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“The Mousetrap” を読む

  • 2022-09-02 (Fri) 11:17
  • 総合

 当分は大好きな焼酎を控えることを何となく決意した。ぼんやりとした決意だからたまには軽く一杯やることもあるかもしれないが、まあ、そういうことはまれだろう。飲まないと思えばそれはそれで実行できるのだから、私は根っからの飲み助ではないのだと思う。福岡には新聞社を辞めてからは親しい友人もおらず、飲む機会もほとんどないことも酒から距離を置くのに好都合だ。
 血糖値の問題を自覚して断酒とともに粗食をさらに心がけるようになって以来、夜半の喉の渇きを覚えることはなくなった。これまでは朝の起きがけに冷蔵庫の中の冷水を真っ先に欲しいと感じていたが、それもほとんどなくなった。ど素人の見立てだから怪しいかもしれないが、手遅れになる前に何とか道が見えたように感じている。
                  ◇
20220902-1662084986.jpg オンラインで実施している短篇小説を読む英語教室。受講生は少ないが、粘り強く続けている。講師の私が一番エンジョイしているかもしれない。興味深い作品をじっくり味わえ、その楽しさを受講生と分かち合える週末月2回の贅沢な時間。学生時代に尊敬する恩師と二人だけで英文学を読んだ講義を思い出す。不真面目な私はろくに予習というか作品を読むことをせず、出席していた。今から思えば、何ともったいない時間を過ごしていたことか、いや、貴重な時間を浪費していたことかと深く悔いる。
 オンライン英語教室では今月から、一風変わった作品を読むことにしている。暇な折にネットで検索していて偶然見つけた作品だ。この作品をネットで読めるとは思わなかった。それで急ぎ、プリントアウトしてみた。A4で両面印刷すると最後の頁が97頁と印字されていた。アガサ・クリスティ作の “The Mousetrap” という戯曲で、私は取り立てて彼女のファンではないが、ロンドン勤務時代にこの戯曲は何度も劇場に足を運んで観た。2012年にロンドンを再訪した時にも観た。コロナ禍が収束し、やがて訪英することがあったなら、おそらくまた足を運ぶと思う。
 そのためにも作品をこの際、じっくり味わってみたいと考えた。受講生もいつかロンドンを旅することがあるかもしれない。その時にこの作品を上演している劇場に足を運ぶ楽しみともなれば幸い。アガサ・クリスティの作品だから当然のことだろうが、非常によく出来た作品なのだ。
 “The Mousetrap” を上演しているのはウエストエンドの一角にあるセント・マーティンズ劇場で、初演がなんと1952年11月25日とか。世界で最も長い連続上演劇として知られている。日本の劇場ではせいぜい数か月、短いものだと三日程度で終了する公演が珍しくないが、足下にも及ばない息の長さか。当然、登場人物には複数の代役が控えているのだろう。私は2012年の再訪時に綴ったブログで “The Mousetrap” にも触れている。以下のサイト(http://www.kankanbou.com/ireland/item_233.html)で紹介している。
 これから作品をゆっくり読み進めるが、内容やセリフのやりとりをどれぐらい覚えているか楽しみだ。もっとも前回のブログで書いたように “Forgetfulness is essential to moving on.” だから大半はきれいさっぱり忘れている可能性大か。

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