現代歌人シリーズ2
『耳ふたひら』
松村由利子
四六判変形、並製、160ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-179-5 C0092
装幀・写真(カバー) 毛利一枝
耳ふたひら海へ流しにゆく月夜 鯨のうたを聞かせんとして
潮鳴りや降り注ぐ雨は
身体の深いところへと浸みこみ
やがて豊かな流れとなって
あふれ出す。
その響きに耳を澄ますとき
新しい歌が聞こえる。
2015年4月中旬全国書店にて発売。
著者プロフィール
松村由利子(まつむら・ゆりこ)
1960年福岡生まれ。朝日新聞、毎日新聞で記者として20年余働いた後、2006年からフリーランスに。
歌集『鳥女』『大女伝説』(葛原妙子賞受賞)など。
その他著書に『31文字のなかの科学』『子育てをうたう』など。
沖縄・石垣島に在住。
「かりん」所属。
Twitter: @yukoshka
ブログ:そらいろ短歌通信 松村由利子の自由帳
目次
Ⅰ
島時間
光と影
自由移民
停電の夜に
錆びてゆく
一回休み
TOKYO
秘祭
夜の舌
寒き魂
どこまでが春
Ⅱ
海への祈り
種子銀行
蝸牛神経
名を呼べば
石を孕む
水は巡る
夢の終わりの
鹿とザムザ
Ⅲ
寄留者
競馬日和
もう戻らない
天衣
悲は返すべし
雨待ちて
霖々と泣く
冷えゆく耳
あとがき
現代歌人シリーズ
現代短歌とは何か。前衛短歌を継走するニューウェーブからポスト・ニューウェーブ、さらに、まだ名づけられていない世代まで、現代短歌は確かに生き続けている。彼らはいま、何を考え、どこに向かおうとしているのか……。このシリーズは、縁あって出会った現代歌人による「詩歌の未来」のための饗宴である。
現代歌人シリーズホームページ:http://www.shintanka.com/gendai