書籍

『モーヴ色のあめふる』 佐藤弓生

現代歌人シリーズ4
『モーヴ色のあめふる』
佐藤弓生

四六判変形、並製、160ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-187-0 C0092
装幀・写真(カバー) 毛利一枝 2刷

ふる雨にこころ打たるるよろこびを知らぬみずうみ皮膚をもたねば

たとえば斜めにふる雨に
ときには人のかなしみに
天体の冴えた光にふれるたび
生きることに恋をする。
祈りと官能の歌世界。

2015年7月上旬全国書店にて発売。

著者プロフィール

佐藤弓生(さとう・ゆみお)
1964年、石川県生まれ。
2001年、第47回角川短歌賞受賞。
著書に歌集『世界が海におおわれるまで』『眼鏡屋は夕ぐれのため』『薄い街』、
詩集『新集 月的現象』『アクリリックサマー』、
掌編集『うたう百物語』
共著に『怪談短歌入門』『子ども歌人になる! 短歌はこうつくる』などがある。
歌人集団「かばん」会員。

目次

百年の間こうして          
 あづみ野  
 なんきんまめをかたみにふくみ  
 円 卓  
 顔  
 水の父  
 あだし野  
 雪の中のオレンジ  
 冬へ深紅を

『夢、十夜』より           
 第五夜  
 第七夜

ある四月の記録           
 ある四月の記録  
 葉 身  
 階 段
 蠅  
 封筒の中のナイフ  
 薄暮八景 田中流さんの風景写真によせて
 凍 蝶  
 そ ら は る す  
 そして三月

月百首          

あとがき 

現代歌人シリーズ

現代短歌とは何か。前衛短歌を継走するニューウェーブからポスト・ニューウェーブ、さらに、まだ名づけられていない世代まで、現代短歌は確かに生き続けている。彼らはいま、何を考え、どこに向かおうとしているのか……。このシリーズは、縁あって出会った現代歌人による「詩歌の未来」のための饗宴である。

現代歌人シリーズホームページ:http://www.shintanka.com/gendai

書評

「ELLE」2021年2月号

《この歌集の「ある四月の記録」から「そして三月」までは、東日本大震災発生し後に詠まれた作品のようだ。心許なく寂しい今の気分にも合う歌がいくつもある》