書籍

『Lilith』 川野芽生

『Lilith』
川野芽生

四六判、上製、168ページ
定価:本体2000円+税
ISBN978-4-86385-419-2 C0092

装丁:柳川貴代

栞文:石川美南、佐藤弓生、水原紫苑

第65回現代歌人協会賞受賞!!

第29回歌壇賞を受賞し、幻想小説も発表する著者の鮮烈な第一歌集。

 

叙情の品格、少女神の孤独。端正な古語をもって紡ぎ出される清新の青。

川野芽生の若さは不思議だ、何度も転生した記憶があるのに違いない。

──────山尾悠子

 

2020年9月全国書店にて発売。

 

【収録歌より】

アヴァロンへアーサー王をいくたびも送る風あり千の叙事詩に

天上に竜ゆるりると老ゆる冬われらに白き鱗(いろくづ)は降る

harassとは猟犬をけしかける声 その鹿がつかれはてて死ぬまで

ほんたうはひとりでたべて内庭をひとりで去つていつた エヴァは

詩はあなたを花にたぐへて摘みにくる 野を這ふはくらき落陽の指

 

【著者プロフィール】
川野芽生(かわの・めぐみ)

1991年、神奈川県生まれ。2010年、東京大学に入学。東京大学本郷短歌会に入会、作歌を始める。2014年、短歌同人誌「穀物」結成。2015年、「怪獣歌会」結成。 2017年、本郷短歌会解散。2018年、「Lilith」30首により第29回歌壇賞受賞。現在、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程在籍中。小説作品に「白昼夢通信」(『Genesis 白昼夢通信』東京創元社、2019年)がある。

掲載情報

東京新聞(10月16日)

《端正な文語で独特の純粋な形而上学が歌われる。(……)硬質な美意識は猥雑な時代への告発でもあるのだ》

読売新聞(10月24日)「四季」 評者=長谷川櫂さん

現代詩手帖(2020年11月号) 評者=井上法子さん

《ひときわ美しい装幀の歌集が、書肆侃侃房より刊行されました。(……)敢えて「あるじ」を置くことで、自らを弁証法のうちに置きなおした氏の潔さに、すっかり打ちのめされてしまった》

週刊新潮(11月5日号) 評者=俵万智さん

《世の中にはこんな関係が溢れていて、そして見過ごされている》

未来(2020年12月号) 評者=山崎聡子さん

《川野もまさに「透明なわたし」を志向して、ことばの力だけで世界を構築しようとしている作者の一人だろう(……)ここには世界の不均衡に対する告発と闘争の意思がありありと浮かぶ。自らウェルギリスとなって地獄の扉を開き、魔女を焼く炎のなかに身を差し入れさせるものは、現実世界の痛みであり怒りだろう》