書籍

『牧野植物園』渡辺松男

『牧野植物園』
渡辺松男


四六判、上製、192ページ
定価:本体2,300円+税
ISBN 978-4-86385-522-9 C0092

装丁 毛利一枝

 

閉ぢられてある鏡にて白鳥は漆黒の夜をわたりの途中


記憶を歌にする。
ますます研ぎ澄まされていく渡辺松男の歌は
限りなく清明で美しく生命溢れる。


2022年6月発売予定。

 

【収録歌より】

土佐の牧野植物園へ飛ばしたり日差しとなりてわたしのからだ

団子虫のやうなる涙吊るすときここから俺は号泣をする

皺くちやの細目の奥のかなしみのその奥のおく虚空燦燦
 

 

【著者プロフィール】

渡辺松男(わたなべ・まつお)

1955年、群馬県伊勢崎市生まれ。前橋高校を経て東京大学文学部卒。
歌集に『寒気氾濫』『泡宇宙の蛙』『歩く仏像』『けやき少年』『〈空き部屋〉』『自転車の籠の豚』『蝶』『きなげつの魚』『雨る』。
句集に『隕石』。​
現代歌人協会賞、ながらみ現代短歌賞、寺山修司短歌賞、迢空賞を受賞。
「歌林の会」会員。

書評・掲載情報

朝日新聞(7/24)
《筋萎縮性側索硬化症を患いながら歌を紡ぐ著者の第10歌集。》

毎日新聞(7/27)「うたは奏でる」 評者=染野太朗さん
《時空をかるがると超越する自在さは、例えば思慕の類いにも、個性的な輪郭を与える。ここには激しさと達観のかなしい両立が見てとれる》

読売新聞(8/6)「短歌とことば」 評者=梶原さい子さん

《松男ワールドともいうべき感官の世界を、読み手は味わうことができる》

週刊新潮8月11・18日号「新々句歌歳時記」 評者=俵万智さん

〈みんなちがつてみんないいけどみな急ぐスクランブル交差点が日溜りなのに〉