書籍

『しんくわ』 しんくわ

新鋭短歌シリーズ32
『しんくわ』
しんくわ
監修:加藤治郎

四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-243-3 C0092

装画 唐崎昭子

笑ったらいいと思う。
第3回歌葉新人賞受賞作
「卓球短歌カットマン」収録
(加藤 治郎)

 

【自選短歌5首】
海賊のような髪型をとりあえずなんとかするため 投げ上げサービス
シャツに触れる乳首が痛く、男子として男子として泣いてしまいそうだ
真っ白な東京タワーの夢をみた 今年は寒くなればいいのに
ぬばたまの夜のプールの水中で靴下を脱ぐ 童貞だった
我々は並んで帰る (エロ本の立ち読みであれ五人並んでだ)

 

新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

http://www.shintanka.com/shin-ei/

「日本経済新聞」2020年2月20日 評者=山田航さん
《リアルタイムの短歌に関心を持ったきっかけは、新聞の現代短歌紹介の連載で取り上げられていた、しんくわ「卓球短歌カットマン」という作品だった。〔……〕最初は読むだけだったが、次第に自分でも短歌を作ってみるようになった。発表の場は、当時流行りだしたmixi。歌会のコミュニティに参加して互いに点を入れながらわいわいやっていたが、そこにしんくわが、たまーにふらっと歌を投下していった。そのたびに高得点をかっさらっていくので、「かっこいい・・・・・・」と思っていた。しんくわはあの頃の僕のヒーローだった》