた。私の宮崎の故郷ではまだ山猿の群れを見ていない。時間の問題? 村起こし、地区起こしに使えないものか?
                  ◇
 久しぶりの痛飲とは関係ないかと思うが、どこかに油断があったのだろうか、福岡に戻って直ぐに体調を崩した。どうも風邪を引いたみたいだ。好事魔多し、とはよく言ったものだ。体温を測ると、36.7度。普通の人には平熱に過ぎないかもしれないが、平熱が35.7度の身にはこの1度の差はきつい。本当なら病院に駆け込むべきだったが、何となく尻込みしてしまい、まあ寝てれば直るだろうと見くびったのがいけなかった。
 翌朝に体温が37.7度に上昇。トイレに立つ時、軽い悪寒がした。急いで薬局に走り、風邪薬を買い求めた。この期に及んでも病院に向かわないのが情けない。早く熱を下げないことには仕事にならない。これから新学期の授業の準備を本格化させようと思っているからだ。その前に済ませることが一つあった。これも大事な要件だった。
 その要件とは、これまで教えていた女子大の謝恩会。学生からメールが届き、ぜひ参加してくださいと誘われていた。私はこの大学で4年間、教えてきたが、謝恩会の声がかかったのは初めて。ぜひ、参加しなくてはと思い、今では着ることが皆無に近いスーツをクリーニングにも出していた。革靴も新たに買い求め、準備万端と思っていた矢先の発熱! 前日になっても熱が引かない。唯一の救いは食欲までは失せていないことだった。
 それでしっかり食べ、薬を飲み、寝ることに専念した。謝恩会当日の朝。まだ熱が引かないが、何とかなりそうだ。それで会場に向かった。初めて会った先生方やこの日卒業式を終えたばかりの学生たちと楽しく歓談した。私は週1、2回の授業を担当した非常勤講師に過ぎなく、しかもこの一年間は彼女たちとの授業はなかったので、正直言って、顔と名前が一致する学生は数える程度。それでも、結構顔は見覚えがあるし、名前を聞けば、記憶には残っている。「先生、私のこと覚えていますか?」とか「先生、〇〇の近くに住んでませんか。何回か、先生が歩いているところを見ましたよ」などと言われた。今、このブログを書いていて、思い出した顔もある。平熱だったらもう少しましな対応ができたかも?
 帰宅後、学生たちからもらった花束を花瓶に入れて、芳香を楽しんでいる。花瓶に花を挿すのは随分久しぶりだ。いかに潤いのない暮らしをしているか露呈しているようなものだ。ともあれ、彼女たちの人生に幸あれ、と心から願う。

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