新鋭短歌シリーズ51
『ロマンチック・ラブ・イデオロギー』
手塚美楽
監修:東直子
四六、並製、144ページ
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-447-5 C0092 2刷
自由も不自由も踏み歩く
誰にも気付かれないように封じ込めた自分自身への供花。
それが手塚にとっての歌なのだろう。
────東直子
東京も、世界も、57577も。
この娘には、狭すぎるのだろう。
瑞々しくはみ出る才能に、
私の狭い心は敗北感を覚えた。
────リリー・フランキー
【著者プロフィール】
手塚美楽(てづか・みら)
2000年生まれ。武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科在学中。美学校「現代アートの勝手口」修了予定。
高校生の頃、「ダ・ヴィンチ」の「短歌ください」(穂村弘選)に投稿を始め、大学に進学しフリーペーパー「POV」に短歌を寄稿する。
短歌ZINE「怠惰ふつつか排他的」「Blue Summer Nights」を自主制作、配布中。Twitter @TANEofKAKI
【5首】
家出少女みたいな謎のメンタリティ2人でいると文字化けしそうだ
あやかさきまゆみみきみほ道の駅から逃げるスタンプにされないように
まだ寝てる?運命の人、聞こえてる?
今桜上水だけどなんかいる?
観光地の変なかたちのラブホテルで燃やしてみたい昔の洋服
永遠にひとつになれないわたしたち
ほんとうは甲殻アレルギー!
新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。