書籍

『同じ白さで雪は降りくる』 中畑智江

新鋭短歌シリーズ15
『同じ白さで雪は降りくる』
中畑智江
監修:大塚寅彦

四六、並製、144ページ 定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-159-7 C0092

「うつつ」を超える「ゆめ」

わたくしが〈私〉という荷を背負うときそれも一つの旅のはじまり

中畑智江はこの歌集で歌人としての〈私〉を背負ったのである。
旅は始まった。               
大塚寅彦

2014年9月中旬全国書店にて発売。

【著者プロフィール】
中畑 智江(なかはた・ともえ)
1971年生まれ 愛知県蒲郡市出身/在住1994年 南山大学 文学部英語学英文学科卒1996年 短歌をはじめる2008年 中部短歌会に入会 2009年~2012年 中部短歌会新人賞受賞 第21回 第23回 歌壇賞候補 第28回 現代短歌評論賞候補 第57回 第58回 角川短歌賞佳作2012年、第五回中城ふみ子賞受賞

【5首】​
まだ青きトマトの皮をむくような衣更えする初夏の雨ふり
レタスからレタス生まれているような心地で剝がす朝のレタスを
表札にとんぼ止まれば照りつつもこの家の姓に影を落とせり
南国の木の実でできたお茶碗がわたしの離島のように在る午後
数えられないもの数多あふれたるこの世それらを数えるこの世
 

新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。

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