書籍

『帰りたい庭』鍋島幹夫

『帰りたい庭』
鍋島幹夫


四六判、上製、160 ページ
定価:本体 2,000 円 + 税
ISBN978-4-86385-528-1 C0092
 
H氏賞詩人、鍋島幹夫幻の第四詩集

白い山が動いた
砂の柱が歩いた
動けなかった
夏の日の正午
だれもいない檻の前で

熱い乳を捨てに行く
乳は谷を白く染めた
じっと見ていた
熱い熱い夏の日
水の中を動く犀

2022年7月下旬刊行予定

【著者プロフィール】

鍋島幹夫(なべしま・みきお)

1947年、福岡県八女市黒木町生まれ。
大学では、英文学専攻。19世紀の怪奇小説に傾倒。米文学では、フォークナーを特に好んだ。神奈川県大和市の教員として7年間を過ごし、地元に戻る。 地元の小学校教員として勤務。小学校長を定年退職し。2007年より梅光学院大学で学生に現代詩や日本語表現について教える。
2011年1月に病を得て闘病するも2011年7月20日に永眠。享年64歳。