詩集 ヴァージン・キラー
サラ・カイリイ
四六判、並製、144ページ
定価:本体2000円+税
ISBN978-4-86385-480-2 C0092
嚙んでと囁く 吐息が返ってくる
あなたほどうつくしい男はいない
外は雨です
流された紙幣の切れ端は少しずつ
世界のくびれにたまっていく
結婚生活に没頭して、二十代後半は詩を発表していなかったが、三十になった頃再び活動を再開した。これまでに私家版で三冊詩集を出し、主宰同人誌も出した。私家版では弱いと思っていた。
ちゃんと出版という形をとりたかった。
これはわたしのある意味第一詩集である。世間では処女詩集と呼ばれるかもしれない。しかしわたしは処女云々と言われるのが、大嫌いである。そのため自ら処女を喰ってやろうと決めた。
(あとがきより)
【著者プロフィール】
サラ・カイリイ
1986年福岡県出身、在住。既刊私家版詩集「リードマイリップス」(福岡市文芸賞)、「コロンビーナの口紅」(福岡県詩人賞)、「メリーカゴシマ」。主宰同人誌「ファルス」。詩誌「侃侃」同人。福岡県詩人会会員。詩の会cross主宰。