書籍

ねむらない樹 vol.10

短歌ムック
ねむらない樹 vol.10

A5、並製、272ページ

定価:本体1,500円+税

ISBN978-4-86385-562-5 C0492

装幀:成原亜美 装画:東直子

 

ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす(笹井宏之)

特集=第5回笹井宏之賞発表/15年目の笹井宏之

 

【特集1 第5回笹井宏之賞発表】

◎大賞       
左沢森「似た気持ち」、瀬口真司「パーチ」

◎大森静佳賞    
中村育「風は吹く、無数の朝」

◎染野太朗賞    
手取川由紀「羽化のメソッド」

◎永井祐賞     
野川りく「遡上 あるいは三人の女」

◎野口あや子賞   
八重樫拓也「晩年」

◎Moment Joon賞  
橙田千尋「Liminal」

◎選考座談会 
大森静佳×染野太朗×永井祐×野口あや子×Moment Joon

最終選考候補作

 

【特集2 15年目の笹井宏之】

第一歌集『ひとさらい』が2008年に刊行されてから15年。彗星のように短歌の世界に登場し、26歳で生涯を終えた歌人笹井宏之。作歌期間は4年半しかなかったが、その間に数々のみずみずしい歌を遺した。没後10年となる2019年には笹井宏之賞が創設され、短歌の登竜門となっている。10号の節目にいま一度彼の足跡を追う、全130ページの大特集。

 

◎座談会「笹井宏之という歌人の自由さとは何だったのか」

穂村弘×東直子×土岐友浩

 

◎インタビュー

筒井孝司・和子

「音楽と短歌、そして仲間に支えられた日々」

 

◎論考

瀬戸夏子「名づけられないままに象徴となってしまうこと」 

山田航「ゼロ年代文化の中の笹井宏之」

江戸雪「はっさくになりなさい──『ひとさらい』再読」

 

◎エッセイ

宇都宮敦「「ちかく」の〈やかん〉と「とおく」の〈公務〉」 

伊藤一彦「笹井さんと言葉」 

荻原裕幸「ひろゆきの名を」 

吉川宏志「『ひとさらい』評釈の試み」

斉藤斎藤「俺の勝手」 

しんくわ「碗琴」 

生田亜々子「純粋ファンです」 

今泉洋子「笹井宏之さんとの思い出を辿って」

森戸孝子「あなたへ伝えたいこと、そしてつないでほしいこと」 

平原奈央子「内なる宇宙と現実の汽水域」 

須藤歩実「笹井宏之と彼を支えた仲間たち」 

森山希代子「ふるさと、家族の懐に育まれて」

 

◎アンケート 私の好きな三首

笹公人「40歳の笹井宏之」 

戸田響子「渇望の記憶」 

伊舎堂仁「むだづかい」 

橋爪志保「ぜいたくな力」 

水野葵以「雨と月とワームホール」 

笹川諒「言葉の世界による救済」

 

◎未発表作品

短歌50首(加藤治郎選)

詩13篇(「ぽろぽろ」「どこかの交差点で」「オレンジ」「眠れない夜」「祈り」「夢見る雨上がり」「しるし」「こんな世界でも」「言葉を書こう」「まぶた」「夢」「どこかに」「あなたへの両手」)

俳句/川柳20句(編集部選)

エッセイ「ことばは雨のようだ」「夏の匂い」

小説「水葬の街」

 

◎詩

筒井孝徳「長い沈黙」

 

【特集3 2022年の収穫アンケート】

水原紫苑 枡野浩一 千葉聡 藪内亮輔

石川美南 尾崎まゆみ 松村正直

 

【作品20首】

toron*「エンドユーザー」

木下侑介「ヘッドホン・トラックス」

佐々木朔「Rain rader」

帷子つらね「cue (all about a fiction)」

田村穂隆「玉眼」

佐藤弓生「ささがにの」 

魚村晋太郎「天職」

奥田亡羊「俗武者」

石井僚一「○」

 

【巻頭表現】

大白小蟹

 

【特別掲載】

涌田悠「生まれ続ける未知のよろこび──『千年とハッ』創作レポート」

金子冬実「しずくひとつ、取りさった幸福──葛原妙子の文箱から」

 

【書評】

山下翔「変われないもの」……『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』(山田航)

山崎聡子「恍惚として、うたを」……『山中智恵子歌集』(水原紫苑編)

渡辺松男「カテゴライズからの自由」……『ヘクタール』(大森静佳)

奥村知世「美と不穏」……『ゴダールの悪夢』(尾崎まゆみ)

千葉聡「驚かされました」……『海辺のローラーコースター』(加藤治郎)

井上法子「わたしたちのまわりは、」……『オールアラウンドユー』(木下龍也)

小野田光「言葉にする静かな楽しさ」……『うすがみの銀河』(鈴木加成太)

久石ソナ「映画のような日常を暮らす」……『永遠よりも少し短い日常』(荻原裕幸)

黒瀬珂瀾「忘れものというたまもの。」……『岡井隆の忘れもの』(岡井隆)

西村曜「適当な距離」……『アップライト』(鯨井可菜子)

大井学「謎と問い」……『memorabilia/drift』(中島裕介)

虫武一俊「人生という瞬間」……『weathercocks』(廣野翔一)

 

【歌人の一週間】

伊豆みつ 手塚美楽 廣野翔一 谷川電話

 

【忘れがたい歌人・歌書】

林和清「四倍(クアドラプル)になる世界」

 

【文鳥は一本脚で夢をみる⑩】

梅﨑実奈「いにしえを背負う者」

 

【ねむらない短歌時評⑩】

寺井龍哉「時にはむかしの話を」

 

【短歌に近づく⑤】

細馬宏通「ひらかなの激情」

 

【読者投稿欄】

選者=内山晶太、花山周子

(テーマ:「電」もしくは自由)

 

2023年2月下旬に全国書店にて発売予定。