書籍

『ねむりたりない』 櫻井朋子

新鋭短歌シリーズ57
『ねむりたりない』
櫻井朋子
監修:東 直子

四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-490-1 C0092

幻の心臓が鳴りやまない
燃えやすくて凍りやすい感情に居場所を与える。
今ここに生きるために。未来を確かめるために。
────東 直子​

 

【著者プロフィール】 
櫻井朋子(さくらい・ともこ)
1992年生まれ。
2017年、新聞歌壇に投稿を始める。
同年、東京歌壇(東京新聞・東直子選歌欄)年間賞。

【5首】
母さんの自作だったと後に知るお伽話で燃えていた町
くるぶしは小さな果実 夕闇に熟れゆくきみを起こせずにいる
あの女も使ったかなぁ出汁巻のうずに差し込む基礎体温計
一歩ずつ脱ぎ捨てていくサンダルのごときクリップ海に焦がれて
枯れるのも咲くのも花の意志ならばわたしの体はだれの福音


新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

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