書籍

『工場』 奥村知世

新鋭短歌シリーズ54
『工場』
奥村知世
監修:藤島秀憲

四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-469-7 C0092

 

第28回日本歌人クラブ新人賞受賞!!

 

知性を持った感情が生み出す言葉は強く、やさしい。
そっと鷲摑みされた工場と家庭の現場。
「心の花」から今、二人目の石川不二子が生まれた。
────藤島秀憲

 

【著者プロフィール】 
奥村知世(おくむら・ともよ)
2015年より短歌結社「心の花」に所属。第29回歌壇賞次席。第2回群黎賞受賞。
Twitter @Leo_Tomoyo


【5首】
女でも背中に腰に汗をかくごまかしきかぬ作業着の色
実験室の壁にこぶしの跡があり悔しい時にそっと重ねる
鈍色のスクリューパーツをひとつずつブラシでこする子の歯のように
夕暮れの砂場を掘れば少しずつ獣の手足になる息子たち
教材として触られてカブトムシ脚を一本どこかに落とす
 

新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

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