書籍

『かたすみさがし』 田中ましろ

新鋭短歌シリーズ8
『かたすみさがし』
田中ましろ
監修:東 直子

四六、並製、144ページ 
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-126-9 C0092

しなやかな抒情
世界の片隅で様々な工夫をこらしながら
新たな挑戦を続けていくことだろう。
東 直子

2013年10月上旬全国書店にて発売。

【著者プロフィール】
田中ましろ(たなか・ましろ)

1980年生まれ。大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻修了。コピーライター、CMプランナー。2009年、短歌を始める。「夜はぷちぷちケータイ短歌」への投稿や、「短歌サミット2009」、「名短」など短歌イベントの企画・運営協力を経て、2010年、短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」を創刊。短歌を広める活動に力を入れている。2012年、連作『告げられる冬』で短歌研究新人賞候補作に。2013年、「短歌男子」企画・制作。「かばん」所属。


【5首】
3階の窓から空に向け飛ばす輪ゴム 神さま僕はここだよ
群れるときわたしは消える図書館の深くに史書の眠るみたいに
春の日に手を振っている向かい合うことは誰かに背を向けること
ストライク投げても受け止めないくせにミットかまえて「恋」なんて言う
いおうええあえいああいと舌の無い口に背中を押されて帰路は