書籍

『予言』 鈴木ちはね

『予言』
鈴木ちはね

A5判変形、並製、160ページ
定価:本体1900円+税
ISBN978-4-86385-404-8 C0092

装画:川勝徳重

栞:大森静佳、染野太朗、永井祐、野口あや子、長嶋有

第二回笹井宏之賞大賞受賞!

「アイロニーの強度、「平成」を象徴する固有名詞の出し方、パロディの力など総じて魅力的で、短歌連作の可能性を図太く押し広げている。その押し広げ方の、慎重さと大胆さにただならぬものを感じるのだ」(大森静佳)

「ラフなたたずまいを保ちつつ、その実言葉のすみずみにまで神経が行き届いた歌集だと思う。魅力が尽きない」(染野太朗)

「短歌というゲームの上手なプレイヤーという以上の、短歌と世界について自分の頭で考えられる作り手であることをわたしはとても貴重に思う。それができるというだけできっと、100点満点でいって300点なのだ」(永井祐)

「作者の手でピロンと日常が膨らみ、消え、反転する。言葉ができる言葉の一番ミニマムな魔法。その降りしきる様をただ楽しめばいい」(野口あや子)

「奥深くも浅くも様々なものをみせてくれそうで(安直な言葉だが)今後が楽しみだ」(長嶋有)

2020年8月上旬全国書店にて発売予定。

 

【目次】

Ⅰ 予言/スイミング・スクール

Ⅱ 仮の橋/江の島2013/近景と遠景/全体重

Ⅲ 戸塚ヨットスクール開校四十周年/感情のために

Ⅳ 失業給付/ぷよぷよ(仮)

Ⅴ 河合塾の夜/道の駅/ずっと前

あとがき

 

【歌集より5首】

たいようが食べたいようと言いあえば遠くで夏が終わってしまう

ウォーリーをさがせ!を描いている人がウォーリーを描くタイミング いつ

堤防を上りつめたらでかい川が予言のように広がっていた

ザハ案のように水たまりの油膜 輝いていて見ていたくなる

品川の手前で起きてしばらくは夏の終わりの東京を見た

 

【栞】

「感情のために」の作者について  大森静佳

内側を生きる  染野太朗

鈴木ちはねは短歌で何をやっているのか  永井祐

短歌というテトリス  野口あや子

君がいない、いや、いた  長嶋有

 

【著者プロフィール】

鈴木ちはね(すずき・ちはね)

1990年早生まれ。東京都在住。2010年よりTwitter上で短歌を投稿しはじめる。2011年 より三上春海と同人サークル「稀風社」。2016年から山本まともと「天国歌会」運営。2018年に「失業給付」で第1回笹井宏之賞候補、2019年に「スイミング・スクール」で第2回笹井宏之賞大賞受賞。

書評

現代短歌新聞2020年11月号 評者=喜多昭夫さん

《「必要以上」を強いるものをやんわりと批判する。「必要以上」よりも「必要最低限」の方が生きやすくなることを、これらの歌は告げている》

本書初刷本文中に誤りがございました。初刷と第2版の交換を承っております。

http://www.kankanbou.com/news/archives/139