書籍

『鍵盤のことば』伊豆みつ

新鋭短歌シリーズ52
『鍵盤のことば』
伊豆みつ

監修:黒瀬珂瀾
四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-467-3 C0092
 

夜明けが、雨が、そして音楽が――言葉になる瞬間を見に行こう。
〈あなた〉と深く、指をからめて。

────黒瀬珂瀾

 

【著者プロフィール】 
伊豆みつ(いづ・みつ)
石川県生まれ。上智大学文学部国文学科卒業。2014 年、未来短歌会に入会。黒瀬珂瀾に師事。


【5首】
あなただれ、黄昏。おまへだれ、雪崩。浮世草子をうしろから読む
言葉なるもののからだに棲むかぎり祈りの部屋は保たれてゐる
改札までつないでゐてねオクトーバー・フールと唱へてはだめですよ
つけまつげ冷たく濡れて街灯りはまばたきのたび更新される
鍵盤は押せば鳴るもの鍵盤は発語するのに適訳がない
 

新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

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