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『左川ちか全集』(島田龍編)を2022年に刊行します。

10代で海外モダニズム文学の翻訳者として出発、萩原朔太郎や西脇順三郎らに激賞された現代詩の先駆者、左川ちか初の全集を来年刊行します。

叙情性を否定した硬質の文体とコラージュされた言語感覚が特徴。

本書には左川ちかの全ての詩・散文・書簡とともに、J・ジョイス、V・ウルフ、ミナ・ロイなど翻訳史上重要な20余篇の詩文を初めて一挙収録。

編者による充実の年譜・解題・解説を付す。日本近代詩の伝統から遠く極北に屹立する左川ちかの創作と翻訳の全貌が本書によって明らかになります。2022年刊行予定。

 

「web侃づめ」の連載「左川ちかをさがして」(島田龍)は2022年1月開始予定です。

 

【著者プロフィール】

左川ちか(さがわ・ちか)

詩人・翻訳家。1911年生まれ。北海道余市町出身。10代で翻訳家としてデビュー。J・ジョイス、V・ウルフなど、詩・小説・評論の翻訳を残す。1930年に詩壇に登場。伊藤整、北園克衛、西脇順三郎らに高く評価される。『詩と詩論』『椎の木』などで活躍した。将来を嘱望されたが24歳で亡くなる。海外での評価が先行し、国内では幻の詩人として長く神話化されてきた。

【編者プロフィール】

島田龍(しまだ・りゅう)

立命館大学人文科学研究所研究員。専門は中世~近現代における日本文化史・文学史。近年は左川ちかと伊藤整文学に関する研究を進めている。論考に「左川ちか研究史論──附左川ちか関連文献目録増補版」「海の詩人 伊藤整と左川ちか──「海の捨児」から「海の天使」へ」「左川ちか年譜稿」など。