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"big league, bigger league"

  • 2017-01-22 (Sun) 20:24
  • 総合

 アメリカに遂にトランプ大統領が誕生した。現実を粛々と受け入れるしかない。アメリカ国民の選択だ。ヒラリー氏が投票総数では最終的に300万票近い得票差をつけていたこともやがて歴史の脚注(footnote)として扱われる程度のものとなるのだろう。
 新大統領が就任演説で何を語るのかぐらいは生で聞いておこうと、夜更かしして就任式典の様子を米CNNと英BBCの間を「往復」しながらテレビで見た。残念ながら彼の演説は一言で言って夜更かしする価値はなかった。後でビデオでも見れば十分だったと感じた。レトリックだけ。それも何の新味もないつまらないスピーチだった。あれを聞いて感動した人が果たしているのだろうか。いや、始めから彼のスピーチにいくばくかでも期待した方が無茶だったと言うべきだったかもしれない。そういう意味では逆に予想を裏切らないトランプ氏らしい大衆受けだけを狙った陳腐な演説だった。
 トランプ氏が口にする英語表現のレベルの低さは欧米メディアでも手厳しく評されてきた。読売新聞でも彼の英語の文法はアメリカの「小学6年生レベル」と見なされている、と報じた記事を読んだばかり。過去には次のような記事を目にしたこともある。Whether it’s buildings or walls or deportations, Donald Trump likes largeness. When describing scale, he’s given to an odd descriptor: To the untrained ear, it sounds like “bigly.” But, as NPR and others have noted, it’s not: At a weekend event in Virginia Beach, he said that he would “cut taxes big league, cut regulations even bigger league.”
 トランプ大統領が好んで使う英語の特徴の一つは他ではあまり見ない独特の表現法。上記の記事で言えば、「税金を大幅に減税する」と言いたい時に big league という表現を使っている。私は初めてこの表現を耳にした時、bigly と聞こえ、変わった英語を使うなあと思った。後になって big league だと知った。そうか、メジャーリーグ(大リーグ)並に大きくやってのける、という意味なのだと。
 私は大学の授業で学生に「トランプ氏の英語を手本にすることを薦めることはできないが、反面教師として考えれば逆に参考になるかもしれない」と話している。「反面教師」はネットで調べると、negative exemplar という語が出てきた。これも調べていて初めて知ったことだが、「反面教師」という語は第二次大戦後に中国から伝来した外来語だとか。「本家」の中国語では「反面教員」(fǎnmiàn jiàoyuán)と呼ぶらしい。
 トランプ大統領は就任早々、選挙戦を通じて敵対関係にある主要メディアを責め立てている。俺様の就任式典に大勢の人々が集ったが、お前さんたちメディアはそれをあまりに過少に報道していると。しかしながら、2009年のオバマ前大統領の就任式典と比較した写真を見ると、トランプ氏の就任式典に集った人々の数が格段に少ないことは一目瞭然。それに比べ、就任式典の翌日に全米各地で催された女性の地位向上を求めたデモ行進は凄い熱気に包まれたようだ。就任式典翌日という前例のないデモ行進が盛り上がったのは言わずもがなトランプ氏への異議申し立ての意味合いがあったことは間違いない。
 トランプ氏がこれから「4年間もつか」という賭けがあったとしたら、私は絶対にもたないという方に賭けるだろう。あ、いけない、私はギャンブルから一切足を洗ったのだった。

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